24日に上層の気圧の谷が日本の東へ抜けた後、上層の気圧の尾根が進んでくるとともに下層の暖気塊が中国大陸から北日本へ進んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は23日09時の10.3℃から26日09時には18.6℃まで上がりました。また、札幌では26日09時の850hPaの気温が21.4℃と、5月の850hPaの気温としては観測史上最も高くなりました。この暖気の影響で、24日から全国的に気温が高くなりました。特に、26日は南から高気圧におおわれ、晴れて強い日射が照り付けたことから、北日本から東日本にかけて気温が上がりました。北海道の佐呂間では最高気温39.5℃を記録し、5月の全国の最高気温の記録を更新しました。
関東地方でも内陸部を中心に気温が上がり、最高気温が35℃を超えた所がありました。関東地方各地の最高気温は、埼玉県鳩山で35.8℃、茨城県大子で35.5℃、群馬県桐生で35.4℃など、7地点で最高気温が35℃以上となりました。
茨城県内でも、上記大子の他に古河で最高気温34.6℃、笠間で34.4℃を記録するなど、14観測点のうち日立会瀬と北茨城を除く12地点で最高気温が30℃を超えました。また、北茨城を除く13地点では今年の最高気温となりました。
日立市役所における15日からの最高気温の推移を見ると、22日にかけては20℃前後と平年並みで推移しました。しかし、23日から気温は上がり始め、25日には最高気温25.5℃と今年初めての夏日となりました。これは、昨年(4月21日)より約1か月遅く、平年よりも16日遅い記録でした。その後も最高気温は上がり続けて、27日は29.1℃を記録しました。これは、平年よりもの8℃近く高く、8月上旬並みの気温でした。
日立市内の気温を見ると、いずれの地点も23日から気温が上がり始めました。その中でも山間部にある本山と西部支所は気温の上がり方が大きく、26日には本山で31.9℃、西部支所で32.8℃を記録し、2地点とも今年初めての真夏日となりました。これは、昨年に比べると1か月近く早くなっています。なお、日立市役所と南部支所を除き、他の5地点は26日に最も気温が高くなりました。
●今年の最高気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●過去5年間の夏日初日(日立市役所)と真夏日初日(西部支所)
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 23日 09時 |
23日 21時 |
24日 09時 |
24日 21時 |
25日 09時 |
25日 21時 |
26日 09時 |
26日 21時 |
27日 09時 |
27日 21時 |
28日 09時 |
5500m(500hPa) | -13.6 | -15.4 | -18.7 | -15.7 | -12.4 | -10.9 | -12.5 | -12.5 | -12.1 | -11.7 | -8.7 |
1500m(850hPa) | 10.3 | 11.7 | 12.1 | 14.3 | 14.9 | 18.5 | 18.6 | 19.6 | 19.0 | 20.4 | 19.6 |
●5月15日から27日の最高気温の推移(日立市役所、水戸、つくばと日立市内3地点)
●5月26日12時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:5月26日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo