4月29日から30日にかけて、日本の南を移動性高気圧がゆっくりと東へ進みました。高気圧は、中心を日本の東へ移した後、勢力を強めて西へ張り出し、1日から3日にかけて本州付近をおおいました。高気圧の西側を回り、下層へ暖かい空気が流れ込んだことから、2日、3日と全国的に気温が上がりました。特に2日は良く晴れたことから、北日本から西日本にかけて気温が上がり、91地点で最高気温が30℃以上の真夏日となりました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は1日09時の10.2℃から2日21時には19.8℃まで上がり、暖気が入ってきたことを示しています。
2日の関東地方各地の最高気温は、群馬県伊勢崎で32.2℃、埼玉県秩父で32.1℃、栃木県佐野で31.8℃など、16地点で最高気温が30℃以上の真夏日となりました。また、69地点で最高気温が25℃以上の夏日となりました。茨城県内でも、2日の最高気温は大子で30.8℃(15時19分)、古河で30.1℃(14時52分)を記録するなど、14観測点の内北茨城を除く13地点で最高気温が25℃を超えました。また、全地点で今年の最高気温を記録しました。
日立市役所における気温の推移を見ると、9時に南南西の風に変わるとともに一段と気温が上がり、09時30分前には気温が25℃を超えました。その後、南南東の風に変わり気温は4℃近く下がりました。しかし、13時30分から南南西の風に変わり、再び気温が上がり始め、16時03分には最高気温28.0℃を記録しました。これは、今年初めての夏日(最高気温25℃以上の日)で、夏日初日としては平年(5月9日)より7日早く、昨年よりも22日早くなりました。16時30分前に南東の風に変わると、気温は6℃近く下がりました。
日立市内の気温を見ると、2日は7地点すべてで最高気温が25℃以上となりました。また、全地点で今年の最高気温となるとともに、今年初めての夏日となりました。日立市内で最も気温が高くなったのは、南部支所の日最高気温29.2℃でした。反対に、最も気温が低かったのは北部消防署の25.2℃で、海に近いため他の地点程気温が上がりませんでした。
●今年の最高気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●夏日初日の記録(日立市役所)
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※順位は、1961年から2020年の統計。
●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 29日 09時 |
29日 21時 |
30日 09時 |
30日 21時 |
1日 09時 |
1日 21時 |
2日 09時 |
2日 21時 |
3日 09時 |
5500m(500hPa) | -18.3 | -17.4 | -18.8 | -18.5 | -20.0 | -13.5 | -13.4 | -12.1 | -11.9 |
1500m(850hPa) | 5.7 | 8.6 | 8.3 | 10.5 | 10.2 | 13.3 | 16.0 | 19.8 | 18.8 |
●5月2日から3日の気温の推移(10分値)
●5月2日から3日の風向の推移(日立市役所:10分値)
●5月2日14時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:5月2日15時の地上天気図と21時の850hPa面高層天気図
Amagai Daizo