14日に低気圧が日本海から三陸沖へ進んだ後、強い冬型の気圧配置になるとともに日本付近へ寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、13日21時の+1.9℃から15日09時には-4.7℃まで下がり、強い寒気が流れ込んできたことを示しています。
15日朝の関東地方は、上層の気圧の谷が西に残っていた影響で、晴れて風が弱くなりました。このため、放射冷却が強まり、ほとんどの地点で今季一番の冷え込みとなりました。15日の関東地方各地の最低気温は、栃木県土路部で-8.2℃、奥日光で-7.8℃、群馬県沼田で-7.4℃など、86地点の内59地点で最低気温が0℃未満となりました。また、茨城県内の最低気温は、大子で-6.2℃、常陸大宮市上小瀬で-5.6℃、北茨城で-4.8℃を記録するなど、14観測地点の内、鹿嶋を除く13地点で最低気温が0℃未満となりました。また、すべての地点で今季の最低気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、14日夕方に上層の気圧の谷が通過した後、16時過ぎから気温が下がり始めました。夜に入っても気温は下がり続け、15日02時34分には最低気温を-0.7℃を記録しました。これは、日立市役所における今季初めての冬日(日最低気温0℃未満の日)で、昨年(2019年)よりも13日早く、平年(12月14日)よりも1日遅くなっています。なお、最低気温を記録した後、北西の風がやや強く吹き始めたため気温は2℃近く上がり、6時過ぎにかけて1.7℃前後で推移しました。
市内の他の地点も、全地点で最低気温が0℃未満となりました。また、すべての地点で今季最も低い気温となりました。西部支所では最低気温が-4.8℃まで下がり、日立市内で最も低い気温となりました。これは、茨城県内のアメダス観測地点と比較しても、大子、常陸大宮市上小瀬、に次いで低い気温でした。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※今年の8月1日以降、12月15日現在の最低気温の低い方からの記録。
●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 12日 09時 |
12日 21時 |
13日 09時 |
13日 21時 |
14日 09時 |
14日 21時 |
15日 09時 |
15日 21時 |
16日 09時 |
5500m(500hPa) | -18.5 | -23.3 | -23.9 | -24.0 | -19.4 | -20.0 | -23.3 | -27.7 | -27.9 |
1500m(850hPa) | 2.3 | 1.3 | -0.1 | 1.9 | -0.3 | -4.8 | -4.7 | -5.1 | -7.1 |
●12月14日から15日にかけての気温の推移(10分値)
●12月14日から15日にかけての風速と風向の推移(日立市役所:10分値)
●参考:12月15日07時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:12月15日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo