98/07/16 第10回 臍帯血移植検討会  第10回 臍帯血移植検討会  平成10年7月16日(木)  13:00〜15:45 場所:東海大学友会館「阿蘇の間」 出席者(敬称略)   青木 繁之   浅野 茂隆   有田 美智世  加藤 俊一   鎌田  薫   草刈  隆   小池 麒一郎  小寺 良尚  ○齋藤 英彦   迫田 朋子   関口 定美   高橋 美智   田島 優子   中林 正雄   西平 浩一   原   宏   平林 勝政   古市 圭治   陽田 秀夫  ( ○:座長 ) 議事次第  1.開会  2.議題   (1)臍帯血移植の実施のための技術指針(案)について   (2)臍帯血移植中間まとめ(案)について   (3)その他  3.閉会 ○事務局(成瀬)  只今より第10回臍帯血移植検討会を開催させていただきます。本日の委員の出欠の状 況です。全委員が出席されていることをご報告させていただきます。続きまして事務局 の異動について報告させていただきます。7月の定期異動によりまして前小林保健医療 局長が健康政策局長に異動し、後任としまして伊藤保健医療局長が着任していることを 報告させていただきます。では伊藤局長一言ご挨拶お願いしたいと思います。 ○伊藤局長  7月7日付けで保健医療局長を拝命しました伊藤でございます。どうかよろしくお願 いします。 ○事務局(成瀬)  会議を始める前に資料等の確認をさせていただきたいと思います。最初に第10回臍帯 血移植検討会議事次第でございます。次に委員の名簿でございます。次が検討会委員の 座席表になってます。続きまして第10回臍帯血移植検討会資料一覧でございます。  資料1 臍帯血移植の実施のための技術指針(案)  資料2 臍帯血移植検討会中間まとめ(案)  資料3 臍帯血移植検討会「中間まとめ」参考資料(案)  参考資料1 各委員より検討会に寄せられた意見  参考資料2 第9回6月30日付けの検討会における各委員よりの意見  参考資料3 第8回6月12日付けの検討会における各委員よりの意見  それと先生方には臍帯血関係の基準書(案)5種類ほどあると思いますが、それを配 付しております。また先程、加藤委員より造血幹細胞バンク(案)の資料が配付されて いると思います。資料等は以上でございます。何か不備がございましたら事務局の方に お申しつけいただきたいと思います。では斉藤座長よろしくお願いします。 ○齋藤座長  議題に入りたいと思います。本日はお手元のように二つの議題がございます。技術指 針と本検討会の今までご議論いただきました中間まとめの案についてでございます。丁 度今から2時間、効率のよい議論をお願いしたいと思います。  では最初に臍帯血移植の実施のための技術指針の(案)でございます。これにつきま しては、6月8日の第8回の検討会の参考資料3として各委員に配付してございます。 それ以降の変更点を中心に事務局で簡単にご説明をし、その後で、浅野先生・小寺先生 に補足いただきまして質疑を行いたいと思います。では事務局お願いします。 ○重藤補佐  事務局からご説明させていただきたいと思います。資料1臍帯血移植の実施のための 技術指針(案)でございます。これにつきましては、昨日作業部会を開催しまして、作 業部会としての結論を出してございます。したがいまして、これを本検討会におきまし てご質疑いただきまして成案ということにさせていただけたら幸いでございます。  この作業部会の技術指針でございますが、事務局の考えとしては本検討会のこれまで のご意見を基に考えますと、これにつきましては各バンクが事業を実施するための技術 的な憲法というか法律になるもので、当然これが成文化した後は、各バンクでの共同事 業の中で責任をもって変更なり更新なり、これに基づいて事業を行いながら、問題点が あったときには、また見直しをやっていくべきものと考えております。この点につきま してもいろいろなご意見がありましたら、またご議論いただければと思っております。  まず、臍帯血移植の実施のための技術指針(案)でございます。  1ページ目です。「はじめに」がありまして、IIの2臍帯血の採取方法です。変更点 につきましては、「採取施設の認定は採取施設選定委員会(仮称)が行う。」というこ とを入れてございます。これは各バンクできちんとそういう委員会を作って決めていた だくということであろうかと思います。 ざっーと進みまして変更点だけ申し上げます。  3ページです。ここは臍帯血の採取方法について記載してありまして、そこの最初の 方で5)妊産婦からの抹消血の採取です。「臍帯血移植による感染症の伝搬を回避するた め、分娩時の妊産婦の抹消血を採取し検査を行うこと」としております。  7分娩の記録です。「分娩の記録を作成すること。」としております。これは字句調 整でございます。  III.臍帯血造血幹細胞の分離・冷凍保存です。1.分離・冷凍保存施設です。その分 離・保存する施設についても「調整保存施設委員会」(仮称)という委員会を設けて、 決めていただくというふうにしております。  5ページです。検査というものを主体に書いてありまして、下から10行目くらいのと ころです。4検査用検体の保存です。3)「臍帯血より抽出したDNAまたはDNAを抽 出できる臍帯血の検体。」ということでこれも字句調整でございます。  6ページです。真ん中ほどのVII.搬送です。2搬送容器で「搬送は、液体窒素温度に よる気相冷却輸送容器を用いて行うこと。」これも字句調整です。  VIII.解凍及び洗浄です。3方法の1解凍です。「解凍を行う以前に、検査用検体を 用いてHBc抗体等の検査を行うこと。またHLAについても再度検査を行うこと。」 ということで再検査を明記してございます。  7ページです。2洗浄です。上から6行目に、「洗浄を行う際には冷却遠心機を用い ること。」としてございます。  IX.移植の実施です。ここも移植の実施における時の適応疾患とか病期の判定につき まして、「判定委員会」(仮称)を設けて各バンクで行うというふうにしております。  8ページです。それぞれ判定委員会というもので報告を受けるということにしてござ います。  3移植施設です。移植施設のところの真ん中から下です。「非血縁者間臍帯血移植を 行う施設は以下の基準を満たすものとする。1臍帯血移植5例以上または過去3年間に 毎年5例以上の造血幹細胞の経験を有し、施設倫理審査委員会等において施設全体とし て臍帯血移植の実施を認可された施設。2臍帯血を保存するために液体窒素保存容器あ るいは−140 °C以下のフリーザーのある施設。」と変えさせていただきました。  4としてインフォームド・コンセントというものを入れております。  9ページです。追跡調査ということについても委員会を設置するということを明記し ております。 以上が大きな変更点でございます。 ○齋藤座長  ありがとうございました。もし補足することがありましたら、浅野先生・小寺先生ど うぞ願いします。 ○浅野委員  先程、憲法のようなものだとおっしゃった。また、地域バンクが自由度があるような 言い回しがありました。で私はそれをどのように受けとめるべきかよくわからなくなり ましたので質問をさせていただきます。7ページの骨髄移植と臍帯血移植との関係です。 これは、ここでの論議の中心になっておりましたが、この文章を憲法という言い方はい かがなものかと思います。 ○小寺委員  重藤さんがおっしゃっていたと思いますが、これは昨日の作業部会でも確認しました が、各委員が頑張って、もっともアップ・トゥ・デートな情報に基づいてこれを作りま したが、恐らく明日からまた古くなる。したがって改良しないといけないというところ が必ず出てくるのです。その時に、改良するさいに、またこの作業部会を再度招集して 作るというのではなく、今日検討されると思うのですが、実際にこういうことをやられ る、そういう合議の母体かなんかの中の委員会で、必要に応じてこれを改定できるとい う、そこを私としては確認したつもりであります。  ですから、その意味で今浅野先生がおっしゃったことなど、そういうことも実際には じめて、必要だったら変えていくことはできるだろうと思います。だから憲法とおっし ゃったのはその意味では言葉としては相応しくないと思います。 ○迫田委員 途中で口を挟むようで申し訳ないのですが、IVの3骨髄移植との関係です。今のお話を 聞いてはじめて気がついたのです。この血縁内にHLA適合ドナーが得られない患者と いう言い方でよろしいのでしょうか。血縁内とここで言ってしまってね。中間まとめの 方では、骨髄提供者が得られない場合という書き方で皆は納得しているのですが、血縁 内とここで書いてしまうのは、ちょっと驚きです。 いかがでしょうか。 ○齋藤座長  この点は作業部会ではどういう議論の末に、この一文が入ったのでしょうか。 ○小寺委員  これとはちょっと別に基準書の方で臍帯血移植の適応のところに、もう少しわかりや すく書いてあったと思います。昨日はそれを検討したのです。一応、血縁内に適合ド ナーがいらっしゃる場合には、骨髄移植ということになっていくと思います。具体的な 非血縁骨髄ドナーか臍帯血かということに関しては、これは主治医と患者が話し合って 検討する、その際にいろいろな迅速性が要求される症例とかがいろいろあると思うので そういうことを加味して選ぶということになっていたと思います。これは重藤さん何 ページでしたかね。西平先生昨日の検討ではそういうことでしたよね。 ○西平委員  はい。 ○齋藤座長  そうしますと、作業部会としては一応原則としてでしょうがどうですか。 ○迫田委員  多分、骨髄移植の問題なのかも知れませんが、ここに「血縁内HLA適合ドナーを得 られない患者を対象とする。」というふうに書く必要がありますか。「原則として、骨 髄バンクでHLA適合ドナーが得られない場合、」から始まるのではいけませんか。2 行目からですね。それはちょっと私たち普通の感覚でいうと、このように書いてしまっ ていいのかと思うのです。 ○齋藤座長  例えば骨髄移植の場合には、非血縁者間の骨髄バンクを利用できるのは、原則として 血縁内に得られない方が対象になるわけですね。ですからそれと似たような考え方であ ると思うのです。 ○小寺委員  皆さんのお手元の、臍帯血採取基準書(案)というのからはじまっているのは、実は これは採取基準書だけではなく、実施基準書とかいろいろありますが、最後から見てい ただいて若いページに戻っていただきますと5ページというところがあります。これが 臍帯血移植の適応について決めたところです。そこで患者の状態条件というところがあ ります。2の2の4というところで、血縁者にHLAの適合した提供が可能な骨髄提供 者がいないこと、これは一つのしばりにしたのです。次に骨髄移植との関係は、骨髄移 植あるいは臍帯血移植の選択は、主治医か患者(小児では親権者)に十分に説明した後 に、患者(小児では親権者)が決定する。そういうふうにしたのです。ですから迫田さ んがおっしゃるように、3のところは、こちらの技術指針の方に明記されておりますか ら、骨髄移植との関係というところでは、もう少し簡単に書いてもいいかも知れないで すね。 ○齋藤座長  そうですね。これは取ってもいいかも知れませんね。 ○西平委員  わざわざ1行設けるのではなく、「原則として、血縁者間及び骨髄バンクでHLA適 合ドナーが得られない場合」というふうにしたらどうでしょうか。 ○齋藤座長  今のご提案はいかがでしょうか。 ○浅野委員  昨日作業部会では、骨髄移植との関係の記載はいらない、ない方がむしろ自由度があ ってよろしいと更に議論を進めたと思っています。  これ以上の議論は長くなってしまうので、止めますが、、、、。 ○陽田委員  今までの議論の確認です。僕は以前に骨髄ドナーがいるかいないは関係なく、どちら でも選択できることを原則にしてほしいということを前に申し上げましたが、その時に まだ臍帯血移植の成績が初期的段階で確立されてない、だから確立されるまでの間とい うことでこういう議論になったのではないかというふうに記憶しているのです。  ですから検索については、両方同時にできますという議論であったという気がするの です。骨髄バンクの場合にはドナーに大変な負担をかけるということから、血縁内にド ナーがいない方に限って非血縁ドナーをバンクでということですが、臍帯血の場合は、 そこは全く関係ないと思うのです。ですから、成績がきちんと確立された段階では、全 くこういうものは必要なくなると僕は理解しております。 ○齋藤座長  本検討会で随分時間を費やして、この関係のことを議論してまいりましたので、とり あえずここの血縁内云々という文書は取ることにして、その2行目から残すということ でよろしいでしょうか。その関係については、後の中間まとめの方で詳しくディスカッ ションしているところがあります。  勿論これは確認しますが、憲法ではなくどんどん変わるものですし、これからまた実 際に臍帯血移植をやっていかれる協議会(仮称)で検討していけばいいことですから、 今の時点ではこれでよろしいでしょうか。ありがとうございました。 ○陽田委員  最初の憲法云々の議論のところでちょっと申し上げたかったのです。中間まとめの10 ページの5です。そこにこの技術指針のことを書いてありましたので、ここのところで 申し上げようと思ったのですが、結局は、「臍帯血バンク協議会の責任で見直しを行っ ていく」、ということをどこかに書いてないといけないのだろうと、僕は理解をしてい たのです。 ○齋藤座長  この作業部会の指針についてもですね。はい、それは当然そういうことになると思い ます。書くのは差し支えないと思います。その他の点でいかがでしょうか。 ○陽田委員  移植施設のところでちょっとご質問です。8ページの3の1です。施設全体としてと いうのはどういう意味でしょうか。2行目に、「施設全体として臍帯血移植の実施を認 可された施設。」というのは、例えば小児科と内科と両方合わせてという意味でしょう か。3年間に毎年5例以上というのがありますが、これは両方合計してという意味でし ょうか。 ○重藤補佐 施設全体としてということについては、ある診療科のみがやるということではなくて、 病院全体として他科にもいろいろな協力を得ないといけないという事態もあるでしょう から、内科は知らない、小児科がやっている、ということとかの連携が悪いと、また移 植成績等についても問題があろうかと思いますので、施設全体として了解が得られてい るという意味でございます。毎年5例以上というのは、3年間で少なくとも15例になる ということでございます。 ○齋藤座長  ここは倫理委員会が通っている以上、施設全体として認めるということであろうと思 います。いかがでしょうか。特にそれは取ってもいいような気もしますが。 ○陽田委員  具体的にご質問します。では小児科と内科の合計で5例以上やっていればいいという ことでしょうか。その辺を曖昧にしておくと後でおかしなことになるんですよね。 ○重藤補佐  その意味ではなく、この施設全体としてというのは、そこでやることについて、皆が 認知しているという、施設全体として認知しているという意味です。 ○齋藤座長  だから倫理委員会を通るということは、そういうことであると思います。これはいら ないのではないですかね。よろしいでしょうか陽田さん。 ○陽田委員  では症例については科ごとですね。 ○齋藤座長  いかがでしょうか。小児科で2例、内科で3例で5例になるのかというご質問です。 ○重藤補佐  それは骨髄でも違うようにしてますので、違うような認識で作業班ではこういう基準 を設けたということです。 ○浅野委員  小児科と内科、私どものように一緒にやっているところがございます。小児科と内科 の区別はどこにあるのかというところがあります。15才以下が小児科という区別はなか なか成しえないところですので、私はトータルと理解しております。だから、ちゃんと 協力していればよろしいのではないですか。 ○齋藤座長  そうすると極端な場合には、例えば小児科で5例やった経験がある、内科は0である。 しかし施設では5例を越えているから内科でもできるかという極端な場合がありますよ ね、それでよいでしょうか。 ○平林委員  言葉の解釈の問題です。陽田さんが出された施設全体としてというのは、施設倫理委 員会が施設としてという意味だと思うのです。ですから例えば今の例で、小児科で5例 やって内科で0の場合に、内科で出してきた場合には、倫理委員会がどう判断するのか によって決定されるのであって、全体としてというのは数にかかるものではないのでは ないかと思います。 ○小寺委員  私は最初は浅野先生のおっしゃったようなことでもいいかと思うのですが、骨髄移植 推進財団の例をとりますと、スタートのときにはそうやってやったのです。内科と小児 科を合わせて例えば5例とか10例としてやったのです。その後、ここにいらっしゃいま すが加藤委員などが中心になって、医療委員会というところで考えて、成績向上のため には、例えば内科が10例やっていて、小児科が1例ということでは困るのであって、海 外からの移植等については、施設の中で科を分けて、その科を一つの施設という勘定の 仕方に直したのです。  うちも浅野先生のところと同じで内科と小児科が一緒にやっているので、そういうと ころは僕はいいと思うのですが、完全に縦割りで連携がないというところもございます。 ですからちょっと危険を伴うのです。ですから私としては、今までの骨髄バンクの経験 からすると、各科ごとにきちんと見ていった方がいいのではないかと思います。 ○浅野委員  この部分はもう終わりにしていただきたいのですが、倫理委員会は施設のものです。 施設全体で決めるわけです。それから申請者がいるわけです。内科で申請するか、小児 科で申請するのかというのは、それぞれの責任者がいるわけです。総括責任者がいると 思います。それで十分だと思いますので、これ以上の議論はここでは必要はないと思い ます。施設ごとによって違うということはお分かりになればいいと思います。 ○齋藤座長  よろしいですか。そこまで踏み込んで規定しなくても、倫理委員会の考え方もあるし 移植医の常識もあると思います。では他の部分ではいかがですか。  今いろいろ出ましたご意見、あるいは字句の抜けているところ、あるいは誤ったとこ ろの微調整はしまして、一応座長預かりということで技術指針とさせていただきたいと 思いますがよろしいでしょうか。(会場よりハイの声)ありがとうございました。  では議題の1を終わりまして次の議題です。この議題はかなりの時間がかかると思い ます。中間まとめでございます。この中間まとめの本日の資料を、先週、委員の先生方 全員にお送りしまして、あらかじめ意見をお聞きしました。それでできるだけご意見を 取り入れて、勿論、意見の分かれるところを全部を取り入れることはできませんが、取 り入れて修正してございます。手順としまして、簡単に事務局から説明いただきまして 次は頭の方から順番に質疑をしていただきたいと思います。事務局お願いします。 ○重藤補佐  資料2です。臍帯血移植検討会中間まとめ(案)でございます。これは先生方に先週 お送りしまして、今週月曜日に先生方からご意見をいただいたものをベースに、修正し たものを今日の資料として配付してございます。前回先生方に資料としてお送りしまし た資料から変わった部分を下線を引いてございます。したがいまして、下線部を中心に 簡単にざっとご説明させていただきまして、後で質疑をいただければと考えています。  1.「はじめに」でございます。中程です。「幅広い観点から検討を行うため、」設 置して、委員構成についても記載をしました。  2.臍帯血移植の現状です。6月1日現在の数値を入れさせていただきました。2 ページです。中ほど上のところの下線です。全国の状況の中で「公的臍帯血バンクの整 備を求める多くの要望がなされている状況にある。」という記載をさせていただきまし た。  3.非血縁者間の臍帯血移植の全国規模での取り組みの必要性です。「多くは」「整 備されていない。」というところです。以前は断定的な、今も一つもやられていないと いう書きぶりでございましたが、研究班に確認しましたところ、全国に配分していると ころもあるということでございましたので、表現を「多くは」という表現にしておりま す。  4.臍帯血移植体制の整備に向けての考え方です。3ページの下の2)臍帯血移植の位 置づけです。「十分に説明を行った上で承諾を得ることが必要であり、」ということで す。全体はインフォームド・コンセントということで書いてあったのですが、それでは ちょっと表現が曖昧ではないかというご指摘がありまして、このように変えさせていた だきました。  2臍帯血移植の運営体制の整備に向けての考え方です。4ページです。臍帯血移植の 事業に対する理念というものを盛り込ませていただきました。  1)善意・任意・無償・匿名の提供の尊重については、ここは善意・任意だけでしたが 無償と匿名を入れさせていただきました。  5)迅速性の重視については、臍帯血移植の迅速の特徴というところで、コーデネーシ ョンは必要としないということで、迅速性の重視についてという項目を新たに追加させ ていただきました。  6)関係者の協力体制の整備については、「産婦人科関連の団体や」ということで、産 婦人科学会や日本母性保護協会の支援というか応援がないとできませんので、団体とい うところの理解を協力を得るというところを明言をしております。  9)目的外の利用の禁止については、5ページ目です。禁止ということで言葉を強めて 制限より禁止ということにしました。  11)効率性の確保については、運営体制という言葉だけでしたが、「運営組織」という ことも入れさせていただきました。  3具体的な運営体制のあり方です。1)採取・分離・検査・保存を行う施設について、 6ページです。 ここは字句修正でございます。  4)採取施設から保存施設への搬送についてです。ここも字句修正でございます。  5)保存施設から移植施設への搬送については、ここは大幅に変えました。「保存施設 から移植施設への搬送については、当面、それぞれの臍帯血バンクにおける実態に合わ せて体制整備を図ることが実際的であると考えられる。」以前は骨髄バンクと同様に移 植する施設から取りにいくというふうにしていたのですが、そういうことにさせていた だきました。  6)移植の実施についてです。「施設名についてあらかじめ登録をすることが求められ る。」ということにさせていただきました。それと「情報の公開」ということをうたわ せていただきました。  7)臍帯血バンクと移植医療機関との関係についてです。これも新たに項目として起こ して入れさせていただきました。「臍帯血バンクは組織、人事、財政等の運営全般にわ たって移植医療機関から独立した機関とするべきである。」というようなことを入れさ せていただきました。  4初期的段階における体制の整備の1)安全な保存臍帯血の緊急整備及び情報の共有・ 管理です。ここは文言の整理です。  2)共同事業の内容です。多少は追加した部分を入れております。  3)共同事業に参加する臍帯血バンクの基準です。「あらかじめ評価基準を定めて審査 を行い決定する。」というふうに、その手順を示させていただきました。「なお、共同 事業に参加する臍帯血バンクの運営にあたって、安全性、個人情報の保護、目的外利用 の禁止等の基本的事項に反した行為を行った臍帯血バンクは、共同事業を行うことはで きない。」というようなことを新たに入れさせていただきました。  4)共同事業の実施です。共同事業の中でどのように進めていくのかということも加え させていただきました。「総合企画部門、事業実施部門、評価・審査部門等からなる 『臍帯血バンク連絡協議会(仮称)』を設置する。」というふうに、多少役割なりを分 かるように書き加えました。連絡協議会の事務局についてですが、全国性というところ を外させていただきました。「なお、」書きのところで業務について多少は詳しく説明 しておりまして、「なお、連絡協議会(仮称)の運営にあたっては、高い透明性の確保 に配慮するとともに、実際の共同事業の実施を担当する部門と事業の評価・審査を行う 部門とを組織及び人事について明確に分離することが必要である。また、共同事業の企 画や調整等を行う総合企画部門の構成は、公正・公平な運営が図られるよう、各臍帯血 バンク関係者以外とすることが望ましい。」というようなことで三権分立というか、役 割分担ということで、組織のあり方の概略だけ入れさせていただきました。  5)各臍帯血バンクの運営です。ここは字句調整です。より明確に意味がわかるように しました。  6)共同事業の審査・評価を行う機関の設置です。これも新たに項目として「全般的に 評価・審査行う機関を共同事業とは独立して別に設置し、」というものを入れさせてい ただきました。  5必要とする保存臍帯血の目標数です。成人に向けてのことが前回の議論として多少 はありましたので、「なお、将来的には、成人への適応も配慮し、細胞数の多い臍帯血 の保存割合が高められるような採取体制を整備していくことが必要である。」というこ とで書かせていただきました。  6将来の運営組織の基本的考え方についてです。これも字句調整で内容的には変わっ ておりません。  6.「おわりに」10ページです。「移植後に遺伝性の疾病が発現する等の問題が生じ た場合の情報の収集・提供体制の整備や救済のあり方、患者擁護のあり方を含め、臍帯 血移植をめぐる諸問題について、引き続き検討していく」ということです。重要な問題 でありますが、この検討会でこれまでに10回の中では議論が深められていないものにつ いては、まだ今後とも検討していくということで、今後も検討していく中身について、 多少は明記をさせていただきました。  11ページでございます。字を読んでいるだけではなかなかイメージを掴めないのかな ということで、模式図を付けさせていただきました。それと合わせて資料3というとこ ろで、報告書で出すわけですので、初めて読む方にもよりわかるようにということで、 臍帯血移植検討会中間まとめの参考資料ということを、これまでの委員会の10回のうち のいずれかの委員会の中で出た資料でございますが、これを出させていただきまして、 読まれる方の理解を深めるという目的て、参考資料と合わせて付けさせていただければ ということで出させていただきました。以上でございます。 ○齋藤座長  ありがとうございました。では1ページ目から順番に質疑をしていただきたいと思い ます。時間が限られておりますので、なるべく簡潔にお願いします。まず「はじめに」 のところです。いかがでしょうか。 ○陽田委員  上から7行目のところに、「治療の選択の幅を広げる」となっておりますが、治療の 機会と選択の幅を広げるということで、「機会」という言葉を加えていただきたいと思 います。 ○齋藤座長  わかりました。その他にはいかがでしょうか。 ○関口委員  種類が決まっていて、皆さんは困っていらっしゃるわけですね。治療の機会というの は、治療を受ける機会ということでは皆に平等に与えられているはずです。むしろこの 場合には治療の選択肢としての意義がある。だから強調するのであれば、選択を多くす るということを強調した方がいいのではないでしょうか。 ○齋藤座長  恐らく陽田委員の言われるのは、骨髄移植はできないが臍帯血はできるから、その分 機会が増えるという意味ですよね。移植の機会ではなくてね。 ○関口委員  その意味でしたらそうですね。 ○原委員  この中の10行目くらいから、「技術的なあるいは運営上の課題があり」とあります。 もう一つは大きな問題は財政的な課題があったのではないでしょうか。それが記載され てないのは何か理由があるのでしょうか。できれば記載して下さい。 ○齋藤座長  それは確か議論しましたね。財政的な課題ですね。いかがでしょうか。 ○重藤補佐  それは運営の中に含めたつもりです。 ○有田委員  それなら入れてください。 ○齋藤座長  では入れることにしましょう。では「はじめに」はよろしいでしょうか。  2.の現状です。ここも「公的臍帯血バンクの整備をもとめる要望」ということを入 れてほしいということで入っております。よろしいでしょうか。  3.全国規模での取り組みの必要性であります。これは必要性をきちんと書く必要が あるために、現在はある程度クローズなシステムであるということが書いてあります。 勿論全部がクローズではなく、先程説明がありましたように、他の地域にも供給してい るところがございますが、全部がそうではなく、その趣旨が書いてあると思います。 ○陽田委員  下から4行目の「品質の均一化」という言葉が使われてます。ここは「一定以上の品 質と安全性の確保の観点から」という言葉の方がいいかなと思います。 ○齋藤座長  水準を越えていれば非常に良くてもいいわけですよね。それでよろしいでしょうか。 ○関口委員  実際的には品質の均一化というのは臍帯血では得られないということです。ですから 言葉としてはいいのですが、今の言葉の方が臍帯血の場合にはいいですね。 ○齋藤座長  ではそのようにさせていただきます。下から4行目です。「一定以上の」ということ すね。  4.整備に向けての考え方です。ここで理念をどこに入れるかということです。整備 に向けての考え方の1と2があります。先程の理念が2のところに運営ということで入 ってます。中には整備に向けての考え方の直ぐ下に入れた方がいいのではないかという ご意見もあろうかと思いますが、その辺はどこに入れるかということでいかがでしょう か。 ○青木委員  すぐ下にというのは私の意見でしたが、どこに入ってもいいです。 ○齋藤座長  ではそのままにします。その他にはいかがですか。 ○陽田委員  1の1)です。臍帯血移植の性格というところです。これはかなり時間をかけて議論を したところです。この中間まとめの流れをずーと読んでみると、果してこの項目が必要 なのかという疑問がございます。3ページの下から5行目です。「ただし、治療法の選 択〜当然のことである。」というところですが、これは日本語として読んでわかりにく いので、「患者の意思が最優先されるべきこと」というのを、ただし、の次に入れた方 がいいのではないか。文書としては「患者の意思が最優先されるべきことから、治療法 の選択はそれぞれの云々」というふうに、説明を前にもっていった方が非常に読みやす いと思います。  もう一つです。一番下です。「臍帯血の利用は、骨髄移植の適応疾患に準じた疾患を 対象とする。」とここで言い切ってしまうと、こちらの技術指針の方に書かれているこ とと矛盾してきます。技術指針の7ページで、適応疾患及び病期ということで、ここに 骨髄移植に準ずるものとなってます。 その後ろに、及び特に移植実施基準書に規定したものとか、規定してないものも、判定 委員会の承認を得ればできるとなってますので、ここで言い切ってしまうのはいかがな ものかと思うので表現を考えていただきたいと思います。 ○齋藤座長 陽田委員の指摘された第一の点です。1)の性格のところは、かなり時間をかけて何度も ディスカッションをしたので入れておきたいというのが私の希望です。今の2点目は取 ってもいいですよね。技術指針に書いてあるのですからね。適応の点はね。先程の日本 語のおかしいところは、確かに言われる通りに前にもっていった方がわかりやすいと思 います。いかがでしょうか。 ○平林委員  あまりこだわらないのですが、前にインフォームド・コンセントを十分に行った上で という表現が少し気になったので、内容を少し明確にした方がいいと思ってそう申し上 げたのです。ただインフォームド・コンセントという言葉はかなり一般化されてますし 指針の方でも使われておりますので、それを( )で入れておいた方があるいはいいの かなと思います。 ○齋藤座長  具体的には下から3行目のところですか。「十分に説明を行った上で承諾(インフ ォームド・コンセント)」と入れるわけですね。  次です。4.臍帯血移植の運営体制の整備に向けての考え方で、そこに理念を入れて ございます。次の2の1)です。善意のところに無償・匿名というのが入ったわけです。 この点はいかがでしょうか。 利用者への利便性のみではなく迅速性を強調すべきであるというご意見から、新しく5) として迅速性の重視というのが入ってございます。更に6)としては関係者という漠然な ことではなく、実際にお世話になる「産婦人科関連の」という言葉を入れてございます。 ○関口委員  1)の匿名というのはおかしいと思います。実は提供された方の名前はわかるわけです。 血液ですとノンリミュネレイト・ボランティア(無償のボランティア)という言葉を使 ってますが、それは無償で、匿名といのはボランティアのことですね。この場合に、匿 名で名前を言わなくてもいいのかどうか、名前を言わないとしても実際には名前はわか ります。ですから現実とは違うのではないですか。 ○鎌田委員  これは私が入れてくれとお願いしたところです。第一は、善意とか任意というよりも 無償であるということをはっきりさせた方がいいということです。第二は匿名という日 本語が妥当であるのかどうかは別にして、たぶん骨髄バンクでもそうだと思うのですが ドナーが誰であるのかということを、レシピエントに知らせないという原則は、この中 に入れておいていただきたいという趣旨でお願いしたことです。匿名という言葉ではそ ういう趣旨が伝わらないということであれば、別の適切な言葉で結構ですから、原則だ けはここで確認していただいた方がいいのではないかというふうに考えます。 ○平林委員  私も鎌田委員の意見に賛成です。私はむしろ5ページの「特段の配慮」の具体的な内 容として、今、匿名性を確保するということを考えたのです。前のところで入っていれ ばそれはそれでいいと思います。匿名の場合も、私はアン・リンクト・アノニマスまで 考える必要があるのではないかと思います。 ○齋藤座長  日本語としては匿名以外には適切な言葉はないでしょうか。 ○青木委員  提供者の名前を公表しないという意味だと思うのです。ここで匿名の提供ということ になりますと、6か月後には健康状態を調査しないといけませんから、当然バンクとし ては名前を登録しておくことで、これを外部に漏らさないという表現でどこかに入って いたと思うのです。 ○齋藤座長  それは5ページの8)にございます。 ○青木委員  だから匿名についてはそちらの方で読めるから、匿名というのをここで消してもいい のではないかと思うのです。 ○鎌田委員  消していただいてもいいと思います。ただ、フランスの血液法学などではこういうの を任意無償匿名の原則と呼んでいるものですから、提供の原則の中でお願いしてはと考 えたということです。 ○齋藤座長  そういう言葉が入っているわけですね。 ○鎌田委員  皆さんによりよく分かる形にした方がいいので、8)の方で原則を確認するという形で 結構です。 ○齋藤座長  そういうことでもよろしいでしょうか。8)は十分に書いてありますが。 ○平林委員  特段の配慮ということで中身は何も書いてないのです。私たちのアン・リンクト・ア ノニマスを考えてみると、同定できないようにと考えたのですが、必ずしも同定できな いと困るわけですので、なんとしましょうか。直ぐにはいい考えが浮かびませんね。 ○鎌田委員  守秘義務というだけでは駄目ですね。守秘義務の内容が特定されないといけないわけ ですからね。 ○重藤補佐  平林先生からご意見をいただいたものがあります。印刷した後にいただいたので資料 としては委員の意見としては載せてございませんが、事務局として今もっている資料に よりますと、特段の配慮のところを「特定の患者に移植された臍帯血が誰のものである のかを同定できないようにする」というような文言をいただいております。 ○齋藤座長  具体的でクリアですね。 ○重藤補佐  ではその趣旨で、多少はここにはまるように文言の字句調整を行って、趣旨の内容を 特段の配慮のところに入れさせていただきます。 ○齋藤座長  それでよろしいですか。 ○加藤委員  今のはバンクも特定できないということですね。ドナーとレシピシントが双方が特定 できないようにという表現にしておくべきではないでしょうか。 ○迫田委員  ここの個人情報の保護は、そういう意味と、もう一つは提供した人の情報について、 その他いろいろな病気の情報とかについて、第三者に渡らないという意味だと思うので それもきちんと忘れずに書いていただきたいと思います。それを書くと、本人が特定で きない、レシピエントから分からないようにという意味だけになってしまうということ を恐れます。 ○齋藤座長  そうですね。その方に関する個人的な情報は全てということですね。それは後から考 えます。  9)目的外利用の制限を禁止ということと、国際化への対応、よろしいでしいょうか。  次に、3具体的な運営体制のあり方が6ページにかけてあります。これにつきまして は採取から移植までそれぞれのステップをわけて書いてあります。1)採取・分離・検 査・保存です。2)が情報システム。3)適応・移植成績の評価は中立的なところで審査を するということ。6ページの一番下です。 保存施設から移植施設への搬送については議論のあったところです。しかしながら現時 点では一つのやり方に決められないのではないかということで7ページの上から2行目 のような柔軟性のあるということですね。そういう表現になっております。 ○西平委員  6ページの1)の採取・分離・検査・保存を行う施設という部分です。これは全ての過 程について、それぞれ設備や人員などを十分に施設で行うということですが、これを確 認したいのは、採取・分離・検査・保存というのはそれぞれ別の施設で行うこともあり うるのですが、全部を揃えた施設は殆どないのですよね。それを作るというのは大変な ことですので、それぞれの一つずつについて、ちゃんとした、例えば採取施設なら、十 分な施設で、分離する技術についてもちゃんとした分類をするという、それぞれの一つ ずつについてだということを確認しないといけないと思います。特に採取とそれ以降の 部分については、殆どが別の施設になると思うのです。全部を十分に安全に行う完全な 施設ではないということを確認させていただきたいのです。  ですからこの前私が申し上げたように、例えば分離・検査・保存は血液センターがや っていただくとか、その意味で採取は産科で行うとか、具体的に名前を上げて申し訳な いのですが、そのところをはっきり血液センターを中心にしてとか、何とか入れた方が 一番いいのですが、そこまではいかないかも知れないのですが、それを確認していただ きたいのです。 ○齋藤座長  少なくとも採取だけは分けた方がいいということですね。 ○鎌田委員  同じ趣旨で原案を直してくれという意見を私も出しておきました。直し方が不完全で はないかと思います。「設備や人員などについて」と「整備や人員などに関して」とダ ブっているのもおかしいです。私が最初に言いましたのはそれでいいのかどうかわから ないのですが、上の「整備や人員などについて」か「設備や人員などに関して」のどっ ちかを残せばいいと思います。「それぞれ」の後に「、」を打つだけで大分変わるので はないかと思います。あるいは「過程のそれぞれについて」か、どっちかの処理でなん とかなるのではないでしょうか。 ○齋藤座長  そうですね。これをもし生かすとすれば、「採取から保存までのそれぞれの過程につ いて、安全性等に十分配慮されたそれぞれの施設」とすればいいですよね。事務局は今 のよろしいですか。 ○重藤補佐  読まさせていただきます。「臍帯血の採取から保存までのそれぞれの過程について、 設備や人員などに関し安全性に十分配慮された施設において行うものとすること」でし ょうか。 ○齋藤座長  はい。 ○浅野委員  6ページの3)です。移植成績等の評価のところに、「その結果について情報公開を行 うことが必要である。」とあります。これは非常に大事なことです。ただ、「その際に はプライバシーは十分に保護されなければならない」というような文言を一言入れてい ただいた方がよろしいのではないかと思います。 ○齋藤座長  そうですね。先程も個人情報の保護のことが、情報公開というところにありましたが もう一回ここにも入れるということでしょうか。その他にはいかがでしょうか。 ○陽田委員  7ページの6)です。移植の実施についてということです。「臍帯血移植は未だ治療法 として」云々と書いてあるのですが、この表現はここでは3回目とか4回目です。なぜ こう強調されるのか分からないのです。2行目の「また」というところまで消していい のではないかと思います。このアンダーラインのところは僕がお願いし書いてもらった ところです。表現で僕が意図したところは、先程の移植施設の認定のところでちょっと こだわったのです。移植の数だけで規定してしまっていいのかどうかという疑問がある のです。認定をしておきながら情報を公開しないとというのは問題です。やはり、患者 の側からきちんと医療機関を選択できるという情報を提供できる体制が必要だろうとい うことで、こういう実績・成績・体制などの必要な情報を公開した上で、登録をしする という表現にしていただきたかったのです。 ○齋藤座長  ですから移植施設の決め方ですね。 ○陽田委員  先程の基準で、選定委員会等の「認可」を得るという言葉になっていたと思うのです が、あれは移植数だけであれば「確認」でいいのですよね。 ○齋藤座長  西平先生・原先生その辺はいかがでしょうか。 ○加藤委員  今の問題は骨髄バンクで散々苦労した問題でございます。実質的に中身が十分に検討 されて、それで良いものというのは当然のことですが、それを押し進めていきますと基 準がなくなってしまう危険性があります。最終的に誰が見ても分かる、唯一かどうかわ かりませんが、当面の基準として「数」がとりあえず絞りこまれました。実際に「数」 が蓄積されるにはそれなりの体制がないと決してできるものではないので、今の時点で は、骨髄バンクにおいては数とせざるを得なかったのです。  それと同じことがこの臍帯血バンクについても当面はいえるのではないかと思います。 しかし、陽田委員がおっしゃっておられることは、医療機関が自ら進んで自らの医療の 内容を社会に公表して、患者さんに選択をしていただくための道筋をつけるべく、この ような検討会の場でこそ、そのような議論をしてほしいということを言っておられるの だろうと思うのです。その精神はその通りであると思うのですが、なかなかそれを文書 化することができるのかというところに難しさがあるのではないかと思います。 ○迫田委員  「なお」以降の文書は私が書いた文書のような気がするのです。多分、陽田さんのご 意見と似ているので一緒になっているのだと思うのです。私自身は登録ということはは あまり頭にありませんで、整った施設とするとなっていたので、この点を担保するため に情報公開を付け加えてほしいとお願いしたのでありまして、多分それが一緒になって いて、多分陽田さんがおっしゃっている意味と違ったふうになっているのだと私は理解 しますので、陽田さんがおっしゃったものを、もう一度、何とおっしゃっていたのか教 えていただければと思います。 ○陽田委員  その前に、加藤先生がおっしゃったように、数である程度の最低のラインを規定する ことは否定はしません。それに加えて、「臍帯血移植をしようとする施設は、実績・成 績・体制など患者にとって必要な情報を公開の上、登録をすることが求められる。」と いうような表現であればいいのかなと思うのです。 ○齋藤座長  したがって、この「など」のところを実績とかを入れた方がいいというご意見ですね。 7ページの6行目に移植施設は造血幹細胞移植の経験を有すること等、と書いてありま すが、今のように少し他の言葉も入れてほしいということですか。 ○陽田委員  そこではなく、このアンダーラインのところを今いったようにです。「十分な体制の 整った施設とし」というところは、当然これでいいと思います。「臍帯血移植をしよう とする施設は実績・成績・体制などの患者さんにとって必要な情報を公開した上で登録 をする」というふうに表現してはどうかなと思います。 ○齋藤座長  ちょっと重複しているような感じもするのですがね。 ○有田委員  数のことに関してです。骨髄移植をずーとやってきた病院については、もう歴史があ りますからクリアできる部分はあると思うのです。臍帯血から入ってきた病院があるの です。臍帯血しかしてませんから、数は少ないのですが、患者さんの期待度とか要望度 は結構高い病院があるのです。その辺のところで、陽田さんがおっしゃったような形に 変えてくだされば、数が幾つ以上ということで、縛られないでいいのではないかという その辺をちょっとお聞きしたいのです。 ○齋藤座長  それは作業部会でも議論があったのです。「ある程度の経験がないと」と技術指針に 書いてあるわけです。 ○有田委員  それは分かっているのです。そういうことになりますと、例えばバンクからは細胞を いただけないわけですから、自分のところで兄弟間を5例しないといけないということ になれば、臍帯血移植に後から取り組む病院というのは、何年かこの中から外されてし まうということになるのではないかと思うのです。それはやむをえないのでしょうか、 そこで一致したらいいのですが。 ○西平委員 昨日の作業部会ではそういうことがかなり議論されました。今おっしゃったように、実 際に骨髄移植をやってなくても、骨髄移植の経験がなくても、臍帯血移植を既に何例か やっている施設があります。そういう施設がこれのために外れる、移植をいままで実際 にやっているのに、これができたために臍帯血移植が出来なくなるのでは困るからとい うことで、この技術指針に、臍帯血移植何例と書いたのです。それで非常に縛りが強い というのであれば、更に例数を減らすとか何かを考えないといけないですね。 ○齋藤座長  具体的な数字で5例になってますよね。しかしながら一方、臍帯血移植はかなりリス クの高い医療なので、1例とか2例あるからといって経験不足でもどんどんやるのは危 険と思うのです。だから何となく5例というのは根拠はないのですが、適当ではないか というご発言ですね。 ○西平委員  そういうことで昨日の段階ではこの数ではどうかということで書いたのです。 ○有田委員  はい、もう一つ質問させていただきます。移植の成績、諸々のことを公開することに よって、患者さんと主治医の先生が施設を選ぶことができるわけですよね。ですから骨 髄移植等を通して年間で10例あったとしても、臍帯血移植だけで3例ある病院の方を患 者さんが選ぶとしたら、それはそれでいいのではないかと、私は単純に思うのですが、 そうなっているのでしょうか。 ○西平委員  それは患者さんの権利ですから、自分で自分がどこで移植をうけるのかということは 別にバンクが決めることでも何でもないのです。 ○有田委員  では5例以上ということは、それでよろしいのでしょうか。 ○齋藤座長  これはやはり必要だと思うのです。 ○西平委員  今日の皆さんのご意見を拝聴したということで一応これを出しました。 ○浅野委員  加藤先生も言われているように、ある十分な経験というのは必要でございます。先程 陽田さんがおっしゃったその施設は、あらかじめ施設の内容については公開する必要が あるということでしょうが、私はあった方が望ましいと思います。その方法論ですね。 どうやってやるかを考えているのかお聞きしたいと思います。 ○陽田委員  決められた書式に則って、登録をしていただいて、それをHLA情報の公開と同じよ うに公開すればいいと思うのです。こういう認可という言葉を使ってますが、ある意味 での規制です。ここでしか出来ないという規制をするわけでしょう。規制とワンセット で情報公開は必要です。それは何回か前に、座長がそれは患者さんの自己責任ですかと 僕にいったことがあるのですが、まさに権利であり自己責任です。医療機関を選ぶとい うことはね。ですからそれには情報が必要です。  骨髄バンクあるいは臍帯血バンクを経由して行う移植医療に関しては、そういうこと が極めて重要だとおもっております。 ○浅野委員  公開については原則として賛成ですが、内容についての議論をもう少ししなくてはな らないだろうと申し上げたのです。 ○古市委員  今有田さんが言われた点はもっともだと思うのです。と申しますのは、例えばこれか ら問題になる心臓移植に致しましても、日本では一例もないが、決まった施設ではやっ ていこうということで施設が決められているわけです。全然経験がないから、また5例 以上集まってからというのでは、実態に合わないことが起こるのではないかという気も するわけです。  そこで技術指針の8ページのところに、そのものも含めて配慮されている気がします。 3.の移植施設のところでは、「臍帯血移植を行う施設は骨髄移植の十分な経験を有す るなど、臍帯血移植を実施できる体制が整った施設において行うこととし」ということ で、そのような施設を総合的に「移植施設選定委員会」というところで選定すると言っ ておりますから、そこで臍帯血移植の経験が1例しかないということになっても、骨髄 移植の経験が十分にあるから大丈夫というような判断がされるのではないかという気が します。更にその下のところに5例以上と書いてしまうと、身動きならなくなるのでは ないか、有田さんの意見ももっもとだと聞いていたのです。 ○齋藤座長  今の点は、骨髄移植の経験があってもいいし、あるいは臍帯血移植の経験が5例以上 あってもいいということですね。 ○原委員  そうです。 ○有田委員  私は5例にこだわるというのは、こだわるために移植が十分にできて技術もあるのに そこで患者さんがスポイルされてしまうのではないかという心配をとてもしているので す。それでお伺いしているのです。 ○齋藤座長  5例という数字の根拠ははっきりしないのですが、そのくらいは経験をしたところで ないと非常に危険で、かなりリスクの高い治療法なので、1例でも経験すればとか、あ るいは一遍もやったことがなくても取り寄せてできるというものではないと思うのです。 医学的にはですね。 ○有田委員  私は1例にこだわっているのではなく、4例と5例のときはどうするのかなというこ とも考えているのです。 ○齋藤座長  それもわかります。 ○浅野委員  ある初めての施設が、充分に体制を整えた後にこれから臍帯血移植を頑張って体制を 作ってやろうという場合もあります。評価委員会ではこのようなケースも考えていかな いといけないのではないか。 そういうときには相当な条件を求めると考えた方がよろしいのではないかと思います。 ○齋藤座長  そうですね。多くのご意見は現在では一応こういう基準として、また変われば変えて いくということでよろしいでしょうか。(会場からハイの声)その他の部分はいかがで しょうか。 ○青木委員  さっきの陽田さんの公開のところがまだ結論が出てないと思います。私も入れるべき だと思います。 その文書を提案していただければと思います。 ○齋藤座長  施設ごとの成績とか実績等、必要な情報を公開するということですよね。公開して登 録する、登録して公開する、どちらが先でしょうかね。登録して公開でしょうかね。 ○浅野委員  十分に体制が整っているということを示す内容を公表する必要がある、求められる、 でもよろしいのではないでしょか。文書を変えながら前後を調整すればいいのではない でしょうか。 ○齋藤座長  そこのところの文書は事務局は理解できますか。 ○重藤補佐  事務局の理解をいいます。「なお、この点を担保するために実績・成績・体制等患者 にとって必要な情報を公開することが必要である」これでよろしいでしょうか。 ○齋藤座長  よろしいですか。ありがとうございました。その他の部分をお願いします。 ○青木委員  一つ戻りますが、5)保存施設から移植施設への搬送について私も意見を出したのです。 予算要求に必要なという問題がありますと、即、輸送費の問題が出てくるわけです。近 くに輸送する場合もあれば、九州から北海道まで搬送することもある。だから予算要求 の場合には、どちらかにきちんと入れた、つまり、バンクの経費として見た方がいいと 思うのですが、その辺は特に配慮をお願いしたいということです。 ○重藤補佐  そのところは健康保険との問題になってくると思います。骨髄移植の場合には、健康 保険で取りにいったら患者さんの移送費ということで療養費払いでこれは保険が見るこ とになってます。事務局で原案で載せましたのは、骨髄も臍帯血も、取りにいって移植 する臓器で、今回は健康保険で通りましたので、当然今後調整する必要はありますが、 同じ骨髄がらみでいけば、保険の輸送費は請求できるのではないかということです。そ れはバンクが見ても保険で移送費で見ていくのかという健康保険の世界になるのか、そ れともバンクの予算の中でやっていくのかというのは、今後のまだこの会議の中でも健 康保険でどうするのかとか、どういうものを含んでお願いしていくのかという中で整理 をしていただければいいのではないかということです。それまでの間はそれぞれのバン クのお考えの中で申し上げて、全体の保険なり一般財源との関係を整理する中で決めて いくべき問題であろうということで、今回は決めなくてもいいのかなということで、原 案で出させていただいたということです。これは今後ご議論いただければということで す。 ○齋藤座長  もし再来年の改定のチャンスに、そちらに入れることができれば楽になると思います。 全体の予算からいってね。よろしいでしょうか。 ○原委員  搬送するものは先程の基準書によりますとドライシッパーということで規定されてま すよね。ドライシッパーになりますと非常に大きいのです。普通の骨髄を取りにいくよ うには取りにいけないのです。そのために特殊なシステムが必要だろうと私たちは考え ているわけです。ちょっと骨髄を運ぶように手軽に運んでいけるというものではありま せんので、その辺で特殊なシステムを考えていただきたいということでございます。 ○齋藤座長  ちょっと待ってください。今の点は今後継続して審議するということですか、別なこ とですか。 ○浅野委員  7ページの7)です。臍帯血バンクとの関係についてです。「機関」としてあるが、そ れでよろしいでしょうか。私は移植「医療」と医療の組織・人事・財政などの運営面に おいては独立しておくと表現した方がよいのではと思います。 ○齋藤座長  機関という言葉がややわかりにくいという意味ですか。 ○浅野委員  それだけではありません。 ○加藤委員  今回決めることは当面のということでございます。後ほど申し上げようと思っており ますが、将来の公的、本格的な臍帯血バンクのときには、当然、これが担保されないと いけないことであります。 今日初めてこの文言が出てきたので、これまで出てなかったので将来のことと私は理解 しておりました。今回のことについてもし入れるとすれば、どちらかというと今回のは 来年度の予算のために間に合わせるという比較的短兵急なところがあるわけです。もし これを厳格に当てはめるということになりますと、恐らく来年度は何もできないという ことになるのではないかという恐れがあると思います。  ですから今浅野先生がおっしゃられたように変えるか、あるいは今回はこの項目は今 回は削除しておくというふうにせざるを得ないのではないかと思います。 ○齋藤座長  結局現状においては、かなり移植機関の方がバンクの運営にも係わっているので、全 く独立することは直ぐには難しいというご意見ですね。 ○陽田委員  この項目は私が強くお願いして入れていただいたところです。浅野先生がおっしゃっ たような運営面で独立させるのだ、分離させるのだ、という表現にするのであれば妥協 できるのですが、削除するということになると、将来的に非常に問題ではないか。骨髄 バンクの場合にもこういうことを当初は言われたのです。設立のときにね。ただ未だに この辺が改善されてないということを考えると、一度これでスタートしてしまうとなか なか改善されないということが言えるのではないかと思いますので、削除はしないでほ しいと思います。 ○齋藤座長  では文書の表現を柔らかくするということでよろしいでしょうか。 ○浅野委員  柔らかくするというのでは余り納得できません。同じ機関であっても、財政、人事、 組織の運営は独立させることはできるわけですから。そういうことをはっきり明記して いただきたいということです。 ○齋藤座長  今言われたのは先程の表現をまた取り消すわけですか。 ○浅野委員  そうではありません。 ○迫田委員 まさに浅野先生がおっしゃる通りです。ここを確実にしておかないと、移植医療と臍帯 血バンクが来年度はまだ一緒なのかという誤解を、このまま議事録が残るとそれは非常 に大きな問題です。例え病院という建物は同じであっても、やっている人は全部別であ って、臍帯血バンクを動かしている人達は、実際には移植には係わらないという事をき んちとしておかない限りは理解されないと思います。 多分この機関という言葉さえ外せばいいという理解ですが、そこはとても大事なところ であると思います。 ○加藤委員  理念はよくわかるのです。ただ現実には同じ人間が、その人は移植だけをやっている ということで切り離す、私自身も例えばこのバンクについても深く係わっております。 それで移植にも係わっております。それは移植をやっているからこそこのバンクが必要 であるということで、設立に向けて運動をしてきたわけですし携わってきたわけです。  ですから将来的に公的なものに移行するときに、そのようなものに分離していくとい う作業は必要ですが、この当面という過渡期的なものについて、あまりにも厳格にする と、恐らく実態からかけ離れて運用ができなくなる事態の方を私は懸念します。ですか ら理念としては何の反対もございませんが、今回そこまでは書き切れないのではないか と考えております。  ですから私が自分の体をある日は移植医としてある日はバンク医として動くこと、そ ういうふうに使い分けていいというのであればそれはできないことはないのですがね。 ○関口委員  それはそれでいいんじゃないのですか。だけどその中の組織については兼任というこ とですね。 ○加藤委員  今陽田さんがおっしゃったことの中の一つに、骨髄バンクの運営に移植医がいまだに 参画している、あるいは重要な役割を果しているという意味合いが含まれておりまして そのことの精神をここに生かすとなると、今ご理解いただいたものとはちょっと違うの です。 ○原委員  現実の問題として私たちも移植にもタッチしておりますし、加藤先生がおっしゃるよ うに移植にタッチしているからこそ、臍帯血バンクの必要性を痛感してこれを推進して きたわけです。その意味では理念としては、いずれは臍帯血バンク専任の方にこういう ことをしていただきたいというのは非常によくわかるのですが、現実に来年からといわ れると非常に困るというのが現実であろうと思います。  いずれは別の施設あるいは組織を作って、我々移植医療機関とは別の施設、あるいは 別の機関でやるべきだろうという理念は非常によく分かりますので、理念としては残し ておいていただいて、それを数年間の猶予をいただいて達成するという形にしていただ ければ非常にありがたいと思っております。 ○西平委員  私も全くその通りであると思います。原先生と同じです。実際に最初の段階で臍帯血 移植がどういうものがよくわからない、むしろそっちの経験のある人が、最初からこう いう面も組織するのに係わらないと、ちゃんとしたものができないのではないか。現場 知らない人がいくら文書を読んでやっても、現場とかなりかけ離れたものができる可能 性もあると思います。初期の段階でね。だから最初の段階ではきちんと独立したと書か なくてもいいのではないかと思います。 ○青木委員  ですから方向性としてこの文書の殆どは残すのですが、独立のところまで残して、 「した機関と」の5つの文字を消せばいいのではないですか。 ○齋藤座長  「するべきである。」ということですか。 ○浅野委員  「臍帯血バンクは組織、人事、財政等の運営の面において、移植医療とは独立すべき である。」いま直ぐにできないとすれば、「すべきである。」という表現は必要だと思 っております。 ○齋藤座長  いろいろなもので出てきました。 ○古市委員  皆さんの気持ちが分かったから、その辺は事務局というのはそういうところは上手い わけですから、文書を任せます。例えば私の考えだと「臍帯血バンクは組織、人事、財 政等の全般にわたって移植医療部門から独立して運営されることが望ましい。」とか 「必要である。」とかこういう感じではないですかね。 ○齋藤座長  賛成です。 ○平林委員  理念としてその通りだということであれば、ここに入れるのではなくて、2の考え方 の基本のところにこの理念をうたって、そして今は具体的なところをやっているわけで すから、そこでは少し和らげて望ましいとか、あるいは当面はそのことが望ましいとか 少しそこを和らげる言葉にしておけば両方が達成できるのではないかと思います。 ○齋藤座長  今のご提案は4ページあるいは5ページの上の方のところです。運営体制の整備に向 けての考え方にそれを移してはどうかというご提案ですね。 ○陽田委員  (2)の考え方のところに書き込んでも良いですが、将来の問題としてという考え方 であればそれをどう担保するのかということです。設備とか人とか、投資をしてしまっ たものは簡単には引き下がれないという現実の問題があります。言葉で理念としてここ に書き込んでおいても、ずるずるとこのままいってしまうという事が僕は非常に心配で す。ですから切り離すということを、きちんと表現しておかないといけないということ です。 ○齋藤座長  わかりました。その点は今後まだこの検討会は続くと思いますので、そこで具体化す るということでよろしいでしょうか。では先に進ませていただきます。4初期的段階に おける体制の整備に入ります。 ○原委員  その前に8)です。この財政構造のあり方というのは先程の組織、人事、財政等独立す るべきであるということと非常に密接に関係してます。現在のままでは移植施設から離 れて存在しえないような形になってます。臍帯血バンク自身がね。その意味では財政構 造のあり方、この中で独立できるようなサポートをぜひしていただきたいというのが私 の考え方であります。  その意味では例えば青木委員が提案されたような、1施設6,500 万からの設備投資、 20万円弱の1検体の保存に要するという費用、そういうものを担保するような文面を、 財政構造のあり方の中に入れていただきたい。そのような財政的な裏付けがないと、先 程言われた臍帯血バンクは移植施設から独立できないのです。お金の面、人事の面でも です。そういうことを考えていただかないと、絵に書いた餅ではどうしょうもありませ んので、陽田先生を初めとして是非その辺のことは具体的に考えていただかないと、移 植施設からは独立できないということになると思います。今は移植施設の人員あるいは 費用の持ち出しで、臍帯血バンクを研究的といった方がいいのですが、運営しているの が実情です。  この財政構造のありかたは非常に大きな意味があり、臍帯血バンクの独立と非常に大 きな関係があると考えていただきたいのです。 ○有田委員  私も8)の財政構造のあり方についてです。この中に国の責任においてという文言を是 非入れていただきたいと思います。いろいろと書いてますが、国の責任というのは国は 何をするのかというのがどこにも出てこなかったと思います。厚生省は予算をしっかり 取ってきてくれるというのは仕事だと思いますので、ここに国の責任においてという言 葉を入れてください。それをしないと、本当に絵に書いた餅になると思います。よろし くお願いします。 ○齋藤座長  今の国の関与の仕方については、一応、理念の4ページのところに入ってますが、も う一度今のところに入れるのか、あるいは更に具体的な数字を入れてほしいという提言 もありましたがいかがでしょうか。 ○重藤補佐  公的支援というところが正にその部分でございます。それと後は、その中には直接一 般財源でする補助もあるでしょうし、健康保険というものもある。そういうものを今後 議論していくということだろうと思います。ただ私どもとして今後この検討会の成果を 踏まえて、これから要求をしていくわけです。今は作業も既に始まっておりますし、額 というのをここで入れるというのは、今の段階ではちょっと難しい。今後私どもは当然 この検討会の先生方の意見を踏まえて、汗をかくのは当然のことでございますが、ただ その辺で数字を載せるということは、ちょっとやれることとやれないことがございます。 ただ全く汗をかかないというわけではなく、一所懸命汗をかいていきますが、額として はこれからの攻防でございますので、その辺はちょっと難しいと思います。 ○齋藤座長  よろしいでしょうか。さらにこれで具体的な数字を出していくことと、事務局は当然 最大限の努力をすることと思います。 ○原委員  先程も申しましたように、財政的にどうなるのかという目処が立たないと、組織とし て独立できるわけではないのです。人を確保し、あるいは組織を作るということになる と、財政がしっかりしてないとそういうものは独立できないわけです。あくまでも移植 医療施設の付属設備として、あるいは付属研究機関としてしか存在しえないわけです。 ですから来年度から独立、あるいは数年後に独立しようということになりますと、来年 度に向かってどういうことを考えて、どういうお金を確保すればいいのかということを 示していただかないと、組織としては全く身動きできないというのが実情だと思います。 これは私どももそうですし、それは他の臍帯血バンクについてもそうだろうと思います。 我々がする自助努力も含めまして、プラスαがどういうものであるのかということを具 体的に示していたかないと、臍帯血バンクとしては従来の動きを続けていかざるを得な い、この辺についてはここにご出席の先生方もご理解いただきたいと思います。 ○齋藤座長  その点については大変よく事情は理解できます。この中間まとめも、あくまでも中間 なので、事務局にある程度は予算請求上の自由度がいりますので、具体的な数字を入れ てしまうと縛られるということもあると思います。そういうことでご理解いただけます か。 ○浅野委員  よくわかるのですが、8)の財政構造のあり方のところで、「具体的な公的支援(医療 保険の適応を含む)」と書いてあります。この文書の中に「 」の中にでもバンクの保 存施設にかかる費用、施設の運用、あるいは施設の整備にかかる費用等々というのも入 れていただく方が望ましいと思います。 ○齋藤座長  どの部分に対する公的支援なのかというところですね。その辺はいかがですか事務局 の方では。 ○朝浦室長  それを書きますと、逆にそれに縛られるということもありますので、ここは幅広く自 由度を持たせていただいた方がいいのではないかという気はします。「など」になると そこが一人歩きする可能性もあります。もう少し私どもに自由度を与えていただければ と思います。 ○齋藤座長  よろしいでしょうか。ではそういうことにします。 ○有田委員  局長さんも代わられたのですが、過去において人が代わったら、また考え方がコロリ と変わってしまったということを今まで平気でやられてきた経緯があるものですから、 ここでちょっと頑張りたいと思っているわけです。お顔を見ていたら信用していいのか なと思うのですが、やはり心配なところがあるので、ここをもう少しお時間いただけま せんか。 ○齋藤座長  でも今までの議論で十分に事務局の方も努力をするということですし、よろしいので はないでしょうか。 ○伊藤局長  国の責任でということを明確にせよというご趣旨だと思うのですが、そもそも前局長 からの引き継ぎで、この検討会自体につきまして、医薬安全局長と保健医療局長の求め に応じてというか、厚生省として臍帯血移植を推進していくために設置した検討会でご ざいますので、ここに書かれていること全体について、それの結果について厚生省とし て責任をもって実行に移させていただくという理解でおります。あえて言わせていただ ければ、具体的な公的支援を含め、財源のあり方を幅広く検討していくことを求められ るということで、私はそういう形でよろしいのではないかというのは言い過ぎかも知れ ないのですが、十分に私どもとしてはこの線に沿って努力させていただきたいと思いま す。 ○陽田委員  この件についての確認です。前回の検討会のときに、小林医療局長に非常に踏み込ん だ発言をしていただきました。医療保険でやっていくのだということで、それで足りな い分は国庫補助という形でやりますということを明言していただきましたので、その辺 のところを今後事務局サイドでそういう戦略で進むのだということで、いいわけですね。 ○朝浦室長  医療保健の適応につきましては、時期的には再来年というのが勝負だと思っておりま す。その辺は皆様方のお知恵も借りながら検討していきたいと思っております。 ○有田委員  局長、しつこいようですが、国の責任でやってくださるという覚悟の程もよくわかり ました。そうであるなら公的という言葉を入れて何か不都合がございますか、これを文 書として残すと不都合がございますか。 ○伊藤局長  公的支援という中に、考え方としては理論的には地方自治体なども含めて支援してい くというふうにご理解いただきたいと思います。 ○齋藤座長  公的支援という言葉は非常に広い意味で入っていると思うのです。国だけではなく地 方自治体にも努力していただかないとならないと思います。ではこれはこれでいいとい うふうにさせていただきます。  4初期的段階における体制の整備です。8ページです。共同事業の具体的なところが 書いてございます。先程議論がありましたが、どういうバンクが共同事業に参加するの か、それについては評価基準を決めて審査を行い決定する。なお地域性も配慮するべき ではないかという意見も書いてあります。 勿論、一旦、参加しても基本的なルールに違うようなことをした場合には、それ以後は 共同事業に参加できないということが書いてあります。共同事業の実施ですが、連絡協 議会(仮称)を設置するということで、その事務局についても全国的ということはとっ てありますが、公共性、運営の安定性などの観点から適切な団体ということが書いてあ ります。  これは例えば西平委員どういうところを、事務局として考えておられますか。 ○西平委員  連絡協議会の設置場所はなかなか難しいですね。どなたか先にお願いします。 ○齋藤座長  加藤委員いかがですか。 ○加藤委員  時間が差し迫ってまいりましたので、私は今日是非とも申し上げたいということを含 めまして、今の座長からの質問に答えさせていただきます。  各委員から寄せられた意見という今日の資料の9ページです。その前にいろいろと根 拠なり考え方を示しておりますが、これから具体的に進めていく際に、私自身の理解し てきたこと、あるいはこれまではっきり確認されなかったが、何となく一つの共通認識 になりつつあったことを踏まえて書いたつもりです。  今当面のといっているのは、地域臍帯血バンクというものをネットワーク化するとい うこと、しかしこれはそう大きな前進であるのかということを、私自身は非常に疑問に 思っているのです。大きな前進にするのは、公的な臍帯血バンクとして、先程から言わ れている医療機関からの独立とかということが実際に実現される、それは恐らく3年後 の平成14年度から始まる次のステップであろうと考えております。  したがって地域臍帯血バンクのネットワーク化は、あくまでも短期間のものであると 私は理解してきましたので、そこから先は補完的な役割に地域臍帯血バンクは移り、や がて活動を全面的に公的なものにバトンタッチしていくというふうに考えておりました。 これまで、骨髄バンクは日本赤十字社の多大なるご協力ご尽力によって進められたきた わけですが、一方で、その組織として柔軟性、新しい時代への対応というものが出来に くいところもおありになったということも、私たちは教訓として学ばさせていただきま した。  そこで事務局としての実務、将来の臍帯血バンクの保存の実務、は日本赤十字社にお 願いしたいと考えておりますが、それの運用というところでは逆に独立させていただけ ればと思うのです。当面のものの候補として幾つかありうると思いました。一つは骨髄 バンク、一つは今の日本赤十字社、もう一つは現在既に行っている研究班、小寺班長の 下における研究班での運営を継続する、という3つの案があると思うのです。しかしい ろいろな点で、現実には骨髄バンクか日赤というふうになるのかなと考えます。  骨髄バンクにするには、骨髄バンクのあり方そのものも、私自身もここで議論させて いただきましたし、そのままどっぷりと入れるのは誰も納得していただけないことであ ると思います。3年後に今日新たにお配りしました造血幹細胞案バンク案ということで 左側の骨髄バンク、右側の臍帯血バンクがやがて合流していってこのようなものが出来 ればいいのではないかと考えている図式を示しました。  このようなものを考えると、将来の方向を考えるならば、骨髄バンクの事務局の中に 独立した形を担保できるようなものとして置いておくのが相応しいのではないかと考え ました。ただそれがいろいろな議論があって、日赤の方がいいのではないかということ であれば、今日はそれを議論していただければと思います。 ○齋藤座長  事務局についてはここには具体的には書いてないのですが、今具体的な名前も出てき たと思います。 私は事務局は中立公平であるべきなので、特定の地域バンクと関連した組織、あるいは 機関には置くべきではないと思うのです。したがって、今加藤委員から二つの案が出ま した。今まで聞いておりますと、骨髄財団に対してかなりのアレルギーが強いようなの で、日本赤十字社というのはなかなかいい案だと思いますが、草刈委員いかがでしょう か。 ○草刈委員  なかなかいい案であるのかどうかは客観的評価が必要だと思います。今のご意見の中 に、あるいは西平先生や加藤先生のご意見の中に、少し混同しているところがあると思 います。事務局が保存するというのはおかしいのではないか、そう思います。ですから 日本赤十字ということから言わせていただきますと、各臍帯血バンクにご協力させてい ただいている血液センターの技術部門の協力として、保存があるのだろう。日本赤十字 社としてもし事務局をやるのであれば、それは保存ではなく、まさに事務局だけだと思 います。  それから硬直性ということをおっしゃられたのですが、硬直性については確かに皆さ んは、骨髄バンクは硬直性があるということを言われておりますが、加藤先生も私も同 じくらいに責任があるので、一所懸命関係する一員としてこれから直そうと思っており ますが、日赤ではないのです。我々は反省はします、だが全部が我々が原因と言われる と、一所懸命サポートしてくれた人達、公開の席ですから傍聴しておりますから、それ を認めるわけにはゆきません。これからちゃんとやろうということで結構です。ただし この事務局ということと連絡協議会というイメージが、先生方一人一人違っていると思 うのです。ですから連絡協議会とは一体なんなのということを、一応11ページに書いて あるのですが、審査がないのです。ところが今のペーパーの中には事務局が審査するこ とになっているのです。ちょっとおかしいよということです。その辺の役割と責任をき ちんと明確にしておかないと、我々は困ります。安請け合いはしたくないということで す。  もう一つです。斉藤先生がおまとめにならないと、ある人はいいといっても、委員の 中には日赤が大嫌いな人もおりますので、持ちかえることはできないので、良いものを 作るためにきちんとした役割と責任、それとお互いに皆で協力しあいながらの役割と責 任の明確化です。これは有り難いことに、この検討会の初めのうちは随分と喧々囂々と 刺のある発言がございましたが、随分とマイルドになってきまして、笑顔をもって刺の あることも包み隠して言っていただくような議論になってきました。 局長が何回か首になったし、座長も何回か首になりましたが、まだここで座長の首が繋 がっていることもおめでたいと思っております。  そのような斉藤先生が協議会の会長になればいいなと思いながら、今の話を聞いてい たところです。以上です。 ○西平委員  先程質問を受けたわけですが、重要な部分は、採取する施設は産科医が中心になって やる。その後の処理・保存・保管・検査この部分が、バンクとしては非常に重要な生命 線ですよね。だから、そこを日赤の血液センターが引き受けていただく。勿論全部とは いいません。大きな各地区の拠点的な血液センターはあるわけですから、そこがやって いただければ、そこのデータについて、ここに書いてある連絡協議会(仮称)を、どこ に設置して全国的な展開をするのかということだろうと思うわけです。  それを骨髄バンクの中におくのか、それとも日赤の中央日赤の一部分を借りて、そこ に協議会を置くのかという、そのスペース的なものではないかと思うのです。ですから それを審議するメンバーのことであって、場所ではないと思います。 ○中林委員  前回非常にスムーズにいったのは、日赤が全面的にバックアップしてくださるという ことで、スムーズにいったのだと思うのです。保存その他というのは、事務局というの は現在9つのバンクがあります。それらを事務的に集めて協議会の運営その他の連絡を するということであって、それ以上のものでは多分ないのであって、この場合には事務 局は皆さんの一致した意見として、日赤にやっていただくことが一番スムーズではない かと思うわけです。あまり大きく事務局という言葉を使うとちょっとと思います。 ○青木委員  前回の議事録をご覧いただきたいと思います。事務局をどこにおきましょうかという ことは議論されております。それは何人かの委員の方は協議会ができてから、相談して 決めればいいではないですかということで、既に結論が出たことであると思います。 ○鎌田委員  どこに事務局を置くのかという、具体的な話からずらしてしまうようなことになって 恐縮かと思います。先程草刈委員からもご発言がありましたが、この臍帯血バンク連絡 協議会のというもののイメージを共通にする必要があると思います。私の個人的な理解 では、共同事業というふうに言われておりますので、その中の一つには各地の地域臍帯 血バンクの情報の共同化という、事業の面での共同化・効率化を担うという側面がある ことは間違いはないですね。  ただその側面だけを強調しますと、これはこういう分野でこの言葉を使うのは不穏当 かも知れないのですが、いわば、業界団体がうちに補助金をくれといっているだけの話 になる。そういう業界団体だとすれば、業者さんたちの間で誰を代表者にするのか、ど この企業の中に事務所を置くのかというのは勝手に決めてくれればいいと思うのですが 長期的な臍帯血バンクシステムが完成するまでの間は、当面、既存の9バンクを基本に しますが、ここでイメージされている臍帯血バンク連絡協議会というのは、この報告書 の中で見ても、臍帯血移植医療自体がどういう方向に進むべきであるかとか、バンクの 技術基準はどうであるのかとか、評価とか、評価があれば必ず審査をしないといけない。 コントロールもしないといけない。事故情報も収集しないといけない。このような半ば 公的な役割が出てくるわけです。  その点では、血液事業法の中にというご提案もあったのですが、血液事業の反省をこ めて考えますと、血液事業であれだけ大きな事件を起こしたことの一つの要素に、基本 方針を作る人も、事業を実施する人も、学会の専門家も皆同じ人だったではないか。つ まり法律を作る人も、裁判をする人も、検察官も被告も皆同じ様な状況であった。こう いう現状が、ああいう事件を起こしたのだという反省を、これからのシステム作りの中 では盛り込んでいかないといけない。  そうした観点からの一つの対処法は、陽田さんのいっている全く移植機関は別の機関 にということですね。ただその別の機関ができないという前提の中で、私自身が今回の 提案の中に入れさせていただいたのは、臍帯血バンク連絡協議会の中で事業を効率化さ せる部門の他に、全体の企画立案をしたり、あるいは評価・審査をしたりという部門を 設けて、この中でのチェック&バランス的な三権分立的なシステムを作っていかないと いけないということです。  そのためにはこれは業界団体であってはいけないし、そのような基本方針を作るため の公的なものとして、この検討会で、どういう組織を、どこに設置をするのかというこ とを決めていただく方が望ましいと思います。その上で私は連絡協議会というのは、事 業者団体的なイメージが強すぎるので、名前も今は皆さんで合意できないと思うのです が、これはあくまでも仮称であるという前提で、また再検討していただくこともお願い したいと思っております。 ○齋藤座長  そうですね。ですから精神としては業界団体ではないので、業界の関係者がお互いに 話し合って決めるよりは、もっと全体として国のイメージとして決めるということです ね。 ○有田委員  皆さんは日本赤十字社に凄く期待というか信頼がおありのようですが、実際には、悪 口ではないのですが、日赤というところは何もできないところなんです。国の事業を委 託されているところですから、責任は国にあるのです。ですからそこを日赤にというこ とであれば、お金にしろ何にしろ、責任のところを明確にしてくれないと、日赤にもっ ていっても、何か問題が起きた時、誰も責任を取れないということになってしまうので す。 私は30何年前から日本赤十字社の青年奉仕団の出身でございます。日赤は草刈さん以上 に愛しております。大好きです。 ○浅野委員  後で意見を述べようと思ったのですが、臍帯血バンク連絡協議会の位置づけが、この 図では分からなくなってしまうということが懸念されます。  それで、私ども提案させていただいたのが資料1の3にあります。非常に似た図にな っておりますが、この連絡協議会というのは、あくまで共有化をするためのバンクで、 その作業を行うための事務所であろうと理解しております。その意味で運営体制をこれ とは違った形で書かせていただいたということです。あくまでも協議会というのは、こ の地域バンクを結ぶ共有化のための事務組織であるという理解ではないかと思います。 ○草刈委員  有田委員が大変にジョークに富んだことをいって、私を愛しているのかと思ったので びっくりしました。日赤は何も責任が取れない、というところは、訂正していただきた いと思います。平成2年に50万リットルを血友病の患者さんのために集めろと言われた ときには我々はやりました。安全を高めろと言われたときには、今は核酸増幅試験を膨 大な投資をしまして、世界に先駆けて導入すべく努力をしております。クアランティン と称しまして原料血漿を30万l保管するための施設を、20億かけて北海道の千歳に作っ ております。それも輸血用血液の不活化のための施設に発展できるような検討もしてお ります。  未だに、HIVが年間で50人以上の陽性者が出ますが、これだけの感染をくい止める のであれば、本当に我々の責任で感染させた方というのはウインドピリオドの一人だけ 感染があったのは非常に残念で我々は深刻に責任を感じております。ですから責任を取 れないというのは嘘で、事業の責任は、関口先生を初めとして77のセンターの職員が 7,000 人、日夜努力して果たしています。  輸血用の血液が足りなくなって死んだという方を最近は聞きませんね。国松長官が狙 撃されました。一晩に200 人から300 人の方の血液が輸血されて、それで命を救ったの です。献血者が救ったのです。あれは警視庁の警官300 人を集めたという人がおるので すが、それは違います。一晩でそういうことはできません。だから全国の血液センター がネットワークを組み、責任をもっております。それは7,000 人の連中が一丸となって やっていることだけは、どうかご承認ください。その実績の上での西平先生や原先生の 厚い信頼があろうかと思います。 ○齋藤座長  よくわかりました。ありがとうございました。 ○陽田委員  事務局の話にいってしまったのですが、8ページのところです。2)の共同事業の内容 のところに、ア)イ)ウ)エ)の相互評価となっているのですが、この相互評価という のが必要なのかというのは僕はわからないのです。安全性についての相互評価です。 ○齋藤座長  ではここはどのように変えたらいいのですか。 ○陽田委員  相互を取ればいいのかなと思います。第三者機関というか外部の機関で評価をすると いうとになれば、この相互というのはいらない。  それからここには国際協力も入れていただけるようにお願いした記憶もあるのですが これが入ってませんね。 ○齋藤座長  共同事業の中に国際協力ですね。 ○陽田委員  次のページの9ページです。上から5行目です。企画・調整等を行う総合企画部門が 各臍帯血バンク関係者以外とするとなってますが、これは以外の者が含まれることが望 ましいということなのかなと思うのです。全く臍帯血バンクと関係ない人達だけでは企 画できないと思うのです。  事務局に関しては、僕は基本的には場所の問題ですからどこでもいいと思っているの です。要は例えば骨髄財団にしろ、日赤にしろ、そこの本体のところがこの協議会の運 営に影響を及ぼさない、この協議会がいかに独立性を保つのかということの方が問題で あって、あまりここで時間を使うべきことではないと思っております。  もう一つです。鎌田委員の発言の中で今の9か所のところがそのままこういう組織の 中に入ってくるというイメージで考えておられるようですが、私はそうは思っておりま せん。この技術指針の方の分離・凍結・保存の施設について、施設委員会が認定すると 書いてありますので、こういう認定を経て何箇所かが認定されると認識しているのです。 それの確認をしたいのです。 ○齋藤座長  それは当然そうだと思います。すると今言われた字句の問題、あるいは国際協力を入 れる問題、関係者以外も含まれることが望ましいというのは、いずれもいかがでしょう か事務局のほうで何かありますか。 ○朝浦室長  国際協力については共同事業としてやるということなのか、それとも各地域バンク、 それぞれのバンクが国際協力をするための支援というか調査というイメージなのか、ど っちでしょうか。 ○齋藤座長  ではそれを入れることについてはよろしいですね。共同ですね。 ○陽田委員  9ページの下の5までいってもよろしいですか。5の下から3行目です。5年を目途 として2万個程度というのが、この前僕が3年で2万ということを申し上げました、 ハードルが高い方がいいということです。実際にできるのかとどなたか言われたので、 事務局はこれで5年ということにしたと思うのですが、僕はちょっとこだわってます。 何とか3年に直していただきたいので他の委員の方はいかがでしょうか。  それからこのアンダーラインのところです。「成人への適応も考慮し〜保存割合が高 められるような採取体制」となってます。これですと2万個以上数を増やさなくてもい いというふうにも読めるのです。「保存割合を高めるだけではなく、将来的には数も増 やしていく努力をする」ということを、明確に書かないといけないと思っております。  10ページの5です。臍帯血移植を実施するための手順です。ここで一番最後にこの技 術指針を策定したのは、あくまでも参考であって、協議会の責任で定期的に見直しを行 っていくという文書を加えておかないと、先程小寺先生がおっしゃったように、常に変 わっていくものですので、そこのところはここで明確にしておいていただきたいと思い ます。 ○齋藤座長  それは恐らくこの技術指針の中に明確に書いてあると思います。まず数のことです。 それは勿論多ければ多いほどいいのですが、恐らく採取される産科の方のご意見もある と思います。いかがでしょうか。 ○中林委員  先日の会では、一つの分娩施設が恐らく年間で100を集めるのが大体手一杯であろう。 すると全国で9つあったとしても、その施設が5つのサテライト病院を持たないといけ ない。しかしこれを2倍にしようとすると10くらい一つのバンクが産科施設を持たない といけない。するとこの近くが非常に早く運べて、且つしっかりした施設を10施設回り に持つのは大変に難しいということで、かなり実質的には無理をしないと達成できない。 そこまで無理をして、産科の先生が一所懸命集めてくれるのかというと、なかなかそれ も難しいということで、前回はこのくらいが我々として産科医の団体としては、きちん としたことを集めることが可能なのはこの辺であろうということで申し上げました。 ○有田委員  それは学会としてそれくらいの協力は可能であって、もっと上になったら無理だとい うことですか。 ○中林委員  産科があって、かつ小児科が長期にフォローできてという施設を全国でみますと、数 十箇所ございます。30とか40ですが、そういう認定から大体そのくらいは集められるだ ろう。しかしそれを倍に増やすとなると、かなり個人病院とかその他も含めないと十分 に集まらないかなということで、学会の周産期委員会ということろで大体算定しますと このくらいでしょうということで出しました。 ○有田委員  陽田さんもそうだと思うのですが、私も5年で2万なら3年で2万にしていただきた いと思うのです。というのは臍帯血はいかに早く、いかに沢山の血液細胞を集めるのか というのが命であると思っているので、それは国の予算の5年で取る分を3年でとって ほしいということもあるのですが、そこをもう少しここで頑張ったらいけるのではない かという希望もありまして、もう一回ここで、数についてと年数についてご議論してい ただけませんでしょうか。お願いします。 ○齋藤座長  これは数については移植する側としては、少しでもストックが多い方がいいわけです が、供給する側の産科の先生が学会としてそういうことをいわれますと、なかなか無理 に設定するのは難しいと思います。 ○関口委員  私も3年で2万ということを主張していたのです。現実に計算してみますと、対応す るのは非常に難しいのです。例えば日中だけではなく夜も入れると、ある程度の数はこ なせると思うのですか、施設を多くして数を多くすると、採取のための人員とかが非常 に関係してくる。それで結局5年になるというのは現状からしては、保存施設としても 受け入れられる数ではないかということで私は妥協したのです。 ○加藤委員  私は2万の中身の方がむしろ重要かなと考えていたのです。先程の私の提案の9ペー ジのところです。向こう3年間、今の地域臍帯血バンクは上限を決めておいて5,000 程 度にする。将来3年後から突然公的なものが0からスタートするというのは非常に非現 実的ですので、助走の3年間から溜めていただかないと実際には役に立ちませんので、 公的な臍帯血バンクの議論を当然して、その期間でできれば15,000を3年間で溜めるよ うな恰好でいっていただきたい。  先程中林先生が1施設で100 とおっしゃったのですが、私たちの施設では200 が現実 にそれほど無理なくできてます。ですから、多分他のバンクについてもいろいろな条件 が満たされればということですが、200 はそれほど難しくない数字ではないかと思って いたのですが、西平先生とか原先生の印象はいかがでしょうか。 ○原委員  私どもがお願いしている産科のある病院で、大体1施設で年間200 なら可能だろうと 思います。ただ問題は、それを受け入れる側の問題です。採っていただいたが処理でき ない、あるいは保存できないということの問題の方が、むしろ深刻ではないかという気 がします。 ○齋藤座長  そうしますと数については多ければ多いほどいいのですが、今の産科側のご要望ある いは保存の問題を考えて、一応5年で2万ということにさせていただいてよろしいでし ょうか。 ○陽田委員  ここで何でこんなにこだわっているのかと申しますと、現実にできるとかできないと いう問題は確かにおっしゃる通りにわかるのですが、事務局の方で今後予算取りに入る わけです。これが3年で2万なのか5年で2万なのかで、単純に割り算をして予算の積 み上げをしていくときに、僕はかなり違うと思うのです。今目標通りに予算を取れる状 況ではございませんので、ここはできるだけその意味からハードルを高くしておいてほ しいということを申し上げたのです。 ○齋藤座長  予算要求は事務局の裁量と思いますので、事務局としてもこのくらいなら頑張れると いうことですね。ではそうさせていただけます。 ○有田委員  頑張れるということは取れるということですか。 ○齋藤座長  それは努力目標と思います。 ○浅野委員  11ページです。加藤先生の方からの提案で、公的臍帯血バンクと地域臍帯血バンクと いうふうに分けられていますが、これには異議があります。私共はこれまで各地区のバ ンクはそれぞれが公的なものとして活動を進めてきたものと思っております。ですから このように分けてしまうと変な誤解を皆さん方に与えると思います。「臍帯血バンク連 絡協議会」の頭に「公的」と入れた方がよいのではないか。 ○齋藤座長  理解としては公的バンクなんですが、一々名前の前に公的というものを付けるかどう かは馴染まない面があるんですね。例えば角膜バンクでも腎バンクでも、公的というも のはついてません。名前としては公的を付けると水戸黄門の印籠のような感じがすると いうイメージですね。だからそれは一々付ける必要はないと思うのです。 ○青木委員  地域バンクの上に公的をつけろということではなく、臍帯血バンク連絡協議会の頭に 公的臍帯血バンク連絡協議会ということではいかがでしょうかということです。 ○齋藤座長  そうしますと、一つ一つの地域バンクが全部公的地域バンクと理解されかねないので それはちょっと如何でしょうか。今後どういうものが参入してくるかわからないわけで す。それは全て最初から公的ではないと思うのです。例えば企業が参入したとしたらそ れは公的ですか。 ○有田委員  なぜそこに企業が出てくるのですか。 ○齋藤座長  評価基準に合って来たら、それを直ぐに公的と認めるわけですか。 ○有田委員  では企業は利益を追求しないで仕事やるわけですか。 ○重藤補佐  先程、斉藤先生がおっしゃられたように、私どもはいろいろと公的に公益法人で臓器 移植をやっているときには社団法人臓器移植ネットワークで、それらなども所管してお りますが、それぞれ公的何とかという名称は特に付けておりません。それは当然公費が 入っておりますし、公的な物として運営しております。公的という名の付いているもの というものは、あまりないのでございます。  私どもの理解としては、この検討会の中で検討していたいだいて公的な支援をすると いうことは、公的なものとして捕らえるのは当然のことでございますが、あえて、記載 するというものも何か妙ではないかと思います。 ○浅野委員  私は、地域バンクと公的バンクという加藤先生の区別がありましたから、そうなると 皆さんが一致した見解を持たなくなるから申し上げているのです。 ○齋藤座長  時間もかなり過ぎていますので、他の部分ではご意見いかがでしょうか。  特に将来の運営組織の基本的考え方の10ページです。加藤委員は今日新しいものを出 されました。 ○加藤委員  今の浅野先生からの議論と丁度それにお応えする形です。今ある地域バンクを単純に 延長していくものではないという理解は、皆さん一緒だと思うのです。その中で公的な 要件をきちんと満たしていったものは、3年後の平成14年から公的なものというしっか りした位置づけがされると私は理解しておりました。  その中に新たに現在準備中でいらっしゃる日本赤十字社等々の機関がお入りになって くることも当然あるだろうし、またそれをこの委員会としては位置づけて議論をしてい くべきだと思っておりました。  今回の中間まとめの全体を読みまして、あまりにも将来的な像が浮かばない恰好で、 目前の問題だけが整理されたということで、この先の議論が非常に貧弱なものになって しまうのではないかという心配をずーとしておりました。そこで、この将来の運営のあ り方については、再度確認しておくべきだと思いまして、かねがね申し上げておりまし た造血幹細胞バンクというものを念頭に入れながら、そこに向けて皆が努力・協力して いくのだということでこのような組織を提出いたした訳です。  また2枚目は、日本の骨髄移植、造血幹細胞移植の草分けでいらしゃいます正岡 徹 先生が最近書かれたボランティア組織の中で書かれたものです。正岡先生も一番最後の 行を読んでいただければいいのですが、骨髄バンクが造血幹細胞バンクとなり、骨髄抹 消血・臍帯血などの幹細胞を提供して、血液難病の患者さんに一層の貢献ができるよう になることを願っていると書いておられます。これは社会全体に共通した一つの考えで はないかと思っております。我々の進む道の頂上は一つであって、途中通る道は多少は 違うかも知れないけど、皆同じものを目指しているということを確認していきたいと思 います。 ○齋藤座長  この点は全員ではないのですが、多くの委員はそういうご意見であったと思います。 それでそこの6のところにア)として今のようなことが書いてあります。ただ他にも イ)あるいはウ)のようなご意見もありましたので並列して書いてあるわけです。です から加藤委員委員のご意見を入れるとすれば、ア)の「造血幹細胞バンク」を整備する べきであるとの意見、に重みづけをして中間まとめとして残すかどうかだけだと思いま す。 ○有田委員  多くの委員とおっしゃっておりましたが、出た意見の多くが造血幹細胞バンクに集約 とおっしゃいましたが、出た意見は議事録を読んでください。出た意見はそうではなか ったです。斉藤先生がそのように引き取ってまとめられたのです。 ○齋藤座長  それなら一人ずつ聞いて採決をとりますか。 ○有田委員  採決を取りたかったらとってもいいのですが、そういう問題ではないのです。 ○齋藤座長  そうです。他の方は意見をいわれなくてもそのように理解されているのです。 ○有田委員  それはどこでわかるのですか。 ○齋藤座長  座長はわかると思うのです。 ○浅野委員  正岡先生のお話をわざわざ出されなくても、皆がそういう風に考えているわけです。 僕は造血幹細胞バンクという言葉は、必要ではないかと思っています。それは組織論で はございません。今からそれを考えていく部分、どういう形態がもっともいいのかを考 える場として造血幹細胞バンクというのが適切であろうと思っております。  これは相当に施設とか運営の面で違いは論じたはずです。だから効率よく問題なく動 くにはそれが必要ではないかと思います。 ○齋藤座長  精神としてはそういうご意見ですね。 ○小寺委員  本来はこの検討会は、もう少し高いところで着地点があるのかなと思っていたのです が、いずれにしても大事なことは造血幹細胞移植で救われるポピュレーションというの は一定であって、そういう人達をいかに効率的に救うのかという場合に、今あるいろい ろな造血幹細胞のソースというものを、総合的に需要と供給のバランスで捕らえないと いけないと思うのです。 最初に私がいいましたが、バンクはバンクで、10万人のドナーを30万人にアップする。 臍帯血の方は5万検体を10万検体にということで、ばらばらにやっていたのでは仕方な いので、その意味で造血幹細胞バンクというのは、これは単に理念とか思想の問題では なく、現実的に、近い将来必要であると私は思います。 ○齋藤座長  田島委員ご意見はいかがですか。 ○田島委員  今のご意見に同じです。 ○迫田委員  確認です。平成14年というのは意味がありますか加藤先生、これは私たちは議論しま したかしら。 ○加藤委員  私がいっているだけです。 ○陽田委員  造血幹細胞バンクという構想に対しては特に反対は申し上げませんが、私が骨髄バン クと臍帯血バンクを別々に走りださないと駄目だと申し上げました根拠は、迅速性とい うのを今回は非常に僕はこだわって入れていただきました。運営の発想をはっきり分け ないと、臍帯血バンクの本当のよさを引き出すことはできません。今一緒にしてしまっ たら絶対にこれはできないということから申し上げているのです。  将来的にこれがもっとも良いということであれば問題はないと思いますが、その辺の 議論はまだ今後煮詰めないといけないのだろうと思います。 ○有田委員  煮詰めてください。 ○原委員  それは前にも何度もやったことですがね。やはり造血幹細胞バンクという理念は、そ れはいいのだろうと思うのですが、ただ当初、比較するものがないのです。臍帯血バン クというものも現実にはないわけです。それほど利用できるものがね。それがどれくら いの必要性があって、どのくらいの需要があってということは、まだわからないわけで す。現実の問題としてね。また、どれくらいのお役に立つのかということもわからない わけです。そういうことが分かってから一つになるのは非常によいと思うのですが、そ うでないと臍帯血バンクというのはできないだろうと、私自身は思っております。  その意味で理念と現実に、一つにするのはちょっと無理だろうと思うのです。 ○齋藤座長  だからこれはきちんと将来の運営組織として書いてありますから、今すぐに最初から 一緒にやるということはどこにもいってないわけです。それはクリアだと思います。平 林委員いかがでしょうか。 ○平林委員  特に付け加えることはないのですが、将来の問題は将来の問題として、私も骨髄バン クにも係わってまいりましたが、この臍帯血バンクにも参加させていただいて、最終的 には同じ目的を目指すものとして統合することが必要であろう、ただそれを今やるのか ということについては、どなたもそうしろとはおっしゃってないのですから、この議論 はそういう将来の方向性として、それはどなたも否定されないと思いますので、そこで 打ち切られた方がよろしいかと思います。 ○齋藤座長  では打ち切らせていただきます。他の部分でいかがでしょうか。 ○陽田委員  組織図の臍帯血バンク連絡協議会のところです。先程私が申しました上から3行目で す。各臍帯血バンクの相互評価というものと、下から2番目の適応等の評価(事後)と なっているのですが、これは下に審査・評価機関というのがありますので、こちらの外 に出していいのではないかと思います。  あと情報の集計というか統計というものがここに入ってくると思います。それでここ はHLA型などの情報の共有化・公開と入ってますが、HLA型とは別に、いろいろな 情報を集計して統計して、あるいはマスコミ向けとか国民向けに情報を提供していくの とは、ちょっと意味合いが違うので、情報の集計・統計、あるいは提供というものを入 れておくべきかなと思います。  国際協力の問題と、患者擁護の問題がここに入っていないのです。これも連絡協議会 の中の事業として入れるべきではないかと思っております。 ○齋藤座長  したがって、ここは本文を直したのと整合性を持つようになると思います。その他に はよろしいでしょうか。 ○有田委員  議事運営について質問します。採決をとりましょうか、皆さんの意見は分かっており ますと座長はおっしゃいましたよね。私は事前に何の説明を受けたこともないし、何の 意見を聞かれたこともないのです。でも聞かれた先生方もいらっゃるわけですよね。こ こは、不透明でない臍帯血バンクを作りましょうという議論をしている場所です。不透 明な部分がどこかにあるような印象を受けるような議事運営があったらしたら、非常に 不味いのではないかと思います。 ○齋藤座長  ちょっとよく理解できないのですが、有田委員は先程からかなり発言されてます。発 言されてない方の意見も聞くのは検討会の役割ですね。 ○有田委員  議事の検討をする場で、発言されてない方のご意見をなぜ事前に座長がわかるのです かということを聞いているのです。 ○齋藤座長  今までの検討会の前後の雑談とかいろいろなことで、各委員のご意見はある程度わか るわけです。 結局、こういう公開の検討会で積極的に皆さんが発言できるとは限らないのです。それ ぞれの性格もありますしバックグランドも違ってます。ですから座長としてはなるべく 平等に皆さんのご意見を聞くことが大事と思います。声の大きい方だけの意見をとりあ げることは片手落ちになると思うのです。 個人の中間まとめではなく、検討会全体の中間まとめですからね。その辺はご理解いた だきたいと思います。 ○有田委員  事前に意見を聞かれた委員は、検討会では発言されません。発言されてない方がどの ようなご意見を持っているのかというのを私は知らないで発言してますので、裏で何ら かの話ができているのかなということを感じるのです。そこのところを先生方にお聞き したいのです。 ○齋藤座長  他の方はいかがでしょうか。 ○西平委員  議事をもう少し進めていただきたいです。 ○有田委員  ではこれは問題提起とします。 ○齋藤座長  他の部分ではいかがでしょうか。 ○朝浦室長  予算編成作業はまったなしという時期に来ているのですが、先程の事務局の問題、こ れの前提としては事務局が決まらないと予算要求ができないという面もありますので、 陽田委員の方からは、事務局についてはしっかりしたところであれば、問わないという ご発言もありましたが、本日この検討会において、出された団体を念頭において、座長 ともよく相談しながら作業を進めてよろしいかお諮りしたいです。 ○齋藤座長  これは先程鎌田委員も言われましたように、仲間だけで決めない方がいいということ ですので、第三者的な機関というと、例えば日本赤十字の本社ですね。そこへ事務局を 物理的に置くだけですね。 そういうことの提案であると思うのですがいかがでしょうか。いいですか。 ○陽田委員  先程申し上げたことの繰り返しになりますが、連絡協議会の意思決定に、事務局を置 いたところが影響を及ぼさないという条件がきちんと付いていれば、私はどこでも構わ ないということです。 ○齋藤座長  そのような条件で、日本赤十字社にお願いしたいと思います。事務局というのは本来 は、日程の調整とか場所を提供するところですからね。ありがとうございました。  これ以上ないようでしたら、予算のことがありますので、一応この中間まとめ(案) について座長あずかりとさせていただきまして、整合性のあるように、議論に基づいて 修正したものを成案とさせていただきたいと思いますがいかがでしょうか。  司会の不手際でかなり時間も40分もオーバーしてます。次の議題にいきます。 ○重藤補佐  今後の作業の進め方につきましてお諮りしたいと思います。ただいま斉藤先生から、 齋藤座長預かりにさせていただいたということで、事務局の方で今日の意見を聞きまし て、字句の修正をさせていただきまして、7月中にでも成案として両局長に中間まとめ としてご報告いただく。その後につきましては、先程今後の議題・論議ということで、 引き続き将来像であるとか、この検討会で引き続き検討しないといけない事項につきま しては、今後更に検討していただくということで、一応中間まとめの作業としては、こ の検討会で座長あずかりということで、事務局として考えさせていただいてよろしいで しょうか。 ○齋藤座長 よろしいでしょうか。大変に長時間かかり、飛行機あるいは汽車を予約されていた方は 乗り遅れるかもしれませんが、本当にありがとうございました。 (以上) 問い合わせ先 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室    担 当 山本(内2361)、眞鍋(内2364)    電 話 (代)03-3503-1711