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■絵はがきにこめる想い

   

その1 「味気あるもの」を発信する

いつの時代も「手作り」は、やはりいいモノだ。場合によっては、人に感動を与える事さえも出来る。おまけに出来上がったモノは唯一無二だ。
たとえ下手でも、その一点において価値がある。
絵でも字でも料理でも、何だって一緒だよな。



今は、コンピューターで絵も字もかける。会社の報告書にはパソコンが重宝され、逆に手書きは嫌がられる始末だ。挙句の果てには、コンピューター制御の高価な機械が回転寿司を淡々と握っている。下手すりゃあ、それを食っている人間さまにも、腹にポンポン放り込んでるだけのマシーンと化している人がいる。そのくせ、周囲の雰囲気と違和感なくマッチしてるから不思議なモンだ。
回転寿司のこうした一面には、味も素っ気もない。「早い・安い・うまい」なんてクソくらえ。こんなの「寿司」と呼べるかってんだ。

人間には感情がある。その上、オレたち日本人には「わび・さび」を興じる心が宿っている。オレは「味気のあるもの」がやっぱり好きなんだ。


   

その2「日本の味・和風」に着目する
〜自然味のある人間になるために〜



「自然味」ってのは、オレが勝手に作った造語だが、読んで字のごとく「自然の味」だ。米でも果物でも野菜でも、自然のモノなら何でもそうだが、本当にいいモノには 自然の味が宿っている。有機栽培で作った農作物はウマいから、付加価値がついている。逆に、農薬をバンバン使った作物や、中国産の製品は安っぽくてダメ…と相場が決まってる。





もうひとつ、「本当にいいモノ」を考える上で、「風土」という概念がある。「愛媛みかん」は愛媛県の風土に適した作物だからウマい。魚沼産コシヒカリも松坂牛も、みーんな一緒だ。その土地の自然の味を生かした産物だから、「モノがいい」という事になっている。
わざわざ日本でバナナをハウス栽培したところで、本物には決して勝てないのさ。

コレは人間も一緒で、日本人は日本の風土に合った生き方をすることが、味のある人間になるための自然な道なんじゃないかな...と、今になって思ったりする。もちろん、違う生き方をしていて立派な人もたくさんいる。ただ、論より証拠で 「和のモノ」は見ても触れても、オレにとってはやはり心地いいモノだ。

日本の風土で長年育まれてきた伝統文化や和風のテイストには、何物にも替えがたい「本物」が宿っている…と思えてならない。 最近のゴチャゴチャ・ハチャメチャ・シッチャカ・メッチャカぶりは、安っぽくてもう見ちゃいられないぜ。
オレは、絵はがきを描き続けて、いつか「自然味のある人間」になれたらいいなーと思っているんだ。


  

その3 「利便性・合理性・経済性追求主義」への挑戦

今の日本が、戦後の経済復興の上に成り立っているのは、誰もが認めるところだろう。この間の日本は、徹底して合理化・効率化を進め、経済発展の追及に努めてきたことも周知の通り。すなわち、「便利にしよう」「効率を上げよう」「ムダ手間を省こう」...と、必死になって取り組んできた歴史の上に、我々は生きている。
そして今や、「何をするにも効率性・経済性が第一です。」「儲からなくちゃ意味ないじゃん。」という屁理屈は、高校を卒業して間もない若造までもが、のたまわったりするようにまでなってきた。     



「若いのにご立派ですなぁ…。」という見方もあろうが、なにしろ上下左右、どこを見たってこの調子だ。はっきり言って、どこもかしこも「こうした方が合理的!」「あんな事やってちゃあ効率が…。」となっちゃってて、いちいちうるせえ。そんなの、誰だって分かってらあ。

今時はがきなんて、携帯メールよりも不便で非経済的だが、それでもデジタルデータよりはいくらかの「味」がある。オレの絵はがきには、今の経済一辺倒の世の中への、ささやかな反骨精神も宿っているんだ。


  

その4 無心で楽しめる時間と心

理屈ばっかり並べたが、オレの作品は、全て「お絵描き」を趣味として楽しんだ結果生まれているモノだ。ムダな事に時間を費やす遊び心もある。コレがないと、いい作品は絶対に出来ない。従って、気が向いた時にしか描かないことになっている。     



それでも枚数を重ねりゃ、いいのも悪いのも出てくる訳だが、それがまた面白い。だから、失敗作は絶対にない。一度筆をつけたら、その紙は必ず絵に仕上げる。
自分で言うのも何だが、オレはオレの絵が気に入っている。このサイトを覗いてくれた人が、オレと同じように少しでも楽しんでくれたら嬉しい。そして、我々の手が生み出す「味」を、再発見して欲しいと思うんだ。

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