◇雨の少なかった1月

 短い周期で低気圧や気圧の谷が日本付近を通過しました。しかし、本州付近を通過する段階では低気圧の発達が弱く、関東地方より西の太平洋側では降水量が少なくなりました。日立市における月降水量も12.0mmと、平年の26%しかありませんでした。一方、日照時間は211.5時間と、平年の108%になりました。このところ、1月は降水量の多い年が続いていましたが、1999年1月の月降水量4.0mm以来、久しぶりに晴れて乾燥した冬晴れの天気が続く1月になりました。また、上旬後半から中旬にかけては寒気が南下してき冬型の気圧配置が強まったものの、月の初めや下旬には気温の上がる時があったため、月平均気温は4.4℃と平年並みになりました。

1月の気象観測値
観測要素 観測値 平年値
月平均気温(℃) 4.4 4.5
月降水量(mm) 12.0 46.3
月日照時間(時間) 211.5 195.0
旬平均気温(℃)
観測値 平年値
上旬 5.2 5.3
中旬 3.8 4.4
下旬 4.2 4.0
旬日照時間(時間)
観測値 平年値
上旬 74.9 60.9
中旬 63.5 61.1
下旬 73.1 73.2

  ●1月の日立市役所における日平均気温とつくばにおける850hPa気温の推移

2004年1月の日立市役所における日平均気温の推移 2004年1月のつくばにおける850hPa気温の推移

 ●1月の日立市役所における日平均湿度の推移と風向頻度分布

 西寄りの季節風の吹くことが多かったため、例年に比べて西北西から西南西の風向が多くなりました。また、この影響で、8日〜16日にかけてと22日〜28日にかけては最小湿度が20%代まで下がりました。ただし、短い周期で低気圧が通過したことから、平均湿度は平年並みになりました。

2004年1月の日立市役所における日平均湿度の推移 2004年1月の日立市役所における風向頻度分布

 正月三が日は冬型の気圧配置が弱く、気温は高めになりました。しかし、7日以降、上層の寒気が本州付近へ南下してくるようになり、平年より気温の低い日が続くようになりました。また、今年は大陸の高気圧が南寄りに張り出すことが多く、西南西から西の季節風の吹くときが多くありました。このため、日立市では弱いフェーン現象が起こり、昼間の湿度が20%近くまで下がる日が多くなりました。特に、22日は三陸沖で低気圧が発達し、西よりの風が強く吹いたため、最小湿度15%を記録しました。(1月の最小湿度としては、日立市役所観測記録順位:第3位)

 ●1月の日立市役所における平均湿度と最小湿度の記録

旬平均湿度(%)

観測値 平年値
上旬 57 55
中旬 53 55
下旬 51 52
月平均 54 54
月最少湿度(%)
順位 時分 最少湿度
1 1968 14 14:35 8
2 1963 24 12:28 12
3 2004 22 15:29 15
3 1956 13 14:20 15

※最小湿度の順位は数値の小さい方からで、1953年から2004年の統計。

 22日の湿度と風向風速の変化を見ると、10時前までは北西の季節風が吹いていて、湿度は40%近くまで下がってきていました。その後、東よりの風に変わり、湿度は50%近くまで上がりました。13時前に2次前線が通過するとともに、風向が西南西に変わり、風もやや強く吹き出しました。この風向の変化とともに、湿度は20%近くまで急激に下がっています。これは、西南西のやや強い風によって、フェーン現象が起きたことを表しています。

 18時前には西南西の風はいったん収まり、湿度も50%近くまで上がりました。しかし、18時30分頃から南西の風が強まり、再び湿度も30%近くまで下がりました。その後、一時的に湿度が40%近くまで上がるときもありましたが、西南西のやや強い風が吹く状態が翌日の夕方まで続いたため、湿度が40%以下の乾燥した状態は、翌日の夕方まで続きました。【市役所における1月22日の10分間データ:テキストファイル10KB(下のグラフの元データ)】

  参考:22日の湿度と風向、風速の変化

2004年1月22日の湿度と風速の時間変化 2004年1月22日の風向の時間変化

 暖かい日の続いた正月3が日と上層の寒気が本州付近へ南下してくるようになった7日以降では、上層の大気の流れが違っています。例として、2日と22日の高層天気図を比較してみました。2日の日本付近の上層では西南西から東北東の流れとなっており、気温も-20℃前後と比較的高くなっています。また、-36℃の等温線も北海道の北まで北上しています。一方、22日は、日本海西部に中心付近の気温が-42℃以下の寒気を伴った低気圧があり、日本付近で上層の大気の流れが南へ蛇行しています。このため、-36℃の等温線も朝鮮半島南部まで南下しています。

 気象衛星の可視画像で見ると、この上層の寒気の違いを雲の形で見ることができます。2日は、西から進んできた上層の雲が日本海に広がっています。また、本州の南海上には、団塊状の下層雲が点在しています。一方、22日の可視画像では、ウラジオストク付近に中心を持つ低気圧に巻き込むように、筋状の雲が日本海に見えています。また、東シナ海から日本の南海上にかけても、上層の寒気に対応した筋状の雲が見られます。これに対して、まだ上層の寒気が入り込んでいない、関東地方から東北地方にかけての東海上には、筋状の雲は発生していません。

 なお、茨城県の沿岸部から三陸沖にかけて、二次前線に伴う帯状の雲が見えています。この二次前線は、比較的形がはっきりしており、前線が通過した7時40分から55分頃にかけて、日立市役所では雪あられが降りました。

  参考:2日と22日の天気の違い

2004年01月02日09時の天気図

2004年01月22日09時の天気図
2004年01月02日09時の天気図 2004年01月22日09時の天気図

2004年01月02日09時の500hPa高層天気図

2004年01月22日09時の500hPa高層天気図
2004年01月02日09時の500hPa高層天気図 2004年01月22日09時の500hPa高層天気図

2004年01月02日10時の気象衛星可視画像

2004年01月22日10時の気象衛星可視画像
2004年01月02日10時の気象衛星可視画像 2004年01月22日10時の気象衛星可視画像

※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。


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作成日:2004/02/13
訂補日:2004/03/08
訂補日:2013/07/16
名前 日立市天気相談所