茨城県のダイオキシン対策

 Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1998/Jul/05

橋本県知事に要望書を提出

 平成10年6月12月、茨城県議会公明(井手義弘県議、鈴木孝治県議)は、橋本昌茨城県知事に対して、竜ヶ崎塵芥処理施設周辺住民のダイオキシン濃度測定を求める要望書を提出した。
 橋本知事は、問題の重要性を十分に認識しており、地元市町村とも協議をして、早急に善後策を講じたいとの見解を述べた。

平成10年6月12日

 茨城県知事 橋本 昌 殿

茨城県議会公明
鈴木 孝治
井手 義弘

竜ヶ崎地方塵芥処理施設周辺住民に対する
血液検査の実施について(要望)

 貴職におかれましては、今般公表されました平成10年版茨城県環境白書においてダイオキシン対策を特集するなど、その問題の重要性を十分に認識された県政運営を行われていることに敬意を表します。

 6月4日、摂南大学薬学部・宮田秀明教授は、日本環境化学会の第7回環境科学討論会で、新利根町の竜ヶ崎地方塵芥処理施設周辺住民の血液脂肪中のダイオキシン濃度調査の結果を発表しました。

 それによると、最高値を示した女性の場合、463pg-TEQ/g脂肪を記録しました。この数値は、平成10年1月に埼玉県所沢市の調査での最高値(29pg-TEQ/g脂肪)の16倍にも及ぶ高い濃度であり、私どもも一県民として驚きを禁じ得ませんでした。

 一方、前述の環境白書には、平成8年11月に実施した周辺の土壌及び井戸水中のダイオキシン濃度調査の結果を掲載し、「当該施設周辺におけるダイオキシンの環境汚染濃度は、一般的な環境濃度のレベルにあると判断した」と述べています。

 私どもは、この二つの数字の乖離をどのように理解して良いのか、当惑しているのが実情であります。

 茨城県議会公明といたしましては、県民の良好な生活環境を守り、その環境を後世に引き継ぐ責任を深く自覚し、以下の要望を行います。

 貴職におかれましては、本要望の主旨をご理解のうえ、速やかな対応をお願いいたすものです。

< 記 > 

  1. 竜ヶ崎地方塵芥処理施設周辺住民の血液中のダイオキシン濃度検査を早急に行うこと。
  2. 検査に当たっては、周辺市町村さらには国とも十分協議をし、統計上有効な人数の検査を実施すること。
  3. 検査に当たっては、その検査方法、検査機関等を公表し、県民に調査の過程を全面公開すること。
  4. 検査に当たっては、複数の検査機関による分析を行い、より客観的な数値を今後のダイオキシン対策の研究に役立てること。
  5. 早急に、摂南大学薬学部・宮田秀明教授を招聘し、地元住民への説明会等を開催すること。

 

以 上


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