2021年の観測日誌(前月の観測記録から)

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○2021年の観測日誌

  観測の記録
1月  上旬は断続的に寒気が入り、強い冬型の気圧配置となって晴れて乾燥した天気が続きました。中旬以降は高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は周期的に変わりました。この結果、月平均気温は4.5℃(平年比-0.3℃)と、平年並みになりました。一方、雨の少ない状態は続き、月降水量は19.5mm(平年比37%)と平年より少なくなりました
2月  シベリア高気圧の勢力が弱く、日本付近では冬型の気圧配置は長続きしませんでした。上旬と下旬は、日本海から北日本を低気圧が通過しました。一方、東日本以西では高気圧に覆われて晴れる日が多く、周期的に南から暖気が入って気温の高くなる日がありました。このため、月平均気温は7.0℃(平年比+2.0℃)と、観測開始以来第2位の高い気温となりました。
3月  高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は周期的に変わりました。低気圧に伴って南から暖かく湿った空気が入り、気温は月を通して高く経過しました。このため、月平均気温は10.9℃と平年より3.2℃高くなりました。これは、3月の気温としては観測開始以来第1位の高い気温でした。
4月  中旬にかけては、天気は数日の周期で変わりました。ただ、寒気を伴った寒冷渦が通過することが多く、天気がぐずつくとともに風や雨が強まるとき時がありました。下旬は、月末に発達しながら低気圧が通過したのを除いて、高気圧におおわれ晴れて乾燥した日が続きました。このため、月の日照時間は222.0時間(平年比121%)と、平年より多くなりました。一方、寒冷渦と低気圧の影響で月降水量は237.9mm(平年比191%)と、平年よりかなり多くなりました。
5月  上旬の天気は数日の周期で変化しました。しかし、中旬に入ると日本の南で太平洋高気圧が勢力を強めるとともに、モンゴル付近から華中にかけてが上層の気圧の谷場となり、本州付近の上層では西南西からの流れが続くようになりました。このため、下旬の前半にかけてぐついた天気が続き、月平均気温は17.6℃と平年より1.0℃高くなりました。
6月  高気圧におおわれやすかったため、例年に比べて晴れる日が多くなりました。しかし、上層の偏西風が日本付近で南へ蛇行し、動きの遅い寒冷渦が本州付近をゆっくりと進むことがあったため、中旬後半から下旬前半にかけては天気のぐずつくときがありました。月の前半は南から下層へ暖気が入り、気温が平年を上回る日が続いたことから、月平均気温は20.9℃と平年より1.1℃高くなりました。これは、6月の気温としては観測開始以来第6位の高い気温です。
7月  上旬は、日本の南で西へ張り出す太平洋高気圧の縁を回る湿った空気の影響で本付近に前線が停滞し、曇りや雨の日が続きました。中旬に入ると日本の東で上層の高気圧が勢力を強め、本州付近に停滞していた前線は消え、晴れて気温の高い日が続くようになりました。上旬の日照時間は4.2時間(平年比11%)と、7月上旬の日照時間としては観測開始以来最も少なくなりました、
8月  上旬半と下旬は太平洋高気圧におおわれ、晴れて暑い日が続きました。中旬はオホーツク海高気圧が勢力を強め日本海まで張り出す一方、日本の南では太平洋高気圧が西へ張り出しました。本州付近は二つの高気圧の間の気圧の谷場となったため、前線が停滞して雨の日が続くとともに気温が低くなりました。このため、月降水量は295.0mm(平年比243%)と平年よりかなり多くなりました。これは、8月の降水量としては観測開始以来5番目に多い記録です。
9月  月の前半はオホーツク海高気圧が発達して北日本から東日本へ張り出し、関東地方では冷たく湿った北東の風が入り、ぐずついた天気が続くとともに気温が低くなりました。月の後半は南から太平洋高気圧におおわれ、気温は平年を上回りました。この結果、月平均気温は21.4℃と平年より0.4℃低くなり、真夏日もありませんでした。月平均気温が平年を下回ったのは、今年の1月以来です。また、9月に真夏日となる日が無かったのは、2014年以来7年ぶりです。
10月  月の前半は日本の南で太平洋高気圧の勢力が強く、暖かい空気におおわれて気温が高くなりました。このため、上旬の平均気温は21.5℃(平年比+3.1℃)と、観測開始以来第2位の高い気温となりました。後半に入ると、偏西風が日本付近で大く南へ蛇行するようになり、北から寒気が入って気温は平年を下回るようになりました。なお、1日に関東の東を台風第16号が北東へ進み、日立市役所ではやや強い北寄りの風が吹き、21時39分に最大瞬間風速24.2m/sを記録しました。
11月  偏西風が日本の西側で南に蛇行して北からの寒気の流れ込みが弱く、南から暖かい空気が入りやすかったため、下旬の前半にかけて平年より気温の高い日が続きました。また、大陸南部から張り出す高気圧や本州付近を東進する高気圧におおわれて、晴れる日が多くなりました。月の日照時間は215.2時間(平年比135%)と平年よりかなり多くなり、11月の日照時間としては1973年11月の218.4時間に次いで観測開始以来第2位の多い記録でした。
12月  月の前半は、一時的に天気のぐずつくときがあったものの高気圧におおわれ晴れて気温が上がりました。しかし、17日に本州南岸を低気圧が北東へ進んだた後は気圧系が大きく変わり、冬型の気圧配置が続くようになるとともに強い寒気が南下してきて気温が低くなりました。また、上旬に寒冷前線と低気圧の影響で100mm前後の雨が降ったことから、月降水量は121.5mmと平年の3倍近くになりました。

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更新日 22/01/13
名前 日立市天気相談所