★★セーリングの実際★★


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●セーリング・ディンギーやセーリング・クルーザーの基本は海や湖を走る船ですので、一部の艇種を除いてはフラット(ヒールや前後トリムがない状態)に走るのが、造波抵抗も少なく速く走ることが出来ます。又、傷や変形又は付着物があるとそこから渦を発生し、船尾波となって造波抵抗を増すこととなるので、取り扱いやメンテナンスには慎重にします。

●セーリングディンギーとセーリングクルーザーとの大きな違いを挙げると、セーリングクルーザーは風に合わせて縮帆(リーフ)又は交換が出来ることです。対して、セーリングディンギーの場合は基本的には一枚又は一セットの決められたセールで全ての風を乗りこなさなければならないので、風に応じたセールの調節や乗り方が必要となります。

●セーリングの場合、一般の船と同様に決定の権限はスキッパー(艇長)にありますが、チームワークで協力して走らせますので、一緒に乗る人はクルー(乗員)であり、走らせる一員となりますので、乗る位置や動作のタイミングを的確に行えるように練習しましょう。

●初めて乗る時は、出来たらセーリングに慣れている人と同乗してクルーの役目を練習して、船の動きや風に合わせたセールの調節等が分かるようになってからスキッパーの練習をするのが上達の早道です。

●自然のパワーを利用するセーリングに慣れるには、基本に忠実に練習する事が前提ですが、セーリングに慣れる迄はベテラン・クラスの走り方を真似るのではなく、格好を優先せずにセーリングに慣れることが重要かと思います。
 例えば、スループ艇でスピンネーカーやトラピーズ装着艇であっても風によっては危険だと感じる場合(特に、トラピーズに慣れてなく、船の安定性を保てない等)は無理して使わずに走り、風圧で倒されて沈寸前になりながらもハイクアウトやセイル・コントロールによって耐えながら走り、セーリングに慣れることが大事で、セーリングに余裕がある時にスピンネーカーやトラピーズを使えるように練習する事が重要かと思います。
”一般にセーリングは楽しんで乗る事が基本で、命が縮むような乗り方は感心できません”

●乗り出すと言うことは大自然の中に入ることで、初心者もベテランも関係のない同じ条件下で走ることになるので、基本的なことはしっかり身に付けておきましょう。

●順風以上の風で乗る場合、スプレー(波しぶき)を常に頭からかぶることになるので、直接体に当たらないような装備の着用が必要となります。特に、外洋に面している場合はTシャッツと短パンで乗れるのは梅雨開けから土用波がたつまでの一時期と思ってください。その他、皮膚の弱い人はセーリング・グローブを使用し、履き物はスプレーを被って寒く感じるときはセーリング・ブーツを履き、以外は滑りにくいデッキシューズを履きます。

●気持ちがはやるあまり艤装の不備に気が付かずに乗り出すことがないようチェックし、乗り出した場合でも異常のある時は安全な場所で止め、直してから走り出しましょう。


●セーリング艇の場合、同乗者は全て走りに影響する同乗者となるので、初めて乗られる方も乗艇位置や動作によって走りに影響して来ます。又、安全性においても必要ですので、スキッパーは前もってセーリング状況に応じて座る位置や動作を説明しておきましょう。特に、セーリング・ディンギーの場合は同乗者がバランスを取らないと風によっては、スキッパーだけではバランスが取れなくなり、すぐに沈してしまいます。

●セーリングしている時に方向を指すときはアナログ時計で方向を指し、正面を12時、後方を6時、右舷90度を3時、左舷90度を9時にすると分かり易いです。、

●メガネ着用者への注意、船から落ちた時によく外れるのでベルトや鎖などのアクセサリーを付け、外れた場合でも紛失しないように事前の準備をしましょう。コンタクト・レンズは落とすと殆ど見つからないので使用しない方が賢明です。

☆タッキング #tacking

☆ウインド・アビーム #wind-abeam

☆ジャイビング #gybing

☆クォーター・リー #quarter-lee

☆クローズ・ホールド #close-hauled

☆ランニング #running

☆なみ舵 #wave-rudder

☆ウェアリング #wearing

☆基本的な舵の操作 #rudder

☆スキッパー(艇長)とクルー(乗員)の役割

”スキッパー”

  • セーリングディンギーの場合は、ヘルムスマン(舵取り)とメインセールのコントロールを受け持ちます。
  • クローズホールドの時は、セールに集中して舵を取り、帆走コースや周囲の確認等はクルーに任せます。シングルハンド艇(一般にキャットリグ艇)は、すべて一人で判断して走らせます。
  • その他、フリー帆走は目的地へ向けてまっすぐ走らせ、メインセールのトリム(調節)をします。
  • タッキングやジャイビングの時は、前もって声を掛け準備が出来たら船を回します。

 ”クルー”

  • おもに、ジブセールのトリム(調節)、センターボードの上げ下げ、艇のバランス(前後トリムやヒール)、帆走コースや周囲の確認をします。
  • スピンネーカーとトラピーズ装備艇は、クルーの腕次第で早くも遅くもなり、艇の安定した走りを担う重要な役目です。

セール表面を流れる、風の見方について
・一般に分かり易い方法としてテルテール(素材は毛糸やスピンクロス)をセール表面に張ったり(貼る位置は、ラフより20cm後方付近、カタマランのフルバテン使用のメインセールは中間付近です)小さい穴をあけて通して止める方法が行われています。又、リーチ・リボンと言って、メイン・セールのリーチに付けます。
・テルテールの見方について、クローズホールドからアビーム間(艇速によってはクォーターりー)では艇速や波の状態によって違ってきますが、基本的にはクローズホールドは風上側は斜め上に向くようにして、風下側を風と平行になるようにラダー又はセールで調節します(下図参照)。アビームやクォーターリーでは風上側と風下側ともに風と平行になるようにセールを調節します。
 両側ともテルテールが垂れている場合は艇が風下に向き過ぎ、又は、セールの引き込み過ぎです。テルテールが風に合う角度は僅かな角度なので、特に、クローズホールドで走っている時はテルテールの状態を常にチェックしながら走らせましょう。

テルテールの見方

ー風上側ー ー風下側ー
風上側のテルテール・イメージ 風下側のテルテール・イメージ

・以外の風下帆走(ランニング)について、テルテールは役に立たないのでサイド・ステーに付いている風見やマストトップの風見を見るようにします。

タッキング tacking 風上に向かって90度方向を変えることで、例えば、スターボードタックからポートタックへ、又は、この逆です。なお、実際にセーリングしている時は”タック”と呼びます。
・スキッパーのタッキング練習(反対側に移ってメインシートとティラー・エクステンションを同時に持ち換える)は、乗り出してからの練習ですと、船が揺れたり、持ち換えに時間が掛かると船が回転してしまいワイルド・ジャイブをしてパニックになるので、陸上でシュミレーションをして、しっかり身につけましょう。
・現在は二つの方式があり、従来からのオーソドックスな持ち換えとレースの時に有利な持ち換えがあります。
二つの方式のメリット、デメリットがあるので、下の表を参考にして下さい。
メイン・シートとティラー・エクステンションの持ち換え方法
メイン・シートとティラー・エクステンションの持ち換え方法・表ファイル
上記の表より何れかを選んで練習するようになりますが、選択に困るときは両方を練習してやり易い方を選び、慣れてきたらサイド・デッキに座っての持ち換えに一本化した方が有利かと思われます。但し、有利性を進めるあまり沈を繰り返すようでは楽しいセーリングとは言えないと思います。
・実際にセーリングしている時の反対側に移動するタイミングは、ティラーを押すと船が風上に向かいセールに風が入らなくなりバタバタとシバーした時、又は、ブームが船体中心近くに入って来た時、この瞬間が反対側に移動するタイミングです。その後、持ち換えをします。この一連の動作の中でティラーを真ん中に戻すタイミングは反対のタックになりセールに風が入った時に戻します。なお、メインシートとティラー・エクステンションの持ち変え動作の時、持ち変えの見通しが付かないままサイドデッキに座ってしまうと着用品に引っ掛かり舵が押された状態になり戻すことが出来ないので船が回転をし、焦る事となるので慣れるまでは反対側に移ったら(移る時は後ろ向きにならないように注意しましょう)前方方向を向いて立ち上がって持ち換えをしサイドデッキに座るようにしましょう。この時、船の揺れに慣れてなく、足腰の弱い人は足をすくわれたようになり、尻餅を付きますが、これも船の揺れに慣れる迄ですので、練習によって慣れるようにしましょう。
・タッキング動作中はスタートして終わるまでティラーは押した状態だと船は回転してしまいますので、タッキング動作の間も舵は操作しなければならないことは覚えておいて下さい。
 以下に、それぞれのタッキング動作を表示します。
工事中-画像・イメージ 工事中-画像・イメージ 工事中-画像・イメージ
☆カタマランのタッキング カタマランは幅が広いため、単胴艇に比べて回転半径が大きくなるので、タッキングに時間がかかります。
・クローズホールドで艇速が落ちない程度に出来るだけ上るように走り、タックの場所に来たらロールタック(舵を押しながら、風上のハルに体重を掛ける)をしながら船を回し、メインセールに風が入らなくなり、中央に入ってくるのを待ちます。中央に入ってきたらメイン・シートはトランポリンの真ん中付近に置き、舵を中央に戻しながら後ろ向きになりティラー・エクスティンションの持ち変え(右手←→左手)をします。なお、舵を中央に戻すタイミングは、メインセールが”バサッ”と音がしてポップ(セールが裏風を受けて裏返る)したときに中央に戻します。
・上記は順風程度の風の時で微風の場合は、反対側に移る動作を遅くし、艇が反対のタックになり走り出すくらいまで待ち、ティラー・エクスティンションの持ち変え動作をします。
・早くタッキングをやろうとして、大きく舵を切ると殆どの場合タッキング失敗となり、風上に向かって止まってしまうので注意しましょう。
・スループ艇の場合、タックの場所へ来たらタック用意とクルーに声を掛け、クルーはジブ・シートのクリートを外し直接手で調整しながらタックをしますが、ジブ・セールは逆ジブとしてバウを風下へ向けるように活用するので、ジブ・セールを反対舷に移すタイミングはメイン・セールが反対舷に移動し風が入った時点で移します。
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ジャイビング gybing 風下側に走っている時に、帆走コースを変えたい時や風の振れによりワイルド・ジャイブ(危険なジャイブ)になりそうな時に、故意にセールを反対舷に移します。実際にセーリングしている時は”ジャイブ”と呼びます。
・スキッパー及びクルーの動作はタッキングとほぼ同じですが、”ジャイブ”用意とクルーに声を掛けると同時にスキッパーもメインシートを50cmから1m程引いてメインシートが後端のガンネル等に引っ掛からないようにするのとセールが反対側に移りやすくした上で、ティラーを引きタッキングと同じように持ち換えをします。ジャイブが完了したらメインシートを引いた分すぐに戻します。
・実際にセーリングしている時の反対舷に移動するタイミングは、ブームの動作に合わせ、ブームの下をくぐり抜ける感じで反対舷に移り、スキッパーは持ち換えをします。
・タッキング動作と同様にジャイビング動作が完了するまで船は走っているので、舵の取り方に注意します。
・強風時のジャイブのタイミングは、艇速がトップスピードになるとセールに受ける風圧も低くなり風が弱くなったように感じますので、この時が”ジャイブ”のチャンスですので、ジャイブの用意をして思い切ってティラーを引き一気に反対側にセールを移します。この時、ホース・トラベラー方式のメインシートの場合、スターンのガンネルに引っかかり易いので前もってメインシートを50cmから1m程度引くか、又は、メインセールが反対側に移る瞬間に引いて再度戻す操作をします。

☆カタマランのジャイビング スペース13,14を対象にしています。動作はタッキングとほぼ同様です。

・ランニングやクォーター・リーで走っていて、ジャイブの場所へ来たら、舵を引き風下へ向け船を回します。舵を引いているとメインセールに風が入らなくなり同時に内側に入って来ますので、この時が反対側に移るタイミングですのでメインシートの持ち変え(右手←→左手)と同時に、メインセールがジャイブが終わった時点で舵は真ん中に戻します。
・強風時のジャイブは上記の普通艇と同様にタイミングを見計らって行います。強風時のメインセールの移動は、舵を引いていると風が入らなくなり一気に反対側に移動するので、この時、メインシートのブロックにパンチを受けないよう注意して下さい。
・ジャイブのあとクローズ・ホールドになる等、風上に走る場合に失速して止まる場合の対処方法は、前もってメイン・トラベラー・カーの位置を内側へ移動します。この時の移動の目安は以下の通りです。なお、メイン・セールが内側に入り過ぎる場合はメイン・シートを出来るだけ出して調節します。
  • 順風迄の場合;メイン・トラベラー・カーは中心へ止めます。
  • 強風の場合;メイン・トラベラー・カーは中心から15〜20cm離れた位置へ止めます。

クローズ・ホールド close-hauled 風上に対して、約45度で帆走している事を言います。
・セーリングの中では一番に技量の差が付く走りといえます。風は一定ではなく強弱を繰り返していたり、場所によっては風向が変わったりします。この様な風の変化に合わせて舵を取り、セールを調節し乗員がバランスを取って走らせます。
・初心者の時は風がつかめない為、思うように走れないのがこの走りです。風は見えないので、風見をたくさん付けることです。例えば、サイド・ステーやマスト下部やトップに、又は、セールにテルテール(素材は毛糸や市販のスピンクロス)をクリスマス・ツリーのようにたくさん付けて必要のない箇所をはずして行くと言ったやり方をします。
・動かない時とはどういった状態でしょうか、それは、メインセールを出しすぎていて、舵を押した状態になっています。この時の対処法は、真っ直ぐに走らせるように舵を真ん中にし、メインセールを引き込むと走り出します。又、微風の時にセールを引き込み過ぎると、風下側の風がセール表面に沿って流れなくなり揚力が出ない為に走らないと言ったこともあります。
・ジブ、メインセールの引き込みについて、スループ艇の場合は、ジブセールは艇体の内側へ一杯に引き込み、メインセールはジブセールによって方向を変えられた風に合わせ、バックウインドを受けない程度に調節します。
・舵はセールを中心に風に合わせて走らせます。風は一定ではなく強弱を繰り返していますので、風が強くなってヒールがきつくなったときは、より風上に上らせ(このような動作をラフィングといい、セーリング時は省略してラフといいます)、弱くなったら元の上り角度に戻します。ここで、ヘルム(船を真っ直ぐに走らせる為に、舵を真ん中に固定した時、風上に走って行く事をウエザーヘルムと言い、風下へ走って行く事をリーヘルムと言います)について説明をしておきます。
・セールの調節は風の強弱や水面の状態によって調節をします。風が弱く波もフッラトの時は、セールを浅くしてより風上へ上れるようにします。風が弱いながら波のある時は、波を突破できるようにメインセールを深めにします。強風の時でハイクアウトやトラピーズで起こしてもセールに受ける風を逃がさなければならないような状態の時、風は常に強弱を繰り返しているので、メインセールは弱い風に合わせ強くなったらラフィングをしてより風上に上らせ、弱くなったら元の上り角度に戻します。読んでいると矛盾している箇所も出てきますが、普段の走りの中で、その時のコンデションに合った調節をして効率のよい走りを見いだして下さい。
・キャットリグの場合、セイルを艇体幅より内側に引き込み、セイルにテルテールが付いている時はテルテールを、セイルにテルテールが付いていない場合はセイルのラフを見てラフの一部分が凹凸するように舵を操作します。
・クローズホールドの時、セイルに付いているテルテールやラフを見て舵を操作すると言うことは、常に上を見て走ることとなりますが、上を見て走るのが不安な場合はセイルの出す音により判断します。大まかな走りとなりますがセイルがバタバタしている時は上り過ぎているので舵を引き、セイルが皺もなくピーンとなっている時は風下に落とし過ぎているので舵を押して風上に向けます。このような走らせ方の場合、殆どが左右に大きく蛇行して走る事となるので、風向が一定している時は、風向とセイルが合った時点で正面(12時方向)の延長上に建物や山等がある場合はそれを目標にして、目標に向けまっすぐ走る練習をします。

ウインド・アビーム wind-abeam 風に対して直角に走り、セーリングの中では一番スピードが出て、楽しい走りといえます。
・順風以上になるとスピードの高低差により見掛けの風も激しく変化し、体重の移動が頻繁になり瞬発力も要求されます。特に、スピンネーカー・トラピーズ装備艇はクルーの力量が試される走りといえます。

クォーター・リー quarter-lee ウインド・アビームとランニングの間の走りで斜め後方から風を受けて走ります。最近、非対称スピンネーカー装備艇が多くなってきたこともあって、このコースを走るケースが多くなりました。
・非対称スピンネーカー装備艇以外の艇がこのコースを選ぶ例としては、順風以上の風の時、ランニングではプレーニングをしないが、このコースだとプレーニングを継続できる場合は、距離は長くても時間が短縮されるのでこのコースを走ります。又、波の高さ1m以上の時、ランニングよりはしにくい為に走ることが多いようです。

ランニング running 別名デッド・ランとも言い、走っていく目的地が風下の場合にこのコースを走ります。
・セールに風が当たる面積を最大になるように、各セールは真横に出します。
・スキッパーは常に風見を見て、風の方向に注意をしてワイルド・ジャイブにならないように舵を取ります。
・順風以下では、この走りは一見すると帆掛け船や木の葉が風上から風下へ自然と移動するのと同様に簡単ですが、強風になると左右にローリングしてスリリングな走りとなります。ローリングの対処法については”セーリングの原理”で説明しています。
・スピンネーカー装備艇は調節次第では比較的安定した走りが可能となります。微風の時は、メインセールのブランケットを受けないように出来るだけ風上の方へ展開します。強風の時は、風上側のスピンネーカーと風下側のメインセイルとの風圧バランスをとるように
スピンネーカー(一般に、スピンネーカーのセール面積はジブセールとメインセールをプラスした面積を持っています)を展開します。

なみ舵 wave−rudder 英語は直訳です。間違えていたらご指摘、よろしくお願いします。
・風上に向かって止まった後や桟橋等に舫っている時、前方から風に押されてバックするので、ラダーブレードの後端が向いている方へスターンが振れるので、これを利用して方向を変えます。この時セールを併用して、逆ジブ等によりバウを振ってやると更に効果的です。
なみ舵-画像・イメージ

ウェアリング wearing 
・クォーター・リーやランニングで帆走している時、ジャイブが不可能な状況の時、下図のように、風上に上って行ってタッキングをしてタック(ポート・タック←→スターボード・タック)を変えます
 
ウエアリング図・画像ファイル

基本的な舵の操作について rudder
◇一般にセーリング・ボートは順風以上になると、セーリング中に舵を真ん中(中立、又はニュートラル等と言います)に固定していると性能上や安全面において、風上に走って行き止まるのが普通です。なお、針路を維持する場合、舵が抵抗となってスピードに影響しないように小刻みに引いて真っ直ぐに走らせるようにしますが、このように舵を小刻みに引く動作をあて舵と言います。

◇クローズホールド以外をフリーと言っています。フリーは風上や風下へタックをしないでセイルの調節や舵の操作によって走れることを言います。但し、ランニングの時は風上には行けますが、風下には行けないのでジャイブをします。
 フリーの舵の取り方は、船を目標に真っ直ぐに向けるように舵を取り、セイルを風に合わせるようにメイン、ジブ・シート等で調節します。この時のテルテールやリーチリボンの見方は風にもよりますが基本的には全てが水平になびくようにします。

舵の取り方をまとめると、クローズホールドはセイル(スループの場合はジブ・セイルが基準となります)を見て舵を取り、フリー・セーリングは目標に真っ直ぐに走るように舵を取り、セイルを風に合わせて調節します。

<<<練習方法は、ここをクリック>>>


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