98/06/12 第8回 臍帯血移植検討会 第8回 臍帯血移植検討会 平成10年6月12日(金) 10:00 〜 12:30            場所:虎ノ門パストラル「桜の間」 出席者(敬称略)   青木 繁之   浅野 茂隆   有田 美智世  加藤 俊一   鎌田  薫   草刈  隆   小池 麒一郎  小寺 良尚  ○齋藤 英彦   迫田 朋子   関口 定美   高橋 美智   田島 優子   中林 正雄   西平 浩一   原   宏   古市 圭治   陽田 秀夫  ( ○:座長 ) 議事次第  1.開会  2.議題   (1)臍帯血移植の状況について   (2)報告書の作成に向けてのたたき台について   (3)その他  3.閉会 ○事務局(成瀬)  定刻になりましたので、只今より第8回臍帯血移植検討会を開催させていただきます 最初に本日の委員の出欠でございます。平林委員より欠席という連絡をいただいており ますので、報告させていただきます。 では会議を始める前に資料の確認をさせていただきます。最初に第8回臍帯血移植検 討会議事次第でございます。その次が委員会の名簿です。その次が座席表です。 続きまして第8回臍帯血移植検討会資料一覧。  資料1   我が国における非血縁者間臍帯血移植の状況  資料2   日本及び海外における非血縁者間臍帯血移植の成績  参考資料1 報告書の作成に向けてのたたき台  参考資料2 各委員より検討会に寄せられた意見  参考資料3 臍帯血移植の実施のための技術指針(案) 以上です。 お揃いでございましょうか。不備等がございましたら事務局の方にお申しつけいただ きたいと思います。では斉藤座長よろしくお願いします。 ○齋藤座長  おはようございます。朝早くからお集まりいただきましてありがとうございました。 いよいよ8回目を数えて随分いろいろ議論をしていただきました。本日の予定ですが、 まず最初に情報公開というのが非常に大事だということが、この検討会でも繰り返し指 摘されております。臍帯血移植の現状につきまして、4月から医療保険の適応になった こともあり、5月の末までで非血縁の臍帯血が何例行われてその状態がどうであるのか ということを、最初の10分くらい報告していただきまして、その後、先日出しました 「たたき台」についてご議論いただきたいと思います。たたき台につきましては、非常 に多くのご意見が寄せられておりまして、今日中に全て最後まで2時間の間にご議論い ただけるのかどうかわかりませんが、なるべく効率よくやりたいと思います。 私のお願いといいますか、患者さんのために一番役に立つ、分かりやすい仕組みを作 るという点では、皆さんが同じお考えをもっておられると思います。方法論が違う点も ありますが、最終的には一つの案にまとめる努力も必要かと思います。骨髄移植と臍帯 血移植は兄弟のものですから、あまり兄弟喧嘩せずに仲良くまとめたいと考えておりま す。よろしくお願いします。 ○有田委員  要望があります。資料を昨日送らせていただいているのでお読みいただいていると思 います。この検討会は公開でもございます。わたしは傍聴の方たちから座長の議事運営 が非常に偏っている、この委員の人達はなぜ交代を要求しないのかということを、とて も激しく避難されました。それでこういうことを書きましたが、私も全くそれと同じ意 見でございます。理由の一つ、斉藤先生は骨髄バンクの理事でございます。出されてい る統合案は、加藤先生と小寺先生の案が主流となっております。お二人は骨髄バンクで それぞれの大事な長というものを務めておられます。その3人の上手い連携が、こうい う形のたたき台のようなものに誘導されていったと思っております、これが交代の理由 です。  12日の検討会の後で、事務局の作る資料についてもどうしても理解できないので尋ね にまいりました。そうしたら最初からたたき台にあるような案というのはあったのでご ざいますね。それを最初から出したら、私たち委員が意見を出しにくいので、自由に意 見をいっていただくことにした。そして話し合ったらこういう意見になりましたという 説明を受けました。実際はそうではなかったはずです。議事録を見ていただいたら分か りますが、そうではない意見の方が多かったと言いましたら、意見の数とか量より質が 大事だといわれました。その質の良し悪しはどなたが決められるのか私はわかりません  また、作業部会から出された資料も委員全員に出してくださいということが、前回の 検討会で決まりましたが、私のところには届いておりません。青木委員、陽田委員のと ころにも届いておりません。その他の委員の方々に届いたかお聞きしましたら昨日とい うことですが、私は昨日上京しないと検討会に間に合いません。昨日届いても読むこと はできないのです。  それから6回と7回の間が1カ月も空いていますが、その間に、重藤さん、根回しし て歩いたのですか?6回と7回の間がとても長かった、その間は何をされていたのでし ょうか、そういうことも含めて事務局の交代も要望します。座長、それから局長のとこ ろには傍聴者の方から、そういう要望はいってませんか。私はこのことをまず要望とし て皆さんにお諮りしたいと思います。よろしくお願いします。 ○齋藤座長  今、有田委員からご意見がでました。まず一つずつ整理したいと思います。私は今ま で7回の座長を務めさせていただきましたが、特に固定観念をもって出発したわけでは ございませんし、皆さん方の意見は出来るかぎり聞いていると思います。このたたき台 についても、かなりの部分はこの検討会で出たキーワードは入っていると思います。さ らに今日またそれぞれのご意見によって修正する用意はしているわけですから、一方的 に運営しているというのは一方的な意見ではないかと思います。  事務局については事務局からお願いします。 ○朝浦室長  まず作業部会の現在の状況について、前回、委員の先生方に事前に配付するようにと いうご意見がありまして、私どももそのように取り計らいたいと思っていたのですが、 実はいま確認したところ、発送したのが今週の火曜日になっておりまして、事務的に非 常に遅れてしまって、皆さん方に非常にご迷惑をしたことにつきましてお詫びを申し上 げたいと思います。本日の資料に、参考資料3として臍帯血移植の実施のための技術指 針、ということで作業部会で現在議論されているものをお付けしておりますので、お読 みいただければと思っております。  6回と7回の間にかなりの時間があったのではないかということでございますが、こ れは日程的な面とか事務的な面でやむをえずその形になっているもので、特に他意はご ざいません。 ○有田委員  その間に特定の委員の先生方にご説明に回られたのですね。 ○朝浦室長  先生方にいろいろお話を伺って、この検討会の事務方として円滑に進めたいと思って おりますので、そういうご相談を申し上げているということでございます。 ○有田委員  それが1か月かかったのですね。 ○朝浦室長  そういうことではございませんで、事務方としては1か月の間ということではなく、 検討会を円滑に進めていく上で、必要なご相談をさせていただいているということです ○有田委員  たたき台ですが、議論もまだ十分になされてなかったと思うのです。急にずーと1ヶ 月も長い間があいて、斉藤先生のご指示で急遽、事務方がこのように考えたので、出さ せていただいたと、私は12日の夕方説明を受けたのです。このたたき台についても、き ちんとたたき台として出すなら、委員とかを選んだ形で出していただかないと、たたき 台がでたら、そのたたき台に沿って話がいってしまうので、たたき台はたたき台といっ ても理念とか何もないものにいってしまいますから、私はこのたたき台も最初からやり かえてほしいと思っております。これは私の要望です。だから皆さんの中で私と同じよ うなご意見がないならお進めください。 ○齋藤座長  いかがでしょうか。 ○陽田委員  一部の委員なのか大半の委員なのかわかりませんが、この検討会の運営に、ある程度 疑問と不満を持っている委員の方はいらっしゃるのではないかと思います。私もその一 人です。座長の交代までは求めようとは思いませんが、異なった意見を公平に扱うとい う意味においては、特に前回の検討会において私は非常に不満を持ちました。事務局か ら出たたたき台に、私の案が申し訳程度に尻尾に書き加えられたものについて、こうい う議論であったと座長が決めつけたことについては、非常に不満を持ちました。  その意味で、今後、あらゆる意見を公平に吸い上げるということをきちんと心掛けて いただきたいということを要望したいと思います。 ○小寺委員  先程有田さんが言われたことの中に、二つほど非常に危険なものを含んでいるのでご 指摘したいと思います。  一つはここに出ている委員は、それぞれに背景があって立場がそれぞれあるのですが 一応この検討会に出る以上は、皆さんはそういうものから一応はフリーになっている。 そこで一応は識者の一人として背景に培われたいろいろな意見を述べ、討論して決めて いくという立場に立っていると思うのです。  私も財団の企画管理委員会の委員長ということで出ているのですが、これはここに出 た以上は財団の利益を云々という立場では全く出てないのであって、それまでに培われ た知識を出して、皆さんと検討しようといことでやっているわけです。ですから、いろ いろな立場にある人のこの意見のみが出ているとか、云々というのは当たらないわけで す。もしそういうことになれば、これは検討会そのものが成り立たないということにな るのです。そこは非常に、その見方は危険であろうと思います。  もう一つは、公開ですが、公開ということと、この検討会は独立しているのです。 我々は傍聴者の方が何人いらっしゃろうと、どういう方であろうと、圧力を受けるべき ではないし、そこの意見がどういう意見であろうと、検討会は検討会としてきちんと見 識をもって、最終的な結論は出す必要があろうと思うのであって、傍聴者の中にこのよ うな意見があったということは、検討会に基本的には反映されるべきではないと思って おります。 ○青木委員  この問題にあまり時間をとるのはなんでしょうが、有田委員の考え方・見方というの は、結果として当然そうなると思います。  何回か前に、古市委員から対決しているような状況であるというお話があったのです が、それは例えば最初からの事務局から出される資料というのは、骨髄バンクの資料を 中心にだされているわけです。それに基づいて臍帯血はこうあるべきではないかという 議論になっているので、そうではない、事業そのものが患者さんは同じでも事業は全く 違う事業であるということを私どもは発言する。するとこれは対決構造になっているの ではないかという印象になってしまう。結果的に前回出されたたたき台を見ると、やは り骨髄バンクと同じような形でやるというたたき台が出されているわけです。  すると最初から、骨髄バンクに統合してやらせることの目的があったのではないかと いうふうな理解になってしまうのであります。  ですから、有田さんが厚生省の事務方とお話になったときに、最初からそういうよう な気持ちがあったということがもしあるとすれば、最初からこのたたき台を出して、こ の案でどうかという議論をしていただきたかった。議論をしたような形をずーと重ねて いって、結果としてこうであった、最初から出される資料がいかに骨髄バンクがいいの かというような資料があったがゆえに、そういう印象を受けるわけです。  私も交代云々までは求めませんが、以後、きちんと中立的にやっていただきたいと思 います。  それから一つ、理念がなかったと思います。その理念は何かというと、資料をみます と理念について陽田委員からまとめたものが入っております。まずいろいろな意見が沢 山出ているのを一々やるよりも、基本的にこの臍帯血バンクの理念、どういう考え方か というのを、きちんとまとめてから話に入った方がいいのではないかと思います。 ○迫田委員  最初に座長が、骨髄移植と臍帯血移植の喧嘩をやめてとおっしゃいましたが、喧嘩を しているというふうに全く素人の者は思わなかった、喧嘩をするという発想そのものが 分からないわけです。臍帯血移植をどうするのかということを、ここで考えようという ことであったと思うのです。それが最終的に骨髄移植推進財団と一緒にした方がいいと いう結果がそれに近いなら、それはそれでいいし、そうではない場合には、そうではな いものを作ろうということであろうと思うのです。  ですからここではとにかく臍帯血移植検討会として、臍帯血移植を推進するために、 あるいは患者さんのために、これが利用できるための公のバンクを作ろうということで 報告書もまとめていけばいいのではないかと、私は単純に思っておりました。 ○齋藤座長  そうです。それはこのたたき台をよく見ていただくとわかるのですが、実際、一番議 論になる運営組織のあり方については、今後はまだつめるということになってます。し かしながら、総論として臍帯血移植の現状であるとかあり方というのは、皆さんの意見 が入っていると思うのです。ですから最終的にどういう仕組みで運営するのかというの は、まだそこまでは詰まってないわけです。それを今回あるいは次回進めようと考えて おります。  私の方は対立的にとらえる気はないのですが、ある方の意見を聞いておりますと、対 立的にとらえるような発言をされる方がおられるので、そういうことを比喩的にいった までです。 ○西平委員  今まで座長に対するご批判とか、事務局に対するるご批判もあるわけですが、会議の 発言というのは、それこそ公平でないといけないわけです。ある人は非常に長く話す人 もいるし、殆ど話をしない人もいるということで、それは座長の権限で、ある程度制限 するのはやむをえないのではないかと私は思います。それのために、意見が抑えられる とかということにはなってないと思います。  今回のたたき台についてですが、前回、報告書をいきなりたたき台というので出され たので、私自身は本当はびっくりしたのです。もうこんなに報告書ができるのかという 印象をもったのですが、その理由は運営組織が決まってないのです。どういう形態のバ ンクを作るつもりなのかというのが全く決まってない、一番肝心なところです。技術的 なところは技術部会で決まってます。それはもう殆ど出来上がっているわけですが、そ の肝心の運営組織が決まってないのに、いきなり報告書というのが出てきたから、それ はそういう段階では、報告書は恐らくできないだろうと思うのです。  ですから、そこをきちんと決めないと、骨髄バンクと一緒にやるのか、いや別がいい のかという議論がずーと前からありながら、それがまだ決まってない段階で報告書を作 ることは不可能ではないかと私自身は思います。 ○齋藤座長  その点は、この検討会が始まったときに確かに小林局長からお話がありました。どう しても予算請求との関係です。どんどんやっていると、何も来年度の予算が請求できず に終わってしまうので、とにかく中間まとめというか、詰まらないところは詰まらない という形でもいいですから、何か出した方がいいというふうに理解します。 ○小林局長  この会を始めるにあたって、私どもとしては、今有田委員がおっしゃられたこととは 違って、我々としては全く白紙の段階でした。骨髄バンクに統合して作るとかという発 想をもっているわけではありません。事務局の誰かが、そういうことをいったというお 話でしたが、私は多分事務局ではそういうことはいってないと思います。大臣からも、 臍帯血を活用して多くの人が助けられるシステムが何とかできなかということのご下問 でやってまして、厚生省としてどうしてやるのかということを定めたわけではありませ ん。  先日も国会で質問がありました。私からはいろいろな議論があるということで、今の 段階ではどうなるのかまだ分かりませんと申し上げているわけで、特にこのたたき台に 沿って答えているわけでもないわけであります。ただ、たたき台を事務局が急いだ理由 は、それで座長さんに働きかけたのではないかと思いますが、それは今ご発言がありま したように、政府の11年度予算というのは各局とも予算の作成に入っております。臍帯 血についても、私のところは2回くらいの会議をしておりますが、いずれもこの検討会 の答えがないので、全部先送りで2回ともスルーしてまだ何も載せてないのです。  そういうことで既に遅れきみの状況になっておりますが、といってもこの検討会も6 月一杯くらいにはまとまるであろう。6月までにまとまらないと、11年度予算に盛り込 むのは非常に難しくなってしまう。 ご案内のように、厚生省の来年度予算については、前年のときはキャップ性があって 上限が当然増を含めると5,500 億円くらいの減で予算を組めという要求であったのです 今回、厚生大臣は、社会保障関係はそういうことではいけないということで、キャップ を外すということにはなりましたが、それでも大臣から言われているのは、キャップが 外れたから無制限に要求していいということではない。国としては財源がない。本当に 危機的状態なのだから、本当に限られたものの予算しか要求することは許されないとい うふうに、厚生省全体の中のムードがそういうことになっております。  したがって検討遅れというのはその列車に乗り遅れるということを、実際には他の局 でも同じようなことを皆が思っているわけですから、そういう状況で事務局としては大 変急いだのではないかと思いますが、決して意見のまとまらないものはまとまらないで それはやむをえないということにならざるを得ない。そこは西平先生がおっしゃった通 りでございます。ここで固まらないものは固まらないのです。  両論併記ということがあり得るのかも知れないのですが、できればそういうことはな くて、その両論ではなく、中間で上手くまとまるものがあれば、それはその方がベター であると思っています。  事務局交代の話ですが、事務局交代というのはどう対応するのか分かりません。私ど もとしては大変に公平にやっているつもりです。全ての担当者の発言まで、私が一々チ ェックをしてカギをかけるわけにはいきませんので、時々行き過ぎ発言があるかも知れ ませんが、局の責任者としてはそれは決してありませんので、ご安心をしてやっていた だきたいと思います。  もう一つありますのは、もう新聞情報で皆さんがご存じのように、中央官庁というの は6月の国会が終わりますと人事の季節に入ります。したがって、うちの職員でも相当 数の入替えがあるので、そういうことも踏まえますと、6月中に固めたいというのは担 当者も皆が思っているということは、ご理解をいただきたいと思います。ただそれが6 月にまとめないといけないということではない。それは座長さんにも6月にまとめない と駄目ですよというようなお願いは一切いたしておりません。 ○有田委員  ありがとうございました。かなり前からまとまらないと予算要求ができないのだよと いうことで委員の殆どの人は事務方から圧力をかけられております。ですから私もそう ですがとにかく何とか善意善意に解釈して、協力したいと思ってずーと来たのですが、 どうしても理解できなかったから12日にお尋ねにいったのです。予算要求はここで決ま らないとできないのでしょうか。もう方法はないのでしょうか。 ○小林局長  ここの検討会の答えが出なくても予算要求はできます。しかしそれは逆に、先生方に お集まりいただいてご議論いただいたことに対する非礼になるということです。 ○有田委員  非礼というのはどういうことですか。 ○小林局長  ご議論いただいても、それとは関係なく厚生省の判断で要求するということになりま すから、それはまた私はこれまで来たことに対して大変失礼なことになると思っており ます。ただ、最終的にはそれもあり得るのかも知れませんが、今の段階ではそういうこ とは考えたくない。これだけ議論があるということで、皆さんも傍聴の方も聞いていら っしゃるわけですけど、その人達が、なるほどこれでは永久にまとまらないから厚生省 が最後に判断すべきだということになるのかも知れませんが、今の段階ではそういうつ もりはまだもってないところです。 ○有田委員  もう一点です。両局長ともこの6月で退官されるとお聞きしました。重藤さんもずー と責任をもってやってこられておりますが、6月で代わられるとお聞きしました。そう いう方たちが、自分たちの役所の都合の移動の時期に、ばたばたと急いで決めろという 形でまとめられたら困ります。これは局長、最初のご発言のときに、どういう理由でこ の検討会か開かれたか、皆さんもよくお聞きになったと思います。地方議会450 くらい のところから要望書があがってきた、そして大臣もやるといって、やらないといけなく なった。国民署名としては200 万以上に達しております。この検討会が開かれても、ま だまだ皆さんはどんどん署名をとっておられるのです。そういう背景があるということ を、斉藤先生、私は何回か申し上げたのですが、ここのたたき台にも入ってませんし、 公的バンクという文言も入ってません。何のための検討を私たちはさせられたのですか ということを、お尋ねしたいので、こういうことを敢えて申し上げているのです。そこ のところから、討議をやり直していただきたい。  予算ですが、とりあえずの形で押さえられるのであれば、押さえてしまったら良いで はないですか。国民の、理解と協力がないと、善意を必要とするこういうバンクは作っ ても形だけになってしまいます。そういうことがないようにしていただきたい。  斉藤先生には私は個人的には何も思っておりません。むしろお気の毒だと思っており ます。私も言いたくないです。請願署名と地方議会からの意見書提出という二つの大き な国民運動を私たちはやってきた責任上、皆様方のように、お願いされてお座りになっ ておられる先生方たちと、同じような立場で、厚生省が出されたからまとめましょう、 ハイハイ、とはいかないのです。それから対立しようとか、この会議をもめさせようと かという気持ちは全くもっておりません。公的バンクを一日も早く作ってほしいという のは、私は皆様よりも一番多くもっていると思っておりますので、喧嘩腰とか対立とか は全くありません。私は出来るかぎり正論を自信をもって、皆さんの前で正々堂々と言 わさせていただこうと思っておりますので、委員のみなさまどうかそこをご理解くださ い。 ○齋藤座長  有田委員のご意見は皆さんはよくご存じかと思います。いかがでしょうか。他にもし ご意見がないようなら進めたいと思います。よろしいでしょうか。では議事に入らせて いただきたいと思います。  まず臍帯血移植の状況についてです。入手できる最新の状況をまず事務局から簡単に 説明していただきます。 ○重藤補佐  では事務局の方から資料の1と2をご説明させていただきます。  資料の1です。「我が国における非血縁者間臍帯血移植」ということでございます。 これは平成10年6月1日現在の非血縁者間のみについて集計しました集計表でございま す。厚生科学研究の研究班で取りまとめていただいたものです。現在までのところ27例 が非血縁者間の移植です。4月1日から保険の適応が始まったわけですが、4月1日か らですと19番のところからが4月1日ということで、8例が4月1日以降行われている というところでございます。  資料の2です。「日本及び海外における非血縁者間臍帯血移植の成績について」とい うことでございます。これにつきましては、成績についてはまだ確たる文献なりがあり ませんので、こちらの方で研究班の先生方にお願いをして資料を聞いたり、アドバイス をいただいたりしてまとめさせていただきました。まず日本の成績でございます。これ は先程資料の1で説明しました通り、非血縁者間の臍帯血移植は現在までのところ27例 でございます。ただ4月1日以降、まだ時間がたってないので成績を評価するというの はなかなかできません。したがいまして、6か月以上経過しているというところで、症 例数12をとりますと、生存率が約50%という状況でございます。  海外における状況です。ユーロコードにおける成績でございます。これはEurope Bone Marrow Transplant Meeting というものの抄録からの出典ですが、症例数は小児の白血 病のみですが65例、このうち1年経過した時点での生存率が29%でございます。  デューク大学、これは症例数143 例です。1年経過した時点での生存率は50%、2年 経過した時点での生存率が44%ということでございます。  資料2の2枚目でございます。骨髄移植の場合の成績でこざいます。上の段がスタン ダードリスク群、下の段がハイリスク群でございます。X軸が移植日数、Y軸が生存率 でございます。大体比較すると1目盛りが100 日ですので、半年と申しますと180 日で 2目盛り弱くらいのところを追っていっていただきますと、スタンダードリスク郡で80 %くらいが平均、ハイリスク郡でも70%くらいというところであろうという状況であり ます。以上が骨髄移植の成績、臍帯血移植の現在までの分かっている段階での成績、と いうことでデータを出させていただきました。  斉藤 ありがとうございました。これは何も骨髄移植と対比して出したわけではなく 現状でどうかということです。資料1を見ていただきますと、まずこれは新しい医療の 宿命ですが、状態のかなり悪い患者さんが適応患者となってまして、そのためもあるの で、非常に成績が良いというのは、十分に時期がたってないからでないとわからない状 態であるということです。白血病でいえば、最初の寛解では状態の悪いときに移植は行 われると思います。  しかしながらもう一面、このデータは現在は臍帯血移植が骨髄移植よりも遙に良いと いうデータでは勿論ないわけでして、いずれにしても萌芽的な段階、もう少し時間をか けてデータを集めないとわからない状態であると私は考えますがいかがでしょうか。 ○西平委員  今の座長さんからのご説明の通りだと思います。臍帯血に関しては、アメリカ及び ヨーロッパ、日本国内ともに移植前の状態が非常に骨髄移植に比べて条件が悪い人、例 えば、我々の神奈川臍帯血バンクで、13例を今までやってますが、その内訳をみると、 急性白血病の場合に第一寛解期でやられているのは、たったの2例しかない。あとは骨 髄移植をやったが再発したとか、それでやっと寛解になって、また治療して再発して、 2回目の寛解とか3回目の寛解、酷い場合には4回目の寛解というように、非常に条件 が悪い症例がいらっしゃるのです。  ですから当然、成績は骨髄移植の場合と同一に比較することは今の段階ではできない ということです。同じ条件の患者さんを揃えて比較して初めていえることであって、そ ういう成績はまだ世界中にまだどこにもないという状況です。 ○齋藤座長  しかしながら、有望な治療法であるので、何とか育てていきたいというのが現状の理 解ではないかと思います。したがってこのたたき台のトーンが、何となく骨髄移植と対 比して、臍帯血移植が、まだ十分でないような印象を与えるような読み方もできると思 いますが、しかし、現状は現状です。症例数も少ないし、十分に対等であるというデー タはどこにもないわけです。したがって、後は表現をこれから変えていただきますが、 そのような理解でよろしいでしょうか。 ○有田委員  専門の先生方が沢山おられますので、学術的にこういうことも大変に必要だろうとは 思います。しかし、医療保険は適応になりました。というのは、もう医療として認めて くださったから保険適応をしてくださったのではないのですか。昨年の2月に保険局に どうしても医療保険の適応をしてほしいということで、私たちがとるべきこと、専門家 がとるべきことを尋ねにいきました。  この二つが揃ったら医療保険の適応になるから頑張りなさいということを言われて、 世論喚起を私たちはやりました。医療者には浅野先生にもお願いして医療の成績を積み 重ねるということをしていただいたはずです。原先生、西平先生そうですよね。そうし てその成績を評価して医療保険の適応がなったと思うのです。そうしたら出発点は、医 療として認めたのだから、この臍帯血のよさを駆使して臍帯血移植を進めていこう。西 平先生がおっしゃったように、医療の方法のない患者さんを一人でも多く助けていこう ということではないのですか。専門家と私たちの思いにギャップがあるのですが、その 辺のところをまとめられるような形で進行をお願いします。 ○齋藤座長  勿論そうです。我々もこれを育てていきたい。将来的に少しでも良いものにしていき たいという目的でやっているわけです。しかし、今の医学だと、証拠に基づいた医学と いうのが米国をはじめ盛んに言われております。ただ夢のようなことだけで根拠のない ことをやるのは非常に難しいのです。したがってその辺は浅野先生も同じご意見だと思 いますのでどうぞ。 ○浅野委員  初期の治療であるということで成績はまだ十分に出せないというのは当たり前のこと です。しかしこれまでに救えなかった人を救うことができる治療法であることは明らか です。ですから、骨髄移植の成績をいつも対比して出される理由がどうしても私にはわ かりません。  この検討会で必要なのは、資料2に出された臍帯血移植の欧州と米国との成績の差で あろうと思います。なぜこんなに違うのかということを議論することが一番大事なこと であるのではないでしょうか。骨髄移植の成績を同時に出すことはただ誤解を招くもの であって、この検討会ではとくに必要ではないと思います。  さきほど誰かがおっしゃったようにセッティングに相違がありますから、科学的にど ちらがよいかどうかは比較することは決して出来ないことを十分に認識することがまず 必要でしょう。 ○迫田委員  報告書のたたき台のところで、治療法として初期的段階という言葉を使っておられる と思います。私はこの言葉が一番あたっているかな、研究の段階ではない。ないという のは、つまりこの検討会での認識ですが、治療法として私たちは認めたい。だから治療 法として初期的段階である。それはどういう医療もそうです。  例えば血液製剤の問題でも、何か事が、事実が、おかしいことが起こったときに、そ れがすぐ直せる仕組みを作っておく。だから何か思っていたことと違うことが起こりそ うな場合、あるいは遺伝の問題とかを常に直ぐ一番早い段階で検証できる仕組みを作る それが一番大事なことであるというのが、私の理解です。 ○齋藤座長  そうですね。では以上説明は終わりまして、いよいよ本題に入りたいと思います。こ れは多くの方かたら文書で多くの意見をいただいております。それでそれを一人一人や るよりも、順番に報告書のたたき台の1ページからご意見を伺いまして、それぞれの方 のご発言のところでは、出していただいた資料はついておりますので、それを引用して なるべく手短にご意見をいただきたいと思います。まず1のはじめにです。ここでこの ように書いたらいいとか、この表現は不適当というところはいかがでしょうか。 ○陽田委員  進め方についてお願いがあります。そのような形で細かいところに入ってしまうと、 大きな論点か見過ごされてしまうので、このたたき台に対するそれぞれの委員の全体的 な感想をまず聞いていただかないと、細かいところにいきなりはいるのはいかがなもの かと思います。 ○齋藤座長  そうしますと、お一人お一人にたたき台についての意見を聞きます。では陽田さんか らなるべく手短にお願いします。 ○陽田委員  このたたき台に対する全体の感想というところに書いておきました。19ページでござ います。国が責任をもってというか、骨髄バンクでは主導してという言葉が使われてお りますが、そういう形で臍帯血バンクを整備するのだというのが明確に書かれておりま せん。この検討会では、ぜひともその辺のところをきちんと明記するのが非常に重要で あると思っております。  基本的な理念が打ち出されていない。これは当然のことですが、誰のために行う事業 なのかとか、このバンクの役割はなんなのか、たたき台にバンクという言葉すら入って ないのです。それから議論されてない部分が、事務局の判断で沢山書き込まれている。 今後の展開において、事務局があまり努力をしなくてもいい報告書になっていくと私は 思っております。この検討会では是非ともある程度ハードルの高いもの、理想的なもの を目指して提案をしておく、それにどこまで事務局サイドが対応できるのか、しっかり 汗をかいていただくという報告書にしないといけないと思っております。  あと検討会では全く議論されてないのだが、明記しないといけない項目が沢山ありま す。それは22ページに表示してございます。先程いいました、基本理念については言い っぱなしではいけないと思いまして、昨日、急遽たたき台を私なりに作って、23ページ に『基本理念』なるものを一応書いておきました。  一番上に、必要最小限のところを書いてあります。それの説明を下に小さい文字で4 項目書いてあります。この辺のところをちょっと説明してよろしいでしょうか。 ○齋藤座長  どうぞ。 ○陽田委員  必要最小限これだけは書き込まないといけないというものの羅列でございます。これ はあえて臍帯血バンク事業という言葉を使っております。「臍帯血バンク事業は、臍帯 血移植を必要とする患者の救命のため、(誰のためかというのを明記するということで す)国の責任において、(これは議論の分かれるところかも知れませんが)善意の提供 者をはじめとする国民の協力を得て行う事業である、(したがって、患者のためであり ますから)公平性と迅速性のある事業、(特に臍帯血の最大のメリットは迅速性であり ますから)迅速性のある事業としてやる、というのをきちんとうたわないといけない。 (国民の協力を得てということもあって)公共性・透明性の高い組織によって行う。こ のくらいのことは共通認識としてきちんと文言として表現する必要がある。  これの説明として、先程の議論にありました、これは現状認識でありますが、研究的 な段階、あるいは初期的な段階であるということだけではなく、今骨髄移植でかなりの 実績を上げているが、それでも不十分である。この臍帯血への期待が高まっているので こういうバンクを設立することは、患者の治療法の選択肢が非常に拡大するという視点 から、これを是非整備すべきだということを打ち出す必要があるのではないか。  次に患者さんのことが書いてあります。患者さんの救命に寄与するには、良質の臍帯 血が公平にしかも迅速に供給される体制を、国の支援のもとに早急に整備する必要があ る。臍帯血バンク事業には、多額の事業費が必要になることから、公共性が高く、臍帯 血の保存等に十分な能力を有する組織に対し、財政的・公的支援を行って実現すること が望ましい。次は提供者のことを書いております。この事業は善意の提供者をはじめと する国民の協力を得て行うことから、透明性の高い事業であることが求められる。その ため、監視体制を整えた、非営利の事業とし、情報公開を積極的に行わなければならな い。すなわち事業主体としてのバンク組織は、善意の提供者から、患者の救命のために 臍帯血の管理と利用について付託を受けていると考えるべきである。  最後にもう一つ、これは私の今日の提案の中で一番大事だと思っているのです。さら に、臍帯血を供給する側(バンク組織)と供給される側(移植医療機関)は組織・人 事・財政などあらゆる面において厳格に分離されるべきであり、独立性の高い組織のあ り方が求められる、というふうに私は考えております。  この一番最後のところは、例えば血液事業のイメージで考えますと、供給する側と、 病院側が厳格に分かれておりますが、臍帯血も骨髄と違いまして現物があるわけです。 ですからこの辺のところを基本理念として、きちんと表現しておかないといけないと思 っております。 ○齋藤座長  ありがとうございました。今の陽田委員の言われたポイント、キーワードというのは 一応ですが例えば3ページの運営体制の整備に向けての考え方の中にほとんど入ってい るのですが、今のような形で、サマリーのような形でそういうものを書いた方がいいと いうご意見ですね。  全体に対する感想をいっていただくのか、あるいは最初からやるのかどういう形がい いのでしうょか。時間がないですよね。 ○有田委員  迫田さんの出されたものについては、私は全面的にそうだと思っています。それから 陽田委員、青木委員、出されたことについても殆どダブっていると思いました。やはり 陽田委員が出された具体的提案というところからしっかり決めていかないと、私の出し た要望書について、事務局から質問を受けましたが順序が逆です。 ○齋藤座長  わかりました。最初から順番にやるということですね。よろしいでしょうか。 ○加藤委員  一つだけ発言させていただきます。今回のたたき台というのは、私が提案したものに 非常に近い形でまとめられているということで、私自身はそのことについてある部分で 満足をしておりますが、しかし一方で、私のいわんとすることが、その通りに先生方に 伝わっているのかということについて些か疑問があります。13ページと14ページに、も う一度私が言おうとしたことについて、簡単にまとめさせていただきました。  まずこの事業は、短期的なものではないということ、長期的にわたる国家的な事業で あるというと、したがって、長期的なビジョンにより構築されるべきだということです これは陽田委員がおっしゃったことと全く同じです。造血幹細胞バンクという大きな枠 組みを提唱したわけですが、それは対象となる患者さんが同一集団であり、また設立の 目的は同じである。事業の内容は違ったとしても一つの理念の下に運営されるべきであ るというふうに考えて提案したわけです。その点については、全ての委員でなくても、 多くの委員の方にはご理解いただけたと思います。それが自然でまたオーソドックスな 考えであると感じました。  しかし一方で、これまでの10年間の骨髄バンクの歩みは10年前の社会情勢のもとに作 られたものが、なかなか新しい時代に対応できないで悩んでいるところもあるのは事実 でございます。このような時期に、骨髄バンクそのものについても見直しを求めていっ て、そして両者が新たな造血幹細胞バンクとして、更に良いものとして、1+1=2で はなくもっと10にもなるような、そういう組織に我々はしていくべきではないかと感じ て提案したわけです。そのために過渡期的な期間ということをきちんとおいて、双方の 整備を同時進行させるべきだと提案しました。  次に臍帯血バンクが複数必要かどうか、これは各論にあるいは入ってしまうかも知れ ませんが、我々の議論が、バンクという言葉が非常に混同されて議論されてきたと思い ます。保存される場所を狭義のバンクというのか、あるいはそのシステム全体をバンク というのかということで、議論が全くかみ合わない中で、あたかも対立しているかの如 くの議論になっております。私は対立は殆どないと感じてこの議論を伺っておりました そして有田委員にしても陽田委員にしても、非常に積極的な建設的なご意見があったと 思いますので、それを盛り込んでいけば、より良いものができると感じておりました。  また骨髄バンクはもう変わらないものという固定観念の議論も、またこれを捨てるべ きだと思います。ここで変えていくべきものと思います。ですから、今日は少し早めに きていろいろな先生のご意見を読ませていただきました。骨髄バンクはすでにあるもの だから、そこに触れてはいけないという浅野先生他3名の方のご意見がありましたが、 私は必ずしもそうではないと思って議論を進めていただきたいと思っております。 ○齋藤座長  ありがとうございました。西平先生どうぞ。 ○西平委員  ただいまの加藤委員の意見に対してですが、確かに、究極的な理想的な図はそうであ ると皆は思っていると思うのです。しかし今は臍帯血移植あるいは臍帯血バンクのこと を検討しているわけですから、そこに骨髄バンクとか骨髄移植、あるいは末梢血幹細胞 移植とかを全部一緒にして議論していると、なかなか臍帯血移植あるいは臍帯血バンク というのは、早くやりたいという気持ちを皆さんはお持ちですが、それはそういう壮大 な意見では直ぐにはできないと思うのです。  例えば来年度の予算要求がどうとかこうとか、あるいは再来年にやろうといっている のに、それを骨髄バンクも改装して、その中に臍帯血バンクも一緒にしてとかいってい ると、いつできるかわからないと僕は思うのです。だから、短期的な問題と長期的な視 野というもので、ある程度区別しないと臍帯血バンクというのはただちにはできないだ ろう。  私の考えでは、最初は骨髄バンクとはあくまで別な組織として出発すべきものではな いか、ある程度それが定着して、上手く軌道に乗るようになった段階で、造血幹細胞バ ンクというか、そういうものと上手く連携すればいいのではないか。勿論、途中の段階 で情報交換というのは何らかのものを作ってやればいいことであって、最初から骨髄バ ンクの組織が悪いのに、そこに入れようといって、それをやっていると、いつまでも骨 髄バンクということが出ていくからできなくなってしまうのではないかと、私は危惧し ます。 ○加藤委員  私も全く先生のおっしゃる通りだと思います。ですからそのことはそこに書いてござ いますが、骨髄バンクの中に吸収しようというような議論はできない。ここの会で、長 期的なものはそこであるということの共通認識をもった上で進めていただきたいという ことを申し上げたのです。長期的に私は仮に3年と申しましたが、先生のおっしゃる整 備というのが、それくらいの時期で成されるべきだと考えての発言でございます。 ○青木委員  加藤先生から私と浅野先生と原先生の案についての話がありました。たたき台の中で 造血幹細胞バンクというのは、骨髄バンクを改組してという意味にしか読めないわけで す。私はここでいいたいのは、財団法人骨髄移植推進財団というのは独立した財団です から、そこには理事長がいて理事がいて、そこで意思決定をすべきものを、こういう検 討会でそれを改組してどうすべきであるという議論、あるいは結論を出すべきではない これはそれこそ他の財団のどこでも、厚生省の認可だから自由にできるというようなこ とに読めてしまうわけでございます。  もう一つは私も基本的に最終的には、将来は造血幹細胞を全体の枠の中でやるのは、 非常に大事なことであるという認識をもっております。しかし最初からの議論で、そこ が対立軸になってきたわけです。骨髄バンクの業務内容と、臍帯血バンクの業務内容は 全く違うということです。片方はコーディネートをして健康なドナーにやっていただく という内容であり、片方は臍帯血を保存してそれを供給するという仕事ですから、基本 的に違うわけです。しかもデッドストック等もあって大変な金額がかかる。これを直ぐ にやるには、できるところがやらないとできないのです。それを理想的な姿に最初から もっていく案というのは問題がある。  したがって、この修正案を出させていただいたのは、そこがトーンになっているわけ です。その辺のところです。ここで今まで対立軸というか問題になったのは、例えば一 つのことを言えば、第3回に議論した臍帯血移植の性格ということで、血液事業とは異 なるという表現があのときの案にあった。それに対してそうではない、移植そのものは 輸血と違う、しかし採取・保存・搬送する過程では、現行の血液事業の業務と重なると ころが多いという浅野案が出てきたわけです。  ですから基本的に最初からのトーンは、これは血液事業とは違うという議論がずーと 展開されてきたというところに、非常にいろいろな混乱がおきる原因だったと思います ○小池委員  私はこの臍帯血移植という問題と輸血とは全く違うという認識に立っております。受 け身で消耗していく血球・血小板と、体内で定着して増殖していく、臍帯血はまさに移 植でありまして、これと同じに論じるのはいかがなものかと思います。 ○関口委員  私の発言で混乱がずーと続いたような話が今言われたようですが、小池先生が言われ たように、輸血と移植というのを同じにすることはできない。私は直接に事業の実務を 担当しているわけですが、輸血はあくまで600 万人の献血を受け付けて、年間100 万人 に行っています。そういう患者を対象に輸血を行っている事業と、高々5万くらいの保 存で数千人を対象とする事業と、行っている作業が似ているから同じレベルで実施する ということに反対しているわけです。  ですからあくまで今の臍帯血バンクというのは、一つは考え方として、治療法として は骨髄、末梢血、臍帯血という造血幹細胞移植の選択肢をどうするのかということなわ けです。ですからこういう3つの選択肢の供給源というのは、将来とも同じに考えてい かないといけないわけですし、その中で今コードブラッドバンクというのが選択肢とし て上がって、できるだけ早く実現しようということですので、むしろその方を先にすれ ばいいわけです。ですから治療の将来像というのは見えているわけです。今は機構をそ れに合わせるということであれば、選択肢が一番早く実現できる、コードブラッドバン クに集中してやればいいし、将来骨髄財団と一緒にするということであれば、それは造 血幹細胞の財団として発足したときに、治療法の選択肢として入ったコードブラッドの システムが完成するのではないかと考えます。  むしろ、治療法の将来像というのは皆さんは分かっていると思うので、急いで機構に 入った方が早く結論がでると思います。 ○齋藤座長  そうですね。今の議論をうかがいますと、既に前に出て決着がついたことと同じこと を主張されても、遅れるばかりですので、そこは議事録を見ていただくしかないと思う のです。 ○浅野委員  バンクという定義というか委員の認識が一定しないということですが、発言したいと 思います。将来像としての造血幹細胞バンクは審議会的なものと私は考えています。細 胞を保存し供給する施設とは明確に区別しておく必要があると思います。  私はその意味で3ページの造血幹細胞バンクという言い方より、むしろ造血幹細胞移 植審議会の方がよろしいのではないかと考えました。 ○古市委員  話が具体的な項目に入ってきて結構だと思います。既に始まってから1時間を超過し ております。1本立てか2本立てか、もう一つ別の形か、組織運営の基本について、い ろいろな意見があるように思うわけですが、個別に委員の先生方が出された項目が挙げ てあるので、その議論を詰めていって、大体日本全国で何か所くらいがこういう性格で なる。それに対する公的支援はこのくらいは可能である、それを集めて運営していくに はどうすればいいのか。既存の骨髄移植推進財団との関係はどうか。こういう手順でい ったら段々収斂していくのではないか。上からいこうとするとなかなか進まない。そう いう形で議事進行していただけたらと思います。  もう一つ、今まで1時間聞いていたのですが、この検討委員会は臍帯血の移植検討会 となっているのです。臍帯血バンクを作ることがこの検討会の目的ではないわけであり まして、幹細胞の移植で救われる方に、臍帯血の利用をいかに迅速に公的支援で皆の熱 意で広げるのかというのが目的で、そのためにバンクがいるのかどうかという話になっ て、臍帯血バンクという言葉があるとかないというのは二次的な問題であると思ってお ります。 ○有田委員  局長そうだったのですか、公的バンクを作るという目的でこの検討会は開かれたので はなかったのですか。そうしたら公的バンクを作ってくださいという450 に上る地方議 会からの意見書、200 万を越える署名、これについては、この検討会は関係ないという ことでしょうか。 ○古市委員  私がいったことでして、それは誤解を受けたらいけませんが、目的は公的バンクとい うものを作るというものも、それはいかなる形で公的な支援の下に、全国に早く臍帯血 の利用が普及するのか、これが目的であるということです。しかも、公的臍帯血バンク というものについての理解が違う、そこのところをここの項目で先生方が言われた姿を 明らかにしていけば、それがはっきりしてくるのではないかと申し上げたのです。 ○齋藤座長  今の言葉の定義の問題とか、それでいつまでも議論をするのは無駄だと思うのです。 私の提案は、最初の陽田さんの提案のように、理念というか、全体のサマライズしたよ うなものは皆さんが全く同じだと思うのです。例として上げられたものですね。その点 はよろしいでしょうか。これを最終的にどこに盛り込むかは別にしてですね。  23ページです。「臍帯血バンク事業は臍帯血移植を必要とする患者の救命のため、国 の責任において、(ここの国の責任という言葉はあれですが)善意の提供者をはじめと する国民の協力を得て、公平性と迅速性のある事業として、公共性と透明性の高い組織 によって行う。」この部分はご異論はないと思うのですが、いかがでしょうか。国の責 任においてというのが一番の問題だと思います。そこまで強くいっていいのかどうかと いうことですね。 ○小池委員  国家責任ということになりますと、コードブラッドでは完成された成人からとった骨 髄移植と異なり、そこに病的遺伝子が混入する恐れがある。10年あるいは20年たってみ て、はじめてその結果が出てくるわけで、あまりに国家責任を強調されると、コードブ ラッドの進展が上手くいかないと思います。 ○齋藤座長  恐らく陽田さんの書かれた意味は、全面的に国がバックアップするべきであるという ことを強調した表現であると思います。ですから実際に他の言い方の方が恐らくいいで しょうね。 ○陽田委員  これでいいのかなというのがあったのです。例えば、国の支援の下とかという表現に 換えることはやぶさかではないのです。骨髄バンクでは国が主導してという言葉を使っ ているのですが、そこのところがどうなのかなということで、一応は一番強い表現で書 いておきました。 ○小林局長  今、陽田委員から国の責任ということではないということで、ご理解賜っているので いいのですが、国の方も、結局は国も皆さんのいろいろな方からのご支援をうけて、こ れが良いことだから国民のためになるから何とかして支援をしていきましょう、という つもりでスタートしておりまして、国の責任で全部やる、だから国の命令になるのかと いうことになるとまたおかしなことになってしまうのです。今回も多分先程も臍帯血バ ンクというのは、実は要請された人は、骨髄バンクのイメージがあって、それに似た臍 帯血のこともやれるようなというくらいの認識で皆さんがおっしゃっておられると思う のです。具体的に臍帯血バンクがどうである、というイメージまで持っていってらっし ゃるわけで、国の方としても何とか臍帯血の移植で患者が救えるようにしてあげたい。 そういうことで支援を申し上げたいということであります。国の責任となると、今度は 途端に副反応のいろいろな問題があるのかも知れない、そこも全部詰めないと、慎重論 の人は、そういうところまでいうと出来ませんという話になってしまうのではないかと 思っております。  ですから皆さん方も、これは治療には役立つという報告があるのだ、だから皆で応援 して何とかしていきましょうということですから、国も支援をしようと思っているので ご理解賜りたいと思います。 ○齋藤座長  そうですね。そういう理解でよろしいと思います。結局、古市委員からご提案があり ましたように、そういうことをやるのに、どういう運営組織でやるのかということだけ の違いだと思うのです。あとの総論的なことは、長期的には造血幹細胞としてもすぐに いけない。3年でいくのか10年でいくのかの、それぞれ違いはあると思うのですが、取 り合えず当面どういう組織でそれをやっていくのかということを伺いたいと思います。  先程から加藤委員、西平委員のお考えは伺いましたので他の意見はございませんか。 ○小林局長  事務局の方で、骨髄バンクにならって臍帯血バンクも国で一か所という考え方ですと 非常に説明がわかりやすくてしやすいのですが、複数となると、途端に実はどういうふ うにして複数を定めるのかという、事務局が質問を作った答えがないと、具体的に作業 が進められないことになります。これが例えば地方であるとしたときに、幾つとするの か、皆さん方のご意見だと、できるだけ自由な競争ということになると、新しく新規に 出てくる方に対するものもフォローしないといけない。それにはどうするのか、何を審 査するのか、いろいろな問題が沢山ありますので、ご意見として複数と言われる方につ いては、ここに書いてあることについても、この説明についても、合わせてお答えを頂 かないと、ここで皆さん方が複数という設置でいきましょうと固められても、実態上で はどうなるのか、そこが詰められないと、国側の姿勢としては、どうして無責任に複数 としたのかということになって、説明がとてもできませんので、そこについても合わせ てお答えをいただきたいと思います。 ○齋藤座長  ではまず陽田さんの方からお願いします。 ○陽田委員  質問にならっていきます。その前に今、骨髄バンクと臍帯血の関係の議論が出ていた のですが、私も骨髄バンクにどっぷり漬かってきた人間ですので、この検討会が始まっ た時点と、現在の時点で、骨髄バンクのイメージを頭の中から捨て去って、臍帯血をい かに一番良いものにするのかという発想をするのに、相当苦労したのです。  なにを言いたいのかといいますと、どうしても骨髄バンクがこうであったから臍帯血 バンクもこうであるという発想でいくと、臍帯血の最も良い部分を見逃してしまう危険 性がある。患者の立場から申し上げれば、とにかく骨髄バンクよりも迅速にできるとい うのが最大のメリットですから、そこを最大限に生かす組織にしないといけない。です から、情報の扱いも骨髄バンクとは全く違った扱いでないといけないし、患者登録とい う発想自体が、骨髄バンクとは違ったものでないといけないと思います。  患者の受付をして審査をして、それでどうのこうのという書類のやり取りを、骨髄バ ンク的な発想でやっていたのでは、臍帯血の良さは生かされない。そこを一番強調した かったのです。患者がいかに自由に選択できるのかというそこのところをきちんとしな いといけないなという発想から、今回のようなご提案をさせていただいたわけです。  この質問に関しては、私が今まで出したものに全て書いてあるのです。敢えて申し上 げると、何か所を想定しているか、これは私は3〜5か所と申し上げておりますが、こ れは実際には軽々に言えないのです。どのくらいの需要数があるのかというところから 入って、それではどれだけストックするのかという計画を立てて、それにはどのくらい 例えば一か所あたりの保存施設が年間でどのくらい集められるのか、その辺のデータが 出てこないと、言えないことなのです。  ですから私は、例えば一か所の保存施設が年間で1,000 保存できるという前提で試算 したのが3〜5か所です。常に経営を考えるときに、財政的なものを考えないといけな いのですが、保存数一つに対する単価で積み上がっていくものと、保存施設一か所当た りに対して積み上げないといけないものと二種類あるのです。ですから数が増えれば増 えるほどコストがかかるのは明らかです。ですから少ない方がいいに決まっているので すが、一か所ということには、それ以外の問題がいろいろあるので少ない方がいい、で すから3か所から5か所当たりの程度が理想かというふうにご提案しているわけです。  関東地区に複数のバンクを設置することも想定してというのは、これは分かりません 地区割りとかは考えておりません。最も効率よく、保存できるところでやっていただけ ればいい、運営主体として具体的にどういう法人を想定しているのか、これは固有名詞 をあげるのはいかがなものかと思いますが、私のイメージとしては、例えば血液セン ターを母体とした数カ所というようなイメージではどうかと思っておりました。あくま でも母体としたということですので、そこにはいろいろな地域の応援体制を整備した形 で数か所かというイメージて考えておりました。ただそうでないといけないとは思って おりません。  臍帯血バンクの指定については、どういう基準で指定するのかということについては 前回の具体的提案ということでお出しさせていただいて、審議できなかったので今日ま た資料をお配りさせていただきました。参考資料の1のページの5番に書いてあります あくまでも希望する法人を公募して、公正に審査して決定する、その審査は別途審査委 員会を構成して、透明性をもって行うということで、審査の主な内容ということでずー と書いてあります。ここのところをきちんとオープンに決めていかないと、どこかにお 任せして、どこかがわけの分からないうちに決まっているというのは、いけないだろう と思っております。  指定されなかったバンクであっても、臍帯血バンク活動を行うことを排除できるのか これは法律がない以上は排除できないでしょうね。排除できるとすればその根拠は、と いうことですが、ですから私は最初に事務局の方に出した中に、法律に基づかない事業 でいいのですかということを書いて出したのは、この辺のところからそういうことを申 し上げていたわけです。この辺は全く議論されておりませんので、議論をされていない ところでこういう質問が出てくるのはおかしいと思います。  立ち上がった後の新規の参入希望は受け付けるのかというのは、基本的に選定したと ころに公的な支援というか補助というものをするかしないかの話ですから、それは受け 入れるとか受け入れないの問題とは別だと思うのです。前の質問と関連すると思います  各バンクの保存数について、これは年間保存の全体数の計画は当然策定しないといけ ないでしょう。各バンクの割当を考えるのか、これは最初に応募をしていただくときに 大体そこの施設で年間はどのくらいの見込みがあるのかということを出していただくわ けですから、その能力に応じて割り振っていくという形になるのだと思います。  私は先程の小林局長のお話で、数カ所に分散するということになると非常に難しいと いうお話がありましたが、現実には幾つかになっても、私の提案ではそこに連絡協議会 的な組織をそれぞれから人とお金を出して作るのですから表看板は一つになるのです。 実際の業務を行うところは複数になる。ただ、かなりの権限を与えないとそこでやる人 達の意欲が出てこない、情熱が出てこないという意味で、単なる下請け施設にしては不 味いと思っているわけです。 ○齋藤座長  ありがとうございました。 ○小林局長  質問します。今一つとおっしゃられましたが、一つのバンクがあって、各々のブラン チができるだけ自主性を持たせてやるという形でもいいというふうに聞こえるのですが そうではないのでしうょか。陽田さんが前からおっしゃっているのは、非常にありがた いことは、前からできるだけ役所には頼らずに自主的に運営する。初期投資のところは 別としてとおっしゃっているので、それは確かに良い考え方だと思っております。それ は各々会計は全然別で独立してやらないと、それはなかなか競争もおきない、そういう ことになると問題なのは、私どもは非常に心配しているのは、例えば、関東には3つも 4つもできる。ところが北海道も九州も人口が少なくなってくるから、なかなか難しい ということになってくると、国として初期投資をするときに、税金を投入するときの公 平性をどう考えるのかということが、大変に辛い問題になるわけです。  だから全国のために一つのところに補助金を出す、それを全国で使っていただくとい う仕組みはいいのですがね。どこかにそれを分けるということになると、それはどうな るのかというのが非常に、我々が予算を考えて、実際に全国の国民の皆さんにご説明す るときの形がわからないので求めているということです。そこをもうちょっとその先を 教えてください。 ○陽田委員  これはテクニックの問題になると思うのです。私の発想としては、何か所かに応募い ただいて、最も有効と思われるところに3か所なら3か所、独立してお願いする。独立 した法人で責任をもってやっていただくという発想です。ばらばらにやるのは困ります から、人と金を出し合って、連絡協議会的な一つの組織を作る。ですから例えばそうい うところを経由して、3か所なら3か所に初期投資の部分を支援していただくという発 想はできないのかなということです。 ○小林局長  細かいことですが、例えば、3つといったときに、その3つというのはそれぞれの サービスエリアというのを定めていくということなのか、それともそうではなく、同じ サービスをA社、B社、C社が競争するという形のイメージなのかというところがよく わからないのです。  逆にいうと、全国の迅速性・利便性ということを考えたときには、例えば考えつくの は、臓器移植などは各ブロックごと作るというが、必ずしもブロックセンターが一番便 利なところではない可能性があるのです。今日本の全ての交通網は東京へ東京へと向か っているので、実際の利便性ということになると東京にあった方が便利だということに なってしまう。すると東京の中にA・B・Cという3つがあってもいいのですかという 議論が出てくるので、その辺が今さっきいったように、迅速性とおっしゃられた総論は 結構だと思うのですが、その迅速性を担保するには、では具体的にブロックに1つとい う言い方になるのか、関東に3つあってもいいという言い方になるのか、そこの詰めの ところが結論は非常に大事な問いなのです。迅速性ということについては、皆さんは異 論はない、それはそうでしょう、私もそうです。では具体的にどういう図を書くのです かということです。  コストディスタンスとタイムディスタンスがありますが、それを考えたときにどう考 えるのかというのは、実は我々行政側が物を決めるときに難しいことになるのです。そ こを考えていただきたい。  もう一つは、新規参入をどう考えていくのか。今まではどちらかというと医療の世界 というのは社会主義的であって、大体皆がブロックにセンターを作って、ブロックと地 域医師会ということで、基本は都道府県になっているのです。ですから我々の理屈とし ては47都道府県、各県知事さんから、我が県でもという善意が出たときに、知事さんは うちも受け止めたいからうちの県にもバンクを作ってくれというときに、あなたのとこ ろは駄目だとどうやっていうのですかということを具体的に考えないと非常に難しいの です。  ですから3つとか4つとか7つと言われても、どうやってそこを決めるのかという裁 量を、実は青木さんの方の案にもブロックの案があるが、そこをどう詰めるのか、今ま で聞いていると、青木先生のいっていらっしゃる考え方と、陽田さんとは少し違います ね。こちらはどちからというと独立採算性ということになると、関東に2つあってもい いという理論になるし、青木さんの方はどちらかというとブロックに1つずつという地 域サービスエリアを決めていくという考え方です。その辺です。  1つのときには、一か所に税金を払うというか援助するということで済みますが、ブ ロックにした途端に、なぜ地方分権であれば各地方自治体にやってもらえばいいのに、 どう考えるのですかというときに、我々はどう答えていくのかということになるわけで す。その辺のところは、皆さんの数カ所というのはイメージは飲みやすいのですが、実 は行政の方では、税金を投入するときにも、国民に公平というところで大変に難しい議 論になる。その辺のところについて今は問題点の難しさを説明させていただきました。 ○齋藤座長  核心に近い議論になってきたと思います。では陽田さん簡単にお願いします。 ○陽田委員  私はエリアを決める必要はないと思います。採取の業務においては、あるエリアは現 実的には限定されると思うのです。そう遠いところから採取して保存することまではで きませんからね。ただ保存施設から医療機関にもっていくものについては、特に北海道 であろうが九州であろうが関東であろうが、迅速性とは全く関係ない。迅速性というい っているのは患者が治療を望んだときに、時間のない患者さんがいかに移植まで早くで きるのかという意味での迅速性でございまして、既に保存されているものを運ぶのは、 そのスケジュールの中で運ぶわけですから、ブロック割りというイメージにはつながら ないと思います。 ○西平委員  先程小林局長さんがおっしゃった考えです。陽田さんの意見に対する解釈ですが、私 自身は各ブロックとか地区別に幾つか作って、それを競争させるという意味がよくわか らないのです。これは共通のものですから競争原理というのは、普通の会社ならそれは 通用するのかも知れないのですが、こういう、しかも公的バンクと称するわけですから そこに競争原理は必要ないし、おかしいと思うのです。 ○小林局長  ちょっと一言。公的バンクという公式で、厚生省が公的バンクを定めるといったわけ ではないのです。ですから、ご議論として公的という頭を先におかれて議論のディスカ ッションをしてしまうのは、ちょっと私どもは使いたくないので、それでまずはいって いるわけです。 ○西平委員  名前はとにかくとして、公的なものである。プライベートのバンクではないわけです そういうのは競争しあうというのは、医療の面では馴染まないと思うのです。ですから 私もさっき小林局長さんが陽田さんに質問したときの意見のままですが、一つに、一応 中央的な、一つの事務局的なあるいは協議会的なものでもいいのですが、こそに日本全 国のものが一つあって、各地区に幾つかになるのは議論の分かれるところですが、そこ で分かれていて、各地区で独立したいろいろな委員会とか、支部というのでもいいし、 地区といってもいいのですが、そのように分かれて活動すれば、そしてお互いの地区同 志は常に連携を保つ、いつでも簡単にサーチなり連絡が直ぐにとれるシステムがあれば 中央に何とか委員とかを設けて、そこに予算を出せば、その予算を各地区に分けるとい うイメージではないのでしょうか。私はそう思っているのです。 ○中谷課長  只今の論議を聞いていて、問題点が明らかになってきて大変に良い論議になってきた と思います。私は臓器移植室をもっている課長として、これから予算要求をしていくと きに、こういう話を十分につめていかないと予算要求ができないのです。ただいま伺っ たのは、陽田さんの意見は例を言えば、テレビを作る東芝とシャープと幾つかありまし て、それがお互いに良い製品を作ることで競争すればいい、それで目茶苦茶な品質にな らないように、何か公的監視機構なりを作ろうではないですかという案だと思います。  今の先生からお話があったのは、そうではなくJR東日本と何とかとありまして、そ こでJR本社というのを作って、それぞれ各会社が連携をしあってやろうではないか、 こういうイメージが段々出てきましたので、座長、是非このような具体的なイメージ作 りの論議を進めていただければ感謝いたします。 ○齋藤座長  では青木さん具体的な話をお願いします。 ○青木委員  大分本当の検討会のような雰囲気になってきまして喜んでおります。私はこの質問事 項についてお答えするのですが、何か所を想定しているのか、私の方の修正案で3ない し7か所といっております。これは何故かというと、この議論がありまして、第4回の 議事録の20ページに出てます。陽田さんの3〜5という案があって、西平先生の7とい う案があったと思います。どなたかが9という案があったと思います。そこで座長さん の方でまとめられたものが3〜7かなというお話だったのです。  私は基本的には、例えば2万の検体を保存するには1か所で十分だと思います。それ が一番ローコストでできる。例えば東京で2万検体を3年間で集めるとすれば1年間に 7,000 全国で120 万件の出産がありますから、東京だけでも12万の年間の出産がある。 あるいは近隣を入れるともっとあります。  採取と保存は十分にできます。供給も交通網は東京から飛行機がどこにでも飛んでお ります。その意味では1か所でいいと思います。  しかし、東京にいつ震災が起きるかわからないということを考えれば、この案に書い ておりますようにブロック別に分けるべきであろう、それも1か所の地震で全てがアウ トにならない。保存だけを別のところにもっておいてもいいのかも知れないのですが、 しかし、これは地域別に最初は私は3か所くらいでブロック別にわける。それは何故か というと災害に対する対処と、私も臍帯血を提供したいという方は全国にいらっしゃる わけです。しかし、各都道府県にあるいは各市町村に採取できるような形はできないで あろう、せめて全国に3〜7か所に、代表的な地域の周辺の方にご協力いただける。そ のような提供者の気持ちを広く求めるという点でブロック別がいいのではないか、それ が3か所ではないかということです。  運営主体は、まさにここには品質の競争とかあるいはサービスの競争という書き方を しておりますが、実はそうではなく、本当は独占の弊害を排除するためと書きたかった のであります。国有鉄道のさっきの話であります。国有鉄道が分解した。これによって サービスが違ってきた、その前には独占の弊害が非常に強く言われてきた。ここでもそ れに類したことが問題として指摘されておりました。その意味で、災害リスクと善意を できるだけ広い範囲からいただくということと、独占の弊害を排除する意味で、それぞ れがある程度の努力をする、そして外からそれを監視できるようなシステムがいいだろ うということであります。  具体的にどのような法人かというと、これは最初に申しましたように、直ぐにできる 体制ができるだけ整っているところにやっていただく、こういうことであろうと思いま す。もっと大事なことは、私のところで責任もってやるという法人の意思決定が一番大 事である。そういうところが、自分たちはこれだけの準備ができます。国の補助金をど れだけいただきたい、あるいは寄付をどれだけいただきたいという計画を立てて名乗り 出ることであると思うのです。  それを陽田さんの案にあったように、今回に持ち越しになっておりますが、審査委員 会を作って、その中でそれが適当であるか不適当であるかの判定をしていただく。それ もブロック別に一か所づつの判定をして決定をしていけばいいであろう。  当初は3か所なら3か所、将来的にはもうちょっとブロックを分けて7つにするとい うこともいいと思います。その場合に、新規参入はまだ設置されていない新しくできる ところを選定するということでやっていくべきであるというのが私の意見であります。 ○小林局長  すみません。私の都合が悪くこれで失礼します。今3とか7と言われたときに、今の 日本のブロックは、ブロック制でいろいろな切り方がありますが、大体8つに切るか9 つに切るかという話になります。だから7とか5といったときに、それ以外のブロック 例えば3つ作ると言われたときには、全国8ブロックあるとすれば5つのブロックはな いということになります。その時に国が今度はその3つのために投資をする、他のブロ ックの遠いところは、おかしいではないか、それは地方公共団体の金でやるべきではな いかという議論が起きかねないので、そこは、各ブロック全部に作るという発想ならい いのですが、それはそれでそういう考え方ですが、今は当面3つというですが、ここま で認めますという言い方なら、それは準備ができたところからという言い方になります が、そうではなく、初めから3つと言われてしまうと、これは先程からいっている公平 ということで、国民の皆さんに公平に作るという論理から少しずれるのではないかとい うことが気になりますということだけを申し上げます。 ○浅野委員  私どもがブロックといっているのは、そのように均等にわけるというのではなく、採 取と搬入の効率性と利便性から考えて必要な場所に置くということです。そうすると、 人口密度の高いところに落ち着くのではないでしょうか。どこにあろうが、国が支援す る公的なものですから、ちゃんと説明できればそのような問題や文句は出ないと思いま す。 ○齋藤座長  一方、各地でも9か所にできておりますし、そういう各地の運動の盛り上がりという ものは、どうしても生かしていく必要はあると思うのです。ですから最終的な数を幾つ にするのかというのは、今日のところはまだ完全に決める必要はないと思います。その ような理解でよろしいでしょうか。 ○迫田委員  ブロックというのはほとんど私は意味がないと思うのです。つまり全国に公正に提供 されるということが保障されていればいいのであって、実際に保存をしてくださる臍帯 血バンクにはどちらかというとお願いをするというか、私は新規参入がどんどんあると はとても思えなくて、よくお話を伺っていると、非常にお金がかかって大変な事業であ る、だからやってくださるところにお願いをするような形、気持ちとしてはそうだと思 うのです。しかも産婦人科病院に対しても、例えば東京にあるからといって、東京にあ る産婦人科のお医者さん全部にお願いするわけではなく、恐らく幾つかの、協力をして くださってしかも条件の整っている病院にお願いをするということであるわけで、それ はかなり限定されたものにならざるを得ない。  だから提供したい人は沢山いるが、それはそのことを理解してほしいということを言 うしかないし、自分のところにバンクがないという自治体の知事さんに対しては、それ は全国に公正に供給されるのだということを伝えればそれはそれで済むことだと思いま す。  それで、現在9つある臍帯血バンクをやってくださっている方々を、そのことを専門 家の方々がどのようにお考えになっているのか私には分かりませんが、やってくださっ ている方々のところを、利用させていただく。これしかきっと早く始めるには方法がな いのではないかと思います。そのために、ある条件と基準を決めた上で、ただもう整理 統合していけばいいのではないかと思うのです。9つ必要があるのかどうか私には分か りませんが、とにかく供給は本当に公正であることを情報公開を義務づければ、それで 済む話ではないかというふうに聞いておりました。 ○原委員  幾つかの今のご意見を聞いておりました。私自身は西平先生がおっしゃったように、 ブロックを一応頭に入れて、やろうというところをそのブロックの中から選んでいくと いうことが最も現実的ではないかと思っております。できるだけ人口の多いところでや ろうというところを選んでいく。法人化にするのかどうか分かりませんが、そういうバ ンクを選んでいくことが非常に大事で、当面少なくとも充実していくためには非常に大 事なことではないかと思っております。  西平先生がおっしゃいましたが、もう一つ各地のブロック別に選ぶ理由は、その各ブ ロックの患者さんの状況を把握できる。中央だけで患者の状況を判断して提供するとい うのは、少しズレが出てくるのではないかと思っておりますので、できるだけブロック で患者の状況を把握して、中央の方で決まったことに対してのご意見を付け加えるとい うのは非常に大事なことであろうと思っております。その意味では、ブロック別を一応 頭におきながら、なおかつしようという意思を示しておられるところ、これを選んでい ただくのが非常に大事なことではないかと思っております。  先程、3か所とか7か所という話がございましたが、臍帯血バンクを作ろうという意 志がないところに作れとこちらからお願いをするのも少しおかしな話でして、バンクを 作りたいあるいは運営していきたいという団体に対してお願いするのが筋と思います。 その意志がないのにやってくれというのはおかしいと思いますので、今一所懸命やって おられるところをできるだけサポートしていくという形が、現実には非常に大事なこと ではないかと思っております。 ○小寺委員  今のことに追加というか補足です。迫田委員が先程新規参入がないというふうにおっ しゃいましたが、これは既にあるのです。複数地区にあるのです。臍帯血バンクを作り たいといのは、いろいろなモチベーションで皆さんは動いていらっしゃって、ここに並 んでいらっしゃる方はみなそうです。これは単に患者さんを救う、これは勿論当たり前 でベースにあるのですが、それ以外にいろいろなことで情熱をもってやっていらっしゃ ったわけです。  今できてないブロックで、例えば北陸とか中四国とかはあるわけです。この検討会で 現在の9ブロックでやりましょということになると、この検討会そのものの性格が変わ ってくるのです。ここで規制した、既成事実を追認したに過ぎないということを言われ ますから、これはちゃんとした基準を設けてやらないと絶対に納得しないです。 ○関口委員  今の分離分割の問題について、ちょっと話をさせていただきます。比較をするとまた 誤解を生むので困るのですが、血液事業では600 万の献血者を受けるわけですが、これ は全国的に広く献血を受けるというのが基本です。ですからもし献血の効率を上げるの であれば東京だけでいい、あるいは大阪だけでいいということになるのですが、献血と いうのは国民運動ですからそういうわけにはいかないわけです。  それと今のコードブラッドを比較しますと、全国的な展開を見せるのは、これは患者 さんに対しての供給であって、採取ということからすると必ずしも北海道のど田舎まで いかなくても札幌で結構であるということになると思うのです。そうなると、採取につ いては少なくとも100 万以上の大都市であれば、かなりの数の妊婦を得ることができる その意味では少し献血の場合と違うということを認識して、分割していかないとならな いと思います。  もう一つは大事なことです。先程から聞いておりますとコードブラッドバンキングシ ステムのことと、コードブラッドバンクということと混同して行ったり来たりするので 非常に誤解を受けるのです。システムはシステム、保存するバンクはバンクと分けて話 をしていただきたいと思います。 ○齋藤座長  これは最初からそうですが、物理的なハードの問題とソフトの問題がそれぞれ各委員 の方によって少しずつニュアンスが違って、ある程度混乱してます。今は特にハードの ことをお話いただいたと思います。他に具体的なご意見のある方、どうぞ。 ○陽田委員  先程私は基本理念の一番最後のところで、供給する側とされる側を厳格に分けないと いけないということを申し上げたのです。この辺についての他の委員の方々からのご意 見がないのですが、ここは非常に大事なところだと思います。それでこの検討会の委員 の方々の中には、実際に9か所に係わっている方がおられるので、非常に申し上げにく いのですが、ここのところはきちんとやっておかないといけない。  ですから今は医療機関が中心にやっておられるところが、もし今度の新しい枠組みの 中でやるとすれば、組織をきちんと変えて、独立性を持たせていただかないと、そうい う形で認定をするという形を取らないと、非常に不味いことになりはしないかという危 惧をもっております。 ○齋藤座長  そうですね。特にブロックごとにやった場合には、狭い中でやりますから大事なポイ ントだと思います。 ○西平委員  質問事項の保存件数に関してです。今まで2万ということで、これは私の論文にも書 いて全国に分割してやればいいのではないかということで2万というのが出てきた根拠 は、HLA一座不一致までのことを想定して、HLAが合う確率のことです。ですから 90%以上は2万ということであって、これは使えるものは、子どもに限ってのことです 大人の場合だとそれの5分の1くらいしか大人に使えるものはないと思うのです。HL Aがあっていてもね。  ですから、保存数が2万といっても、非常にボリュームの多いもの、細胞数の多いも のだけを、例えば50キロ以上の人にも全て使えるものを2万件としないと大人には使え ないのです。だからもし、我々が専門部会で検討している基準書の通りに40ccで3× 108個以上というふうな基準で2万件といいますと、大人には殆ど使えないのです。 ですから、もしその基準でいきますと、この臍帯血バンクの保存件数は10万件以上、大 人にも使うと必要です。ですからその辺も実際的な面ですが、そこは認識してほしいと 思います。 ○齋藤座長  当面は比較的体重の少ない人ということでいくと思います。それで時間もかなり迫っ てきました。文書の形で意見を寄せられた委員で、迫田委員の文書が15ページからあり ます。時間の関係で私が少し説明させていただいて、また補足をしていただきたいと思 います。  理念についてはもうよろしいでしょうか。次に末梢血幹細胞移植のことが出てくるが これについては議論をしてない。確かにそうです。ただこれが出てきた理由は、同じ造 血幹細胞移植ということで、しかも世界的には臍帯血よりも末梢血の方が遙に症例が沢 山やられてますし、成績もかなり分かっているのです。したがって各論を言うつもりは ないのですが、一つの関連した医療として出てきたという意味です。 ○迫田委員  はい、ですから議論をしてないことが書かれていると、委員全員がそのことに責任が あるということになるので、「など」という書き方にしておいていただくか、その説明 書きがあればいいです。 ○齋藤座長  情報システム体制というのは、委員会の設置というのは議論をされてないということ ですね。 ○迫田委員  つまり、骨髄と臍帯血を一体化した形の何か、それを財団と呼ぶのか運営委員会なの か協議会なのか分かりませんが、そこで一体何の仕事をするのかということについて、 本当はもっと議論をすればはっきりすると思うのですが、議論してないのではないかと いうことです。 ○齋藤座長  それは骨髄移植推進財団との関係は、今後議論をするということでよろしいでしうょ か。  次の財政構造のあり方は、当然この「 」内に書いてあることでいいと思います。運 営組織の基本的考え方は、今はかなりいろいろな意見があったところです。 ○迫田委員  さっき小寺先生のお話を伺って、既存のバンクを整理充実させていってという形にす るのが望ましいと最後に書いたのですが、そういう新規参入というのが、これからも 続々とそういうことがあり得るのだとすれば、少し考え方を変えないといけないと思い ました。ですからこれについてはペンディングにします。私は数については特にいって おりませんが、1か所とは思っておりませんで、つまりこの整理統合していくという意 味は、数カ所、それは1か所で全部保存してそれだけでやると独占ということは基本的 には駄目で、せめて2か所以上は必要であると私個人は思っております。 ○齋藤座長  ありがとうございました。次に浅野先生、原先生、青木先生から修正案というのが2 ページからあります。これで最初の下線の部分です。技術上・運営上・あるいは経済的 な課題があり、という経済的ということを付け加えるのは当然でいいと思います。2 ページの臍帯血移植の性格ですが、これは確かに第3回ではこうですが、4回目にもう 一度議論して、現在のような血液事業というよりは、移植医療であるという位置づけと いうことは、多くの方の賛同を得たと思いますのでそうさせていただきます。違うなら 説明してください。 ○青木委員  第3回の時の議事録の14ページに、あの時にいろいろな議論をしまして、ことさら異 なるという、またそこに戻るからやりたくないのですが、ことさら異なるということを 強く言う必要はないのではないかという話になって、それで浅野先生が、ではこういう ことにしたらどうですかということで、補充療法である輸血療法とは異なるものの、採 取・保存・搬送する過程では、現行の血液事業の業務と重なることが多い、ということ で、そういうことですねということで終わっているのが3回目です。  4回目にまたその話が出たときに、私がまた元の文字が出ていたので、そうではない でしょう。前の議論で修正案が出でいるでしょうという話をしたら、皆さんが、そうい うことはないということで、押し切られた経緯があるのです。私もその時に議事録をも ってないから、皆さんがそうではないとおっしゃったからそうかなと思っていたのです が、後で改めてもう一度3回目の議事録を読んだらやはりそうだから、ここに書いたわ けです。 ○齋藤座長  わかりました。でも最終的にはこのたたき台のようでよろしいでしょうね。これは関 口先生もいわれたし小池先生も言われましたが、これは今の書き方でいいのです。 ○有田委員  質問します。私は関口先生のお話はよく分かっているのですが、医療として、移植術 としたら移植、でも供給するところに来たら、それは血液事業の仕組に入るのではない かという話だったと思うのですが。 ○齋藤座長  そうです。二面性があるということは書いてあるのです。二面性があることはよく分 かっております。それをどちらを先に書くのかというだけの問題ですから、どちらによ り近いのかというと移植に近いというのが多くの方の意見です。それでこのように書か せていただいたわけです。 ○有田委員  それを患者さんのために、いかによく供給するかということになれば、それは血液事 業の中に似通っているということであったと思うのです。関口先生違いますか、ずーと そのように思っていたのです。 ○関口委員  私が発言したので申し上げたいのです。私はいまでもこう思っているのです。この倫 理の問題というのは、細胞を保存して供給するということは、最も世界でも問われてい るところです。そこの責任ですね。この場合の保存プロセスというのは輸血業務の中で はそう大きなものではないが、しかし保存・搬入・採取という問題は、かなり倫理的に 問われるところですから、ここを強調したかったので、単に輸血とかというだけではな く、輸血とは異なるものという言い方をした方がいいのではないかと言ったのであって そこの点を強調したかったのです。 ○齋藤座長  先生の言われる点は、たたき台の2ページにありますように、現行の血液事業の業務 の手法と類似する面もあると書いてありますから、十分に意が尽くされていると思うの です。草刈先生いかがでしょうか。 ○草刈委員  そういう意見はサイレントマジョリティーの先生方に意見を伺った方がいいと思いま す。田島先生とか鎌田先生に伺った方がいいのではないかと思います。それから自分の 言うことでないと承知しないというのは、この委員会ではやめた方がいい。陽田さんが おっしゃったように、既成概念から一所懸命抜けでるためにぼくらは頭の中を真っ白に してここに臨んでいるわけです。毎回毎回のように一つ一つの発言で勉強させてもらっ ています。その気持ちでおりますので、その中でどういうふうにしたら一番国民全体の ためにお役にたつのかなと模索しているのです。だから私のようにガチガチの既成概念 をもっている者より、鎌田先生とか田島先生のご意見を聞いた方がいいと思います。 ○田島委員  極めて専門的な分野のことなので、私としては個人的にはどちらでもいいというのは 無責任ですが、ここでこうあるべきだという意見を申し上げる立場にはないのかな。そ れであまり今この臍帯血バンクについて検討している議論の中心部分を占める問題であ ると思っておりません。そう拘りをもってません。 ○鎌田委員  私が大分前に発言したこととも関連しているのですが、臓器移植と血液事業のどっち に近いのかということ自体が問題ではなく、そこから何を導き出そうとしているのかと いうことにここでの議論の焦点があると思います。その意味では、療法としては明らか に移植療法であると思います。ただ実際の搬送の方法とか保存の方法に血液事業とよく 似ている部分がある。そうだとしたら、それは臍帯血移植の性格の問題ではなく、実際 にバンクがやる業務の中で、こういう業務については血液事業と似ている点があるから どうのこうのという点で処理すればいいと思っております。特に採取などについて、あ まり血液製剤と同じだというと、逆に問題が生ずることもありうると思いますので、私 は、治療の性格という、この部分ではこの書き方の方が穏当であろうと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。多くの方がそういうことなのでこのままのたたき台どおり にさせていただきます。 ○浅野委員  皆さんがそういう認識であって、文書の上で問題がないというのであれば問題はあり ません。ただ、皆さんはご承知であると思いますが、この保存における倫理というか信 頼性が強く問われています。移植という認識だとこれまでの歴史から考えてルーズに考 える人が多いのではないかという点を私は危惧しますので、輸血におけると同様の厳し さを要求された方がよいという考えを再度発表しておきます。 ○齋藤座長  では次のところにいきます。3ページのところです。ただし治療法の選択はインフ ォームドコンセントを十分に行い、患者の意思による決定が最優先されるべきである。 これは当然のことです。 ○草刈委員  今の浅野先生の続きです。倫理上の問題として患者さんへの説明をする時にインフ ォームドコンセントに入れることに、これだけ言われている遺伝的影響です。臍帯血移 植も臍帯血幹細胞も未成熟のものであり、まだ歴史が浅いし、医療に使用されるのは採 取後5年とか10年後ということを、提供者にも患者さんにもきちんと言わないといけな い。輸血の場合には遺伝的影響ということはいわれないのです。これは補充療法だから ね。臍帯血幹細胞はその人の一部になって増えていくのだから遺伝的影響について、小 池先生が何回も警告しているように、それは国民に明確にしなさいということです。 ○齋藤座長  今のご意見は3ページのインフォームドコンセントのことですよ。これは当然どうい うことも最終的には患者の自己決定権が一番大事です。 ○青木委員  この検討会の議論にはこれは最初は入ってなかったです。当然の話であるということ であったのです。私も当然の話であると思うのです。でも前回のこの検討会で、患者さ んの意思が尊重されないような病院もあったという事例の発表があったわけです。です から敢えてここでもう一度いっておいた方がいいのではないかということで入れたので す。これは当然の話ですが、あえて入れた方がいいのではないかと思います。 ○齋藤座長  それは私自身は特に意見がありませんが、いかがでしょうか。  運営組織の基本的考え方、これは先程の言葉の問題かと思います。次のページでブロ ックの数のことが出てまして、これは青木委員から説明いただきました。ソフトのこと はまだ完全に議論が十分にされてないですね。6ページの情報システムも、ソフトに絡 みますから次回として、施設の整備は数のことで先程議論したと思います。次のページ で計画の策定で2万件というのは、先程は西平先生から10万も必要ではないかというこ とですが、40億円いるということは、これは何か付け加えることはございませんか。前 に出されたものですね。法整備の検討、血液新法で臍帯血を位置づけることを検討すべ きである。これはいかがでしょうか。 ○草刈委員  今中薬審の制度改正部会に出ているのは鎌田先生と私だけですねこの中で、ダブって いるので申し上げます。非常に難しいものがあります。血液事業法というのはまだ生ま れていないという中で入れろというのはどういうことかと、私は正直に思います。生ま れてからあれが非常にこちらにプラスになるのであれば、後で入れてもいいのではない か、それを初めから入れろというのは、ちょっと尚早という感じでございます。特にこ の前の延長時間の中でおっしゃった発言で、有田さんだと思うのですが、日赤とはなる べく距離をおきたいということでしたが、あれは日赤に物凄く仕事をさせようという意 見と一緒になってしまうような危険が今は出ていますので、それは困ったなと思います 鎌田先生から訂正補足していただければいいのではないかと思っております。以上です ○鎌田委員  補足はございません。ただ青木委員の意見書と有田委員の意見書にも、現在の血液事 業法の中に臍帯血を入れるようにというご意見があって、この場で、それはどういう趣 旨なのかということをお伺いしようと思って来たところでございます。 ○有田委員  これは臍帯血を公的バンクにしろ、医療保険の適応をつけようという運動を去年の2 月から大々的に始めるときに、血液事業法に向けて、議員連盟というところができて、 そこが一所懸命勉強しているということを私たちは知りましたので、そこにも臍帯血が 結局薬害エイズと同じような構造に巻き込まれないために、そういうことをきちんと決 めている新法であれば、臍帯血も血液と同じように、国民の善意でいただいて、預から せていただいているものですから、そういう中にきちんと入れて欲しいというのが一点 あったのです。  血液事業のありかた懇という高久史麿さんが座長をしていたときに、私は文書でそこ に取り上げてほしいというのをお出ししましたら、読み上げられただけで、これについ ては質問しないようにという課長からの委員に対するしめつけがあったと聞きました。 それは高久史麿さんからそういう指示が出たと話を聞きました。それでどうしてかなと いうのがあったのですが、また新しい検討会のようなのができたということですね。こ れは請願署名と地方議会からの意見書提出にどういう形で答をくれるのかということを 申し上げております。血液対策課の中島課長、ご苦労さまです。このことについては、 そちらの方の新しい検討会の場で取り上げていただいているのでしょうか。課長にお聞 きします。 ○草刈委員  委員に対するしめつけはなかったですよ。 ○有田委員  そうですか。 ○鎌田委員  あり方懇でどうだったかということではなく、最初の方でおっしゃられたことです。 臍帯血も血液事業の一貫に組み込めというご主張が入っているのかということです。今 の血液事業法で想定しているような枠の中に入れるとすると、例えばここに出てくる技 術マニュアル等は、むしろ血液事業法のマターになるし、あれは規制法ですから今話題 になっていることとの関連では輸入を禁止しろとかというように、輸血用血液製剤とか 血漿分画製剤と同じような厳しい規制の対象にしていくことが、臍帯血移植を推進して いく上で、私にとってはむしろマイナスと思えるのに、なぜそこに入れろというのか、 そのご趣旨を明らかにしていただきたい。その中身がはっきりしないと、一般的に血液 行政の事業法の中に入れろと言われても、どういう検討をしていいのかわからないとい う趣旨でございます。 ○中島課長  一言だけお答えさせていただきます。今鎌田委員からのご説明がありましたようなこ とで、私どもとしても現在は血液事業法というか、新しい血液の法律の中で、何をどの ように法制化というかというご議論をいただいているという段階です。方向性としては 今ご説明があったように、血液製剤といえども医薬品と同じ、現時点では薬事法に基づ いて医薬品と同等の規制がかかっておりますが、それ以上に更にいろいろな問題点もあ りますので、規制をかけてより安全性を確保していこうという方向で議論しております  そういう観点からこの問題が血液事業法に馴染むのかというのは、次の段階での検討 になるのかなと考えております。 ○有田委員  そうしたら検討はしていただけるのですか、というのはこれだけ国民から出されたの をどうしてくれるのですかというのを聞いているのです。どういう結果が出るのかとい うことではないのです。 ○齋藤座長  それは検討中である返事であると理解しました。 ○有田委員  検討しているのですか。 ○中島課長  現在検討しているというか、まだその段階まで達していないということでございます ○有田委員  将来は可能性があるということですね。 ○中島課長  将来については可能性は全くないということではないということです。 ○有田委員  わかりました。 ○青木委員  私どもがここに追加で検討すべきであると入れたのは、この検討会で報告された署名 の内容は、公的バンクを作ることの項目だけが印刷されていたのです。地方議会の場合 もそうであったのです。でも実際にはそれらの中には何項目もあって、「血液事業法に 位置づけた臍帯血バンクの設立を求める」ということもあったわけです。しかし、これ をここでも議論をしない、あるいは新法の検討をやっているところの中薬審でも議論を しないというわけにはいかないのではないか、220 万人もの署名というのは大変な皆さ んの気持ちです。それから450 もの地方議会、都道府県の住民の数を数えれば9,000 万 人近い住民のいる地方議会で決議されているわけですから、全くどこでも議論をしない でそのまま通りすぎるべきではない。だから事務方の方では、ちゃんと法を検討してい るところで検討すべきであるということを入れさせていただいたのです。 ○西平委員  今までの議論の中で、基盤整備のための計画の策定ということを是非入れていただき たい。というのは、ある程度事務方に努力をしていただきたいということです。これを 入れておかないと、事務方は努力をしていただく目標もないということになりますので 臍帯血移植をある程度普及していくためには、国の支援の計画を作って、この委員から このようにしてほしいということを出してほしいと思っております。是非この項目を入 れていただきたいと思います。これはたたき台の中にこの項目は全くありません。 ○齋藤座長  それは当然含まれると思います。ではもう15分超過しましたので今日はこれで終わり たいと思います。書面で寄せられたご意見で主なものは、一応ディスカッションさせて いただきました。次回までに今日のところを入れて、またたたき台をを修正するところ は修正して、付け加えるところは付け加えるということにします。それで事務局から事 務的な日程をお願いします。 ○重藤補佐  作業の進め方です。私たち事務局として今日の意見を、一つ一つのたたき台の項目に 沿って議論をしていただいてないので、どこどのようにご意見をいただいたのか、ちょ っと皆目分からない状態です。事務局の方でこれを修正するというのは不可能ではない かと思います。  本日の論点はまた議事録等を読み、論点だけを抽出したもので次回このような議論の 項目だてでよろしいでしょうか、先生方にご意見を聞いて、次回も今日の引き続きとい うことでないと。 ○齋藤座長  ただ、ご意見をいただいた中にも、皆さんが同意して軸の問題とか表現の問題は問題 ないです。ただまだ議論してないところ、あるいは対立した意見のあるところは、2〜 3か所であると思います。 ○有田委員  そういうことはないです。 ○中谷課長  私からすると確かに合意ができたところも沢山ございます。そこについては書くこと は簡単です。しかしながら、先程のJRでいくのかあるいはテレビ会社でいくのか、あ るいは日本たばこのように全国組織でいくのかという根本論議については、少なくとも 我々が書けるとしたら併記のような形で書いていくしかないのかなと思うわけです。  できうることなら、もう一度、少し論議をしないと、多分論議が尽くされてないとい う感じを持たれる委員がいるのではないかというのが私たちの危惧でございます。ちょ っと座長にお諮りします。 ○齋藤座長  私の印象は、意見が対立して、最終的には併記もやむをえないということも考えてい るのです。それは結局はそれぞれの意見が幾ら議論していても変わらないわけです。最 初の主張とね。 ○浅野委員  併記ということを出来るだけ避けるために陽田さんが言われたことを整理し共通の認 識にしておくことが今、重要だと思います。それは非常に重要です。移植施設と保存施 設の業務を完全に分離するということの必要性です。是非この次の会ではそれがなぜ大 切なのかを明確にしておいていただきたいと思っております。 ○陽田委員  事務局の方にお聞きしたいのは、予算要求するためにこれだけはきちんと検討して決 めていただきたいという項目は出せないのですか。予算要求と関係ないところの議論は その後になっても構わないのではないかと思うのです。そういうタイムリミットの中で 無理やり議論を終わらせるという拙速の方が、将来に禍根を残します。予算と関係のな いところで非常に重要な論点が沢山まだ煮詰まってないのです。 ○中谷課長  今の陽田先生の意見に非常に愚直に答えるとすれば、私たちは既に予算については話 をしております。ですからなるべく早くいただきたい。特に骨格部分についてはいただ きたいというのが本音です。というのはお話が空中に浮いております40億円という数字 だけをとってみると、40万人の難病患者の全ての研究費の2倍の額の要求です。ですか らこれをもっていくには、非常に緻密な論理構成をしていかないと、なぜ難病患者さん に20億円でこれが40億円なのかということです。全国で一つで済むのではないか、それ を4つにするから40億円あるいは数が多いからもっと増える、なぜ一つでは駄目なのか という論議に打ち勝って、我々は予算をとってこないといけません。それはかなり詰め た論議を是非委員の先生方からお伺いして、私たちは理論武装していかないとなかなか 難しいのでこういうことをいっているわけです。  そこで先程の陽田さんのことに戻りますと、大体このような骨格でいくというのは少 なくとも7月一杯くらいには出ないと我々は対処できないということです。あとの詰め についてはまだ時間があります。  もう一つ付け加えたいのは、私たち一番恐れるのは、そこで見切り発車をしたとか、 厚生省のこのような時間のプレッシャーで言いたいことも言えなかった、あるいは見切 り発車をされたと思われることは私たちは避けたいと思っております。 ○古市委員  今日の議論もこの1枚の資料が出て、これでいろいろな意見があったから進んだと思 うのです。そこで次回に、今言われたようにこれこれの点について意見をもらいたいと いうことを、項目で出しておかれたらどうでしょうか。それを中心にやって、もう一つ 基本的な問題と二つにわけてやっていったらどうかと思います。 ○齋藤座長  そのような進め方でよろしいでしょうか。 ○有田委員  心配なので二つだけお願いします。末梢血移植というのが骨髄移植と同列に書かれて いるのですが、私は末梢血移植というのは健康なドナーにGCSFという薬を使って細 胞を取る、それはとても恐ろしいことで脾臓破裂などが起きているということを聞きま して、そういうものはまだ何も論議されてないものを、臍帯血とか骨髄とか医療保険が 適応されたものと同じような形でスラリと書かれたら、誰もまだ認めてないのに、この 検討委員会のメンバーが認めたということになってしまうのではないか。後でそのよう に責任をなすりつけられるのではないかと凄く心配です。  もう一点、受益者負担というのは、これはどこからも出てないのにこたたき台に出て きているのです。そうしたら新しい医療は受益者負担でいけるというのも、またこの検 討会が認めたということになってしまう。このことは国民皆保険の制度を根底から崩そ うとしています。これは国会などでやってもらわないとならないものです。スラリと簡 単に出されたら困ります。この二つの文字は私は消してもらわないと委員としての責任 が持てません。お願いします。 ○齋藤座長  前者はそうですね。「など」という表現で、先程も迫田委員からもありました。医学 的には世界的にも末梢血幹細胞移植の方が遙に沢山やられておりますし成績も分かって いるという意味でまぎれこんできたと思います。 受益者負担の問題は、これに限らず非常に大きい問題なのですね。 ○中谷課長  受益者負担の問題については、この委員会でも臍帯血の公的な定義でありますが、全 く国で基本投資から医療費まで全部みるのか、あるいは国の役割というのは条件整備と か競争的な環境とか、あるいは情報公開とか公明正大な仕組みを作るということなのか 様々な論議があるところであると思います。  そこでこの場でも問題となったのは、全くお上に頼ることなく、独立採算的なことも しようというのは随分出ております。その中で患者の方々にも適切なレベルのご負担を 求めていくというのが大体のコンセンサスであると思いますので、そこについてはご議 論があるところで、我々はその言葉に最終的にこだわるつもりはありませんが、この委 員会の皆様のコンセンサスを踏まえて、そこはということです。 ○陽田委員  私の意見が都合よく利用されているような感じがするのです。非常に唐突に受益者負 担というのが出てきてますが、僕が補助金依存を少なくするといったのは、10年も20年 もずーと補助金を出してもらってやるようなものではいけませんということを申し上げ たのです。初期投資の段階は補助金でやっても、あとは保険で回していけるような体制 を作りましょう、という意味でのご提言を申しあげているのであって、保険の適応にし ても、その中には必ず自己負担分は等しく出てくるわけですから、ですから更にその他 に保険に該当しない自己負担分が出るという今の骨髄バンクのような形というのは、で きるだけなくしたいというのが本音でございます。そこのところを理解してください。 ○有田委員  あとで読んだときに、どうにでも解釈できるような言いまわしは止めてほしいのです そして議論されてないものは入れないでください。 ○齋藤座長  受益者負担という言葉の解釈ですよね。保険では当然自己負担分はあるわけで、全て 全額ではないということは他の医療でもそうですからね。 ○有田委員  先程の座長の話の中に、両論併記という言葉がありましたが、それはここで決まった ことではないということを確認してください。 ○齋藤座長  ですから最後まで平行線を辿れば、ご意見が両論併記もありうるということの可能性 を述べただけです。 司会の不手際で随分超過しました。どうも長時間ありがとうございました。 (以上) 問い合わせ先 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室    担 当 重藤(内2361)、眞鍋(内2364)    電 話 (代)03-3503-1711