11月24日、関東地方だけ天気が崩れる

 23日に低気圧が北海道の東で発達して、日本付近は一時的に冬型の気圧配置となりました。このため、23日の関東地方は晴れて乾燥した天気になりました。日立市役所では、23日13時27分に最小湿度26%まで下がりました。その後、大陸の高気圧は移動性となって24日の日中に本州上を東へ進みました。

 一方、黄河下流と九州付近には上層の気圧の谷があって、と東へ進んできました。このため、関東地方の上層では23日の午後から西南西の流れに変わってきました。高気圧の中心がやや北に偏っていたことから、23日の夕方から関東地方の南の下層では西南西の風と高気圧から吹き出す北東の風とによる収束域に沿って雲が広がり始めました。この収束雲は、24日の未明には関東地方から福島県まで広がりました。

 先行する上層の気圧の谷が東へ抜けた24日は、朝から昼頃にかけて収束雲の広がる範囲はいったん狭くなりました。しかし、次の上層の気圧の谷が進んできた24日の夜から25日の未明にかけては、関東地方全域に雲が広がりました。上層の気圧の谷が東へ抜けた25日の朝には収束雲は消え、関東地方では晴天が広がりました。

 関東地方の内陸部では、24日の日中は晴天が広がりました。しかし、茨城県から千葉県にかけては、一日曇り空が続きました。また、24日の見舞いから朝にかけては沿岸部を中心い弱い雨が降りました。日立市でも24日は曇り空が続き、3時前から5時前にかけては小雨がちらつきました。

 日本付近へ移動性高気圧が進んでくると、全国的に晴れの天気となります。しかし、日本の西に上層の気圧の谷があって、高気圧の中心が北に偏っている場合には関東地方だけ天気が崩れることがあります。これは、関東地方の南海上では中部山岳で分流した大気の流れにより、収束域が形成されるためです。この形の収束域は、10月から3月の寒候期において冬型の気圧配置が緩んだときや東西に連なった移動性高気圧の内の一つが東海上へ抜けたとき、及び上層の気圧の谷の前面に入った時に発生しやすい傾向があります。

 ●11月23日と24日15時00分の気象衛星可視画像

 ●参考:11月23日15時から24日09時の気象衛星赤外画像

 ●参考:11月23日21時と24日15時の地上天気図

 ●参考:11月23日と24日21時の500hPa面高層天気図

Amagai Daizo


【ホームページへ】

作成日:2018/11/27
日立市役所 天気相談所