委員会記録

平成8年 第1回定例県議会委員会質疑内容

<総務企画委員会>

総務部関連県債の発行について県債発行残高について
  県債と地方交付税措置の関連について
  県債の発行内容について
  市場公募債について
  地方債の発行許可制度について
 県全収入見込みについて法人2税の収入見込み
企画部関連ひたちなか開発について広域的商業施設について
 高萩・北茨城新都市整備事業について事業の概要
  地元の対応について
 インターネット整備事業についてプロバイダー事業とベンチャー育成

平成8年3月11日 総務部関連質疑
県債発行計画について

井手委員

 それでは,平成8年度の予算中のことについて,何点か質問させていただきます。

 最初に,財政課長の方に県債のことについて御質問させていただきます。

 本年度予算中の県債の発行予定額は,1,486億円というふうに承っておりますけれども,これは,歳入に対する県債の依存度が14.1%と,国の地財計画等からみますと,l5.2%でございますので,若干下回っている現状だという御説明を受けております。ただし伸び率で計算してみますと,前年より19.2%増ということでございますから,地財計画の13.0%からみますと大きく上回っているんではないのかなと,マスコミ等によりますと,いわゆる借金依存体質が強まっているんではないかというような御批判をいただいているところだというふうに理解をしております。

 そこで,まず,御質問でございますけれも,平成7年度末の県債の発行残高並びに平成8年度の発行残高の見込み等が分かれば,一般会計,特別会計に分けて数字をお示しいただきたいというふうに思います。

小泉参事兼財政課長

 ただいまの御質問にお答えいたします。まず,御質問の1点目は,一般会計で県債残高,平成7年度末及び今回予算をお願いしておりますものを含めました平成8年度末の見込みということでございますが,一般会計ベースで申しますと,平成7年度末では7,630億円余でございまして,8年度末では8,749億円というような状況でございます。

 鹿島臨海工業地帯造成事業特別会計というような会計ほか,特別会計の県債残高は,平成7年度末で1,682億円余でございまして,8年度末では1,871億円余ということになりますので,一般会計と特別会計を合わせました合計では,7年度末で9,313億円余でございまして,8年度末になりますと,1兆620億円余と,こういうような状況になります。

井手委員 

 発行残高という数字でお伺いしますと,平成7年度末で9,300億円,平成8年末では1兆円を超えるというこの数字には,やはり県民の一人としても,よく注意深くこれを見つめていかなければならないんじゃないかなと気がいたします。

 県民一人当たりにしましても,(県の人口を)300万人と概算しますと,平成7年度末は約30万円ちょうど,平成8年度末には35万円を超える金額が,いわゆる県から県民の皆様一人に対する県債発行残高という数字にかかってくるわけでございます。

 そういった中で,県債ということに関して,私ももう一度その仕組みとか,そういったものを県民の皆様にも理解していただくなくてはならないし,また私どもも,もう一度確認をさせていただきたいという趣旨で,続けて何点か質問させていただきますけれども,この県債の中に,国の地方交付税措置との関連が密接なものがたくさんあるというふうに理解しております。例えば当委員会所管の中でも,住民税減税補填債という項目74億円余りが起債予定になっておりますけれども,これに関しては,国の交付税の措置が元利,金利を合わせた8割が国からの交付税の措置で後年度戻ってくる,戻ってくるという表現が適しているかどうかわかりませんけれども,交付税措置があるというふうに聞き及んでおります。そうしますと,平成8年度の発行予定1,486億円中に国からの交付税措置というものがある金額を積み重ねていくと,形としては県債1,486億円なんだけれども,交付税措置として,幾らぐらいなされているか,措置がなされているかという数字等の積み上げ計算がされておればお伺いしたいと思います。

小泉参事兼財政課長

 平成8年度,ただいま委員がおっしゃったように,1,486億円余起債を発行する予定にしておりますが,そのうち,ただいまおっしゃいましたように,住民税の減税補填債,あるいは臨時地方道路整備事業債とか,従前からあります地域づくりのための地域総合整備事業債,こういうものがこの中に含まれておりまして,これにつきましては,交付税措置分といたしまして,約1,090億円程度,これが交付税の措置の対象になると,割合にしては73%程度ということになろうかと思います。

井手委員 

 初歩的な質問で恐縮でございますが,ということは,後年度1,486億円,今回県債を発行するわけでございますけれども,この1,486億円と,それに関する金利の今のお話ですと,73%は交付税措置ということで国からの,平たく言えばお金が戻ってくるというふうに理解してよるしいということでございますか。

小泉参事兼財政課長

 ただいま申し上げましたのは,発行いたしました県債の交付税の対象になるものが73%ということで,実際にそれが交付税としてみられますのは,その対象になる約1,090億円のうち,約42%が実際に交付税の中に算入される(457億円が交付税の対象になる)と,こういうふうに御理解していただきたいと思います。

井手委員 

 よくわかりました。それでは,県債の中での地方交付税の対象の,そういったものにより多くの発行のウエートをかける,ないしは,そういった国の交付税措置をいかにして県債の中で生かしていくかという,その辺の御努力は今後とも進めていただいて、なるべく県民の皆さんの負担にならないような県債の発行の仕方ということは工夫ができるものではないか,その比率を少しずつでも高める努力はしていただきたい,こういう要望をさせていただきます。

 その上で,引き続き,県債の資金区分についてお伺いいたします。

 ちょうど,私も議員の立場をいただきまして,1年余りがたっておるんでございますけれども,なかなか予算書が読みきれないというのが実感でございます。例えば議案書@の18ページから20ページに地方債の明細というのが載っております。第3表地方債という表ですが,昨年初めて見たときに,どうしても一つ理解できないことがございました。これも単純な質問でございますけれども、ここのところに起債の目的,限度額,起債の方法と書いておりますけれども,その次に利率というふうになっております。そこに年利9%以内というような数字が書いてございます。次に,償還の方法で30年以内,据置期間を含むというような表現がございます。議案@の18ページ,19ページ,地方債の内訳でございますね,やはり私どもの,県民の皆様もそうだと思いますけれども,この予算書をみて,県債の金利が年利9%以内というのはなんじゃと,これは常識的にはそうなるだろうと,ただし,9%以内ですからね,1%でも,9%以内だろうし3%だって9%以内であろうし,いわゆる議案書としては,非常に不親切だなという実感がしているわけでございます。

 そこで,そう言っても,いろいろな地方債の種類ございますので,資金別にどういうところから県債というものの,買っていただくのか,それの資金別に金利とか,償還期間とか,差異がございます,区別があると思います。その辺のところを具体的に御説明いただければと思います。

小泉参事兼財政課長

 現在,毎年国の方で地方債計画というものを出しておりまして.その枠の中で,私たち資金手当をしておるわけでありますが,資金区分といたしましては,現在大きく分けまして,大体3つに分かれております。

 資金運用部資金,これは国の財投資金等を使いながらやるわけですけれども・そういうものを活用する場合と,あとは公営企業金融公庫から借りるということと,あと1つは,市場公募債,縁故債と申しまして,本県の場合には,金融機関,あるいは一般の投資家からお金をお借りすると,こういうふうな3つの方法でやっております。

 それから,金利の問題ですけれども,資金運用部の場合には,大体現在3.I5%,それから公営企業金融公庫は3.25%〜3.3%,それから市場公募債については3.3%,こういうような状況になっております。

 それから,先ほど委員が,この18ページの利率と償還の方法について不親切ではないかと,こういうふうなお話でございますが,これは,過去の最大の金利というものを念頭に置きまして設定しております。また,償還期間も現在使われておりますもので一番長いものを使っております。

 確かに,おっしゃるとおり,現実に運用されておる金利でやればいいのではないかという御質問がございましたが,現実問題として金利というものは非常に経済状況によって動きますので,ここで議案で現実に近い数字を載せましても,金利状況が変わりますと,例えば3%という形で載せましても,4%ということになったとき,また議案を提出いたしまして,補正という形になりますので,一番過去において長いものを設定いたしまして,その中で泳ぐという形を取らせていただいておるところでございます。


市場公募債について

井手委員 

 その御説明は納得できるような気もするんですが,やはり年利9%というのは,ちょっと不親切かなという気もいたします。今,課長のお話にも出ましたけれども,今回も議案の中に,条例の修正ということで出ておりましたけれども,一般公募債という言葉が何点か出ておりますけれども,この一般公募債について,私もちょっと認識が浅かったもんですから,もう一度詳しく御説明していただければと思いますが。

小泉参事兼財政課長

 多少,私,一般公募債ということでなくて,市場公募債というふうに御説明したと思いますが一従来,平成元年以前は,県は市場公募債というのを発行しておりませんで、全部縁故債という形で特定の金融機関からお金を調達していたという状況でございましたが,だんだん財政規模が大きくなってきまして,資金需要の額もふえてくるということになりますと,やはり安定的に資金を確保するというような場合,あるいは金融情勢が非常に逼迫してきて,特定の金融機関では対応できなくなるというような場合には,そういう場合も予想されますので,前もって広く一般の投資家から資金を調達するという方が安定的に確保できるんではないかということで,平成元年度から市場公募債というようなものに私どもの方も発行するという形にいたしまして,現時点では約100億円を許可していただくというふうな形でさせていただくということでございまして,あくまでも資金を安定的に確保するというような観点から市場公募債を発行しているところでございます。

井手委員 

 そうしますと,この市場公募債に関しましては,年利が3.3%ということで,償還期間等は10年ということでいいわけですか。そうなりますと,例えば逆に県民の立場,私どもの立場から考えてみますと,金利3.3%というのは,市中銀行の10年物の定期の大体利率2.5%ぐらいだというふうに理解しておりますから,金融商品の一つとしても,割合有利なものというふうな認識をするところでございますけれども,実際,県債・市場公募債という形で売られているということは,議員のバッチをいただくまでは,私も不勉強ながら知りませんでしたしこういったことをもう少しオープンな形で県民の方に対して,県債というものの認識を深めていただく,ないしは県政への参画の意識を広めていただくという意味で,例えば広報紙に宣伝するとか,一般紙の中で広報をするとか,そういった積極的に県債というと,借金という非常にマイナスのイメージが強いもんですから,そういったものをよりプラスのネガティブじゃなくて,ポジティブな形で県民の中にお知らせていった方がよるしいんではないかというふうに考えているところでございますけれども,その辺に関してのPR策といいますか,広報に関する基本的なお考え方をお伺いしたいと思います。

小泉参事兼財政課長

 先ほど,私,資金の安定的な確保というような面ばかりを強調したわけでございますけれども,市場公募債,ただいま委員が御指摘したように,県政に株主になっていただいて,株主というのも変ですけれども,それを持つことによって,県政に近づいていただくと,興味を持っていただくというような点も非常にあるかと思います。そういう意味では市場公募債というものを一般の県民の方に積極的にPRするというのは,一つ大きな私どもの役割かというふうに考えております。

 したがいまして,一つには,発行する際に,県報に掲載するという手続きをとっておりますが,そのほかに,この発行につきましては,県ではシンジケート団というものをつくっていただきまして,そこに発行の事務をお願いしております。したがいまして,私どもの方で,そういうための発行の手数料というのを払っておりまして,そういう中から,今年の場合ですと,茨城新聞社,3月の初めのころだったと思いますが,こういうものを発行しますというようなPRをいたしました。その結果,一般の県民の方から何件か新聞の広告を見たんだけれどもというような形で問い合わせがございました。委員御指摘のようにできるだけ一般の県民の方が広く参加していただくということは必要でございますので,他県でも,いろいろな手法を使ってPRしておりますので,私どもも機会がありましたら,そういうものを参考にしまして,シンジゲート団の方に要請していくということは,今後とも,積極的に進めていきたいというふうに考えております。

井手委員 

 ぜひ,その点については,御努力いただきたいと思います。私どもも,愛知県等の例をお伺いしましたところ,電光掲示板にPRするとか,県の広報紙ですね,茨城でいえば「ひばり」ですけれども,ああいったものに載せるとか,それから県域のニュース,ラジオ,テレビ等のニュースで解説をするという形で,愛知県の担当の方はお金のかからない方法でよりベターな方法をいろいろと工夫をしておりますという言い方をしておりましたけれども,ぜひ,そういった御努力も払っていただきたいと要望させていただきたいと思います。財政課の方で最後に一つ,これも財政課のお立場としてお答えいただけるかどうかはあれなんですけれども,財政,特に県債というものを地方主権の確立,ないし規制の緩和という視点からみてみますと,幾つかの課題が浮かび上がってくると思うんですけれども,私はその中で一番大きな問題は,県債の発行の事務というか,許可というか,権限が国に残っているということが大きな問題ではないかなというふうに認識しております。いわゆる地方自治法の250条の中に,地方債の発行については当分の間というふうな但し書きがあるそうでございますけれども,自治省,国の許可が必要であると,この間題に関しては,一番美濃部都政時代の裁判にもっていく,いかないというような話題もあったわけでございます。随分長い課題でございますけれども,当分の間とされながらもう5O年近く,40年以上たってしまっているという現状の中で,規制緩和という視点から地方債の発行に関して,県の独自な一つの判断で発行できるように,国に対しての要望をしていくということは,非常に大切だと思いますけれども,国の許可条項の撤廃に対しての考え方と,そして,どのような働きかけを国にしてきたか,またしていく考えか,これを財政課にお伺いすることは酷かも知れませんけれども,とりあえず御答弁いただければと思います。

小泉参事兼財政課長

 起債と申しますのは,将来の交付税とか,県税を先取りするということになりますので,これは,やはり相当慎重に利用していかなければならないんではないかというのが基本でございます。そういう観点から,国の方におきましては,地方財政計画というようなものをつくっておりまして,その中に,起債の発行,あるいは当然公債費というようなものも計画の中にのっけておりまして,その計画にのせるということが財源の保証という形になるわけですけれども,基本的に,ただいま委員が御提案なされましたような形で各地方公共団体が勝手気ままに発行するということになりますと,場合によっては,弱小団体ですね,弱小団体の場合に,非常に財政力が弱いということになりますと,金融機関が安心して貸せるかどうかというような心配があります。

 それから一方,一生懸命やろうというような首長さんが,もしいた場合には,場合によっては,将来の公債費がどういうふうな形で動向していくかということを無視して,極端な話ですけれども,当該年度の施策だけを考えてぽんぽん借りてしまうということになりますと,冒頭で申し上げましたように,将来の財政負担というものが非常に大きくなるという形でかかってくるというようなことになりますので,やはり全体的な枠をある程度決めていただいて,その中で,財源保証というものもみていただきながら,民間の資金との全体的な調整の中で,県債というものを発行していくのが必要なんじゃないかというような観点から,私どもは考えておりまして.現時点において,すぐにそういう発行を地方公共団体に任せるということは,現在の地方自治制度の中では,なかなか難しいのではないかというふうに考えております。

 それよりも,私どもは,どちからと言いますと,資金の中身ですね,例えば政府資金というのは非常に金利がいいとか,それから先ほども申しましたように,交付税措置のあるものをたくさん発行して欲しいとかというような形で,全体の地方財政計画の中で,将来的にも財源を保証していただきながら,なおかつ,有利な県債というようなものを発行していただくと,こういうふうな形で,国の方にお願いした方が現実的ではないかというふうな考え方で従来から来ております。

井手委員 

 なかなか慎重な御意見というふうに承っておきますけれども,基本的には,地方主権,地方分権というものを進める中で,財布というもの,いわゆる歳入の中での大きな一つの意味を占めます県債の発行については,いろいろ御議論はあることだと思いますけれども,積極的に地方分権の推進,これは総論としてはどなたも反対することはないような状況だというふうに認識しておりますけれども,なかなかこういった各論になると,いろんな御意見もございますと思います。

 ただ,一つの流れというものを,一つ一つ踏み締めて積極的に国に働きかけるというような方向へ一歩踏み出していただげないだろうかと,私どもの公明といたしましても,昨年の秋に全国の自治体へのアンケート調査を行いました。この中で,地方債の発行に関して,国の許可を外して欲しいという要望が都道府県の中でも複数みられました。財政規模でも茨城よりも小さい都道府県においても,この基本的に規制緩和を進めて欲しいという要望をいただいた県もみられました。そういった意味では,お考えはよく分かりましたけれども,今後の一つの課題として,地方主権を進める大きな足がかりともなりますので,もう一度庁内での御検討というものをいただければというふうに思います。


不良債権処理に伴う県税収入の見込みについて

井手委員

 続きまして,税務課長の方に御質問をさせていただきます。

 平成8年度の予算中の県税収入の見込みに関しましては,予算案等で承知しているところでございます。その中で,今日は,法人に係る県民税と事業税のことについて,何点か質問をさせていただきたいと思います。

 平成8年度の予算においての県民税中の法人税の歳入予算はいかほどか,事業税中の法人分の県税の見込みはいかほどかと,いわゆる法人に係わる県民二税は合計でいかほどになるか,その辺の見込み,予算をお伺いしたいと思います。

谷税務課長

 法人ニ税の予算でございますけれども,法人県民税が170億9,100万円,それから法人事業税が874億4,800万円ほど見込んでございます。

井手委員 

 そうしますと,法人ニ税といわれるところの合計が約1,045億円でございますか。県税収入の全体が3,200億円余りでございますので,約3分の1が法人二税というふうに理解してよろしいかと思います。こういう法人税というものは,法人の企業のその年,ないい前年の業務のよしあしによって左右されてまいるわけでございます。もっと端的に言えば,その利益に対して何%かの県税をいただくというような仕組みになっているわけでございます。

 そういう中で,今,国会で話題になっております6,85O億円の住専の損失処理をめぐる問題でございますけれども,この県会の中でも,住専問題に関しましては早期処理と責任追求を求める意見書が議決されたわけでございます。そうなりますと,県税中の法人二税1,045億円に関する中で,大きなところというのは金融機関というものがどうしても避けては通れないと思いますけれども,県内の金融機関,ないし農協信連等の農林系の金融機関等の法人税の調定の見込みというのは,どういうふうになっておるか,それをちょっとお伺いしたいと思います。

谷税務課長

 金融機関関係でございますけれども,普通銀行ですか,地方と都市銀行合わせまして,46億1,600万円ほど見込んでおります。それから農協系が3億4,400万円,その他がI5億5,400万円ですか,合計いたしまして,これは主要法人でございますけれども,65億1,600万円ほど見込んでございます。

井手委員 

 金融機関,大手の金融機関だというふうに思いますけれども,65億円余りの税収を見込んでいらっしゃるわけでございますけれども,そこで,ちょっとお伺いいたしますが,この65億円の法人二税の見込み,これは法人ニ税でございますか。そこを確認させて下さい。

谷税務課長

 ただいま申し上げました数字は,法人事業税だけでございます。

井手委員 

 そうしますと,法人二税と言われる中でも,片一方,多い方でございますけれども,法人事業税だけで65億円,金融機関からの税収を見込んでいらっしゃると,これを税収見込みに関して,例えばこの主要の法人からヒアリングとか,アンケートとか,いろいろされていると思うんですけれども,これは,いつの時点での税収見込みでございますでしょうか。

谷税務課長

 大口につきましては,聞き取り調査と,それからアンケート調査をやっておりまして,アンケート調査につきましては,11月初旬に出しまして,11月の下旬に回答をいただいております。それから,聞き取り調査につきましては,12月中にいたしております。

井手委員 

 そういたしますと,昨年の12月の19日に当時の村山内閣が住専処理策を発表する前にアンケートヒアリング等を完了されているというふうに理解をいたします。そうしますと,こういう状況になりまして,金融機関等はこの3月決算で一斉に住専並びにノンバンク等の不良債権の処理を行うというふうにマスコミ等の報道もございます。また,去る2月27日には,いわゆる県の農協理事長,組合長会議等が開催されまして,3月の決算で農協県信連,共済連等の不良債権に関しても処理をするというような意向が発表されているわけでございますけれども,この税収見込みというのは,大きく変わってくるというふうには理解しております。それが、いわゆる今回の予算の中で,基本的にこういう状況というのは勘案できないということも理解できますけれども,今,現在でこの税収見込みというのは,私ども素人が見てもちょっと厳しいんではないかなというふうに理解はしておるんですけれども,推測しているんでございますけれども,税務課長といたしましては,この税収は基本的に確保できるものなのか,それとも,こういう一つの非常事態でございますね,ある意味では。そういった中で,このくらいは少なくなる可能性が今現在予測されるというふうに理解しているところがあるのかどうか,その辺をお伺いしたいというふうに思います。

谷税務課長

 現在の予算額につきましては,確保できるのか,できないのかということでございますけれども,ただいま住車の問題につきましては,国の方で処理策をただいま,いろんなことから取り組んでいるところでございまして,現在どの方向にいくのか,まだ先が見えないということでございますので,現段階では,この税収はできると,それから委員指摘のとおり,農協系等含めまして,これが零になった場合には,確かに厳しくなるという認識はしております。ただ,一部の企業によりましては,企業調査したのが12月ということでございまして,当時からしますと,円高等も1O5円前後というようなことでございまして,県内は,輸出関連の製造業が多いということで,かなりそちらの製造業の方で業績が上向くというような状況もございますので,現在は,税収については確保できると思っております。

井手委員 

 私の質問の仕方がちょっと悪かったようですね,じゃ,こういうふうに聞きます。農林系金融機関3億4,000万円余りの税収見込みをきれているというようにお伺いしました。これは,明確に2月の段階で損失を全部処理するという方針が決まっているというふうに理解をしております。ということは,ここは少なくても,大部分を占める大手に関しましては,赤字に転落するというように私は理解しております。ということは,この3億4,000万円余りに関しての税収見込みはいかがなりますでしょうか。

谷税務課長

 無税ということになりますと,委員御指摘のとおりだと思います。

井手委員 

 ですから,無税になった場合ですから結構でございます。別にここで予算を修正しようという,そんな大それた話を私はしているんではなくて,私どもは,県民に対して説明する義務を持っていると思うんです。県信連さん,共済連さん等は損失を処理するという明確に2月の20何日に言われているわけでございます。赤字になるという発表されているわけでございます。それを基本的に無税で処理できれば云々というのは,ちょっと御答弁としては私は納得できない,もう多分課長の中では,そういう全部シミュレーションがノートの中には書かれているのではないかなというように私は思うんです。それが発表できないのか,本当に予測できないのか,もっと続ければ,例えば神奈川県,千葉県,シミュレーションを発表しているわけです。これ,御存じですか。

 神奈川県では48億円減収になりますよと県議会の総務委員会の中で明確に答弁しているわけです。現状ではこうなります。ただし,予算をつくるときには,これは分かりませんでしたし,補正の中でやっていきますというふうに言っているわけです。千葉県でも同じようです。法人事業税は46%減収しますよと明言しているわけです。これは何も恥ずかしいことじゃない,逆に言えば、県民に対して知らせる義務があるとするならば,住専の中で,住専の処理策がいいとか,悪いとか言っているわけではございません。やはり,金融機関が持っている不良債権というものは一刻も早く処理をしなくてはいけない,それを処理するために,県税は一応は1,045億円見込んでましたけれども,処理をしますので,このうち30億円なら,30億円が減りますよと,その代わりその後からはすっきりできますからという方が私は親切だと思うんです。いかがでございましょうか,もう一度,この農協系3億4,000万円に関して,見通しをお聞かせください。

谷税務課長

 お答えいたします。千葉県の状況の49億円は,当初見込んだときに下回るというような状況であると,その見込みがたまたまというとちょっと言葉がおかしいですけれども,46億円下回るということでございまして,その住専に係る不良債権部分については分からないというように聞いております。県内につきましても,前段階では,うちの方で申し上げました農協系の3億4,400万円につきましては,住専関係の不良債権を個別に把握することができませんので,委員がおっしゃるとおり,幾らですという算定がちょっとできない情勢でございますので,その辺は御理解いただきたいと思います。

井手委員 

 要するに県信連にしろ,赤字になりますと言っているわけでしょう,それは住専どうのこうのじゃないわけですよ,赤字決算になりますよと正式に発表しているわけだから,赤字決算,逆に言うと今はまだ税収を見込んでいるわけでしょう,幾らかは分かりませんけれども。それが見込めなくなるわけでしょう。だから幾らは少なくとも減ってしまいますよという御答弁はできないのですか。

谷税務課長

 委員御指摘のとおり,確定しているものにつきましては,その分は減ります。これは間違いなく認識しておりますけれども,ただ,法人事業税という税目の中で計上しているもんですから,12月策定時よりも現時点では業績等が回復してきている企業等もございますので,事業税トータルでは,税収は大丈夫だと,確かに農協系のこれが全部赤字という場合には,御指摘のとおりでございます。

御園総務部長

 井手委員の御指摘の点は,私もよく理解できますが,ただ,私どもが予算編成上,税収見込みをして税収を計上しておる段階においては,それぞれの金融機関も不良債権,住専に係わらないものかどうかということも,なかなかよく分からない,私ども調査権限がないものですから,それぞれの企業の聞き取りで税収見積りを出しておりますが,なかなかそこまでは向こうもしゃべりたがらないということもあろうかと思います。で,そこは向こうの教えていただいた数字,これを信用して計上しておると,私どもが思いますに,やはり12月の19日の以前の段階で,私どもに答える答えを準備しつつあったとは思いますけれども,住専問題,突然出てきたわけではないわけでありまして,既に第一次処理策,第二次処理策が出た後で,最後のぎりぎりのところでどうしようかということになって来ましたし,けつに火がついている状態は,それぞれの団体も分かっていたのではないかなと,そういう中で,甘い読みだとおっしゃられるかも知れませんが,私どもに,個別のヒアリングをする段階でも,その一般的な不良債権としての処理も入った中で,8年度税収がどれぐらいになるかということで出してきたわけではないかというふうに思っている部分もございます。

 それから,農協系金融機関につきまして,3億なにがしあるふうに私ども,確かに見込んでおります。それは,それぞれの個別の金融機関からいただいた数字の積み上げでございます。これが決算の処理によって落ちるのではないかと,落ちるんなら落ちるとはっきり言えと,こういう御指摘かとは思いますけれども,私どもは,やはり税というのは国税にしても,県税にしても,市町村税にしてもそうですが,予算上は単なる見積を出しておるわけでございまして,最終的な税の確定というのは決算をする段階になっております。国の場合は予算で計上したのと通常は決算,補正もございますが,補正はイレギュラーでございます。私どもは,9月の補正が定例的になっておりますので,9月の段階,あるいは最終という2回に分けて補正をさせていただいて決算をまつというストーリーになっておりますので,今,先ほどの井手委員の御指摘で既に税務課長はシミュレーションで書いているのではないかということの御指摘がありましたが,私どもは,やはり次の税をいじる時期というのは9月補正の段階でございます。3月決算法人の皆さんが6月までに3月決算を終えてから,5月までにどのような具体の決算をうってくるかというのは,確かに一括処理するという方針を出されても,最終的に金融機関として,今までの金融機関の行動パターンからしたら,赤字というのは非常に不名誉のことでございますから,これは,ひょっとしたら所有財産を処分をされて,所有株式なり,所有の不動産なりの処分をされて赤字を出さないような決算処理をされるかも知れない,そういう中でございますので,具体に本当に減るのかどうかということを,今,じゃ,3億なにがしが零になるでしょうというのは,やはり私どもの口からはなかなか相手に対しても失礼なことになるかも知れないという感情的な部分もございますし,実際の事務処理をしている税務課職員の生活感覚からいっても,なかなか申し上げづらいことであるということを御理解いただきたい。

 それから,もう1点,千葉,神奈川はやっているじゃないかという御指摘でありますが,私も詳細は承知しておりませんが,私が聞き及んでいる範囲で申し上げますと,6年度と7年度,あるいは7年度と8年度の金融系のトータルの税収見込み額が落ちて,という額が落ちているので,その分の中には住専の関係額が含まれているだろうということで,客観的に言える数字を,客観的に言える最終的に出てくる数字,これが間違いなくなっているという数字については,議会で答弁しているというふうに理解をしております。今,方や委員御指摘の数字につきましては,まだ最終的に出てくるかどうか.不明確な部分がある数字だというふうに,私は理解してますので,この本委員会の席でその点について,御追求されるのは御容赦いただきたいと思っております。

 最後に,いずれにいたしましても,先ほど税務課長答弁申し上げましたように,金融系の法人以外の法人で好調な法人,これもまだきちんと聞き取りはしておりませんが,仄聞する中で,最近の円安の状況の中で,好調をうかがえる企業もあるというふうに聞いておりますので,トータルで法人二税関係として現在予算に計上させていただいている額は確保できるだろうというふうに考えておりますが,また次の税についての委員の皆さんの御審議いたたく場は9月補正の段階ではないかというふうに考えておるところでございます。

 井手委員 

 今の部長の御答弁の趣旨もよくよく理解できますし,本当にその通りだといつふうに共感をするところもございます。ただ,私が何度も繰り返しておりますように,私どもは,逆に言うと県民に対して,自分たちがやっている仕事を正確に一刻も早くインフォメーンョンする責任があるんではないかなというふうに思うわけでございます。やはり県民は今,住専という問題,住専という問題を切り放しても結構でございます,金融機関が持っている不良債権という問題に関して,非常に深刻に,真剣にお考えになっているわけです。ある程度,それは予測されているがゆえにそのところに目をつぶって,確かに9月補正でやるのは筋だというのは私も理解はしております。分かっていることを言わないでお茶を濁して正式には9月補正ですよという姿勢というものは,やはり少し変えてもいいんではないかなというふうな私個人の気持ちかも知れませんけれども,そういう趣旨で今の質問をさせていただいているわけでございます。現実問題に,金融機関の税収というものはかなり落ち込むというふうに予想をせざるを得ないというふうに思います。

 それが,9月の補正でやっぱりそうでした,何億円減収補正ですという形になることは,やはりその状況をある程度今の時点で予測される一人の議員として,また一つの行政に携わっている者,政治に携わっている者としては,そういう無責任なことは言えないなと,分かった段階でこのくらいは可能性としてはあるというインフォメーションをする必要があるんではないかなと,これは私の感想でございますけれども,最後に申し述べさせていただきまして,質問を終わります。

御園総務部長

 質問を終わられたのに一言言わせていただくのは恐縮でございますが,お許しいただきたいと思います。

 ただいま分かっていることを示さないのは不誠実だ,確かにそうだと思います,私どもも委員のお気持ちよくわかりますが〜ただ一つ御理解いただきたいのは,今,私どもには分かっているという状態ではないということでございます。落ちるであろうという予測,それは一般県民,あるいは一国民としては,私も同様に思います。ただ,2つ申し上げたいことがありまして,私ども行政とすれば,正確な数字を,将来変わることのないであろう数字を出す必要がある。特に税でございますから,不確定な要素がまだ残っている段階で申し上げることは,私どもは,税務行政に携わる者としてできない。

 それから,それに付随して申し上げますと,ただ分かること,言わなければならないこと,申し上げなければならないことを9月補正まで待つ必要はないかと思いますが,分かった段階で示せという御指示があれば示せるものは示す用意と心構えはございます。ただ,御承知のように,税制につきましては,特に公務員の守秘義務,プライバシーの保護という問題もございますので,どこまで,いつの段階で出せるかという,方や今申し上げませんでしたが,微妙な難しい問題もあるという点も御理解をいただければというふうに思うわけでございます。

 それから,申し上げたいもう1点は,私ども,今予算審議をしていただいている中で,税というトータルで御審議をいただいているというふうに理解をしております。したがいまして,私どもが示す必要があるのは,予算審議という場で,私どもが示す必要があると認識しておりますのは,それぞれの計上させていただいた税額が確保できるかどうなのかということでありまして,それぞれの個々の納税義務者の税額の変動がどういうふうになるかということは,従来は余りお示しをすることもなかったということがございます。私どもが確保すべき税額はトータルでの税収額ではないかというふうに考えておりまして,住専問題として住専問題を税収の面から切って分析をしていくという作業される中で,必要な資料を出せという御指示があれば,それはまた,先ほど申し上げましたプライバシーとの兼ね合いの中で出せる範囲のものは出していく心構えはできております。

 ただ,それ以外の中で,9月補正の段階でどれぐらいの税収の変動があるかということになりますと,これは,半年のスパン,それから私どもの責務は,1年間の,平成8年度の予算を御審議いただいているわけですから,1年間のスパンのいろんな景気変動が出てくるだろう1年間のスパンの中で,今御提示した税額を確保することが責務だというふうに考えておりますので,最終的には,税目ごとのいりくりがあっても,トータルでの税額を確保すれば,私どもの責務は果たしたことになるのではないかというふうに考えておりますので,住専問題と税額トータルでの確保という観点は,ちょっとお分けいただいて御議論をしていただければありがたいなというふうに考えているところでございます。


平成8年3月12日 企画部関連質疑

ひたちなか商業・業務地域について

井手委員 

 それでは,3点質問させていただきます。

 1点目が先ほどの細田委員の質問の関連になりますけれども,ひたちなか開発の中核施設の御説明の中で,3点の施設の御説明をいただきました。その中で,3点目の広域型商業施設ということに関しての関連の質問をさせていただきます。

 私は,実は,県会議員の職をいただく前は,小売業に勤めておりまして,ハイマート2000という構想が発表されたときに,社内でもブロジェクトチームがつくられて,その検討に参加した記憶がございます。昨年の秋にハイマート2000の構想が事実上凍結というお話を聞いて,賢明な策だなと,さすが県の行政の方もこの厳しい状況をよくわきまえて凍結ということに踏み切ったなというふうに,正直言って内心拍手を贈ったわけでありますが,昨今の御説明を聞きますと,広域型商業施設という言葉を変えられて再登場させたという認識をしたところでごさいます。

 もう1度,くどいようで恐縮でございますが,広域型商業施設という、あえて商業施設に広域型というのをつけた背景,例えば,それの物販の面積であるとか,業態であるとか,そういったものの構想がある程度あるんであれば,御説明いただきたい。そして,なぜ広域型という言葉が商業施設の前についているのか,その辺の御説明をいただければ,お伺いしたいと思います。

高田企画部次長

 今の御質問でございますが,広域型という名をつけたことについては,高い集客力を持つというようなことから,あえて広域型とつけさせていただきました。それから,具体的な面積とか,業態,その他につきましては,ただいま,ちょっと検討中でございますので,この場ではちょっとお答えはまだできないという形でございます。

井手委員 

 検討中ということですので,余りこれはそれ以上触れませんけれども,規範的に,今の商業施設に関しましては,物販面積というのは,例えば広域型,高い集客力を持つということになると,最低でも2万平米,3万平米近くはないと,いわゆる広域から集客ができる施設ということは,常識的に言わないんでございますね。それにはなおかつ車でもってそこに来る,最低でも,2万平米であれば,2,000台,3万平米であれば3,000台の車の収容能力がないとショッピングセンターなり,物販の施設としては,その能力を発揮できないというのが,小売流通業界の常識だというふうに私は理解しております。

 そういう施設がこの商業・業務地域の中に果たして立地できるのか,できないのか,物販の面積等の具体的なお答えもございませんもんですから,それ以上のお話はここでは差し控えさせていただきますけれども,かなり厳しい状況ではないかなと,私が物販の流通業者の立場であれば,県からのお誘いがあった場合には,丁重にお断りする内容になるんではないのかなというふうに,今のお話を聞くだけでは判断せざるを得ないと思います。

 どうか,商業施設というのは大事だと思います。地元の方がこれだけの大きな新しいまちができるわけでございますから,その中で,物販が入らないというのは,まちづくりでは考えられない,しかしその商業施設が地元密着型の商業施設なのか,広く広域的にお客様を呼ぶという前提の商業施設なのか,そこの選択を誤ると,多大な税金を投入して,そこから出てくるアウトプットが得られない,事業が失敗するという厳しい結果にもならざるを得ない状況だと思いますので,どうか,その辺のところは,よくよく御審議いただきまして,今後の計画づくりにお役立ていただければというふうに思います。以上要望でございます。


高萩・北茨城新都市整備事業について

井手委員

 続きまして,計画調整課長にお伺いをいたします。今回の予算の中で,高萩・北茨城新都市整備事業という新しい事業が盛り込まれております。この事業につきまして,概要の説明をもう少し詳しくお願いできればと思います。

長島計画課整課長

 高萩・北茨城新都市整備事業の概要についてのお尋ねでございます。

 先ほど,予算の説明の中でも申し上げましたように,高萩・北茨城にまたがる地域におきまして,自然豊かな地域や,交通の利便性を生かしまして,居住機能のほか,健康,文化,商業,研究開発などの複合機能を有する新しいライフスタイルに対応した新しいまちづくりを整備しようとするものでございます。

 事業予定区域といたしましては,高萩市赤浜地区及び北茨城市の中郷地域にまたがります約250へクタール,これ標高20メートルから50メートル程度の丘陵地帯でございます。その中で,計画人口と申しますと,約8,000人,約2,000戸の住宅等を供給したいと考えてございます。事業期間といたしましては,事業要請後おおむねIS年間で造成するという計画でございます。以上です。

井手委員 

 この地域は,ちょうどI5年前くらいになりますでしょうか,かなり全国の新聞紙上やマスコミ等で紹介されて話題を呼びました中郷ニュータウンという,東京の住宅会社が茨城市の中郷町というところに住宅団地をつくって,首都圏で募集を行ったということで,非常に話題性のあった地域でございます。それに近接している地域だというふうに理解しておりますけれども,この中郷ニュータウンが約1,100戸ぐらいだと記憶しておりますから,それの3倍近くの大きな住宅団地ができると,今のお話になると,研究施設であるとか,教育施設,そういったものも隣接してできるというふうにお伺いしております。

 具体的に,もうちょっと,住宅団地2,700戸というのは,よく理解できますけれども,研究教育施設,人材育成施設,その辺のことについて,もう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。

長島計画課整課長

 高萩・北茨城新都市につきましては,基本的には,地域振興整備公団が事業主体として行う事業でございます。基本的には,私どもといたしましては,複合機能として,複合都市としての機能として,これを考えてございます。したがいまして,住宅だけの町づくりという形じゃなくて,いわゆる健康,ヘルシー,その他教育,研究機能というものも張りつけた複合機能として考えてございます。

井手委員 

 分かりました。それでは,その事業主体が地域振興整備公団という公団になるわけですけれども,やっぱり県,ないし地元の北茨城市・高萩市にまったく負担がないということではないと思います。現に平成8年度の県の予算でも,推進費が計上されているわけでございます。最終的にこの新都市整備事業に係わる地元の負担の割合というのは,負担金額というが出れば一番結構だと思いますが,どのくらいの負担になるか,御答弁いただきたいと思います。

長島計画課整課長

 この高萩・北茨城新都市整備事業につきましては,基本的には区画整理事業で行います。したがいまして,それぞれの公共用地とか,保留地というものが出てきます。したがいまして,25Oへクタールの中で,公共用地と保留地を除きまして,大体106.3ヘクタールぐらいになると思います。これを,公団と地元が2分の1づつ持ちます。したがいまして,地元といたしましては,26.6ヘクタールが県が持ちますしさらに2市で26.6ヘクタールを持つと,残りを公団が持つと,したがいまして,106.3ヘクタールの住宅地につきまして,公団と地元が2分の1づつ持つという形になります。以上です。

井手委員 

 そうしますと,面積での持ち分というのは御説明いただきましたけれども,最終的に・どのくらいの負担金額になるか等の計算は現在では出ませんでしょうか。

長島計画課整課長

 区域内の総事業としては約300億円程度で考えてございますけれども,基本的には・これは要するに地権者の同意というのが前提になってございます。事業採択は9割の同意という前提でございますので,今はあくまでも計画面積でございますので,あまり概算的なものを申しますと,ちょっと語弊がございますので,それは控えさせていただきたいと思います。

井手委員 

 今のお話もよく理解することができます。北茨城,高萩で26ヘクタール分の公共用地という負担をするということでございますけれども,これは,風聞がある程度入りました質問でお答えづらければ,そのまま聞き流して結構なんですが,北茨城市と高萩市の中で,この整備事業に関しましては,温度差があるというふうに風聞されております。どちらかが一生懸命でどちらかが余り乗り気でないというようなことも,地元では広く言われておるんでございますけれども,事業採択になって,新しい事業に進んでいくわけでございますから,今はそういうことはないというふうに,私は理解しておりますけれども,県と高萩,北茨城,これの事業に臨む姿勢に関しては,今,どういうふうな状況でございますでしょうか。

長島計画課整課長

 計画区域25Oへクタールございます。その中で,高萩市分がI55へクタール,それから北茨城市区域は95へクタールございます。したがいまして,面積エリアの部分では,高萩の方が大分多いわけです。したがいまして,そういう温度差かなという感じはしてございます。現在,国の公団の新しい新規箇所づけとして,箇所づけ採択にむけて,北茨城市・さらに高萩市ともども県と一緒になって,国の方に新規箇所づけの要請を行っておりますんで,温度差は現在はないと考えておるところでございます。

井手委員 

 分かりました。最後に,この新都市整備計画でございますけれども,この辺を実際,車で走ってみますと,今,本当に丘陵地で何もございませんもんですから,一番大事なことは,この新都市が整備されることと,周辺整備,特にアクセスの道路が整備というもの,また近郊のJR中郷駅になるかと思いますけれども,その整備計画との整合性というものが大きな課題になってくるんではないかと思いますけれども,その辺の周辺の道路,ないしは駅周辺の整備計画,この辺の計画はいかがでございましょうか。

長島計画課整課長

 委員御指摘のとおり,新しいニュータウンをつくる場合,道路等の周辺のアクセス道路というのは非常に大事でございます。そういう絡みの中で,高萩・北茨城新都市につきましては,南北軸として,道路でございますけれども,現在の都市計画道路・日立赤浜線を一部変更いたしまして,南北幹線道路として県道里美中郷停車場線から県道高萩北線間を整備するという形で考えてございます。

 さらに,駅につきましては,南中郷駅がございます。南中郷西側の土地区画の整備事業を現在調査中でございます。そういう中で,駅とのアクセスを考えてまいりたいと,こう考えてございます。

井手委員 

 この新都市事業構想に関しましては,地元の期待も大でございます。また,これが実現すれば人口的には1万人弱ぐらい,8,000人ぐらいですか,新しい人口増も望めるという,県北にとっては大きなプロジェクトでございますので,周辺道路の整備等も含めて,できるだけ早く本年度,地権者の方の同意を得られて事業化が推進できますように,御努力をお願いしたいと思います。


県のインターネットプロバイダー事業について

井手委員

 最後に,地域情報化の推進についての御質問をさせていただきます。企画調整課の方にお伺いするわけでございますけれども,昨年来,インターネットを中心とした地域の情報化の推進事業が茨城県におきましては,大きく推進してきているというふうに実感しております。8年度の予算におきましては,6,35O万円の予算をもって,インターネット活用推進事業,インターネットのアクセスボイントを県内のI5ヵ所に整備するという新しい事業が予算化されておりますけれども,この事業の概要につきまして,御説明をいただきたいと思います。

会沢企画調整課長

 井手委員の御質問にお答えいたします。平成8年度のインターネットの活用推進事業ということで,6,35O万円ほど計上させていただいておりますけれども,これは,インターネットを普及しようということで,産・官・学から成る協議会を設立いたしまして,いろんな情報発進基盤の整備,それから普及啓発事業などを行っていくものでございます。

井手委員 

 この中で,県内の市街局番1局に対して1ヵ所のアクセスポイントという具体的な例が出ておりますけれども,インターネットのアクセスポイントということは,言葉を代えれば,県もしくは,県が設ける推進協議会,それがプロバイダー,インターネットのプロバイダーの事業を進めるというふうに,理解をしてよるしいということでしょうかね。

会沢企画調整課長

 産・官・学から成る協議会の中で,ブロバイダーの事業をやっていきたいということでございます。

井手委員 

 基本的に,インターネットのプロバイダー事業ということになりますと,全世界に張りめぐされたインターネットに接続をする,そういう接続をすることを業務にする企業体というふうに理解をしていいと思うんですけれども,これに関しましては,もう一つの視点を考えると,ベンチャービジネスとして民間が小資本でございますけれども,これからの大きな事業の可能性という形で,県内の何市町村に民間がプロバイダー事業を企画しているところがあるというふうに聞き及んでおります。私の住んでおります日立にも,民間のブロバイダーが今申請中であるというふうな形も聞いております。

 こういったベンチャー企業が行うブロバイダー事業と,これから県が中心となって推進協議会が進めるプロバイダー事業と,県民のインターネットのアクセスの便利性を図るということでは,ぜひ推進していただきたい内容ではございますんですが,新しい産業を育成保護するという立場も県にはあると思いますが,事業の整合性,民間事業を育てるという視点と,県民の利便性を図るという視点と,その整合性というのはどういう形でこれからとっていかれるか,大きな問題にもなる可能性もあると思います。御所見をお伺いしたいと思います。

会沢企画調整課長

 協議会の役割の一つは,先ほども申しましたように,インターネットの利活用を図りながら,利用者をふやしていくことだと思います。利用者がどんどんふえていくことになりますと,コンテンツの作成,それからシステムの開発とか,いろんなソフトの需要が出てくると思います。そういうことで,民間のブロバイダー業者にとっても,相当メリットが出てくるんじやないかと思っております。

井手委員 

 ベンチャー企業の育成に関しましては,企画部だけではなくて,行政の立場でいろいろなところからの支援策というものも,今後考えられると思いますけれども,そういったところとの整合性をもった保護育成,インターネットの利便性の拡大ということについての,これからの推進をよろしくお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わります。


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