アロマテラピーとは?
心とからだを癒す自然の力
アロマは「芳香」、テラピーは「治療」または「療法」という意味です。
アロマテラピー(芳香療法)とはハーブ(薬用植物)や果実などから抽出した100パーセント天然のエッセンシャルオイル(天然植物精油、略して精油)を
暮らしの中で美容や健康に役立てるライフスタイルをいいます。アロマテラピーは、ホリスティック(全体的)な
自然療法のひとつです。ホリスティックとは、ある人が病気になってしまったとき、その病気の部分だけに注目するのではなく、病気になってしまったその人そのもの(その人を取り巻く環境、心の状態、性格、食物の好みなど…)を見つめていくというような意味です。ですから、
アロマテラピーとは身体だけではなく、からだ、心、魂、つまりその人全体をヒーリング(癒し)ながら、バランスを整えてくれるのです。生命のもつ目に見えないエネルギーを分けてもらうことで、生命としての私たちも元気を取り戻すことができるわけです。
アロマテラピーの歴史
アロマテラピーの歴史は古く、紀元前3000年頃、古代文明の時代にさかのぼりますが、
アロマテラピーという言葉が誕生したのは1937年です。
フランスの化学者、ガットフォセットが実験中に大やけどをし、患部をラベンダー液に浸したところすっかり治ってしまったというエピソードは有名です。彼はその経験からエッセンシャルオイルの治療効果に関心を持ち「芳香療法」という本を出しました。
日本では1985年、イギリスのアロマテラピー研究家ロバート・ティスランドの著書
「アロマテラピーの理論と実際」が翻訳され、本格的な普及がスタートしました。
香はいったいどのようにして、私たちの心と体を癒してくれるのでしょうか?
嗅覚を利用した芳香浴の場合は、花から吸収された香りが刺激の信号になって、直接脳の中枢につながります。そして、香りの信号は人間の存在の根底に関連するシステムに送られるのです。そのシステムは記憶、喜び、感情を司っている脳の一部にあたります。
香りが脳内を刺激すると、脳に影響をあたえる
脳内物質を発生させます。エンセファリン…気分を高め、痛みの感覚を和らげる作用
エンドルフィン…性的に興奮させ、痛みの感覚を麻痺させる作用
セロトニン………リラックスさせ、心を穏やかにさせる作用
脳はその香りから、過去の記憶と現在の状況を瞬間に把握して、その香りのもとメッセージを理解し、心身にはたらきかけるのです。
また、マッサージーのように触覚を利用した方法では、
皮膚から浸透した精油の有効成分が、体液、血液、リンパ液に乗って、体中、細胞レベルで働きかけ、最終的には尿や汗、呼吸を通じて老廃物とともに排泄されるのです。つまり、脳から心、皮膚からからだ、心身両面に同時にアプローチができるのです。
現代の私たちは、心と体が切り離せないということの本当の意味を少しずつ理解しはじめているはずです。
心が疲れてくると、体も疲れてくる…。体が元気がなくなると、心も元気がなくなる…。
当たり前のことのように思いますが、今までの西洋医学はまったく別個に考えていたのです。
ストレス⇒胃痛⇒胃潰瘍⇒胃がん⇒手術(胃を切除)のように…。
しかし、よく考えてみれば、根本的原因(ストレス)を取り除かなければ、悪循環でまた同じことの繰り返しになってしまいます。アロマテラピーは、その根本のところを、ゆっくりではありますが確実にとりのぞいてくれるのです。
ストレス研究家の第一人者ハンス・セリエ博士は、こう言っています。
「ストレスを避ける方法は、死ぬことしかない。私たちは日々の暮らしの中で、潜在的なストレス刺激やストレスを受ける機会をたくみに処理している。ストレスに対して前向きに対処していれば、暮らしは面白く、やりがいがあり、刺激に満ちたものになる。しかし、ストレスに満ちた状況がいつまでも解消されず鬱積すると、問題が起こってくる。」
人が何を求め、何を期待して、何に安らぎを感じるのかは人それぞれ違いますが、アロマテラピーが心とからだのストレスをコントロールして、理想の生活に近づける力になることは、まちがいありません。
エッセンシャルオイル(精油)は植物の花、葉、果実や幹、根などから抽出した100%天然の液体です。(薬効のある芳香植物の芳香成分を丁寧に集めた、非常に濃縮された揮発性の液体)
エッセンシャルオイルの抽出法
2.
圧搾法……柑橘系の果実は、果皮を手や機械で絞ります。(オレンジ、グレープフルーツなど)エッセンシャルオイルに共通する働き