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マニフェスト選挙とインターネット

 11月9日投票の総選挙は、「マニフェスト選挙」とも呼ばれ、各政党が公表したより具体的な公約集が大きな話題を呼んでいます。
 国会では、10月10日の参議院本会議で、選挙期間中にマニフェストの冊子を配布できるようにする公職選挙法改正案が可決、成立しました。

 今回の公選法改正の特徴は、従来配布されていた法定ビラ(候補者個人用7万枚、政党支部用4万枚)に加え、マニフェストをまとめた冊子を配布できるようになったことです。衆参両院選挙での配布が可能ですが、補欠選挙や地方選挙は対象外で配布できません。
 冊子は2種類まで認められ、総務相への届け出が必要となります。このうち一種類はマニフェストの要旨を記したものとなります。政党の代表者を除き、候補者の氏名、写真などの掲載は禁止され、有料販売は認められています。
 冊子の配布を可能としたことで「政策本位」による選挙戦が期待されています。マニフェストの配布を通じて各党の政策が浸透すれば、人物よりも政策、政党を選ぶ材料をより提供することができるとされています。

 しかし、課題も残りました。冊子のページ数と部数の制限はありませんが、配布場所は公選法で規定する法定ビラと同じように、街頭演説会場や選挙事務所内などに限定されました。新聞折り込みや戸別配布も禁止されました。
 あえて配布場所を制限した背景には、全国に強固な組織を持つ政党が圧倒的に有利となることへの警戒感があったようですが、有権者に政権公約を浸透させるという点では今後の課題となります。

 一方、インターネットについては、選挙期間中も政治家個人や政党が「政治活動の一環として公開することは可能」とされているものの、マニフェスト自体の掲載は許可されませんでした。

 マニフェストの積極的な導入を求める「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)は今回の公選法改正内容に対し、(1)インターネットの解禁(2)冊子配布のための戸別訪問解禁−などの実現を主張しています。

[自民党]重点施策2004(PDF)
- 「日本の再生と発展をめざして」。2003年10月7日
 自民党は、公式にはマニフェストとは呼ばず、政権公約で統一しています。党幹部は「横文字では有権者に分かりにくい」と説明していますが、「民主党の後追いと見られたくない」のが本音のようです。なお、「政権公約2003」それ自体は公職選挙法に抵触するとの利用で10月10日に、ホームページより削除されました。
[民主党]政権公約/マニフェスト
- 「『脱官僚』宣言 5つの約束 2つの提言」。2003年10月5日
 民主党は、マニフェストを「民主党政権政策」と名付け、「この約束は、民主党政権第一期の期間が終了するときに、その達成度が明確に示され、国民のみなさんが公約の達成状況を評価、査定できるものです」とそのマニフェストの性格をうたっています。
[公明党]マニフェスト(政策綱領)100
- 「『安心・はつらつ社会』を構築します」。2003年10月2日
 公明党は、いち早く7月24日、「マニフェスト」第1弾を、10月2日に最終版を公表しました。ただ、訳語は「政権公約」でなく、「政策綱領」としています。公明党は、今回の総選挙で単独での政権獲得を目指していないため、「政権公約」との表現を使わなかったと言われています。
[共産党]総選挙にのぞむ政策
- 「『国民が主人公』 の日本改革をすすめます」。2003年10月8日
 共産党は、マニフェストに否定的です。「政権を取ればこうするというのがマニフェストなら、取れなければパーになる。野党でもこうやる、と言うのが責任ある政党で、世間の流れにならってマニフェストと呼ぶつもりはない」(市田書記局長)と説明します。その上で、「総選挙にのぞむ日本共産党の政策」を公表しています。
[社民党]3つの争点 8つの約束
- 「安心と安全による人に優しい社会へ」。2003年10月2日
 社民党は、「社民党の政策 3つの争点 8つの約束」を公表しました。これが、マニフェスト=政権構想なのかどうか、内部でも議論がかみ合っていないようです。
[保守新党]実現を目指す10の重点政策
- 総選挙政策。2003年10月3日
 保守新党は「総選挙政策」と呼んでいます。しかし、その内容は非常に抽象的で具体性が無く、いわゆるマニフェストとは言い難いものです。

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