茨城県議会議員 井手よしひろ
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 平成の大合併によって、市町村の区割りが大きく変わろうとしています。当然、県議会議員の選挙区割りもそれに呼応して代える必要があります。
 公職選挙法では、合併によって選挙区をまたがる新しい市町村が誕生する場合、県議会議員の新しい選挙区割りを合併までに決めておくことが定められています。
 茨城県の場合、常陸太田市を中心とする合併と、大宮町を中心とする合併が、10月から11月に予定されていますので、この両地域に関する選挙区割りを、2004年9月県議会で決定しなくてはなりません。

●公職選挙法の原則と合併特例法の特例
 公職選挙法で県議選の区割りは市・郡単位と定められています。公選法の原則では、合併後の新たな市・郡の境界で区割りを設定し直さなければなりません。
 しかし、合併特例法の特例措置を適用すれば、合併前の選挙区のまま選挙を行うことが出来ます。合併特例法の特例措置期限は、最長で次期県議選の当選議員の任期満了まで(茨城県の場合は2011年1月)と定められています。

●3つの選択肢
 県議会は実質的に
(1)合併後から公選法の原則
(2)次期県議選前(2007年1月)まで特例適用
(3)次の次の県議選前(2011年1月)まで特例適用
 の三つから選択することになります。
 井手よしひろ県議らの調べでは、現在までに方向性が明確になっているのは、公職選挙法の原則通りが12、2007年までの特例適用が12、2011年までが1となっています。

●県議会議員の選挙区割りも速やかに合併後の市町村に合わせるべき
 市町村の大合併を成功させるためには、合併後の新たな町の一体感を一刻も早く醸成する必要があります。
 そのためには、合併後速やかに県議会議員の選挙区割りも変更するのが当然であると思います。
 ところが、県議会自民党は2004年の9月議会に、特例条例を議員提案し、次々回(2010年)の選挙まで、現状の区割りで県議選を行うとしています。
 この条例が通ると、2006年12月の次回の選挙は、同じ市の中でも、県議選の区割りが異なるという珍事が起こります。例えば、現状では水戸市には、内原町が合併することが決まっていますが、水戸市民である旧内原町の住民は、水戸選挙区の候補に投票が出来ないと言うことになります。
 確かに、合併の枠組みがまだはっきりしないのも事実ですが、合併特例の期限切れとなる平成18年3月までには、広域合併の全体像が明確になります。国勢調査は平成17年10月に行われますので、速報値は平成17年中にも公表されます。次回の県議選は、平成18年12月ですから、十分に間に合うはずです。
 しかし、あえて自民党は6年後の見直し条例を提出する準備を進めています。
 選挙民の意向や広域合併の効果を高めることよりも、既得権益ともいえる「選挙の地盤」を優先にした結論とも言えます。

県議会議員の選挙区割りも速やかに合併後の市町村に合わせるべき
現状の県議議員選挙の区割り
平成の大合併後の県議選区割り想定


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