薬害エイズを考える

 Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1996/NOV/1

 10月7日、非血友病の患者に非加熱製剤が投与された可能性のある病院名が公開されました。
 以下の医療機関で該当の時期に治療を受けたことのある方は、遠慮なく連絡を医療機関と取り、検査を受けることをお勧めいたします。
 以下、その厚生省資料の概要を紹介する。

非加熱血液製剤の調査について

H8/10/7

1.非加熱血液製剤調査結果の概要(第8因子製剤及び第9因子製剤)

 厚生省は、血液凝固因子製剤による非血友病のHIV感染に関する問題について、平成8年4月2日に調査プロジェクトチームを発足させ、全国2413の医療機関を対象として投与状況の実態調査を行いました。

 茨城県においては、「第8因子製剤」の調査対象施設数(30)、「第9因子製剤」の調査対象施設数(23)に対して調査が行われました。(両方の製剤について調査対象となっている施設があるため実数は40施設)

2.医療機関名の情報提供

 調査の結果、カルテ等の記録が保存年限を越えていることから廃棄されるなど投与状況を確認する術のない医療機関や、廃院により調査ができなかった医療機関があり、これら投与状況不明の医療機関の名称等を広く国民に情報提供することとなりました。

3.投与状況不明医療機関の公表について

 このため、各医療機関について事実関係の確認を行うとともに、投与時期等に関する情報を収集し、本日、厚生省において全国の投与状況不明医療機関の公表が行われます。

 厚生省から資料が届きましたので、このうちの茨城県分について、今回、公表いたします。

公表対象医療機関
国立水戸病院、水戸済生会総合病院、水戸協同病院、鉾田病院、白十字総合病院、土浦協同病院、筑波中央病院、宮本病院、筑波学園病院

4.この医療機関の名前、投与した可能性のある時期、投与した可能性のある診療科目名などは保健所、県、厚生省の窓口、マスコミ等を利用して広く国民に情報を提供することになります。

  1. なお、この国民への情報提供の趣旨は、感染者の発症予防及び治療、早期救済及び二次感染防止の観点から行うものであり、制裁という趣旨の措置ではありません。

非加熱血液凝固因子製剤によるHIV感染に関する情報提供

−HIV検査受診の呼びかけ一

 いわゆる薬害エイズ問題においては、血友病などの治療のために投与された非加熱血液凝固因子製剤にHIV(エイズをひきおこすウイルス)が混入していたために、HIVに感染したことが問題になっています。この非加熱血液凝固因子製剤は、現在は流通しておりませんが、昭和53年から昭和63年までの間に流通していたものについては注意が必要です。

 厚生省では、非加熱血液凝固因子製剤の投与によりHIVに感染された方の発症予防及び治療、早期救済及び二次感染の防止を図るため、同製剤が血友病以外の病気の治療のために投与されたケースについて、追跡調査を行ってきました。

 その結果、廃院により調査そのものが実施できなかった医療機関や、カルテ等の記録が保存年限を超えていることから廃棄されるなど投与状況を確認する術のない医療機関があったほか、各医療機関において投与が確認できた患者のうち、転居先不明などにより連絡が取れない確認困難例もあったことから、幅広い専門家の御意見をお伺いし、非加熱血液凝固因子製剤を投与された可能性のある方に対して広くHIV抗体検査をお勧めするとともに、廃院や投与状況不明の医療機関名を情報提供することといたしました。この医療機関において治療を受けた方で各医療機関が示している投与の可能性のある時期や診療科等に該当する方は、非加熱血液凝固因子製剤を投与された可能性があるので、各医療機関への問い合わせ先へ相談し、HIV抗体検査を受診されることをお勧めします。

 また、これらの情報提供された医療機関以外についても、下記の時期に下記の疾病の治療を受けた場合は、非加熱血液凝固因子製剤が投与された可能性を否定できません。このため、下記の条件を満たす方は、できるだけ早くご自分のかかっていた医療機関又は保健所でHIV抗体検査を受けられることをお勧めします。

時  期: 昭和53年から昭和63年
入院・外来の別: 上記期間中に次のような病気で入院したことがある人
非加熱製剤を投与された可能性のある疾病:
  • 新生児出血症(新生児メレナ、ビタミンK欠乏症等)等の病気で「血が止まりにくい」との指摘を受けた人
  • 肝硬変や劇症肝炎で入院し、出血の著しかった人
  • 食道静脈瘤の破裂、消化器系疾患により大量の吐下血のあった人
  • 大量に出血するような手術を受けた人(出産時の大量出血も含む)

廃院、投与状況不明の医療機関名は以下のとおりです。

(ただし、これ以外の医療機関に入院した方についても、以上の条件を満たす場合は検査受診をお勧めします。)


茨城県内の投与状況不明の医療機関

医療機関名所在地投与した可能性 入院・外来投与の可能性のある主な診療科目電話番号 対応者氏名対応曜日及び時間
国立水戸病院水戸市東原3一2一1昭和55年4月〜昭和60年7月 入院・外来不明029-231-5211川崎昌雄 月〜金(祝祭日除く)13:00〜17:00
水戸済生会総合病院水戸市双葉台3一3一10 昭和56年8月〜昭和63年12月入院心臓血管外科、内科、小児科、外科 029-254-5151井坂源吾月〜金(祝祭日除く)14:00〜16:30
総合病院水戸協同病院水戸市宮町3一2一7 昭和58年11月〜昭和6O年12月入院内科、外科 029-231-2371大越和夫・萩野谷義一月〜金(祝祭日除く)13:00〜15:00
医療法人東湖会鉾田病院鹿島郡鉾田町安房1650一2 昭和59年12月〜昭和6O年2月入院不明 0291-2-3313横田広夫・小川哲郎月〜土(祝祭日除く)9:00〜17:00
社会福祉法人白十字会白十字総合病院鹿島郡神栖町賀2148 昭和55年10月〜昭和59年5月入院内科(消化器科) 0299-92-3311山本忠夫月〜金(祝祭日除く)13:00〜17:00
総合病院土浦協同病院土浦市真鍋新町11一7 昭和53年1月〜昭和56年2月入院心臓血管外科 0298-23-3111沼崎誠・藤原秀臣月〜金(祝祭日除く)10:00〜16:00
医療法人恵仁会筑波中央病院つくば市北条5118 昭和59年6月〜昭和59年12月入院内科 0298-67-1211池島厚美月曜日9:00〜16:00、火・金14:00〜16:30(祝祭日除く)
医療法人恵仁会宮本病院つくば市北条1015 昭和57年7月〜昭和58年6月入院内科 0298-67-0631沢辺まち子火・水・木(祝祭日除く)9:00〜16:30
財団法人筑波学園病院つくば市上横場2573−1 昭和57年2月〜昭和61年5月入院内科、外科 029-36-1355松木康彦・鶴田治郎月〜金8:30〜17:00土曜日8:30〜12:30(祝祭日除く)

茨城県内の廃院となった医療機関

医療機関名所在地廃院の年月投与した可能性
根崎病院石岡市国府4−4−19平成8年2月 昭和53年1月〜昭和63年12月

 


非加熱製剤を使用した医療機関

非加熱製剤によるHIV感染に関する調査の索引
調査の概要調査対象血液製剤調査方法と進捗状況第\因子製剤調査結果概要第[因子製剤調査結果概要投与患者の実態第\因子製剤都道府県別患者実態第[因子製剤都道府県別患者実態

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