日立の穴 第13号

−ノスタルジック(?)な喫茶店発見−

今回ご紹介するのは喫茶店です。国道6号沿い、多賀駅付近を通る方なら、見覚えがある
かも知れませんね。何でも、『納豆ピラフ』が絶品といううわさ。うーん、気になります。

「これは、入り口?それとも、従業員出入り口?」駐車場に車をとめて、目にはいってきたのは、どうみても勝手口。けれど、ちゃんと”営業中”の札がかかっているんです。 悩みながらも、とりあえず表の方(6号沿い)からこんにちわー。

「いらっしゃい」店内に入ると、カウンターの中から、『なおき』のマスター、小林さんが迎えてくれます。お客さんが来ると、それが常連さんでも、そうでなくても何かしら話かけています。そんなマスターの人柄がにじみ出ているかのように、店内もとても、あたたかな雰囲気。「開店当時から変わっていない」という照明のオレンジの光、磨きこまれた木製のテーブルやイス、カウンター。なんだか懐かしい感じがします。

カウンターに座れば、目の前にはサイホンが。これでていねいに入れられたコーヒーは、なんだかホッとする味。また、女子高生に人気なのがパフェ。クリームパフェやチョコパフェなど、口コミでおいしいと評判のようです。 「うちはモーニングサービスはあっても、ランチはないんです」メニューを見ると確かに見当たりません。「ランチは過剰サービスだと思うからです」こだわってますね。でもお食事メニューは、結構充実してますよ。サンドイッチやサラダなどの軽食から、スパゲティやピラフ、焼肉ライス、カレーライス、焼きうどんなどなど。うーん、なんだか食べたくなってきちゃいますね。しかも、どれをとってもボリュームたっぷり。普通で1.5人前、大盛りで3人前はくだらないでしょう。ファミリーレストランでランチを食べるなら、ここで食事して、食後においしいコーヒー飲むほうが、きっとお得なんじゃないかな。値段も、普通のランチ並みですもん。ところで、軽食以外にはみそ汁がつきます。これもマスターのこだわり。
「納豆ピラフが絶品だと聞いたんですけど・・・」と伺うと、「普通ですよ」とのお答え。が、しかし、確かにファンは結構いるらしいですよ。どうしても食べたくて、東京から福島に出張に来たときに日立中央インターでおりて、『なおき』でこれを食べ、日立南インターから帰っていったお客さんもいたとか。特長は「あっさり、さらさら」。なにか秘密があるようなんですが、「内緒」と言われてしまいました。残念。

マスターは昔は車の営業マンをしていましたが、脱サラ。退職後、1〜2週間で『なおき』をオープンさせちゃったんだそう。別に料理が趣味だった訳でもなかったマスター、とにかく知り合いの喫茶店でコーヒーの入れ方から教わったそうです。
オープンから1年後に現在の場所に移って、かれこれ18年。「仕事というより、ほとんど趣味のようなものですね」とニコニコ。
以前は夜中の12時まで営業していたそうです。しかし、時代が変わり、24時間営業のコンビニや深夜営業のファミリーレストランにお客さんを取られてしまったとか。地域密着型の飲食店は、とても厳しい状況にあるみたいです。「マニュアル化されていない、人間味のあるお店にして、人と人とのつながりを大事にしていきたいですね」そんなマスター、お客さんから相談を受けることもしばしば。お客さんのことを真剣に考えるマスターだからこそ、なのでしょう。
ちなみに『なおき』とは、息子さんの名前からつけたんだそうです。「おかげで、お客さんとの会話のきっかけになったりもするんですよ。自分と同じ名前だから気になって来てみました、とかね」
そして「従業員出入り口?」と始めに悩んだドアは、実は立派なお客さん用の出入り口でした。「常連さんとか、知っているお客さんはそっちから入って、そっちから出て行くね。初めてのお客さんは、勝手口だと思うみたい」なるほど。

昔と変わらずそこにあり、なんだか懐かしい、そしてあたたかい『なおき』に来れば、誰もがlook for special nostalgia in your mind 出来るに違いないですね。

316 日立市多賀町 5-8-11
営業時間 AM10:30〜PM9:00
(モーニングはPM1:00まで)
tel : 0294-33-3820
年中無休

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