7日に低気圧が日本の東へ進んだ後、8日から9日にかけて強い冬型の気圧配置になるとともに日本付近へ寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、7日21時の+5.4℃から9日21時には-4.7℃まで下がり、強い寒気が流れ込んできたことを示しています。
10日になると、東日本から西日本では冬型の気圧配置が緩み、北西の季節風は弱まってきました。関東地方では、内陸部で晴れて放射冷却が強まったことから、今季一番の冷え込みとなった所が多くなりました。関東地方各地の最低気温は、栃木県奥日光で-8.5℃、群馬県田代で-6.7℃、栃木県塩谷で-5.7℃などでした。また、茨城県内の最低気温は、大子で-5.0℃、常陸大宮市上小瀬で-4.9℃、笠間で-3.6℃を記録するなど、14観測地点の内、鹿嶋を除く13地点で最低気温が0℃未満となりました。また、鹿嶋を除いて今季の最低気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、7日13時46分に最高気温15.9℃を記録した後、気温は夜にかけて下がり、24時00分には8.2℃とこの日の最低気温を記録しました。8日、9日と最高気温は9℃近くまでしか上がらず、真冬並みの寒さが続きました。9日の夜から10日の明け方にかけては、北西の季節風がやや強く吹いたことから、気温は4℃から3℃と横ばいで推移しました。その後、5時前から風が弱まるとともに気温は下がり始め、06時57分には最低気温-0.3℃を記録し、今季最も低い気温となりました。また、日立市役所における今季初めての冬日(日最低気温0℃未満の日)となりました。これは、昨年(2017年)よりも8日早く、平年(12月14日)よりも4日早くなっています。
市内の他の地点も、諏訪広場を除いて最低気温が0℃未満となるとともに、全地点とも今季最も低い気温となりました。また、いずれの地点も9日の夜以降は日立市役所より気温の下がり方が早くなりました。特に、山間部の本山では9日の17時前には気温が0℃未満となりました。なお、西部支所では10日06時58分に最低気温-4.0℃を記録し、日立市内で最も低い気温となりました。これは、茨城県内のアメダス観測地点と比較して、大子、常陸大宮市上小瀬に次いで低い気温でした。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 07日 09時 |
07日 21時 |
08日 09時 |
08日 21時 |
09日 09時 |
09日 21時 |
10日 09時 |
10日 21時 |
11日 09時 |
5500m(500hPa) | -16.4 | -16.7 | -17.1 | -18.7 | -19.7 | -23.1 | -20.1 | -22.5 | -19.9 |
1500m(850hPa) | 9.0 | 5.4 | -1.3 | -0.9 | -4.9 | -4.7 | -3.7 | -3.3 | -4.3 |
●12月9日から10日にかけての気温の推移(10分値)
●12月9日から10日にかけての風速と風向の推移(日立市役所:10分値)
●12月9日から10日にかけての気温の推移(日立市内10分値)
●参考:12月9日06時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:12月10日06時の地上天気図と9日21時の8550hPa面高層天気図
Amagai Daizo