Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1996/NOV/24
1.介護保険創設のねらい
- 介護問題は高齢社会の最大の課題
- 本格的な高齢社会の到来
- 要介護者数の増加
- 介護の重度化・長期化
- 65歳以上の死亡者の2人に1人が死亡6か月前から寝たきりや虚弱
- 寝たきり老人の期間 寝たきりの人の47%が3年以上寝たきり
- 介護者の高齢化
- 家族機能等の変化
- 家庭介護者の9割は女性
- 子との同居率の低下
- 女性の就労の増加
- 国民の介護への不安の高まり
高齢期の主な不安の内容は、2人に1人が、
「自分や配偶者が寝たきりや痴呆で介護が必要になったときのこと」
- 家族の過重な介護負担
- 家庭介護者が要介護者に憎しみを感じる 約35%
- 家庭介護者が要介護者を虚待したことがある 約50%
- 高齢者介護のために精神的疲労を感じると答えた管理職 約46%
- 国民の8割が介護保険の創設に賛成
- 現行制度による対応には限界
- 福祉ではサービスの選択がしにくい(行政による利用決定)
-
- 制度間の利用料の不均衡
- 特別養護老人ホーム:年収800万円、老親が平均的な厚生年金受給者の世帯の負担は月額19万円
- 社会的入院(介護を理由とする高齢者の長期入院)の医療費
1人月額50万円
- 国民の8割が介護保険の創設に賛成(総理府世論調査)
- 介護保険は社会保障の構造改革の第1歩
- 介護保険創設のねらい
介護に関する国民の不安に対応するため、福祉と医療に分かれている高齢者の介護に関する制度を再編成し、利用しやすく、公平で、統一的な社会的支援システムを構築
- 利用者が、自由にサービスを選択して利用できる仕組み
- 介護に関する福祉と医療のサービスを総合的・一体的に提供
- 画一的でなく、多様で効率的なサービスを提供
- 社会的入院の是正などにより、医療費を効率化
- 介護保険は、現行制度に比べ費用を効率化するとともに、今後の構造改革の道筋をつける第1歩
- 少子高齢社会に向けて、社会保障制度を再構築し、国民負担の増大を抑制
- 医療保険改革の一環として、医療から介護部分を切り離し、医療保険を効率化
- 現行制度の負担の不均衡を是正し、高齢者も応分の保険料や利用料を負担
- 民間活力の活用
- 民間事業者や農協、住民参加の非営利組織など多様な事業主体の参加
- 有料老人ホーム(株式会社)でも介護保険のサービスを提供