2000/10/21update

第3回公明党全国大会 運動方針(案)


U 三党連立政権と公明党

 一、連立政権第一期の成果

 公明党が昨年十月五日、連立政権に参加してから一年余が経過しました。この間、小渕政権から森政権へ、自自公から自公保へ、逆風の中で連立政権を死守した衆院総選挙――と、まさしく激動と緊迫の連続でありました。そうした中にあって公明党は連立政権をしっかりと支えてまいりましたが、それは、政治を執行する側の政党(与党)として、日本の進路に重い責任を負うという、身の引き締まる思いでもありました。

1、政治を安定させ、景気を回復軌道に

 わが党は、連立政権に参加することでそれまでの不安定な政治を安定させ、日本経済を立て直し、景気を回復させるということを当面の最大課題に位置付けました。その結果、小渕前内閣以来の迅速にして大胆な経済政策の断行によって、景気は緩やかながらも改善しつつあり、「すでに七、八合目まで回復した」といわれるほどになりました。もちろん、雇用情勢は依然厳しく、個人消費は一進一退の状況にありますが、しかし、景気を本格的な回復軌道に乗せつつあるところまで押し上げてきたのは、連立政権の極めて大きな成果といえます。二十一世紀を前に、景気に明るい展望をもたらしたところで新世紀を迎えられることは、二十一世紀初頭を「希望の世紀」とすることができる可能性を秘めているからです。
 また、この一年の連立政権の政治を振り返った時、政権の中に「中道主義=人間主義」を唱導する公明党という軸が入ることによって、従来の保守政治の中では優先順位の低かった平和、福祉、環境、人権、教育という分野に光が当てられ、政策展開が次々と図られるなど、「政治の中身」が着実に変わってきています。

2、「政治の質」を変える

 また、民主主義の基礎である政治の信頼を回復するための政治改革という観点から言えば、日本の政治腐敗の温床となってきた「政・官・業」のもたれ合いの構図を断ち切ることが求められていましたが、連立政権に参加して以降、政治家個人に対する企業・団体献金の禁止を実現したほか、現在、開会中の臨時国会では、政治家などが行政への口利きの見返りとして報酬を得ることを禁止する「あっせん利得処罰法案」の実現へ先頭に立ってリードしています。同法が成立すれば、たとえ、公務員に正当な仕事をさせても、その対価として報酬を受け取るという行為が追放され、「政治とカネ」という問題を大きく変化させる、つまり、日本の「政治の質」を根本から変えることは間違いありません。これも、公明党連立参加の画期的成果の一つといえます。

3、公共事業にメス、国民のための立法を次々と

 とかくムダが多いと指摘されてきた公共事業の改革も時代の要請です。公明党が入った連立政権の下で、公共事業は都市部での道路の渋滞解消や、街や住宅のバリアフリー化、阪神大震災を教訓とした耐震都市づくり――など、生活基盤の充実に、より重点が置かれるようになりました。また、公共事業のムダをなくし、効率的なものにすべきだという公明党の長年の取り組みが実を結び、公共事業改革が本格的にスタートしたほか、国の政策や事業を「必要性」「効率性」「有効性」などの観点から評価し、ムダをなくす行政評価法(仮称)も制定に向け前進しています。
 さらに、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から地球環境の保全を重視した環境型社会、「ごみ・ゼロ」社会をめざす循環型社会形成推進基本法の制定は、社会の在り方を大きく転換させようとするものです。ストーカー規制法、児童虐待防止法、交通バリアフリー法、民事法律扶助法、さらに、奨学金の充実、働く女性のための保育所拡充なども次々と公明主導で実現させてきました。新しい多元・多様社会を見据えた永住外国人への地方選挙権付与法案も公明党の尽力で今、国会に提出されており、注目を集めているところです。
 このように、政治や社会の在り方を「民衆の視点」「生活者の視点」から改革していくところに、中道主義=人間主義を掲げる公明党が連立政権に参加した大きな意義があります。同時に、連立政権一年の成果は、自民、公明、保守の与党三党がお互いの独自性を尊重しつつ、譲るべきところは譲るという信頼関係のもとで、さまざまな課題に的確に対応してきたからこそ実現できたものだと言っても過言ではありません。

二、公明党の基本姿勢

 公明党は連立政権に参加するに当たり、その決意、基本姿勢を以下の三点に集約し、内外に宣言しました。
 <1>私たちは「民衆の党」として、国民の願いをわが願いとし、どこまでも国民のために行動する。
 <2>私たちは「平和・人権の党」として社会正義を貫き、国家主義、政治腐敗、人権抑圧と断固戦う。
 <3>私たちは「改革の党」として、政治の停滞を打破し、国民のための改革を持続する。

 「民衆とともに」の政治姿勢は、政治権力を自己目的化することなく、常に国民の負託にこたえられる政党・政治家であるか否かを厳しく問う、変わらぬ行動原理であります。恒久平和と人権の確立は国家主義の台頭を許さず、また権力の腐敗・堕落・暴走を厳しく監視することに通じます。そして、社会を支えている庶民・民衆が豊かで安心して暮らせる社会を実現するため、不断の改革に取り組むことこそ、公明党の不変の姿勢でなければならないとするものでした。この姿勢は、現実に連立政権参加後もいささかも変わることなく堅持しております。

三、連立第二期は「改革」が最大テーマ

1、「第三の変革期」に政権を担う政党の責任
 
 わが国の安定と繁栄を支えていた経済や社会の仕組みは戦後半世紀を経て制度疲労を起こして崩壊の危機にあり、それが国民の将来不安をかきたてています。二十一世紀の日本を再構築していくためには、情報技術(IT)革命に対応できる経済構造改革を思い切って行うとともに、年金、医療、介護などの社会保障改革によるセーフティネット(安全網)の構築、知識詰め込み主義から豊かな人間性を育む教育への改革など、大胆な改革に取り組むことが求められています。
 今、国民が政治に求めているのは、そうした日本の危機的状況を打開するための政治的リーダーシップにほかなりません。しかも国民は、それを単独政党による政治ではなく、「連立政治」という形にゆだねています。こうした事実を前に、この国に責任を持つ政党と政党同士が、「政策の一致」を前提に連立を組み、「安定した枠組み」の下で改革への強いリーダーシップを発揮していこうとするのは当然の帰結であり、昨年十月の公明党の連立参加は、こうした時代の要請、国民の期待にこたえる確かな選択でありました。そして、衆院総選挙で国民の信任を得た「連立第二期」といえる今日、「明治維新」、「戦後の出直し」に続く「第三の変革期」といわれる大転換期に政権を担(にな)う政党の責任として、諸
「改革」を断行していかなくてはなりません。

2、大きくなる公明党の役割

 昨年七月の臨時党大会運動方針で公明党は、@国民は、政治、経済、社会の改革を断行するため、改革への強いリーダーシップと、それを支える政治の安定を求めているAその「政治の安定と改革のリーダーシップ」を確立するためには、それまで公明党が推進してきた「合意形成型政治」の新しい展開が必要であり、連立政権参画は一つの大きな選択肢(し)である――との路線を明示しました。そして、自民党の要請に応じ、昨年十月に自自公連立政権を発足させた当初は、政治を安定させ、直面する経済危機に対処するという側面に軸足を置きましたが、その景気回復にもようやく明るさが見えはじめた今日、次なる目標こそ、「改革」の志(こころざし)を貫き、二十一世紀初頭の日本を「繁栄の上に立った安定、安心の社会」とすることです。それは、従来の延長線上にある手法や発想ではなく、経済・社会の構造改革を志向し新たな時代に対応する英知結集型の政治の展開を必要としています。先の衆院選で国民の信任を得た自公保連立政権は、「連立第二期の課題」として「構造改革への挑戦」を掲げ、諸改革の断行に強い決意で取り組む方針です。そのためには、これまで以上に「強固な信頼関係に基づく安定した連立政権」を構築することが必要です。自公保政権の中にあって、改革の中軸となる公明党の役割がますます増していることを私たちは肝に銘じなければなりません。

 3、「改革」断行へリーダーシップを発揮

 本格的な改革には、国民の痛みをともなう場合があります。既得権益を擁護する側の抵抗も強くなります。しかし、病に侵された患者に適切な治療が必要なように、わが国が抱えるさまざまな課題を克服するには短・中・長期の視点に立った大胆な改革が避けて通れません。政治に求められているのは、「何が真に国民のためか」を判断基準とした上での十年、二十年先を見据えたビジョンであり、たとえ一時的に不人気に見える政策であっても国民のために必要とあれば、それを打ち出す信念であり、国民にきちんと説明し、納得を求め、合意をつくり、スピードを持って実行していく政治の強いリーダーシップです。
 その意味で二〇〇一年夏の参院選が重要になります。自公保三党として、国民の前に目指すべき日本の将来像、改革のメニューを明示して選挙戦に臨み、国民の幅広い信任を得なければなりません。そして、衆参両院ともに安定した連立政権の基盤を築いた上で、国民の厚き信任を背景に、衆知を集めて、国民の理解を得つつ、今日の大変革期に対応する本格的な改革に取り組むべきです。公明党はそうした大改革への意思と覚悟をしっかりと持ち備えています。

 

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