県議会本会議速報
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平成14年 第1回定例県議会本会議

知事提案説明要旨

<平成14年2月26日 火曜日 午後1時開議>

 平成14年第1回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、県政運営に関する所信の一端を申し上げます。

第1 県政運営の基本方針

 21世紀も2年目を迎えましたが、世界状勢は依然として地域間紛争が絶えず、国際経済競争は激しさを増しております。また、昨年9月に発生しました米国同時多発テロは、世界の平和と安定に大きな脅威を与えるとともに、世界経済の先行きに暗い影を投げかけました。

 こうした状況の中、我が国は、安全保障、経済、環境など世界共通の大きな課題に直面する一方、国内におきましては、これまでの日本経済を牽引してきた社会経済システムから、規制緩和や地方分権による、民間の活力や地域の独自性を発揮しやすいシステムへと大きな変革を迫られております。

 政府は、このような状況を受け、いわゆる骨太の方針を定め「聖域なき構造改革」を進めておりますが、地方においても、構造改革を進めるとともに、様々なアイディアを競い合いながら「分権の時代」を確立し、新生日本を創るため最大限の努力をしていかなければならないと考えます。

 一方、少子高齢化が進展し人口減少の時代を目前に控え、日本全体の活力低下が懸念される中で、地域間競争は益々激しくなり、元気な地域とそうでない地域の差が開いてくるものと思われます。

 私は、かねてより、21世紀は「交流の時代」であると考え、陸・海・空の交通ネットワークづくりを着実に進めてきたところでありますが、今後、これらに加え、高度なIT社会に対応した情報通信基盤の整備を積極的に進め、いばらきを人・物・情報の一大交流拠点として発展させ、地域の活性化と雇用の場の確保を図り、元気な県をつくりあげていきたい思います。そして、豊かになった県の力を福祉や医療、環境、教育や文化といった繭の充実につなげ、誰もが住みよいいばらきづくりを進めてまいりたいと考えております。

 現在、国も県も人変厳しい状況下にありますが、21世紀は茨城にとって夢のある、希望にみちた世紀であり、元気で住みよいいばらきづくりを進め、誰からも愛される茨城となるよう、今後とも、全力をあげて県政に取り糾んでまいりたいと存じます。

 特に今年は、本県でワールドカップやインターハイが開催される年であります。大会の成功に万全を期しますことはもとより、この2つのビックイベントは、国内外との交流を活発化し、いばらきをアピールできる絶好の機会でありますので、お客様を温かくお迎えいたしますとともに、本県の自然や特産物、歴史や文化などを見て、聞いて、味わっていただくことにより、いばらきのイメージアップにつなげてまいりたいと存じます。

県政の重要課題と予算編成の基本的考え方

 次に、当面する県政の重要課題と平成14年度予算編成に当たっての基本的な考え方を申し上げます。

 まず第1に、景気・雇用対策であります。

 我が国経済は、生産及び設備投資が減少するとともに、個人消費は弱含みで推移し、失業率がこれまでにない高さに上昇するなど、景気は悪化を続けております。

 このため、昨年10月及び12月に補正予算を編成し、緊急雇用・景気対策を講じたところであります。しかしながら、その後、国においては、デフレの進行とあいまつて景気が加速度的に悪化することを回避するため、事業規模約4兆1千億円の第2次補正予算を編成いたしました。県といたしましても、今回、国と連動し、総額約295億円の経済対策を講じることとし、平成13年度補年予算案を本定例会に追加提案する予定としております。

 また、来年度当初予算の編成に当たりましては、パワーアップ融資及びセーフティネット融資の融資枠の拡大、緊急雇用拡大支援融資の創設等により金融面からの中小企業支援の拡充を図りますとともに、緊急雇用創出基金の活用による雇用の確保や県民雇用相談コーナーの拡充などを図り、中小企業及び雇用のセーフティネットの充実に努めたところであります。また、社会資本の整備につきましても、国の補助等を活用しながら必要額を確保し、保育施設や老人福祉施設、生活道路、下水道など、経済波及効果や雇用創出効果の高い生活関連社会基盤の整備に重点的、効率的に取り組むことといたしました。

 第2は、改革の推進であります。

 まず、行財政改革の推進でありますが、県財政は、県税収入の長期的低迷、人件費や公債費などの義務的経費の増大などにより、巨額の財源不足が見込まれる危機的な状況が続いております。来年度の予算編成に当たりましても、財政再建プランの見直しを行いながら、全事業についてゼロベースで総点検を実施し、施策の重点化を図り

ますとともに、県税徴収率の向上や県有未利用財産の売却など、歳入・歳出両面にわたる出来る限りの対策を講ずることといたしました。今後とも、組織・機構のスリム化、出資法人等の見直しなどを進めますとともに、IT社会に対応した電子県庁の構築など、分権時代にふさわしい行財政運営体制の確立に努めてまいります。

 さらに地方分権の推進につきましては、人口10万人以上または合併により人口5万人以上となる市を対象に包括的な権限移譲を行う「まちづくり特例市制度」を来年度から発足させるなど、分権の中心的担い手であります市町村に対し引き続き積極的な権限移譲に努めてまいります。また、市町村合併は分権の推進にとって極めて有効な手段でありますので、引き続き、自主的な市町村合併の促進に努めてまいります。

また、男女共同参画社会づくりにつきましては、昨年制定いたしました条例に基づき、今般、施策の総合的かつ計画的な実施のための基本計画案を策定し、本定例会に提出いたしたところであります。今後、本計画に基づき、苦情・意見処理委員会を設置しますとともに、県民、事業者、各種団体との連携・協力の下に、男女にかかわらず個性と能力を十分に発挿することのできる社会の実現に努めてまいります。

 また、これらの改革を進めていく上で、県政を県民の身近なものとし、県民との連携と協働により県政を進めていくことが極めて大切であると考えております。このため、県の施策や今後の発展方向等について的確な情報を提供し、合わせて県のイメージアップに努めながら、県民と情報を共有し、役割を分担する県政を推進してまいります。

 第3は、少子・高齢社会に向けた福祉や保健、医療の充実であります。

 我が国では、未婚化・晩婚化などを背景に、少子高齢化が急速に進展しておりますが、年金や医療保険といった社会保障ばかりでなく、経済や労働、教育の面など日本の将来に大きな影響を及ぼすことが懸念されております。

 これに歯止めをかけていくためには、「結婚・出産・子育てに夢や希望の持てる社会」を実現していくことが不可欠であります。このため、保育所等の待機児童の解消や育児・介護休業制度の導入による仕事と家庭が両立できる働きやすい職場づくりなどを進め、安心して子どもを産み育てることの出来る環境づくりに力を注ぎますほか、本県独自の結婚対策として男女の自然な出会いの場づくりを進めるなど、総合的な少子化対策に取り組んでまいります。

 高齢者対策といたしましては、特別養護老人ホームなどの介護サービス基盤の整備を図りながら、介護保険制度の定着と円滑な運営に努めてまいりますとともに、健康寿命を伸ばし、生涯を元気に暮らせるよう、高齢者の生きがいづくりや生涯にわたる健康づくりを県民総ぐるみの運動として展開し、明るい長寿社会の実現をめざしてまいります。また引き続き、本県独自の地域ケアシステムの推進や県立医療大学付属病院を核とした全県的な地域リハビリテーション支援体制の整備に努めてまいります。

 第4は、安全で快適な生活環境づくりであります。

 環境問題につきましては、私たち一人一人が、日常生活や社会経済活動において、

人と環境の関わりを深く理解しながら、地球と共生する循環型社会を形成し、次の世代に美しい環境を引き継いでいくことが、我々に課せられた大きな課題であります。

 このため、ゼロエミッションをめざした資源リサイクルの推進をはじめ、ダイオキシン対策、廃棄物の公共処分場の整備、省エネ・省資源等の推進に積極的に取り組み、環境への負荷を出来る限り減らしてまいります。さらに、本県の貴重な財産である霞ケ浦につきましては「(仮称)霞ケ浦環境センター」の整備に着手しますとともに、新たな水質保全計画に基づき、総合的な水質浄化対策に取り組んでまいります。

 また、原子力の安全対策につきましては、JCO事故の厳しい反省と教訓等を踏まえ、原子力防災体制の一層の充実に努めてまいります。

 第5は、21世紀のいばらきを担う子どもたちの健全育成であります。

 近年、少子化が進む中で、子ども同士が切磋琢磨する機会が減る一方、家庭や地域の教育力の低下、さらには、他人を思いやる心の希薄化、規律を守る意識の欠如といつたことが顕著になりつつあり、いじめ、不登校、学級崩壊、凶悪な青少年犯罪あるいは学力の低下など、教育をめぐる状況は極めて深刻であります。

 このため、本年4月からの完全学校週5日制の実施及び新学習指導要領の導入等を契機として、「のびのびいばらきっ子プラン」をスタートさせ、新たに小学1年生を対象として少人数学級編制等を導入いたしますとともに、引き続き、全小中学校においてティーム・ティーチングを進めるなど、少人数指導の充実を図ってまいります。

 また児童・生徒の自主性を高め、より良い人間関係の育成を図るため、生徒による主体的な学校づくりや楽しく学校にいける環境づくりを進めてまいります。

 さらに、学校・家庭・地域が力を合わせて、社会全体で子どもたちを育てていくことが大切でありますので、家庭や地域の協力を得て実施する多様な体験・交流活動等を通じて、子どもたち一人一人の個性や創造性、社会性等を伸ばしながら、21世紀を担う、こころ豊かな人づくりを推進してまいります。

 第6は、活力ある産業の育成であります。

 商工業につきましては、創造性や自立性に富み、競争力のある足腰の強い中小企業を育成し、国際的な競争に勝ち抜ける強靭な産業構造への転換を促進していくことが最大の課題であります。このため、「いばらき未来産業プロジェクト」の推進や資金支援の拡充等を図りながら、企業の創業や新分野への進出を促進しますとともに、つくばにおける科学技術集積を活用するための産学官連携体制の強化、さらには「サイエンスフロンティア21構想」の推進による県北地域への科学技術拠点の形成を図ってまいります。また、ITをはじめ産業の高度化に対応できる人材育成の充実やIT基盤等を活用した企業誘敦にも全力を挙げて取り組んでまいります。

 農林水産業につきましては、改めて食の安全性が問われるとともに、世界との競争や地球規模での食料不足が課題となる一方、農林水産業の有する多面的機能に対する評価が高まってきております。このため、本県の豊かな自然の恵みや消費地に近い有利性を生かしながら、日本の一大食料基地として、生産性が高く、国内外の産地間競争に打ち勝てる農業をめざしますとともに、環境と調和した生産システムの確立、安全かつ良質な食料の安定的な供給に努めてまいります。特に、牛海綿状脳症対策につきましては、引き続き、検査の徹底や畜産農家及び関連事業者に対する支援に万全を期すとともに、安全性のPRなどにより一日も早い消費の回復に努めてまいります。

さらに、林業につきましては、森林が有する公益的機能発挿のための管理の適正化や、循環型の資源として地域材の利用の促進を図ってまいります。

 また、水産業につきましては、漁業資源の増大等に取り組みながら、つくり育てる漁業を一層推進し、経営の安定化を図ってまいります。

 第7は、社会資本の整備と交流の拡大であります。

 今後、元気で住みよいいばらきづくりを進めていくためには、交通基盤や情報ネットワークの整備が不可欠であります。

 北関東自動車道、首都圏中央連絡自動車道及び東関東自動車道水戸線の3本の高速道路につきましては、道路公団などの民営化の影響が懸念されておりますが、国の責任において着実に整備を進め、計画どおり完成するよう強く働きかけてまいります。

 常陸那珂港につきましては、ポートセールス等により航路の充実に努めますとともに、中央ふ頭の整備を進め、世界と競争できる魅力ある中核国際港湾としてまいります。また、百里飛行場の民間共用化につきましては、平成18年度頃の開港に向け、ターミナルビル等の検討及びアクセス道路の整備を進めますとともに、つくばエクスプレスにつきましては、平成17年度開業に向け、鉄道建設とあわせて、沿線整備事業等の推進を図ってまいります。さらに、これらの交通基盤の整備に加え、これからの地域間競争に打ち勝つためには、本格的なIT社会の到来に対応した情報通信基盤が必要でありますので、来年度中には高速大容量の通信網を県内に整備してまいります。

第2 予算

 次に、予算について申し上げます。

 本県の予算編成の前提となる国の予算は、財政構造改革の第1歩として「国債発行額30兆円以下」の目標の下、「改革断行予算」として編成され、一般会計予算の総額は81兆2、300億円、対前年度比1.7パーセントの減、また、政策経費であります一般歳出については対前年度比2.3パーセントの減、うち公共投資は10.7パーセントの減となっております。

 一方、地方公共団体の予算編成上の指針であります地方財政計画をみますと、総額で対前年度比1.9パーセント減と計画策定以来初めて前年度規模を下回るとともに、歳出のうち公債費等を除いた地方一般歳出につきましては、対前年度比3.3パーセントの減と3年連続の減となるなど、経費全般について徹底した節減合理化を図る一方、当面の重要課題である個性ある地方の活性化、循環型社会の形成、少子高齢化への対応等に財源の重点配分を図ることとされております。

 次に、本県の平成14年度当初予算について申し上げます。

 まず、来年度の財源見通しであります。歳入の中心であります県税収入につきましては、企業収益の悪化及び郵便貯金の集中満期終了により、法人2税、県民税利子割が大幅な減に転ずるとともに、引き続き、個人住民税、軽油引取税、地方消費税の減収が見込まれるため、13年度当初予算に比べ7.6パーセント、約246億円の減と2年ぶりの減額を見込んでおります。さらに、消費低迷等の影響により、地方消費税清算金を加えた実質県税額の減収見込みは約304億円に上っております。

 また、その他の一般財源につきましては、13年度当初予算に比べ、地方交付税をマイナス2.6パーセント、60億円の減と見込む一方、地方の財源不足に対応して発行が認められる臨時財政対策債等の一般財源県債を349億円発行しますとともに、県有未利用財産の売却や特別会計等からの繰入などにより確保を図ったところでありますが、なお不足する財源につきましては、財政健全化債の活用及び一般財源基金の取り崩しを行ったところであります。

 また歳出につきましては、徹底した事務事業の総点検に取り組む一方、限られた財源を、人づくりや少子高齢化対策、循環型社会づくり、IT戦略の推進、地域経済の活性化対策など、「改革いばらき」に資する重点分野に配分し、施策の充実を図ったところであります。また、公共事業につきましては、生活関連社会資本の整備への重点化を進めながら、国補公共事業につきましては8.6パーセントの滅、県単公共事業につきましても8.7パーセントの減としたところであります。

 この結果、平成14年度一般会計予算の総額は、1兆731億9、700万円、前年度当初予算に比べ、1.1パーセントの減となったところであります。

 また、特別会計は17件で、総額1、072億3、500万円となり、5.7パーセントの減、企業会計は5件で、総額820億1、400万円、8.8パーセントの減となっております。なお、債務負担行為は、一般会計で45件、特別会計で8件、企業会計で3件であり、その内容は建設工事の請負契約などであります。

 次に、平成14年度の主な施策について申し上げます。

 第1は、誰もが健やかに暮らせるやすらぎに満ちた社会づくりについてであります。

(少子・高齢社会への対応)

 まず、少子化対策につきましては、安心して子どもを産み育てられるよう、「大好きいばらきエンゼルプラン21」に基づき、保育所の新設や増改築により待機児童の解消に努めますとともに、延長保育や私立幼稚園の預かり保育事業、放課後児童の受け入れ体制の整備などを推進してまいります。さらに、新たに夜間や休日における小児救急医療体制の整備を行いますとともに、聴覚障害児を早期に発見し適切なケアを実施するための体制づくりを進めてまいります。また、近年未婚率が上昇しているところから、若い男女の出会いの場となる青年交流事業を引き続き支援をしてまいります。一方、深刻な社会問題となっている児童虐待につきましては、児童相談所等において、育児不安を抱える親や児童虐待のおそれのある親に対し精神科医によるカウンセリングを新たに実施するなど、相談体制の充実を図ってまいります。

 次に、高齢社会への対応といたしましては、「いばらき高齢者プラン21」に基づき、老人福祉施設の整備や人材の養成など、介護サービス基盤の整備を進めますとともに、新たに介護保険推進員を社会福祉協議会等に配置し、制度の普及啓発や利用者ニーズの把握に努め介護サービスの質の向上を図ってまいります。また、健康寿命を伸ばし明るい長寿社会を実現していくため、引き続き、市町村の行う介護予防・生活支援事業に対する助成や「高齢者はつらつ百人委員会」の活動への支援を行いながら、高齢者の健康、生きがいづくり活動を広く県民運動として展開してまいります。

(福祉コミュニティづくりと福祉サービスの充実)

 茨城町に進めております、やさしさのまち「桜の郷」の整備につきましては、平成16年度開院に向けて移転整備が進められております国立水戸病院を中核として、民間の福祉施設や健康・生きがい施設の誘敦、シルバーハウジングを導入した県営住宅の整備などを計画的に進め、ユニバーサルデザインに配慮した人にやさしいまちづくりを進めてまいります。さらに、市町村が取り組む人にやさしいまちづくり事業への支援や民間の社会福祉施設整備に対する助成を引き続き行いますとともに、県立内原厚生園につきましては、平成15年度開設に向け、県立コロニーあすなろと一体化した新しい施設として整備を進めてまいります。

 また、ドメスティック・バイオレンス対策といたしまして、婦人相談所に配偶者暴力相談支援センターを設置し、相談機能の充実を図ってまいります。

(健康づくりと保健・医療の充実)

 次に、医療体制の充実についてでありますが、県北地域におけるがん診療並びに災害時の医療体制の充実を図るため、日立総合病院の地域がんセンター及び地域災害医療センターの整備に対し助成を行いますとともに、県立の水戸看護専門学院の中央看護専門学院への統合整備を進めます。さらに、友部病院やリハビリテーションセンターをはじめとする老朽化した県立の医療・福祉施設につきましては、官民の役割分担を見直し、新たな医療福祉ニーズに対応していくため、再編整備を検討してまいります。また、県民の生涯にわたる健康づくりを推進するため、「健康いばらき21プラン」に基づき、県内各地におけるヘルスロードの選定や市町村が行う健康づくり事業に対する支援等を行いながら、県民総ぐるみの運動を展開してまいります。

 第2は、ゆたかさを実感できる安全快適な生活環境づくりについてであります。

(循環型地域社会づくり)

 まず、環境への負荷の少ない循環型地域社会づくりにつきましては、近年、循環型社会形成推進基本法をはじめリサイクル関連法が相次いで制定され、また、ダイオキシン、環境ホルモンなどの新たな環境問題が生じてきましたことから、平成9年に策定しました「環境基本計画」の改定を行いますとともに、地球温暖化防止のための「京都議定書」の発効を控え、省エネルギー・省資源など県民の「エコライフ」への取り組みを一層促進してまいります。また、ごみ減量化行動計画等に基づき市町村がモデル的に取り組むゼロエミッション推進事業に対し新たに助成を行いますほか、環境にやさしい施設づくりを進めるため、省資源・省エネルギーや資源の再利用等に配慮した公共施設の設計・計画マニュアルを作成いたします。さらに、笠間市に環境保全事業団が計画しております公共処分場の整備につきましては、周辺の環境に十分配慮しながら、実施設計等を進め、来年度中に工事に着工してまいります。

 霞ケ浦の水質浄化につきましては、第4期湖沼水質保全計画に基づき、浄化のための県民運動の推進をはじめ、計画的、総合的な水質保全対策に取り組みますとともに、面源対策として、新たに休耕田を活用した住民参加型の水質浄化活動を支援してまいります。また、水質保全に関する調査研究や県民運動などの拠点となる「(仮称)霞ケ浦環境センター」につきましては、平成16年度竣工に向け、用地買収及び実施設計に着手いたします。さらに、霞ケ浦湖畔を会場として平成15年度に開催される自然公園大会の準備を進めますほか、澗沼、牛久沼の水質浄化にも積極的に取り組んでまいります。また、ダイオキシン対策につきましては、引き続き大気、水質、土壌等のモニタリング調査を全県的に実施するとともに、廃棄物焼却炉等の適正管理の指導に努めます。

(安全な県民生活の確保)

 原子力施設の安全確保につきましては、引き続き、立ち入り調査体制や環境放射線監視体制の充実強化を図りますとともに、原子力災害時の応急対策の拠点となります「県原子力オフサイトセンター」が来月末に供用開始されますので、それを契機に、さらなる原子力防災体制の整備に努めてまいります。また、消防につきましては、昨年の新宿歌舞伎町の雑居ビル火災を教訓に、ビル管理者等に対し、消防用設備等の定期点検報告の徹底を指導してまいりますとともに、警察体制につきましては、平成13年度に引き続き警察官の増員を図りますほか、「(仮称)牛久警察署」建設のための設計に着手するなど、安全に対する県民の強いニーズに応えてまいります。

(快適な生活環境施設の整備)

 次に、快適な生活環境施設の整備についてでありますが、「安全快適なみち緊急整備事業」による県道及び市町村道の渋滞箇所や交通危険箇所等の重点的な整備並びに「生活排水ベストプラン」に基づく下水道や農業集落排水施設の整備、合併処理浄化槽の普及などを計画的に進めてまいりますとともに、県南西地域の水道用水不足に対処するため、広域的水道整備計画の策定に向けた基礎調査を実施してまいります。

 また、地域住民の重要な生活の足であります乗合バスの路線維持に対し引き続き支援をしてまいりますとともに、尉ヒ山間地域の廃止路線につきましては、従来の代替バス運行に加え、新たにデマンド型乗合タクシーや循環型バスなどの導入を図る市町村に対し助成を行うなど、生活交通の支援に積極的に取り組んでまいります。

 また、緒川ダムの建設中止に伴い、遅れておりました地元の道路の整備や河川の改修、生活環境の整備等に引き続き努めますとともに、新たに住宅新改築資金の借入に対する利子補給を行ってまいります。

 第3は、個性と創造性に富むこころ豊かな人づくりについてであります。

(学校教育の充実と青少年の健全育成)

 まず、学校教育につきましては、本年4月から小中学校において新しい学習指導要領が実施されますが、新たに県独自で「のびのびいばらきっ子プラン」として、義務教育の初年度となる小学1年生を対象に、少人数学級の導入やティーム・ティーチングの拡充を行う「楽しく学ぶ学級づくり事業」に取り組みますとともに、引き続き、全ての小中学校でティーム・ティーチングが実施できるよう「TT特別配置事業」を推進し、少人数のきめ細かな指導による基礎学力の向上等を図ってまいります。また、IT社会に対応していくため、県立学校へのパソコン等の整備を進めますとともに、子どもたちの理科離れが叫ばれる中、県内科学研究施設等と連携して科学の体験・研究活動等の機会を提供する「科学大好き児童生徒育成事業」に新たに取り組みます。

 さらに、高等学校審議会の答申を踏まえ、県立高校の再編整備実施計画を策定いたしますとともに、養護学校につきましては、つくば地域への新設等を含め、今後の整備のあり方について調査検討を進めてまいります。

 私学教育の振興につきましては、厳しい財政状況のなかではありますが、引き続き私立高等学校や幼稚園の経常費等に対する助成の充実を図ってまいります。

 未来を担う人づくりにつきましては、子どもたちに社会の一員としての自覚や他人を思いやる心等を育成していくため、完全学校週5日制の実施を契機に、県立青少年教育施設等を活用した「元気いばらきっ子エンジョイ・サタデー事業」などに新たに取り組みますほか、美術館、博物館、水族館等の県有施設の入館料を、全ての土曜日について無料化もしくは割引きする措置を講じてまいります。また、小学1年生を対象とした「お手伝い・ボランティア奨励事業」のほか、新たに、高校生を対象にボランティア活動に関する学習の機会を提供する「地域に生きるヤングボランティア推進事業」を実施するなど、学校や家庭、地域社会の連携による体験・交流事業の充実を図ってまいります。

 さらに、青少年の健全育成のため、県青少年会館内に交流サロンを開設し、青少年が自由に集い交流する場を提供しますとともに、青少年団体が行う様々な情報発信事業等を支援してまいります。

(生涯学習とスポーツ、文化の振興)

 生涯学習の推進につきましては、昨年開館した県立図書館は、多くの方々に利用され好評を博しておりますが、さらに貸し出し・返却の迅速化などサービスの充実に努めてまいります。また、来る3月21日には、いよいよアクアワールド茨城県大洗水族館がオープンいたしますが、参加・体験型施設として、県内外から多くの方々に来館していただけるよう、積極的に広報活動を展開してまいります。

 スポーツの振興につきましては、ワールドカップの茨城開催まで96日と迫りましたが、国内外からの観戦者を温かくお迎えするためのイベント等の開催や円滑な交通輸送、スタジアム周辺の安全確保等に万全を期してまいります。また、開催156日前となりましたインターハイにつきましても、来る5月13日にオープンする笠松運動公園のアイススケート兼用型の屋内水泳プールなど競技施設等を整備しますとともに、高校生による花いっぱい運動等を実施しながら、大会の成功に向け全力を尽くしてまいります。

 また、スポーツによる地域活性化として、スカイスポーツを活用した筑波山周辺の地域振興プランを新たに策定してまいります。

 芸術・文化活動の推進につきましては、長期的な文化振興指針として「文化振興ビジョン」を策定いたします。また、「いばらき広域文化交流事業」として、新たに、複数の市町村が文化団体等と連携し、自然や歴史、伝統芸能・工芸などの地域資源を生かしながら取り組む広域的な文化創造事業を支援してまいります。

 第4は、新しい魅力と活力あふれる産業社会づくりについてであります。

(新たな環境に対応した農林水産業の振興)

 まず、農業についてでありますが、認定農業者等への農地の利用集積を図り、経営規模の拡大を進めますとともに、畑地基盤整備や園芸10アップ運動の展開と合わせ、地域における輪作体系の確立や多品目生産への取り組み等を支援しながら、耕地利用率の回復・向上を図ってまいります。さらに、急増する輸入農産物への対策につきましては、セーフガード監視品目を対象に、低コスト化や契約取引の推進、高付加価値化など、産地改革への取り組みを支援し、競争力の強い産地を育成してまいります。

 また、減農薬や減化学肥料等による環境にやさしい農業に取り組むエコファーマ一等への支援や「特別栽培農産物」の認証制度などにより、安全で安心な農産物の生産・出荷の促進を図ってまいります。また、統一キャッチフレーズ「うまいもんどころ」を活用し、本県産の農林水産物を県外消費地に積極的にPRするとともに、県民が愛着をもって県産品を消費する「地産地消」運動を展開してまいります。牛海綿状脳症対策につきましては、引き続き検査の徹底と畜産農家及び関連事業者への支援に努めますとともに、新たに、家畜個体識別システムの導入促進や、食肉処理場における特定危険部位の焼却施設の設置に対する助成などを行い、牛肉の安全性への信頼確保と畜産農家等の経営安定に努めてまいります。

 また、農村の振興につきましては、新たに「新田園空間創造運動」として、生活環境の整備をはじめ、ふるさとづくりやコミュニティ活動、都市と農村の交流などを総合的に支援し、活力と潤いのある農村づくりをめざしてまいります。

 林業の振興につきましては、県産材の利用促進を図るため、精度の高い規格製材品の供給体制の確立や公共部門等における活用を進めるとともに、国と連携し、森林の適正な管理に取り組む地域活動を支援するための交付金制度を設けます。また、平成17年の全国植樹祭開催に向け、会場となります「水郷県民の森」の整備を進めますとともに、緑化運動を全県的に推進してまいります。

 水産業の振興につきましては、ワカサギやハマグリ資源等の回復に努め、つくり育てる漁業を推進しますとともに、新たに、漁業への新規就業の支援、水産資源の科学的調査を行う漁業調査船水戸丸の代船建造を行います。

(新産業の創造と商業の振興)

 次に、商工業関係についてであります。

 IT関連産業の不況や輸出の減少など中小企業を取り巻く厳しい経営環境が続き、景気の悪化が進む中、パワーアップ融資及びセーフティネット融資を拡充しますとともに、事業拡大により雇用を増やす企業を支援するため緊急雇用拡大支援融資を創設するなど、中小企業の円滑な資金調達を支援してまいります。

 また、新産業の創出や中小企業の新分野進出を促進するため、創業活動支援融資にべンチャー企業支援枠を設けますとともに、経営革新を行う企業に対する助成の拡大を図ります。さらに、ベンチャー企業とビジネスパートナーとの出会いの場を提供するベンチャーマーケットを構築するほか、つくば連絡会やつくぼサイエンスアカデミー等により産学官連携の強化を図るなど、「いばらき未来産業プロジェクト」により新事業の創出を総合的に支援してまいります。また、中小企業のIT活用を促進するため、ITエキスパートの派遣や在職者訓練の実施、地場産業等のグループが行うITを活用した販路開拓事業等に対する支援を引き続き進めてまいります。

 商業の振興につきましては、賑わいと活力のある商店街づくりを積極的に推進するため、引き続き、「中心市街地商業活性化基金」による中心市街地の街づくり機関(TMO)等への支援や、「地域商店街パワーアップ基金」による身近な地域商店街の活性化に向けた取り組みに対する支援などを行ってまいります。また、新たに、来訪者への情報発信及び交流の拠点となる空き店舗等を活用した街なかステーションの整備事業やポイントカードシステム等の実験事業に対し助成するなど、ハード・ソフト両面から総合的に商店街の再生を支援してまいります。

(雇用環境の整備と人材の育成)

 最近の雇用情勢は、完全失業率がこれまでにない高さに上昇するなど、厳しさを増しております。このため引き続き、国の緊急地域雇用創出特別交付金約24億円を活用して、公的部門における緊急かつ臨時的な雇用創出事業を実施することとし、新たに商工会議所等に緊急雇用推進員を配置し県内経済団体等と連携した求人開拓を行うなど、きめ細かな雇用対策を実施してまいります。また、産業の活力を支える人材の育成につきましては、引き続き県内の産業技術専門学院の再編整備を進め、時代のニーズに対応した職業訓練内容の充実に努めてまいります。

(観光の振興)

 観光の振興につきましては、ワールドカップ、インターハイの開催を目前に控え、ホスピタリティの向上を図る「ハートフルいばらき21推進事業」に引き続き取り組みますとともに、本年5月で野口雨情生誕120年となりますことから、これを柱の一つとして、4月から6月にかけてJR6社とタイアップした大型観光キャンペーンを展開しますほか、童謡コンサートの開催をはじめ、年間を通じて生誕120周年記念事業を実施してまいります。

 第5は、いばらきの発展と交流を支える基盤づくりについてであります。

(交通基盤の整備)

 まず、道路網の整備についてでありますが、北関東自動車道につきましては、平成10年代後半の全線開通に向けて事業の促進に努めてまいります。また、首都圏中央連絡自動車道につきましては、来年度に、県内ではじめて常磐自動車道ジャンクションから(仮称)牛久インターチェンジ間の1.6キロメートルが開通する予定であるとともに、(仮称)阿見東インターチェンジと一体となったまちづくりを進める阿見吉原地区につきましては、来年度内に事業認可を得て、土地区画整理事業を推進してまいります。また、東関東自動車道水戸線につきましては、北関東自動車道ジャンクションから(仮称)茨城南インターチェンジ間について百里飛行場の開港に合わせた供用をめざしますとともに、(仮称)鉾田インターチェンジから潮来インターチェンジ間につきましても、一日も早い開通に向けて事業の促進に努めてまいります。また、北関東自動車道と県西地域を連絡する広域的な幹線道路である「筑西幹線道路」につきましても、積極的に整備を進めてまいります。

 次に、港湾の整備と振興についてでありますが、常陸那珂港につきましては、一昨年の外貿ふ頭供用開始以来、徐々に国際コンテナターミナルとしての姿を整えつつありますが、今後さらに、ポートセールスを強力に展開いたしますとともに、中央ふ頭の岸壁整備を進めてまいります。また、鹿島港につきましては、北公共ふ頭の来年度内の一部供用開始に向け、整備を進めてまいります。

 また、つくばエクスプレスにつきましては、レール敷設工事が昨年末に開始され、

来年度には駅舎の建設に着手される予定となるなど、順調に工事が進捗しており、引き続き平成17年度開業に向け全力を尽くしてまいりますとともに、沿線地域の整備につきましても、新線の建設と歩調を合わせ、土地区画整理事業や関連公共事業の一層の推進を図ってまいります。

 百里飛行場の民間共用化につきましては、国において間もなく環境影響評価準備書が示される予定でありますが、県といたしましても、アクセス道路の整備を推進しますとともに、ターミナルビル等の検討を進め、国や地元と緊密な連携をとりつつ、平成18年度頃の開港に向けて、全力をあげて取り組んでまいります。

(情報交流空間づくり)

 次に、情報交流空間づくりの推進についてであります。

 IT革命への対応は、我が国の喫緊かつ重要な課題であり、本県におきましても、IT戦略会議の提言を受け、情報通信基盤の整備や電子県庁の構築、産業振興や豊かな暮らしの創出、学校教育・人材育成など、幅広い分野で本県独自の特色あるIT戦略を計画的かつ着実に展開していくこととしております。その一環といたしまして、国内最高レベルの地域情報通信基盤となる2.4ギガビットの高速大容量の「(仮称)いばらきブロードバンドネットワーク」を整備してまいります。また、電子県庁の実現に向けて、電子申請などの基本的なシステムの整備をはじめ、公共工事におけるIT化や公共施設予約システム等の整備を進め、IT社会にふさわしい行政サービスの提供に努めてまいります。さらに、ICカードシステムやマルチメディア住宅等の導入による未来型の情報都市づくりをめざす「つくばスマートコリドール構想」の実現に向け、引き続き、民間企業や関係機関との連携を図ってまいります。

(新産業の集積促進)

 新産業の集積促進につきましては、大強度陽子加速器施設の整備や国際熱核融合実験炉(ITER)の誘致を契機に、県北地域における新たな科学技術拠点の形成をめざす「サイエンスフロンティア21構想」の具体化のため、研究支援や産業への利用、さらには地域の国際化等の方策を検討してまいります。

第3 条例その他

 次に、条例その他について申し上げます。条例は、新たに制定するもの3件、改正するもの34件、合わせて37件であります。

 新たに制定する条例は、都市計画法の一部改正等に伴い市街化調整区域における開発行為の許可の基準等に閲し必要な事項を定める「茨城県都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例」、高等学校等の生徒を対象とする国の奨学資金制度の創設に伴う「茨城県高等学校等奨学資金貸与条例」などであり、一部改正を行うものといたしましては、農地法に基づく農地転用許可等の事務を市町村に移譲するための「茨城県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」、ペイオフ解禁に伴い公金預金の保護を図るため、基金に属する現金の繰替運用の規定を設けるための「茨城県介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例」をはじめ3件の基金条例の一部改正、警察法施行令の一部改正に伴い警察職員の増員等を図るための「茨城県地方警察職員定員条例の一部を改正する条例」などであります。

 条例以外の議案といたしましては4件で、つくば市と茎崎町の合併、包括外部監査契約の締結、男女共同参画の推進に関する基本計画の承認などであります。

以上で説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書などによりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。


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