| 感知システム役立たず 茨城県、解析に手間
茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所」の臨界事故発生直後に、茨城県が設置している環境放射能監視システムが異常を感知していたにもかかわらず、確認に手間取り、同村が事故を知ったのは約1時間後のJCOからの通報だったことが4日、分かった。監視システムは約6億円をかけて開発、設置されたが、事前の事故感知システムとしては機能していなかった。
同システムは、東海・大洗地区を中心に9市町村に25の放射線測定局(モニタリングポスト)や排水測定局を設置。測定データは常時、自動的に水戸市の県公害技術センターに集約される。さらに、同センターから県原子力安全対策課や市町村の原子力担当課のパソコンに同じデータが自動的に配信される仕組みになっている。
今回の事故では、発生後3分後の30日午前10時38分、JCOに最も近い測定局で異常を感知。公害技術センター内にある警報用の赤色ランプが点灯した。センター職員がデータの解析など確認作業を進めたが、原因を特定できず、午前11時半ごろにJCOから連絡を受けた県原子力安全対策課からの連絡で、事故があったことを初めて知ったという。
また、東海村の原子力安全課には、監視用のパソコン1台が設置され、センターからの放射線の異常データをキャッチする仕組みになっていた。しかし、警報が出るようなシステムになっていないうえ、普段は別の事務作業に使用されていて、事故当日も監視用として機能していなかった。役場ロビーの大型ディスプレーにも同じ異状データが表示されるが、だれも気付かなかったという。
このため、同課が事故を認識したのは、JCOからの連絡があった事故発生後約1時間の午前11時34分だった。
県公害技術センターは「警報は故障の場合もあるし、宇宙線などの自然現象にも反応するので確認に時間がかかった」と説明。また、東海村原子力安全課は「職員一人を監視専用にしておくわけにもいかない。また、異常データも結構な頻度で発生するので、毎回対応していては、狼少年になってしまう。基本は安全協定に基づいた事業者からの通報だ」と話している。
(毎日新聞1999年10月5日東京朝刊から)
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