動燃東海爆発事故アーカイブ

 Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1997/MAR/17


公明から近岡科技庁長官への要望書(96/3/17 11:30)

 

平成9年3月17日 

 科学技術庁長官
 近岡 理一郎 殿

 

動燃東海事業所爆発事故に関する申し入れ書

 

 公明代表 藤井 富雄  

 さる11日、茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所の再処理工場アスファルト固化処理施設で発生した火災・爆発事故は、様々な問題を提起している。

 火災の際、スプリンクラーの使用をためらったため消火開始に4分ものタイムロスが生じていたこと。また、火災発生直後から排気筒のモニターが外部への放射能滑れを感知していたのに動燃が5時間も見逃し「外部への影響はない」と発表したこと。関係機関への連絡対応がまずかったことなど指摘されている。事故対応のまずさが問われた高速増殖原型炉「もんじゅ」事故の教訓が全く生かされてなく誠に残念である。

 わが党においては、公明茨城県本部が直ちに現地へ急行し被害状況を調査して茨城県知事に万全の措置を講ずるよう申し入れを行い、また、引き続いて党本部から公明「動燃東海事業所」爆発事故対策本部(本部長・渋谷文久)を派遣して調査活動を展開したところである。

 わが党は、現地調査等を踏まえ、政府に対して次の事項を速やかに実施するよう強く要請するものである。

1、事故原因の徹底解明

     今回の事故では、当日午前10時6分頃にアスファルト固化処理施設・充填室で火災が発生し、スプリンクラーによって消火させたが、その消火が不十分であったため、同日夜に爆発事故を誘発したものである。したがってその火災と爆発の発生原因とその経過について徹底解明し公表すること。

2、被害状況の徹底網査と被ばく者対策

     今回の爆発事故で排気筒から放出された放射能によって、すでに37名が被ばくしたことが判明している。周辺地域住民等への被ばくが拡がっていないか徹底調査を実施するとともに被ばく者対策を徹底すること

3、事故発生時の即応態勢の徹底と情報公開の推進

     今回の火災発生から爆発事故に至るまでの動燃の対応にも様々な問題が見受けられる。また関係機関への通報・連絡対応や周辺地域住民への事故発生情報の遅れなどが指摘されている。今回の事故の教訓を踏まえて、事故発生時の即応態勢の見直しとその徹底を図ること。

4、全国の原発施設総点検の実施で再発防止

     今回の事故を教訓に、原発事故の根絶に万全を期すため、全国の原発施設の安全対策、事故発生時の即応対策など総点検を実施すること。

井手県議ら近岡科技庁長官に要望
井手県議(左端)ら近岡科技庁長官(左から4人目)に原子力施設の安全確保を要望


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