★ サバイバル・セーリング 


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●一般にセーリングの目的は、アウトドアー・スポーツの一部であり、レジャーやスポーツとして解放された自然に親しみながら、セーリングを楽しむものであって、手に負えない荒れた海へ好んで出て行く人はいないと思います。しかし、年間を通じて乗っていると、穏やかな日と思ってセーリングをしていて、風が強くなり、突風が吹いて来たと言った経験をする事もあります。


●不幸にして天候が急変しサバイバルな状態になった場合、最後の手段として救助を求めますが、シケた(荒れ模様)状態での救助艇も、普段の静かな水面とは違ってスピードを出せる状況ではないので、到着する迄に時間が掛かります。乗員や船体、マスト、セール、センターボード、ラダーが無事でさえあれば、その時点での状況により、如何に走れば戻れるかを判断して独力で戻ってくることも要求されます。

◆サバイバルになり、まともなセーリングが出来ない場合について◆
 ☆このような状況に陥ったら、既に、”調理前のまな板上の鯉”状態ですので覚悟を決めて冷静になりましょう。パニック状態ですと頭の中は真っ白になり何も判断できなくなります。船を風上に向けて止め、どうするかを判断しましょう。

<一時的に通過する前線>
・発達した雷雲やいきなり吹く突風の大部分は一過性の前線のようなものなので、殆どの場合は30分から1時間程で通過して前の状態に戻ります。

<その場に留まる場合や休む場合>
・船から絶対に離れないことは大原則です。船は何らかの原因で完全に水船になってもセーリング・ディンギーの場合は予備浮力体が入っているので沈む事はありません。

・一般の船は完沈(船底が上になり、デッキが下になる)した場合、うまく起こしても水船状態(時には水没する)で再び走ることは出来ないが、現在のセーリング・ディンギーの殆どが完沈しても再帆走できる構造になっているので、完沈してもチン起こしが出来る乗り手ならビックリするような事ではありません。沈起こしも練習の内と言われている程です。前ページのindex6-1.htmを参考にしてください。

・一般に沈した船は、沈まない場合は完沈の状態で浮いていますが、セーリング艇も例外ではなく完沈した場合、完沈の状態で安定しますので、普通に浮いている事が出来ない場合は水底にマストが刺さらない十分な水深がある時は、完沈の状態でセンターボードを一杯に引き出してセンターボードに掴まって休むことも可能です。セールや艤装品がシーアンカーの代わりとなり思ったほど流されません。

・水底にマストが刺さって起きない場合、そのまま無理に起こすとマストが折れてしまいますので、沈した状態のままモーター・ボート等でマストを引き抜いてから起こすようにしましょう。

<セーリングで戻る場合について>
・この状況では波も有り走っていると常に波がコクピットに打ち込んで来ますので、水船になったらアビーム又はクォーター帆走にしてアカ(溜まった水)を出すようにします、水船状態ですとコクピットの大きさにもよりますが重量は1トン近くになる事もあり、スピードも出ませんし、又、既に経験された方もいるかと思いますが、水船状態ですと船体の復元力が低下して傾き出すと簡単に沈してしまいます。

・完全な水船状態の場合、船体破損等でコクピットやエア・タンク全部にアカが入っている場合は、船の大きさにもよりますが、何トン単位という重さになるので、この状態で無理にセーリングをすると大破につながるので、この場合はレスキューを待つようにしましょう。又、陸に戻り船台等に乗せて引き上げる場合においても、水船状態になっている場合はアカを抜きながら少しづつ上げるようにしましょう。

・ランニングで陸へ戻らなければならない時;スループ艇はメインセールを下ろしてジブセールのみの帆走でも走れます。ジブセール帆走でもランニングからアビーム程度まで走ることが出来ます。この時、センターボードを一杯に下ろしておくとローリングを押さえることが出来ます。又、キャットリグ艇の場合、ホーストラベラー側のメインシートをはずしエイトノット等でブーム側のブロックから抜けないようにし、メインシートは飛ばさないように持ち、更にマストが前に回転できるようにカニンガムを少し緩めます。この後、メインセールを前に回し、風に押されるような状態で走らせます。

・クローズホールドで陸へ戻るとき;基本的には強風時の帆走と同様です。スループ艇もメインセールは下ろさずにジブセール中心にメインセールは後半のリーチ付近だけ風を受けるようにして走ります。キャットリグ艇は順風以上になった時と同様に、クローズホールドだけが休める走りですので風を逃がしながらでも走っていつか陸に戻れると思って走りましょう。


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