◇上旬は気温が低く、下旬は気温が高くなる

 上旬から中旬にかけては低気圧が北日本を通過することが多く、低気圧が通過した後は冬型の気圧配置となって関東地方では晴れて乾燥した天気が続きました。下旬は高気圧と低気圧が交互に通過して、冬型の気圧配置となることは少なくなりました。また、本州付近で低気圧が発達することがなかったため、関東地方では晴れる日が多くなりました。この結果、月降水量は12.5mm(平年比23%)と平年より少なくなりました。さらに、月の日照時間も207.6時間(平年比96%)と平年より多くなりました。一方、上旬から中旬にかけて冬型の気圧配置に伴って寒気が流れ込んで平年より気温の低い日が多くなったことから、月平均気温は4.1℃(平年比-0.7℃)と、平年より低くなりました。

1月の気象観測値
観測要素 観測値 平年値
月平均気温(℃) 4.1 4.8
月降水量(mm) 12.5 53.3
月日照時間(時間) 207.6 193.8
旬平均気温(℃)
観測値 平年値
上旬 4.1 5.2
中旬 4.0 4.6
下旬 4.2 4.5
旬日照時間(時間)
観測値 平年値
上旬 68.1 63.6
中旬 66.2 61.3
下旬 73.3 69.0

 ●1月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

2022年1月の日立市役所における日平均気温の推移 2022年1月のつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

 ●1月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

2022年1月の日立市役所における日最低気温の推移 2022年1月の日立市役所における日照時間の推移

◇1月の日立市内の気温と降水量

 1月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高く、市内平均より1.4℃高くなりました。次いで気温が高かったのは北に位置する北部消防署で、市役所より0.4℃低くなりました。一方、山間部にある西部支所と本山は気温が低い方になっています。市内7地点の平均気温は2.7℃で、12月より3.2℃低くなりました。また、水戸の月平均気温は2.8℃と日立市の平均より0.1℃高くなりました。なお、昨年1月の日立市内の平均気温は3.2℃、水戸の平均気温は3.4℃で、今年は昨年よりも気温が0.5程℃低くなっています。

 一方、月の降水量の市内平均は13.0mmで、12月の平均降水量129.4mmより115mm近く少なくなりました。最も降水量の多かった本山と南部支所のの14.5mmに対して、最も少なかった西部支所は10.0mmと差はあまりありませんでした。また、市内7地点の平均降水量13.0mmに対して、水戸の月降水量は16.0mmでした。

 ●1月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

1月の気温(℃)の記録
観測地点 平均
気温
最高気温 最低気温
気温 日時 気温 日時
日立市役所 4.1 14.8 09 12:20 -3.3 01 01:41
十王交流センター 3.6 14.8 09 13:58 -4.6 01 07:03
北部消防署 3.7 14.4 09 12:49 -3.8 01 07:01
本山(中学校跡) 0.6 11.3 09 12:14 -6.2 01 01:38
西部支所 0.9 12.5 09 13:28 -7.3 01 07:08
諏訪広場 2.9 13.0 09 14:26 -3.9 22 04:34
南部支所 2.9 14.0 09 14:35 -6.3 01 05:38
上記7地点の平均 2.7 -

-

-

-

日立会瀬 4.0 14.2 09 14:23 -3.5 05 07:07
水戸(金町) 2.8 13.6 09 14:22 -5.9 22 05:38
1月の降水量(mm)の記録
観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量
降水量 降水量 日時
日立市役所 12.5 12.0 11 5.0 11 11:23
十王交流センター 13.0 13.0 11 5.0 11 11:37
北部消防署 12.5 12.0 11 5.0 11 11:23
本山(中学校跡) 14.5 13.0 11 4.5 11 11:23
西部支所 10.0 10.0 11 4.0 11 11:08
諏訪広場 14.0 12.5 11 5.0 11 11:19
南部支所 14.5 12.0 11 4.5 11 11:16
上記7地点の平均 13.0 -

-

- -
日立会瀬 14.5 13.0 11 5.0 11 11:20
水戸(金町) 16.0 12.5 11 3.5 11 10:59

 ※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。


◇西寄りの風で気温が上がる(1月30日)

 サハリン付近を東へ進む寒冷渦の南側を回る上層の気圧の谷が、29日の夜から30日の朝にかけて本州付近を東へ進みました。この気圧の谷の東進に伴って、関東地方の下層へ寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、29日21時の-2.6℃から30日09時には-6.4℃まで下がりました。このため、関東地方では茨城県から栃木県、群馬県を中心に最低気温が-3℃以下となりました。茨城県内の最低気温は、大子町で-5.8℃、常陸大宮市上小瀬で-4.9℃など、日立会瀬と鹿嶋を除いて0℃未満の気温となりました。

 日立市役所における気温の推移をみると、29日の夕方から下がり始めた気温は、21時前後に西寄りの風がやや強く吹いたことから6℃近くまで上がりました。しかし、21時30分ころから風向が北寄りに変わるとともに風速が弱まっていったことから、気温は再び下がり始めて24時には3.0℃まで下がりました。その後も気温は下がり続けて30日02時26分には日最低気温1.3℃を記録しました。その後、北西の風が強まったため、気温は3℃近く上昇して4.3℃まで上がり、日の出前にかけて4〜3℃で推移しました。一方、水戸とつくばでは西寄りの風が強まらず、29日の夜から30日の朝にかけて気温は下がり続け、30日の6時から7時に日最低気温を記録しました。

 日立市役所以外の市内の観測地点での気温の変化をみると、十王交流センター、北部消防署、諏訪広場の3地点では市役所と同様に30日2時前後に最低気温を記録した後、北西の風がやや強く吹き始めて気温が上がりました。それに対して、南部支所では未明から明け方にかけて、気温は0℃前後で推移しました。気温の上がった4地点(日立市役所、十王交流センター、北部消防署、諏訪広場)は西側に山があるため、西寄りの山越えの風によるフェーン現象の影響を受けて気温が上がったものと思われます。

 ●1月30日の気温(℃)と平年値の比較

地点 日平均気温 最高気温 最低気温
気温 平年値 気温 時刻 平年値 気温 時刻 平年値
日立市役所 4.6 4.5 9.5 12:13 9.3 1.3 02:26 0.0
十王交流センター 4.3 9.1 11:57 0.9 01:44
北部消防署 4.1 8.2 11:38 0.9 02:14
本山(中学校跡) 0.7 5.8 12:03 -2.7 21:13
西部支所 1.8 7.7 12:12 -3.2 03:45
諏訪広場 3.5 7.5 12:08 -0.1 02:25
南部支所 3.4 8.2 14:17 -0.3 23:53
日立会瀬 4.3 8.4 12:14 0.2 02:27
水戸(金町) 3.0 3.2 8.6 12:01 9.1 -1.7 07:11 -2.0
つくば 1.9 3.1 9.0 14:18 9.3 -4.5 07:10 -2.8

 ●2022年1月29日から30日の気温の推移

2022年1月29日から30日の気温の推移(10分値)

 ●2022年1月29日から30日の風向・風速の推移

2022年1月29日から30日の風向の推移(10分値) 2022年1月29日から30日の風速の推移(10分値)

 ●2022年1月30日の日立市内の気温の推移

2022年1月30日の気温の推移(市役所、十王、北部、諏訪) 2022年1月30日の気温の推移(市役所、南部支所)

 ●参考:2022年1月30日03時と05時のアメダスによる気温と風の分布

2022年1月30日03時のアメダスによる気温の分布 2022年1月30日03時のアメダスによる風の分布
2022年1月30日05時のアメダスによる気温の分布 2022年1月30日05時のアメダスによる風の分布

 ●参考:2022年1月30日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図

2022年1月30日09時の地上天気図 2022年1月30日09時の850hPa面高層天気図

 ※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。観測地点における上段の数値は、その地点の850hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。また、網掛けの部分は、気温と露点温度の差が3℃以下(空気が湿っていることを表す)の領域を表しています。


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作成日 2022/02/09
名前 日立市天気相談所