◇晴れて乾燥した天気が続いた2月

 周期的に高気圧と低気圧が通過し、低気圧の通過後は一時的に強い冬型の気圧配置になりました。また、低気圧は日本海や南海上を離れて進むことが多かったことから、晴れて乾燥した天気が続きました。このため、日降水量が1mm以上の日は2日しかなく、月降水量は5.0mm(平年比9%)と平年よりかなり少なくなりました。反対に、月の日照時間は181.0時間(平年比105%)、日照率は60.0%とほぼ平年並みになりました。中旬を除いて下層へ寒気が入ったことから、気温は平年より低い日が多くなりました。この結果、月平均気温は3.9℃(平年比-0.7℃)と平年より低くなり、昨年8月以降7か月連続して月平均気温が平年を下回りました。

2月の気象観測値
観測要素 観測値 平年値
月平均気温(℃) 3.9 4.6
月降水量(mm) 5.0 56.3
月日照時間(時間) 181.0 172.1
日照率(%) 60.0 56.5
旬平均気温(℃)
観測値 平年値
上旬 3.4 4.2
中旬 4.2 4.6
下旬 4.0 5.1
旬日照時間(時間)
観測値 平年値
上旬 61.4 62.9
中旬 84.4 59.5
下旬 35.2 48.4

 ※下旬の日照時間の平年値は、各年の2月21日〜28日の合計値の30年平均。

 ●2月の日立市役所における日平均気温の推移とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

 ●2月の日立市役所における日最低気温と日照時間の推移

 今年の2月は、寒気におおわれて気温の低い日が続きました。このため、2月の冬日の日数は16日と平年より2日多くなり、2010年2月の16日以来の冬日が多い2月となりました。しかし、寒気の程度はそれほど強くなかったため、月最低気温は18日の-3.0℃までしか下がらず、1月の最低気温-5.6℃程の冷え込みはありませんでした。

 12月から2月までの冬季の期間で見ると、2016年と2017年は月平均気温が平年を下回ることがなく暖かい冬でした。それに対して、今年の冬は2013年並みの寒い冬になりました。ただし、その前年の2012年と比べると気温は平均して0.5℃程高くなっています。なお、観測開始以来の冬季の最低気温は1984年(1983年12月から1984年2月)の2.9℃で、2018年の冬季の平均気温4.6℃は低い方からの順位で第13位となっています。

 ●過去7年間の冬季の気温と冬日の日数(日立市役所)

月平均気温(℃)
前年
12月
1月 2月
2012 5.6 3.0 3.6
2013 6.1 3.6 4.0
2014 7.2 4.5 3.9
2015 6.1 4.9 4.4
2016 8.6 5.1 5.7
2017 8.7 4.9 5.4
2018 6.1 3.9 3.9
平年値 7.3 4.6 4.6
月最低気温(℃)
前年
12月
1月 2月
2012 -2.2 -4.2 -4.4
2013 -2.6 -3.3 -5.2
2014 -1.3 -2.9 -5.4
2015 -2.0 -2.4 -2.9
2016 -1.3 -2.7 -2.1
2017 -1.4 -3.5 -1.6
2018 -2.0 -5.6 -3.0
冬日の日数
前年
12月
1月 2月
2012 11 20 15 46
2013 8 17 14 39
2014 3 16 14  33
2015 8 13 12 33
2016 2 10 9 21
2017 5 14 10 29
2018 7 17 16 40
平年値 6 17 14 37

 ※月平均気温の青色で塗った欄は気温が平年以下の月を表す。

 ※月最低気温の青色で塗った欄は気温が-5℃未満を表す。


◇2月の日立市内の気温と降水量

 2月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は日立市役所が最も高くなっています。次いで、最も北に位置する十王交流センターが2番目に高くなっています。一方、本山と西部支所は気温の低い方になっています。市内7地点の平均気温は2.1℃で、水戸の月平均気温3.5℃よりも1.4℃低くなりました。1月と比較すると、日立市の平均気温は0.3℃高くなりました。一方、水戸の平均気温は0.7℃高くなり、水戸の方が気温の上がり方が大きくなっています。なお、日立市内で水戸よりも平均気温が高かったのは、日立市役所だけでした。

 月の降水量の市内平均は4.5mmで、1月の平均降水量35.6mmよりも約30mm少なくなりました。全地点で降水量は10mm未満となり、地点間の差は少なくなりました。また、市内7地点の平均降水量4.5mmに対して、水戸の月降水量は7.5mmとあまり変わりませんでした。

 ●日立市内と水戸の2月の気温と降水量の観測結果

2月の気温(℃)の記録
観測地点 平均
気温
最高気温 最低気温
気温 日時 気温 日時
日立市役所 3.9 12.5 17 12:46 -3.0 18 06:49
十王交流センター 3.3 12.4 10 14:46 -4.1 19 05:16
北部消防署 2.4 11.0 10 15:27 -4.5 08 06:49
本山(中学校跡) 0.0 10.6 11 11:24 -7.6 18 06:27
西部支所 0.5 12.5 11 12:52 -8.3 08 06:27
諏訪広場 1.7 10.4 24 14:02 -5.2 18 06:31
南部支所 2.6 12.3 24 14:46 -7.0 07 05:52
上記7地点の平均 2.1 -

-

-

-

日立会瀬 4.0 12.5 24 14:35 -3.3 18 06:22
水戸(金町) 3.5 13.7 24 15:24 -5.0 08 06:47
2月の降水量(mm)の記録
観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量
降水量 降水量 日時
日立市役所 5.0 2.5 11 1.0 11 15:35
十王交流センター 2.5 2.0 11 1.0 11 01:12
北部消防署 2.5 1.5 11 0.5 11 12:17
本山(中学校跡) 6.5 3.5 02 2.0 11 03:46
西部支所 3.5 3.0 11 1.5 11 04:12
諏訪広場 5.0 4.5 11 2.5 11 15:32
南部支所 6.5 5.5 11 4.5 11 16:16
上記7地点の平均 4.5 -

-

- -
日立会瀬 6.5 5.0 11 2.5 11 15:31
水戸(金町) 7.5 3.5 11 2.5 11 16:41

 ※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。


◇上旬後半から中旬前半にかけて湿度が低くなる

 今年の2月は晴れる日が多くて降水量が少なかったことから、月平均湿度は51%(平年比-6%)と平年より低くなりました。ただ、月の初めと下旬には南岸を低気圧が通過して雪や雨の降る日があったことから、平均すると極端に湿度は低くなりませんでした。このため、2月の平均湿度としては低い方からの順位が第11位で、昨年と同じでした。

 その中で、上旬の後半から中旬にかけては冬型の気圧配置が強まり、北西の季節風が強く吹いて湿度が低くなる時がありました。日立市役所では、2月6日、7日及び12日に日最小湿度が13%を観測し、観測開始以来第8位の低い記録を一度に3日分更新しました。また、日最小湿度15%未満の月別の日数も7日となり、先月と並んで観測開始来第1位の多い記録となりました。なお、水戸(金町)では2月6日に最小湿度10%を観測し、1950年1月の観測開始以来最も低い記録となりました。

 ●日立市役所の湿度(%)の記録

2月の平均湿度

順位

湿度
1 1980 46
2 1988 47
3 1991 48
4 1965 49
4 1968 49
省略
11 2018 51
11 2017 51

15%未満日数
順位 日数
1 2018 2 7
1 2018 1 7
3 2004 3 6
3 1971 2 6
3 1970 3 6

 ※日立市役所の順位は、数値の小さい方からで1953年1月〜2018年2月の統計。

 ※15%未満日数は、日最小湿度15%未満の日の月別日数を表す。

 ●2月の日立市役所における日平均湿度と日最小湿度の推移

 ●日立市役所と水戸の最小湿度(%)の記録

日立市役所の最小湿度
順位 最小湿度 年月日 時刻
1 8 1968/01/14 14:35
2 10 1978/04/09 08:07
3 11 1971/04/25 12:17
4 12 2018/01/11 15:19
4 12 1963/01/24 12:28
4 12 1955/02/22 -
4 12 1955/02/21 -
8 13 2018/02/12 16:34
8 13 2018/02/07 12:18
8 13 2018/02/06 13:46
8 13 2015/02/15 13:47

水戸(金町)の最小湿度
順位 最小湿度 年月日 時刻
1 10 2018/02/06 14:54
2 11 2015/03/27 15:17
2 11 2004/03/07 16:01
4 12 2016/03/31 13:00
4 12 1999/03/06 15:21
4 12 1997/04/12 15:02

 ※日立市役所の順位は、数値の小さい方からで1953年1月〜2018年2月の統計。

 ※水戸(金町)の順位は、数値の小さい方からで1950年1月〜2018年2月の統計。

 日立市内の平均湿度を比較すると、日立市役所が最も低く、山間部にある本山と西部支所が最も高かった。また、前年と比べてみると、日立市役所を除いて2018年よりも2017年の方が湿度が低かった。最小湿度についても、日立市役所を除いて最小湿度は前年とほとんど変わらなかった。これは、西側に山がある影響で日立市役所ではフェーン現象が起こりやすく、西寄りの風が吹くと他の地点比べて気温が高くなるとともに湿度が低くなるためと思われます。

 ●日立市内の2月の湿度(%)

2月の平均湿度
地点 平均湿度
2018年 2017年

日立市役所

51 51
十王交流センター 63 60
北部消防署 62 59
本山(中学校跡) 75 71
西部支所 74 72
諏訪広場 67 64
南部支所 67 62

2月の最小湿度
地点 最小湿度
2018年 2017年

日立市役所

13 18
十王交流センター 19 21
北部消防署 20 21
本山(中学校跡) 25 27
西部支所 24 27
諏訪広場 25 25
南部支所 25 24

 ●2月6日から13日の地上天気図


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作成日 2018/03/11
名前 日立市天気相談所