2月9日、上層の気圧の谷の通過に伴って雪が降る

 8日、寒冷渦がオホーツク海へ進み、日本付近は冬型の気圧配置になりました。しかし、8日の夜に中国東北区へ進んできた上層の気圧の谷が、9日には日本海西部から関東地方へ進みました。これに伴って、日本海西部から北陸、関東地方にかけて収束域が形成されました。収束域に伴う雪雲はあまり発達せず、北へ広がらなかったたことから、関東地方では茨城県から千葉県を中心に9日の明け方から昼過ぎにかけて弱い雪が降りました。

 その後、雪雲は東海上へ抜けて、雪が止んだ所もありました。しかし、夕方になって上層の気圧の谷が近づいてくると、栃木県から茨城県で雪雲が発生し、南東へ進みました。このため、茨城県では10日未明にかけて雪が降り続きました。茨城県は、北からの寒気の流入で気温が低くなったことと長い時間雪が降り続いたことから積雪量がやや多くなり、市街地でも3cm前後の積雪となりました。

 日立市役所における天気と気温の推移をみると、8日16時過ぎから気温の下がり方が大きくなり、った。20時過ぎには1℃まで気温が下がりました。その後、9日昼にかけて気温は1℃前後で推移し、南から雪雲が北上してきた9日明け方には雪が降り始めました。昼までは、雪は降ったりやんだりを繰り返していました。しかし、昼過ぎからは連続して降るようになるとともに、夕方にかけて気温が0℃未満となったため、15時には積雪が3cmとなりました。夜には気温が1℃近くまで上がったことと、降水量が1.5mmと少なかったことから、10日朝の積雪量は3cmでした。 

 日立市内の他の地点も、日立市役所と同じような気温の変化をしました。その中で、山間部にある本山は、日中の気温も0℃未満で推移しました。9日の最高気温21時12分に記録した-0.9℃で、日立市内で唯一の真冬日(日最高気温0℃未満)となりました。本山で真冬日となったのは、2018年1月22(日最高気温-0.6℃)以来です。

 山間部では気温が低かったことから、積雪量は市役所よりも多くなりました。10日朝の積雪は、高原自然塾で10cm奥日立きららの里で6cm、西部支所と南部支所で3cmでした。

 ●9日の最深積雪(cm)

観測地点 最深積雪 観測地点 最深積雪
日立 3 宇都宮 4
水戸 3 前橋 -
つくば 3 熊谷 -
    東京 0
    千葉 2
    横浜 -

 ※日立は10日07時、つくばと、宇都宮は10日02時の値。

 ●2月9日の気温(℃)と平年値の比較

地点 日平均気温 最高気温 最低気温
気温 平年値 気温 時刻 平年値 気温 時刻 平年値
日立市役所 0.4 4.5 1.6 12:09 9.3 -0.8 17:21 0.0
十王交流センター 0.2 1.3 05:08 -0.9 10:07
北部消防署 -0.1 1.0 04:58 -1.2 09:58
本山(中学校跡) -1.8 -0.9 21:12 -2.7 17:28
西部支所 -0.9 0.6 13:29 -1.5 00:02
諏訪広場 0.0 1.1 11:53 -1.1 15:25
南部支所 0.2 1.5 11:50 -0.5 17:40
日立会瀬 0.6 1.7 04:23 -0.7 17:25
水戸(金町) 0.0 3.3 1.0 14:51 9.3 -1.0 04:37 -2.0

 ●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)

高さ(気圧) 6日
09時
6日
21時
7日
09時
7日
21時
8日
09時
8日
21時
9日
09時
9日
21時
10日
09時
10日
21時
5500m(500hPa) -22.1 -19.6 -20.4 -20.9 -22.1 -21.8 -20.1 -19.7 -21.0 -20.1
1500m(850hPa) 2.8 4.2 5.8 6.5 -5.0 -4.0 -3.3 -4.2 -10.4 -8.6

 ●2月9日の積雪の様子(市役所から西方向を見る)

 ●2月8日〜10日の気温の推移(10分値)

 ●2月8日〜10日の日立市内の気温の推移(10分値)

 ●2月9日07時と17時のアメダスによる気温の分布

 7時の気温の分布をみると、栃木県から茨城県、千葉県にかけて気温が低くなっている。

 ●参考:2月9日21時の地上天気図と500hPa面高層天気図

Amagai Daizo


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作成日:2019/02/13
日立市役所 天気相談所