5月21日、寒冷前線の東進に伴ってまとまった雨が降る

 17日から18日にかけて、高気圧がオホーツク海から日本の東へ南下してきました。19日になると、日本の東へ進んだ上層の気圧の尾根の影響を受けて、高気圧の動きが遅くなるとともに勢力を強めて日本付近へ張り出してきました。高気圧の西側を回り南から湿った空気が流れ込んできたため、湿った空気のぶつかった宮崎県から鹿児島県では日降水量が100mmを超える大雨となりました。特に、18日の鹿児島県屋久島では、日降水量439.5mmを記録しました。

 19日になると、中国東北区へ寒冷渦が進んできて動きが遅くなりました。この寒冷渦に伴う寒気の東側境界に沿って南北に寒冷前線がのび、朝鮮半島から日本付近へ進んできました。寒冷前線は、21日にかけてゆっくりと本州上を東へ進んだため、降水域も西日本から東日本、北日本へと移っていきました。寒冷前線の東側に沿って南から湿った空気が流れ込み続けたことから、四国から関東地方の太平洋側で日降水量100mmを超える大雨となった所がありました。

 日立市では21日の明け方から雨が降り始め、夜の初めにかけて1時間に5〜10mmの雨が降り続きました。雨が強く降ることはありませんでしたが、長い時間にわたり同じように降ったことから、日立市役所における総降水量は82.5mmになりました。また、山間部の本山では湿った空気が山にぶつかる影響で、総降水量は148.5mmと多くなりました。反対に、関東平野の北端に位置する南部支所では、総降水量が53.5mmと少なくなりました。なお、日立市役所で日降水量が80mmを超えたのは、2017年10月22日の台風第21号による降水量98.0mm以来です。

 日立市以外の茨城県内の21日の降水量は、高萩市大能で149.5mm、北茨城市花園で147.0mm、北茨城市北茨城で130.5mmと、県北沿岸部の山沿いで降水量が多くなりました。

 ●5月21日の降水量(mm)

観測地点
総降水量

最大1時間降水量

最大10分間降水量

降水量
日時

降水量
日時
日立市役所 82.5 14.0 21日15時51分 5.0 21日15時02分
十王交流センター 107.5 18.0 21日09時35分 4.5 21日12時46分
北部消防署 87.5 16.0 21日15時51分 5.5 21日15時05分
本山 148.5 27.0 21日12時42分 6.0 21日12時38分
西部出張所 106.0 24.5 21日14時58分 5.5 21日14時23分
諏訪広場 67.5 12.0 21日09時27分 3.5 21日14時58分
南部支所 53.5 12.0 21日15時44分 4.0 21日15時00分
日立会瀬 73.0 13.5 21日15時51分 4.5 21日15時01分
水戸(金町) 57.5 15.0 21日15時20分 5.5 21日14時39分

 ※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。

 ●過去5年間の日降水量の記録
  (日立市役所:降水量の多い順)

順位 年月日 日降水量(mm)
1 2016年08月23日 130.0
2 2017年10月22日 98.0
3 2019年05月21日 82.5
4 2018年07月06日 74.0
5 2017年09月28日 73.5

 ●参考:5月21日の降水量の推移(日立市役所と本山)

 ●参考:5月21日12時00分と15時00分の降水レーダー図

 ●参考:5月21日15時のアメダスによる降水量と風の分布

 ●参考:5月21日15時の地上天気図と09時の500hPa面高層天気図

Amagai Daizo


【ホームページへ】

作成日:2019/05/22
日立市役所 天気相談所