時々読者の方々がおもしろいことをおしえて下さるのですが、今回は読者の方の情報を片手に行ってみました。私は普段ケーキを特に買いに行ったりしない方で、もらえばあれば喜んでいただく、という人間です。会社にもそういう部類の方（女性）がおりまして、それが丁度高萩が住まいなのでダメでもともと聞いてみました。「ええ？それ知ってるよ。あそこのはホントおいしいよ。でも場所が分かりづらいかなあ。」彼女はアンコ人間ですが、そこのケーキは太鼓判を押してくれました。勇気を出して探しましょう。ここは日本ですし、茨城から出なければいつかきっと到着するに違いありません。 「なんだ。あったあった。」行ってみるとわりとスンナリ見つかりました。 でも、あれだけ詳しい情報の提供がなければ、土地の人でもちょっとわからないかもしれません。細い道を行くと間もなく高萩の海岸が広がる、まるで絵本のような光景のすぐそばに、『こぐまのケーキ屋さん』はありました。海の間近い路地は、すぐにどんづまりになります。小さな神社と保育園のお向かいに、そうっとありました。
見つけた時、思わずうれしくなるような秘密めいたすてきな場所です。 右隣はお菓子を作る工場になっています。

出ていらしたのは、優しい面立ちのご主人です。早速、情報にあった牛乳のことからお聞きすることにしました。「毎朝、牧場から採れたての牛乳を仕入れて来てお菓子を作っている、と、お聞きしたのですが。」「はい、そうですよ。毎朝、日立の市場に果物などを仕入れに行って、その足で高萩の山の方、中戸川の牧場からその朝採れた牛乳をもらって来ます。」朝早くからそんなにしてまで、新鮮な牛乳をもらって来るのには、訳があります。ご主人は６年前からケーキ屋さんを始めたのですが、その前はパティシエ（お菓子を作る担当の人）だったそうです。もちろん研究にも熱心で、３年前にイタリアにジェラートの勉強に行きました。あ、皆さん、ジェラートと いうのはアイスクリームのことですよ。イタリアではそう言うのです。日本でジェラートと言うと、アイスクリームと区別されている感じですが、本来同じもので、ご主人もジェラートはアイスクリームと同じだとおっしゃいます。脂肪分が少ないものは、ラクトアイスという名前で呼びます。
イタリアのジェラート協会（そんなモノまであるくらい熱心なジェラート国なんですね）からの紹介でイタリアでジェラートの勉強をしたご主人は、素材の大切さが良く分かっている方です。地元高萩に新鮮な牛乳があるなら、それで作らないといけない、と、考えました。 「ちょっと食べてみて下さい。」差し出されたプレーンなジェラートは真っ白。「うわあ、とても白いんですね。」「牛乳の色ですから。」 口に入れるとあらあら、本当に牛乳の良い香りがいっぱいです。こんなアイスクリーム、食べたことありません。「ね、全然違うでしょう？新しい牛乳でないとだめなんですよ。」納得しました。こればかりは食べてみないと分かりません。
「クール便で遠くでも送っています。」これは誰にでも好かれそうなジェラートです。料金は個数によってもちろん違ってきますから、下の連絡先までお問合わせ下さいね。

さっきからケースにはケーキやチョコレートも並んでいます。ケーキも材料にもあの新鮮な牛乳は入ります。どれもホール（まるまる）売りで、カットしてはいません。でも、この安さ！これだけ良いものを使っていて、この値段は驚きです。小さめのホールケーキの人気No.1はバナナケーキ関係だそうです。どれも甘さが抑え目で、素材の優しい甘さがうれしいケーキです。 チョコレートも沢山並んでいます。
「チョコレートもここで作るんですか？」「そうです。ベルギーのグランパレスの55番と125番を取り寄せます。それを丁度良い割合で配合して、いろんな素材やお酒を混ぜ込んだりします。」
「昔は皆、袋菓子をよく買ったものです。ここのケーキは袋菓子を買うように買って欲しいから、安くておいしくて買い易いものを作っていきます。」ご主人は鳥の名前です。なんだかお菓子屋さんになりたくて、鳥が人間になって海辺に立てたケーキ屋さんのように、不思議な喜びであふれています。