カシマスタジアム新築?改築?

 Copyright Yoshihiro IDE (e-mail:y_ide@jsdi.or.jp) 最終更新日:1996/OCT/26

ワールドカップ招致の鹿島地域振興上の位置づけ

 1996年5月31日、国際サッカー協会(FIFA)の理事会で2002年ワールドカップの日本・韓国共同開催が決定した。
 ワールドカップの茨城県への招致に関しては、いち早く県立カシマサッカースタジアムでの開催に向けて県民上げての運動が高まっていた。
 日韓共同開催が決定した現在、そのカシマサッカースタジアムの具体的改修計画が大きな注目を浴びている。
 茨城県サッカー協会や地元鹿島市から、「現スタジアムを改修するのではなく、新しいサッカー場を建設した方が良いのではないか」との要望や意見が寄せられた。
 県は、カシマサッカースタジアム整備検討委員会を設置し、改修か新築か、その具体的な整備計画を検討することになった。

 このページでは、ワールドカップの招致が、鹿島地域の地域振興への果たす役割を確認していきたい。

資料提供:茨城県企画部地域振興室計画調整課
カシマサッカースタジアム整備検討委員会

スポーツ(サッカー)を核とした地域振興の効果

 Jリーグ「鹿島アントラーズ」の発足を契機とした鹿島地域の変化を実績として踏まえながら、スポーツ(サッカー)が地域振興に及ほす効果を整理すると以下のとおり。

Jリーグ「鹿島アントラーズ」の発足とその後の鹿島地域

(1)経過

  1. 平成3年2月、県と地元の支援により鹿島アントラーズのJリーグ参加決定。
  2. 平成5年4月、鹿嶋市「ト伝の郷運動公園」敷地に「県立カシマサッカースタジアム」を建設。(H3,12〜H5,4)。全国初の県立サッカー専用施設。
  3. 平成5年5月Jリーグスタート
  4. 平成5年前節鹿島アントラース優勝

(2)Jリーグの鹿島地域への波及効果

  1. 鹿島地域の知名度のアップと新たな地域イメージの形成
    • 全国への鹿島地域の宣伝効果
    • 鹿島=アントラーズ=サッカ一のまち
  2. まち全体の活性化
    • アントラーズ関連商品の誕生
    • 地域住民全体によるサポート体制(私設応援団「インファイト」結成)
    • スボーツボランティアの誕生
  3. 地域に芽生えたサッカー熱
    • 新しいサッカー大会の開催(波崎サッカートーナメントなど)
    • 職場対抗サッカー大会等の開催
    • 全国規模のサッカー大会の開催
    • Jリーグ試合観戦の盛況
  4. 新しい観光地の誕生(鹿島神宮−スタジアム−アントラーズクラブハウス)
  5. 地域住民の一体感と郷土意識の高まり
    • 新旧民の連帯感と郷土への誇り、愛着の機運の高まり
  6. 地域の国際交流活動の芽生え
    • 外国人選手との交流、地域定住の外国人との交流
  7. 都市基盤の整備促進
    • 国道51号、124号バイパス化の進捗
    • 鹿島サッカースタジアム駅の設置

スポーツ(サッカー)が地域振興に及ほす効果

(1)社会的効果

 @地域コミュニティ形成効果
  ・地域住民の連携、住民・企業・行政の連携、住民間の連帯感の高まりなど

 A地域アイデンティティ形成効果(地域個性形成)
  ・住民の地域への帰属意識の高まり=郷土への誇り、愛着
  ・スポーツの地域におけるシンボル化
  ・地域からの情報発信による知名度・イメージの高まり

 B他地域との交流促進効果
  ・国内外の地域との人的交流促進

 C人的育成効果
  ・スポーツ競技者、スポーツ指導者、ボランティア、地域活動のりーダーなどの
  ・人材育成

 D都市基盤の充実効果
  ・スポーツ施設及び周辺関連として、公園、アクセス道路・交通機関、街並み景観などの整備促進

 Eスポーツ活動の活性化
  ・青少年の健全育成

(2)経済的効果

 @都市的インフラ整備効果
  ・スポーツ施設、交通体系など

 A観光消費型産業の振興効果
  ・入り込み客数の増加などによる観光消費や宿泊


地域住民のスポーツ(サッカー)に対するかかわり方とその効果
   かかわり方を3分類して、それぞれの効果を明らかにする。

 @スポーツ(サッカー)を「実践する
  ・個人の余暇時間の充実、健康増進
  ・参加することによる人的交流、連帯意識の形成
  ・青少年の健全育成
  ・スポーツ人口の拡大

 Aスポーツ(サッカー)を「みる
  ・競技チームの活躍による地域情報発信と地域イメージの向上
  ・競技チームの応援による住民の連帯意識、人的ネットワークの形成(応援団、スポーツボランティア)、郷土意識の高まり、愛着
  ・関連消費産業への波及(関連グッツ販売、飲食など)
  ・交通体系等のインフラ整備
  ・国内外との地域間交流

 Bスポーツ(サッカー)を「支援する
  ・住民・企業・行政一体の地域おこし
  ・競技参加者と支援する者との人的交流
  ・ボランティア活動などをとおしての住民参加及び人材育成

 





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