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低所得者の減免措置は２００３年の介護保険の見直しで論議を
２０００年１０月から、６５歳以上の高齢者（１号被保険者）からの介護保険料徴収が始まりました。 茨城県内で対象となるのは約４９３０００人あまり。うち約８５％は公的年金から自動的に保険料が引き落とされます。（年金からの特別徴収制度）
１０月１３日には保険料２か月分が初めて天引きされました。
こうした中、市町村が独自の判断で、１号被保険者の保険料を減免する動きが出ています。
県の南西部・古河市では、本人が老齢福祉年金を受給者し、かつ住民税非課税世帯の被保険者を対象に、保険料の自己負担分を無料にする方針です。対象者は、５０名で保険料１２００円（現状は半額徴収なので６００円）を、市が一般財源で保険料を立て替えます。
さらに、古河市は、介護保険の利用料も助成します。市内には住民税が非課税の老齢福祉年金受給者（明治４４年４月１日以前の生まれ）が１８人いますが、このうち、介護保険サービスを申請し、認定されたのは要介護（施設と在宅サービス）が８人、要支援（在宅サービスのみ）が１人の計９人います。助成する額は、要介護の場合が月額１５０００円、要支援が月額６１５０円。市はこの費用として、補正予算で約１４０万円を組み込みました。
隣接する総和町や五霞町も「税金を払えない人から保険料を徴収するのは、弱者のためという福祉の観点からずれている」として、住民税非課税世帯を念頭に保険料の減免措置導入を検討していることが、報道されています。
しかし、こうした動きに、厚生省は「一般財源からの繰り入れは財政悪化につながりかねない」と懸念を示し、県も「皆で将来の高齢化社会を支えていこうという介護保険制度の趣旨からも、減免は適切ではない」と消極的な反応を示しています。
保険料の減免は全国各地で見られ、読売新聞社の調査によると、保険料を減免する予定なのは３５市２３町４村と広域連合１か所（１市５町）、一部事務組合１か所（２市６町４村）と８０市町村に上ることが報じられています。
減免の方法は、自治体によって異なり、北海道稚内市や岩手県岩泉町などでは、「老齢福祉年金を受給中で、世帯全員が住民税非課税」の場合などと介護保険条例に規定し、全額を免除します。東京都国分寺市などでは、条例に「市長が特に必要と認める場合」という条項を加えた上で、減免を要綱などを作成して定めました。
読売新聞が２０００年９月に実施したアンケート調査では、６５歳以上の約７割が「保険料は高い」と回答しています。
低所得者の保険料は、２００３年の介護保険制度見直しの中で、しっかりと議論すべき課題です。
確かに、介護保険は市町村が主体の自治事務であり、各々の市町村が住民との話し合いの中で自主的に決定していく問題です。
しかし、住む町によって負担が大きく変わることは、所得が低いほど影響が大きくなります。したがって、全国統一の基準で、低所得者の保険料減免は論じられるべきだと考えます。
一部に、保険料の減免は、介護保険の基盤を揺るがすとの論調もありますが、低所得者の生活の現状をみると、あまりに現実を直視していない論議のように思えてなりません。
参考：→介護保険料の仕組み＜減免＞
■低所得者は全額免除・補填
■その他の軽減措置を予定
北海道 稚内市 留萌市 美唄市 岩手県 山田町 岩泉町 茨城県 古河市 栃木県 小山市 来年４月から導入予定 千葉県 八千代市 埼玉県 南河原村 東京都 狛江市 小金井市 国分寺市 山梨県 富士吉田市 静岡県 藤枝市 三ヶ日町 愛知県 知立市 碧南市 豊田市 石川県 美川町 岐阜県 美濃加茂市 高山市 笠松町 七宗町 白川町 蛭川村 滋賀県 水口町 京都府 八幡市 兵庫県 伊丹市 竹野町 和歌山県 湯浅町 島根県 六日市町
北海道 千歳市 夕張市 三笠市 忠類村 空知中部広域連合（６市町） 秋田県 鷹巣町 栃木県 足尾町 埼玉県 鳩山町 千葉県 船橋市 流山市 ６段階方式での軽減 神奈川県 横浜市 ６段階方式での軽減 川崎市 横須賀市 富山県 礪波地方介護保険組合（１２市町村） １段階を５０％から４０％に軽減 三重県 松阪市 滋賀県 近江八幡市 京都府 亀岡市 ６段階方式での軽減 京北町 ６段階方式での軽減 園部町 ６段階方式での軽減 丹波町 日吉町 瑞穂町 和知町 ６段階方式での軽減 大阪府 大阪市 八尾市 兵庫県 神戸市 芦屋市 西宮市 川西市 福崎町 出石町 鳥取県 赤碕町 泊村 
