日立の穴 第17号

−十王に酒蔵発見っ!!!−
日本酒というと、まず思い浮かぶのは新潟や秋田、伏見などの有名どころですよね。
なんのどっこい、茨城県にも約45軒の酒造があるんです。結構身近にあるんですね。

十王町郵便局のすぐ隣に酒造があります。大きく「菊乃香」と書かれた看板が目立つ『菊乃香酒造』さんです。こんな町中にあるなんて、ちょっと驚き。

蔵の中はお酒のいい香り。そして、目に付くのはいろんな機械。「今は米を蒸すのも、蒸した米を運ぶのも、機械がやってくれます」と、杜氏(とうじ)の高橋さん。この辺はやっぱり近代化されているんですね。
はしごを上ると、大きいタルが並んでいました。大きな泡を出している醗酵中のもろみは、何となく生き物のよう。増殖中といった感じ。当たり前ですね、酵母が生きているんですものね。「昔はもっと盛大に泡がでる酵母を使っていましたが、今は泡が少ないタイプの酵母を使っているのでおとなしいもんですよ。おかげでタルの掃除が楽になった」
もろみが終わったタルも見せて頂きました。甘酒がタルにたっぷり、といった感じ。「飲んでみますか?」もちろんです。ひしゃくですくってもらって口に含むと、あれ?口にお酒くささが残らない。でも胃がぽっとする。うまいですよ、これは。うん。
醗酵が終わったもろみをこすのも機械を使います。ひだの様に見える袋に入れて、端からギュッと圧力をかけると反対側から絞られたお酒が出てくるんです。袋に残ったものは酒粕となるわけだ。酒粕が板状になってる理由が分かりますね。
お酒は外にある15棟のタンクに保管されます。これ1つ36キロリットル入るんだそうです。かなり大きいから掃除するのが大変。「お掃除ロボットが欲しいと思っちゃう」とか。

こちらの杜氏は、岩手のいわゆる南部杜氏(とうじ)。高橋さんによると、6人でお酒を造っているんだそうです。「若い人はなかなかこの世界に入って来ないね」という言葉通り、平均は60代だとか。確かに朝は早いし、酒造りに入れば休みもない。一人前になるにも時間がかかりますよね。「この仕事は女性の方が向いているような気がする。酒造りってのは、細かい仕事だからね。温度や環境管理が重要だから、気がまわらないとね」という言葉。昔は蔵に女性が入ってはいけないというしきたりがありましたが、今は女性もOKなんですね。
「毎年思うのよ。あーもうこれを最後の酒造りにしようって。でも酒造りの時期が近づいて来ると、うずうずして。うーん、やっぱり行くかってね(笑)」

『菊乃香酒造』おすすめは、流氷酒とライスワイン。流氷酒は網走沿岸の流氷を解かして造ったお酒です。一方のライスワインは、玄米とワイン酵母から造ったもの。渋味がなく女性向きだとか。
こちらの蔵は、一般の人の見学も可能だそうです。前もって連絡をしてくれれば、とのこと。それほど大きい場所ではないので15人くらいが限度でしょうか。
If you'd know how to make sake,maybe you wanna drink and taste it more.一度、蔵見学いかがですか?

319-1304 茨城県多賀郡十王町大字友部104
tel : 0293-32-4311

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