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神栖の有機ヒ素問題、国が被害者支援策を公表
被害者の会や公明党の要望骨子が盛り込まれる
過去の医療費や生活費への補償も実質的に実現

弘友環境副大臣に要望書を提出する公明党茨城県本部の代表:クリックすると大きな地図を表示します。 神栖町で旧日本軍の毒ガスによるとみられる健康被害が相次いだ問題で、環境省は2003年6月4日午前、被害者に対し、将来の治療費や通院費に加え、過去にかかった医療費も「健康管理調査協力金」の形で一括で支給することなどを盛り込んだ国の支援策を発表しました。
 健康被害の原因が、完全に旧日本軍の毒ガスと特定されない段階で、国が医療費を支給するのは極めて異例です。また、国が責任を認めての補償ではないにしても、過去の費用を支出することは「画期的」な支援策といえます。
 支援の内容は、有機ヒ素化合物に汚染された井戸水を飲んだ住民のうち、毛髪や尿の検査でヒ素が検出された人に、年1回の健康診断を実施するほか、医療費の自己負担分や療養手当(通院月額1万5000円、入院同2万5000円)を支給します。
 特に健康被害が著しいA地点(環境基準の450倍のヒ素が検出されたい土を使用していた場所)の住民には、調査研究費として、今後3年間、毎月2万円を支給。入院歴のある患者には70万円を、入院歴のある患者には30万円を一括で支給することになりました。
 この支援策は、出来るだけ早く6月中にも実行されることになりました。
 井手よしひろ県議を中心に公明党県本部では、2月下旬に県当局からヒアリングを実施し、事件の推移を見守ってきました。4月21日には、石井啓一県代表(衆議院議員)と共に、現地調査を実施し、県並びに神栖町に被害者支援の要望を行いました。
 5月23日には、環境省に弘友環境副大臣を訪ね、早期の支援策決定を、国に強く申し入れしました。
 この間、被害者の皆さまとも連携を取り、5月23日には、被害者の会の設立、国への要望書提出など協力をさせて頂きました。
 5月30日には、公明党環境部会が、旧日本軍の毒ガス問題に関する徹底調査、被害者救済を求める小泉純一郎首相あての要望を、首相官邸の福田康夫官房長官に行い、6月4日の支援策公表を確約させました。
 6月4日夜開かれた被害者への説明会には、環境省の環境省環境保健部長が出席し、支援策の詳細を説明しました。
 被害者側からは、概ね早期の支援策の決定や過去の補償も受けられることを歓迎する声が寄せられましたが、相談窓口の一本化や生活支援がまだ不足であるとの意見が表明されました。

神栖町における有機ヒ素化合物に係る
環境汚染及び健康被害に係る緊急措置について

1.趣旨・目的

    有機ヒ素化合物(ジフェニルアルシン酸)に曝露した者に対して健康診査を実施し、医療費等の支給により治療を促すこと等により、健康影響等の解明を図り、もって健康不安の解消等に資する。
2.対象者
    有機ヒ素化合物に汚染された井戸水を飲用に供していた者であって、毛髪尿検査により暴露が確認された者
3.給付内容
  1. 医療等の給付
    • 健康診査の実施(年1回)
    • 医療費(自己負担分)の支給
    • 療養手当(通院:月額1万5千円、入院:月額2万5千円)の支給
  2. 健康管理調査等の実施
      特に汚染の著しい井戸(A井戸)の水を飲用に供していた者に対し、以下を実施。
    • 健康状態等に係る報告書を提出した場合に調査協力費用として、月額2万円を支給(3年間)
    • 病歴、治療歴等に関する調査に協力する場合に協力金を支給(入院歴のある者:70万円、入院歴のない者:30万円)
  3. 専門家による調査研究の実施
      環境省に専門家からなる検討会を設置して、(1)及び(2)を通じて得られた資料等に基づき、健康影響等解明のための調査研究を実施。
4.その他
  1. 実施時期  :平成15年6月(できる限り早く)
  2. 事業の見直し:事業の実施後5年を目途に全般的な検討を行う

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