一般道

 お盆に名古屋に帰省した。 その帰り、高速道も乗り厭きたということで、一般道で帰ることにした。 どうせ帰るならば、いままであまり走ったことがない道にしようということで、まず、中部地区の道路地図を買った。

 豊田市の実家から、真北に行き国道153号に出る。 これは飯田街道だ。 足助でもう渋滞。 ここはいつも混む。 足助を抜けたら、あとは順調。 稲武の道の駅はやはり駐車場がいっぱい。  小休止で、あとは先へ。 伊那谷へ抜けたら、南アルプスの景色がいい。

 ガソリンをいれ、スタンドで、 「どこか、おいしい そば屋はありませんか」 「すくそこですよ」 親切に地図まで書いて教えてくれる。 12時半ごろだ。 行ってみたら、裏通りなのに、人でいっぱい。 待つこと30分ようやく座席へ。 やはり信濃へ来たら「信州そば」だよね。

 近くに元善光寺という看板があった。 「小さな寺だが、住職が一生懸命PRしているよ」 ということで、行ってみることにした。 なんと善光寺が長野に移る前の寺だったのだ。 長野だけをお参りするのは片参りといって、両方お参りしなくてはいけないんだそうだ。 人も少なくて、落ち着いた寺だ。 飯田を過ぎると、この道は三州街道になるんだよね。

 岡谷に抜けて、和田峠を越して丸子に出る。 新和田トンネルは有料だが、これは仕方がない。 さて、どこか泊まれるところはないのか。 鹿教湯に行ってみる。 さすがこんな田舎の湯でもお盆で旅館は満杯。 仕方がないので、戻る。 途中、長門の道の駅に寄る。 こんなとき、道の駅はありがたい。

 この道の駅は大きくて、しかも温泉もある。 この温泉、夜の10時まで営業だ。 入ってみたら、ここも人であふれているが、回転も早い。 通りがかりの人が半分以上。 あとは、近所の別荘に泊まりに来ている人たちが入りにくるんだそうだ。 風呂上りでビールを飲んで、ここで、野宿に決定。 おつまみもおいしくて良心的。 すっかりゆっくりしてしまう。 やすらぎの湯の駐車場に車を置いたまま寝てしまう。

 朝になってみらた、駐車場は自分の車1台だけ。 さびしかったな。 それでは出発と、道の駅の駐車場に出たら、なんと数十台の車が野宿。 やれやれ、自分たちだけじゃなかったんだ。 つい笑えてくる。 温泉の駐車場は静かでよかったよ。 朝焼けがとてもきれいだ。

 こんどは佐久、軽井沢を経由して高崎、前橋。 もうここはいつも走っている道。 足利で「古印もなか」を買う。 でもこのまま帰るのもちょっとさびしいかな。 ああ栃木へ寄ろう。 栃木市へ寄り道。 蔵の街だ。 ここははじめての町。 川と蔵。 風情がある。 戦災がなかったのも幸いしたんだろう。

 時間が出来て、こんなのんびりしたドライブができるようになった。 そして、いつもと違う景色、それほど有名ではないが、一応名所というところも見られ、地元のうまいところなどなど、高速道路では味わえないいい点があった。 おまけに高速料金も節約できたし、高速道での渋滞でいらいらすることもなく快適であった。


(2002.8.17)

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