「この道はいつか来た道〜」と、運転してきた６号国道から十王町役場への静かな道。きれにに舗装された道路に新しい家々が並ぶ。何度か来たけどあったかい？そのようなお店は。確か日立信用組合のお向かいとか、おお！本当にお向かいに在った！
『ディーノ』ってイタリア色に塗り分けた看板がありました。でも、注意しないとなんだかコーヒー屋さんのようでもあるから以前分からなくても仕方ないよお、と、自分に言い訳しながら伺って来ました。
入って目に映るのは、ガラスケースに整然と並んだ本です。『スクランブル・カー・マガジン』『Car magazine』クラシックカーの好きな人達にはピンとくるタイトルです。どちらも同じ雑誌ですが、途中から誌名が変更になっていたりします。
『ディーノ』というのもクラシックカーからとった名前だそうです。「前は店の近くに自分のおいていたけど、この頃はレースにも行かないし、やってませんねえ。」どうやら目下の興味は他に移っているようです。クラシックカーはマスターいわく「始めから腐っているようなモノをメンテナンスしながら使うから、お金がかかる」し、レースも筑波辺りに行かないとできないので、この頃は遠ざかっているらしいです。さっきの本を見たい人は、マスターに言ってくださいね。
２年前にここで『ディーノ』を始めたマスター。以前もお店をしていたのですが、忙しくて静かな時間も持てないことから、この場所を選んで始めたそうです。「今はどうですか？」「楽しくやっていますよ。」ニコニコして答えてくれました。ここ数年の趣味である『釣』は、定休日の月曜日の前日、日曜日にお店が終わってから即、移動をかけて出かけるという熱心さ。思えばサラリーマンのように土日の連休が取ることが難しいから、本当に好きでないと行けないですね。
日曜の夜に車を走らせて、日光に着くのは夜明け。その美しいもやのかかった朝の風景を楽しみながら釣をするのがとても気持ちの良いものだそうです。寝坊の私たちにはうらやましいような信じられないような光景なんでしょうね。ニジマスを奥様とお店に来る仲の良いお友達と一緒に釣って、クラーボックスに持って帰ります。
ここからが普通ではありません。元来、食べるのもお酒も大好きなマスターは、釣ったマスをソテーしたり他のおいしいモノを『ディーノ』の カウンター で作りにかかります。仲の良い人達だけで、お休みなはずの店は明りを灯します。その楽しい思いが、また火曜日からの原動力になっていくと言います。心底元気で食べるのも作るのも大好きな人なんですねえ。
そんなマスターの作るメニューは、どれもマスターの満足する量（普通より多め）でおいしい満足いっぱいのものばかりです。個人的にはトマトソースが好きだと言うだ けあって、『ディーノ』のトマトソースは自然な甘みの出た舌にも体にも優しい味でした。「もし好みがあれば、注文の時にトウガラシ入れて辛くして、とかコショウ強くして、とか言って下さるといいです。あまり忙しい時間でなければ、その方が美味しく食べてもらえるからこちらもうれしいんです。」そおですね、イキナリ味も見ないでタバスコかけては、せっかくの味付けが何もなりませんよ皆様。
パスタは20種類。トマチソース、ホワイトソース、ミートソース、特製スパゲッィ。ベシャメルソース（ホワイトソース）も自家製ですからパスタ好きには応えられないですね。当り前ですがグラタンなども美味しいわけ。他にはハンバーグもボリュームたっぷり。デリバリーも別メニューでしているそうですから、お電話して相談してくださいね。川尻駅からそう遠くなければデリバリーしてくれます。
お酒もありますよ。お店で出るのはビールとワインです。 デザート だってあるんだから、ランチにお茶にディナーに、居心地の良いこの場所に来て、ゆっくりお話ししたりぼんやりしたりしたいです。大きな柱時計がの、なぜか他よりのんびりと時を刻んでくれるかもしれません。

静かにおなかいっぱい楽しいイタリアン、日立も捨てたもんでもない。