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 Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1996/AUG/9


腸管出血性大腸菌(O157)感染症の
伝染病指定とその対応について

    以下は、平成8年8月7日に召集された、茨城県議会福祉衛生委員会に茨城県福祉部より提出された資料を基に、茨城県のO157感染症の伝染病指定とその対応についてまとめたものです。    

◎指定に伴う伝染病予防法の適用範囲

 指定伝染病は、伝染病予防法(以下「法」という。)に明記されたコレラ、赤痢、腸チフスなど11の法定伝染病のほかに同法に追加指定された感染症で、これまでポリオ、ラッサ熱の2つが指定されている。

 今般、腸管出血性大腸菌は、@伝染性があり危険性が高いA緊急性があるB予防のため法に基づく措置が必要ということから腸管出血性大腸菌感染症(以下「大腸菌感染症」という。)として伝染病に指定された。

 指定後は、法定伝染病に準じた扱いとなるが、人権やプライバシーへの配慮が必要として、隔離などは行わず、限定的な適用となった。

限定な適用のため、除外された内容

◎伝染病指定後の事務所掌

 法に指定される前においては、大腸菌感染症は食中毒として扱われ、食品衛生法に基づく措置がとられてきた。従って茨城県の事務所掌は衛生部環境衛生課であった。

 今般の指定により、大腸菌感染症に係わる事務事業については、伝染病予防法を所管する保健予防課において所管・執行されることになる。

 ただし、現時点での当該感染症の危険性、感染源追求の困難性、予防対策の多面唯などから、関係部局及び関係課が連携のもと、役割を明らかにして有機的かつ効果的に必要な対策を講ずることとする。

 また、発生時における消毒などの防疫措置については、市町村が所管することになることから、市町村指導及び市町村との連携を強化する。

◎発生時における調査及び防疫活動

  1. 大腸菌感染症患者又はその疑いのある者が出た場合は、平成4年3月に作成した、「感染症事務マニュアル」に基づき防疫活動を実施する。
  2. 集団発生時においては、発生規模に応じ「茨城県伝染病防疫機動班」の一部又は全部の出動により対応することとする。
  3. 保健所は、大腸菌感染症の疑いのある者の情報を得たときは、食中毒及び伝染病の両面から調査を開始するとともに、検査結果等が判明するまでの間、当該者及び関係施設等に対して二次感染防止のための必要な指導を行う。

◎検便の強化

 腸管出血性大腸菌の感染力が強いこと、及び健康保菌者の発見率が高いことから患者家族や接触者などの感染のおそれのある者及び食品取り扱い者の検便を強化することとする。

 また、一般住民の検便については、保健所検査課の検査処理能力に限界があることから、当分の間、下痢などの症状のある者及び二次感染のおそれのある者などについて優先的に行うこととする。ただし、当検査課の検査の受け入れ体制が整うまでの間は、これらの者の検便について衛生研究所で実施することとする。

 なお、一般住民の検便については、当面、原則的に無料とする。

 また、食品取り扱い者の検便が円滑に実施できるよう、(財)茨城県総合健診協会や衛生検査所における受け入れ体制の整備をお願いする。

◎市町村指導の実施

 大腸菌感染症の伝染病指定にともない、医師からの患者届出の市町村経由や市町村による消毒の実施などの事務事業が発生することから、市町村関係者の会議を開催し、指導を行う。

◎その他

 さきに設置した、茨城県病原性大腸菌0157対策会議等を適宜開催し、関係機関の連携強化や予防及び防疫対策の効果的な推進を図る。


  
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