98年12月の臨時国会で、介護保険法案が成立し、2000年4月1日より施行されることになりました。 厚生省などが集計した数字を元に、保険の負担を試算してみます。 65歳以上のお年寄りの(一号被保険者)の、毎月の保険料の平均は全国で2885円です。ご夫婦での毎月の保険料は5770円程度になります。年間では、69240円となり、7万円程度の負担が毎年加わることになります。 40歳から65歳未満の二号被保険者は、加入している医療保険の種類によって負担が違ってきます。 一般の企業のサラリーマン(健康保険組合加入者)は、扶養家族分も含めて1950円が保険料となります。実際には、給料月額に0.88%程度を掛けたものが保険料となり(平均で3900円)、会社(事業者)が、半額以上を負担することになります。この金額には、扶養家族の分も含まれていますので、サラリーマンの被扶養家族は保険料を納める必要がありません。 自営業者や農家など国民健康保険の加入者は、一人1300円程度の負担となります。保険料負担は2600程度となりますが、半額は国が負担することになりました。ご夫婦二人では2600円程度の負担となります。国保保険料(国保税)に介護保険分を上乗せして、国保分と一括して納めることになります。 介護保険の被保険者(第2号被保険者)を40歳以上としたため、広く薄く負担をしてもらうという保険方式のメリットが活かしきれず、中高齢者の費用負担増大が懸念されます。特に、65歳以上の高齢者の場合、事業者や国庫からの負担もなく、医療保険のような所得による免除措置(所得によって5段階または4段階の保険料が設定され、所得の低い方は標準的な保険料の半額の保険料が適用されます)や被扶養家族の場合の免除もないため、保険料全額を支払う必要があります。 更に、低所得者や身体や精神に障害がある方、さらに、実際に寝たきりになっている方なども、保険金を払い続ける必要があります。庶民の新たな負担増と、自治体などの負担増が懸念される制度となっています。
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実際は、所得によって保険料は5段階に分かれます。
都道府県が行う財政安定化基金のための保険料がこれに加わります。
97年秋の厚生省の試算 | 99年夏の保険料試算 | |||
月保険料試算 | 3年平均保険料試算 | |||
平成12年 | 2000年 | 2,400 | 2,500 | 2、885 |
平成13年 | 2001年 | 2,400 | 2,500 | |
平成14年 | 2002年 | 2,500 | 2,500 | |
平成15年 | 2003年 | 2,700 | 2,800 | |
平成16年 | 2004年 | 2,800 | 2,800 | |
平成17年 | 2005年 | 2,900 | 2,800 | |
平成18年 | 2006年 | 3,000 | 3,200 | |
平成19年 | 2007年 | 3,200 | 3,200 | |
平成20年 | 2008年 | 3,300 | 3,200 | |
平成21年 | 2009年 | 3,400 | 3,500 | |
平成22年 | 2010年 | 3,600 | 3,500 | |
平成23年 | 2011年 | 3,700 | 3,500 |
モデル1 |
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65歳以上の老夫婦 |
保険料:夫2885円+妻2885円 合計5770円 |
利用者負担:約4300円 |
合計負担:10070円 |
モデル2 |
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65歳以上の母と40歳以上の息子夫婦 |
保険料:母2885円+夫婦1700円 合計4585円 |
利用者負担:24700円 |
合計負担:29285円 |
モデル3 |
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65歳以上の父と40歳以上の息子夫婦 |
保険料:父2885円+夫1300円+妻1300円 合計5485円 |
利用者負担:49950円 |
合計負担:55435円 |