◇中旬にかけて曇りや雨の日が多かった4月

 月の前半は、偏西風が大陸東岸で南へ蛇行し、日本付近へ南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなりました。この影響で、本州付近を低気圧が頻繁に通過するとともに本州南岸に前線が停滞することが多かったため、曇りや雨の日が多くなりました。下旬に入ると移動性高気圧が本州上を進むようになるとともに大陸から暖かい空気が流れ込み、晴れて気温が高くなりました。ただ、月の前半は天気がぐずつき、北東の風と共に冷たい空気が地表付近へ入ったことから、気温は平年より低くなりました。この結果、月平均気温は12.4℃とほぼ平年並みになりました。

 このように、下旬は移動性高気圧におおわれて晴れる日が続いたものの、上旬は晴れる日がほとんどなかったことから、月の日照時間は162.0時間と平年の91%でした。一方、本州付近での低気圧の発達は弱く、大雨となる日がなかったことから、月降水量は95.0mmと平年の72%しかありませんでした。

4月の気象観測値
観測要素 観測値 平年値
月平均気温(℃) 12.4 12.1
月降水量(mm) 95.0 131.9
月日照時間(時間) 162.0 178.8
旬平均気温(℃)
観測値 平年値
上旬 9.3 10.5
中旬 11.9 12.1
下旬 15.9 13.7
旬日照時間(時間)
観測値 平年値
上旬 29.5 61.4
中旬 40.3 55.5
下旬 92.2 61.9

 ●4月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける500hPaと850hPa気温の推移

2015年4月の日立市役所における日平均気温の推移 2015年4月のつくばにおける高層気温の推移(09時と21時)

 ●4月の日立市役所における日最高気温と日照時間の推移

2015年4月の日立市役所における日最高気温の推移 2015年4月の日立市役所における日照時間の推移

 最初に述べたように、下旬は大陸から暖かい空気が流れ込んだことから気温が高くなりました。旬別の平均気温を見ると、上旬は9.3℃と平年より1.2℃低くなりました。しかし、25日に上層の気圧の谷が東へ抜けた後、日本付近では偏西風が南北に分かれて流れるようになりました。そして、南北の偏西風の間の北緯40度線沿いに、大陸から下層へ暖かい空気が流れ込んできたため、北日本から東日本を中心に気温が上がりました。日立市役所でも28日には最高気温26.1℃を記録し、今年初めての夏日(日最高気温25℃以上の日)となりました。これは、平年より11日早くなっています。最近は、夏日初日が平年より遅い年が続いていました。特に、2012年と2013年は夏日初日が平年より1か月遅れ、6月になってからでした。夏日初日が4月起きたのは、2007年(4月30日に最高気温26.0℃を記録)以来8年ぶりのことです。なお、下旬の平均気温は15.9℃と平年より2.2℃高くなりました。これは、観測開始以来第3位の高い記録です。

 また、月の前半は曇りや雨の日が多かったことから湿度が高くなりました。上旬の平均湿度は80.6%とと、平年(66.5%)より14%高くなりました。このため、月平均湿度も76.1%とと平年より8%高くなり、4月の平均湿度としては観測開始以来4番目に高い記録となりました。

 ●4月下旬の平均気温の記録と過去5年間の夏日初日及び4月の平均湿度の記録

下旬平均気温(℃)
順位 平均気温
1 1958 16.8
2 1998 16.5
3 2015 15.9
4 1983 15.9
5 1995 15.9
平年 13.7

夏日初日
月日 気温
2011 05/10 26.6
2012 06/17 28.3
2013 06/15 26.4
2014 05/14 25.8
2015 04/28 26.1
平年 05/09 -

月平均湿度(%)
順位 平均湿度
1 1998 79.7
2 1964 79.1
3 2010 76.5
4 2015 76.1
5 1985 76.1
平年 68.5

 ※順位は数値の高い方からで、1953年〜2015年の統計


◇4月の日立市内の気温と降水量

 4月の日立市内の気温の観測結果を比較すると、平均気温は引き続き日立市役所が最も高くなっています。次いで、最も北に位置する十王交流センターが2番目に高くなっています。山間部にある本山と標高の高い諏訪広場及び海に近い北部消防署は気温の低い方になっています。なお、市内7地点の平均気温は11.3℃で、水戸の月平均気温12.8℃よりも1.5℃低くなりました。2月に比べて気温差は大きくなっており、水戸の方が暖候期へ向けての気温の上昇が早いことを示しています。

 一方、月の降水量の市内平均は91.4mmで、3月の平均降水量108.8mmよりも少なくなりました。観測地点の間の差は3月より小さくなっており、最も降水量の多かった十王交流センターの109.0mmに対して、最も少なかった西部支所は77.0mmと1.4倍の差でした。また、市内7地点の平均降水量91.4mmに対して、水戸の月降水量は89.0mmとほぼ同じ値でした。

 ●4月の日立市内と水戸の気温、降水量の観測結果

4月の気温(℃)の記録
観測地点 平均
気温
最高気温 最低気温
気温 日時 気温 日時
日立市役所 12.4 26.1 28 13:51 0.9 08 08:25
十王交流センター 12.1 26.0 28 12:19 0.5 08 06:38
北部消防署 10.7 23.3 28 12:09 -0.6 08 06:53
本山(中学校跡) 10.4 26.7 28 10:24 -1.5 09 02:14
西部支所 11.3 28.9 28 11:37 -1.0 09 02:20
諏訪広場 10.7 25.6 28 13:57 -0.4 08 08:48
南部支所 11.6 24.8 28 10:01 0.3 08 08:57
上記7地点の平均 11.3 -

-

-

-

日立会瀬 12.2 25.1 28 10:33 0.7 08 07:20
水戸(金町) 12.8 29.3 28 11:25 0.5 09 05:28
4月の降水量(mm)の記録
観測地点 月降水量 日最大降水量 1時間最大降水量
降水量 降水量 日時
日立市役所 95.0 18.0 13 6.0 14 19:56
十王交流センター 109.0 22.0 13 7.0 11 00:36
北部消防署 97.0 21.5 13 6.0 14 19:56
本山(中学校跡) 91.5 18.5 13 5.5 13 22:09
14 19:51
西部支所 77.0 14.5 13,14 5.5 14 19:55
諏訪広場 84.0 16.0 13 6.0 14 19:55
南部支所 86.5 16.5 10 6.0 14 19:48
上記7地点の平均 91.4 -

-

- -
日立会瀬 106.5 19.5 13 6.0 14 19:52
水戸(金町) 89.0 19.0 14 6.5 14 19:37

 ※日立会瀬と水戸(金町)は気象庁の観測地点。


◇下層に寒気が入り雪が降る(8日) 

 7日から8日かけて、上層の気圧の谷が東シナ海から本州へ進んできました。これに伴って、上層の偏西風帯が日本付近をゆっくりと南下しました。気圧の谷の東進に伴って関東地方の南に低気圧が発生したため、偏西風帯北側に広がる寒気が東北から関東地方の下層へ流れ込みました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、06日09時の15.0℃から08日09時には-2.9℃まで下がり、強い寒気の入ってきたことを示しています。この寒気の影響で、関東地方では8日明け方から気温が急に低くなり、未明から降り出した雨は雪やみぞれに変わりました。東京の都心でも午前中にみぞれが降り、4月としては2010年4月17日以来5年ぶりに降雪を観測しました。

 日立市でも、未明から降り出した雨が5時頃から雪混じりとなり、朝には山間部では本格的な雪となって標高100m以上の地点では積雪しました。奥日立きららの里では、9時には積雪が2cmになりました。一方、日立市役所では12時前までみぞれの状態が続き、積雪にはなりませんでした。日立市役所における気温の推移をみると、7日の夕方から6.8℃前後で推移していた気温は、8日00時12分に日最高気温6.7℃を記録した後から徐々に下がり始め、4時40分には4.2℃になりました。この後、気温は急速に下がって06時20分には1.2℃になり、10時10分まで1℃近くで推移しました。その後、気温は徐々に上がり始めて12時00分に2.1℃になりました。このため、11時50分頃にはみぞれが雨に変わりました。その後も、夕方にかけて気温は上がり続け、16時50分には4.3℃になりました。

 日立市役所以外の観測地点でも、同じような気温の変化をしました。ただ、日立市役所以北の十王交流センター、北部消防署の3地点は、明け方の気温の低下が他の4地点よりも急で(下のグラフを参照)、沿岸部から冷たい空気が入ってきたことを示しています。なお、日立市で4月に雪が降ったのは2010年4月17日の南岸低気圧による降雪以来5年ぶりのことです。このときは、日立市役所では気温が2.1℃までしか下がらなかったため、明け方に一時的に雪が混じった程度でした。しかし、低気圧がやや発達したことから山間部では積雪が多くなり、奥日立きららの里では7cmの積雪になりました。

 ●4月8日の降雪の様子(日立市役所から見た鞍掛山とかみね公園から見た市街地)

 ●4月6日〜8日の日立市内の気温の推移(10分値)

2015年4月6日〜8日の日立市内の気温の推移(10分値) 2015年4月6日〜8日の日立市役所と北部消防署の気温の推移

 ●参考:4月8日03時と07時のアメダスによ気温と風の分布

2015年4月8日03時のアメダスによ気温の分布 2015年4月8日03時のアメダスによる風の分布
2015年4月8日07時のアメダスによる気温の分布 2015年4月8日07時のアメダスによる風の分布

 ●4月6日と8日の天気図の比較

 8日は、上層の気圧の谷の東進に伴う南岸低気圧が下層へ寒気を引き込み、関東地方でも雪が降りました。つくばにおける850hPaの気温は、6日09時の15.0℃から8日に09時には-2.9℃まで下がり、強い寒気が流れ込んだことを示しています。

2015年4月6日09時の地上天気図 2015年4月8日09時の地上天気図
2015年4月6日09時の地上天気図 2015年4月8日09時の地上天気図
2015年4月6日09時の850ha面高層天気図 2015年4月8日09時の850ha面高層天気図
2015年4月6日09時の850ha面高層天気図 2015年4月8日09時の850ha面高層天気図
2015年4月6日09時の500ha面高層天気図 2015年4月8日09時の500ha面高層天気図
2015年4月6日09時の500ha面高層天気図 2015年4月8日09時の500ha面高層天気図

 ※500hPa面高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。


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作成日 2015/05/10
名前 日立市天気相談所