98/03/06 第3回 臍帯血移植検討会 第3回 臍帯血移植検討会 平成10年3月6日(金) 10:00〜12:10 場所:厚生省共用第23会議室 出席者(敬称略) 青木 繁之   浅野 茂隆   有田 美智世  加藤 俊一   鎌田  薫 草刈  隆   小池 麒一郎  小寺 良尚  ○齋藤 英彦   関口 定美 高橋 美智   田島 優子   中林 正雄   西平 浩一   原   宏 古市 圭治   陽田 秀夫   (○:座長) 議事次第 1 開催 2 議題 (1)臍帯血移植の保険適用について (2)作業部会の報告について (3)運営上の課題について   ア 検討しておくべき主な論点について   イ 運営体制の在り方について (4)その他 3 閉会 ○事務局  定刻になりましたので、第3回臍帯血移植検討会を開催させていただきます。本日は お忙しい中ありがとうございます。最初に本日の委員の出欠の状況です。迫田委員、平 林委員が都合により欠席とのご連絡をいただいておりますのでご報告いたします。また 鎌田委員でございますがちょっと遅れるという報告が入っております。  会議を始める前に資料等の確認をさせていただきます。お手元の資料でございます。  式次第です。続きまして検討会の委員の名簿。座席表。資料一覧です。  資料1、平成10年度社会保険診療報酬改定の概要。  資料2 「臍帯血移植の実施のための技術指針」の策定に向けた考え方について。      臍帯血移植実施における技術上の課題に関する作業部会(中間報告)  資料3 検討しておくべき主な論点について(案)  資料4 臍帯血利用体制の略図(案) 資料5 現行の地域バンクの運営の概要。 でございます。 先生方、何かありましたら事務局にお申しつけ願いたいと思います。以上です。 ○齋藤座長  おはようございます。第3回目の検討会です。今ご説明がありましたように議題が3 つあります。特に1と2はある意味では報告事項ですが、3につきまして、いろいろな ご意見をいただきたいと思います。今から12時までの2時間、活発なご討論をお願いし ます。 まず1の臍帯血の保険適用でございます。これは平成10年度の社会保険診療報酬改定の 概要が発表され、臍帯血関係も保険適用されております。事務局から説明をお願いしま す。 ○朝浦室長  では資料1を参考にご説明させていただきます。委員の先生方には既に事務局の方か ら、診療報酬改定の概要につきましては送らせていただいていると思います。1ページ に書いてございますように、新しい医療技術の評価の一つとして臍帯血移植に関しまし て保険適用がつきました。 但し下の一番下の※に書いてございますように、今回の保険適用は臍帯血を移植する部 分、移植術についてのみの適用でございまして、採血・検査・保存・あるいは運搬につ きましての保険適用につきましては、現在は評価をされておりませんということを申し 添えたいと思います。  2ページでございます。これは前回資料としてご提出した臍帯血移植にかかる費用、 あるいは費用負担の表でございます。これに今回10月1日から健康保険の適用になりま す移植術の21万円ほどを加えまして訂正したものでございます。簡単ですが以上です。 ○齋藤座長  ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして何かご意見とかご質問ござい ますでしょうか。 ○加藤委員  保険が通ったということで大変な前進だと思います。二、三これに伴って細かいとこ ろで詰めておくことがあるかと感じておりますので申し上げます。例えば移植術に付随 するものとして、移植後のG―CSFの投与、その他、これまで骨髄移植が適用とされ ていた治療法でございますので、それは臍帯血移植はそれに準ずるということを、是非 一緒にやっていただきませんと、新たに治験をやるということになると、大変な作業が 必要になりますので、その辺のところはよろくしお願いしたいと思います。 ○重藤補佐 G―CSFにつきましては、厚生省にも治験の申請、承認の申請等がまだ来てないとい う状況と聞いております。そちらの方をきちんと申請して手続きをとってもらう必要が あろうかと考えております。 ○加藤委員  それはメーカーからという意味ですか? ○重藤補佐  ええ、まだ承認申請があががっていないと聞いております。 ○加藤委員  あげようがなかったのではなかったのではないでしょうか。こういうことが議論され るまでは。 ○重藤補佐  そうですが、申請があがらないと、ということです。 ○加藤委員  ではこれから申請を出して、それでということですね。 ○重藤補佐  そうすれば審査が始まるだろうと思います。 ○加藤委員  分かりました。ではそれは別途議論するということです。 ○齋藤座長  他にいかがでしょうか。どうぞ ○小池委員  私どもといたしましては、移植術21,000点というのが認められたということは評価す るわけです。実際にそれでは他の、採血、型分類あるいは衛生的な保存、あるいは運搬 の費用、というのは患者負担にかかってくるのかどうかというのが一つです。  非常に急激に、私どもの感覚から言えば臍帯血移植の保険適用というのがなされたと いうふうに解釈しております。8月末の概算要求に、そういう先進医療に対する予算要 求をしたのかどうか、その2点について承りたいと思います。 ○齋藤座長  確かに今小池委員が指摘されましたように、30数例を終えたところで、診療報酬がつ いたというのは非常に早い、それだけ期待されている治療法であると思うのですが、今 の点について8月の概算要求についてお願いします。 ○重藤補佐  去年の8月の予算要求の概算要求ですが、そこではまだここまでの議論にはなってな かったと記憶しております。秋以降、こういうものが本格的に議論されたというふうに 記憶しております。 ○小池委員  もう一点の他の費用はいかがでしょうか。 ○朝浦室長  他の費用につきましては、今後の議論になろうかと思います。本検討会の検討の結果 ですとか、あるいはこれからの分析等を踏まえて、今後議論をされることになろうかと 思います。 ○齋藤座長  小池委員よろしいでしょうか。 ○小池委員  感覚としましては、ひよこが殻を破ってクチバシが出たと解釈してよろしいのでしょ うか。 ○西平委員  先程の保険適用の加藤先生の質問に関連します。その他、臍帯血移植に係わる入院・ 投薬・検査等についても健康保険が適用されるというように注釈がついてますが、これ の解釈では、私自身は骨髄移植と同じように、例えばG―CSFにしても抗生剤にして も輸血にしても、同じように保険適用になるというふうに考えていたのです。先程のお 答えですとG―CSFは違うというようなことは、ちょっとおかしいのではないかと思 うのです。 ○重藤補佐  その辺はG―CSFという薬について、末梢血についての話がありましたので、末梢 血の時に使うG―CSFはまだ承認申請がないということです。それについては、私ど もは保険の実際の担当ではないものですが、臍帯血の場合のG―CSFの適用について は、これまで通りで読めるということとなっていれば読めるということで、あとは保険 のサイドはどう考えるのかということだと思います。 その使用について、この臍帯血移植のところにG―CSFを使うということについて読 めない内容であれば、その薬剤について適応というものも別途作らないといけないとい うふうに考えております。 ○西平委員  それをはっきり今できるのではないでしょうか。 ○重藤補佐  私どもは保険医療局の臓器対策室なので、その保険の扱いについての今のところの詳 しい内容については、資料がございませんので、ここでは正式なご回答はできないとい うことです。また担当とも確認したいと思います。現在ここでは正式には分からないと いうことでございます。 ○西平委員  それは是非骨髄移植と同じように要望したいと思います。 ○齋藤座長  恐らくそういうことになるでしょうね。それに付随する費用は全て保険で係わるとい うことですね。他にはよろしいですか。 ○中谷課長  経緯を含めまして若干補足をします。臍帯血移植を保険診療上で位置づけるべきだと いう意見は大変に強いわけでございます。一方保険の立場からすれば、32例しかなくて 安全性だって、本当に大丈夫かというものを保険に位置づけることはどうかという意見 もあったように聞いております。  そういう中で第一歩として、小池委員がおっしゃった殻を破るようなことも必要では ないかというような、取り合えず移植術本体については骨髄移植並にしようではないか それに付随することにつきましては、医療関係者の先生方は現実の問題として大変だと 思います。これについて、審議会でのご意見を我々は承ったばかりで、必ずしも十分に 咀嚼してない点がございますので、今は大変にご関心が強い分野なので、担当の保険局 に十分に説明を聞きまして、改めてご説明をしたいと思っております。そういうことで 今日は十分なご説明ができなかったことをお詫び申し上げます。 ○齋藤座長  ありがとうございました。よろしいでしょうか。では議題の2に進めさせていただき ます。作業部会の報告です。これは勿論最終報告ではなく中間報告ということで、既に 浅野委員、小寺委員にお願いしまして2月4日と2月25日に作業部会が開催されており ます。この作業部会は医学上・技術上の課題を検討するわけですが、中間段階でも、一 度この本委員会にフィードバックして皆さん方のご意見を入れ、今後の方針あるいは基 本的方針をまとめたいということで、本日中間報告をお願いします。では小寺先生と浅 野先生にお願いします。 ○小寺委員 私の方から作業部会の中間報告をさせていただきます。作業部会の方は、今、斉藤座長 からお話がございましたように2月4日と2月25日、それぞれ1回目は私、2回目は浅 野先生の座長ということで開かせていただきました。この部会では平成8年度の浅野班 平成9年度の私の班のそれぞれのガイドラインとマニュアルというものをたたき台にし まして、各ご領域の先生方のご意見を伺いながら、技術指針の策定ということに向けて 検討してまいったわけです。その過程におきまして非常に詳細にわたる部分もございま す。もう一つは、本検討会の議論経過がある程度明らかにならないと、積みきれないと いうようなところもございましたので、最終的な指針の策定は5月を目処にするという ことで、今回は技術指針策定に向けた基本的な考え方というものをまとめさせていただ きました。それを報告したいと思います。では事務局お願いします。 ○重藤補佐  では事務局から資料2「臍帯血移植の実施のための技術指針」の策定に向けた考え方 について、を簡単に説明をさせていただきます。  1ページ、はじめにでございます。検討会の作業部会の設置の趣旨と経緯というもの が書かれております。それから2番です。技術上の基準に関する取り組み状況というこ とで、この辺は重要かと存じますので、読み上げさせていただきます。  臍帯血移植は1988年に第1例が行われ、その後精力的な取り組みが行われているが、 未だ歴史が浅く、わが国においては、平成9年12月現在で32例が行われているにすぎな い。現時点において、移植に必要な細胞数やHLAの不一致度の許容範囲、臍帯血移植 の適応、移植を通じて遺伝性疾患が伝搬しないための安全性の確認方法などについては 明確な基準は確立されておらず、また、その基準を策定するための基礎的資料も乏しい のが現状である。これは財団法人骨髄移植推進財団を通じた骨髄移植が、これまで1千 3百例以上が行われ、既に治療法の一つとして確立していることに比較して、未だ研究 途上にある。また、海外においても、臍帯血移植の症例の集積やそれに基づく分析は、 必ずしも十分にはなされていなのが現状である。  一方、すでに全国9か所の臍帯血バンクが関係者の努力により設立され、一定の取り 組みがなされており、これら臍帯血バンクにおける臍帯血移植の実施の際の安全性確保 等の観点から「臍帯血プロセッシングと移植の適応に関する自主ガイドライン(平成9 年度厚生省骨髄移植調査研究事業B班)」及び「非血縁者間臍帯血幹細胞移植マニュア ル(案)(平成9年度厚生科学研究)」が臍帯血移植に係わる研究者の間で提唱されて いる。  2ページの基本的考え方も重要と考えられますので読み上げさせていただきます。  今後、わが国において、臍帯血移植を全国的に着実に定着させていくためには、まず 実施のための基準を策定し広く普及させていくことが必要であると考えられる。本作業 部会においては、これまでの段階で明らかになっている医学的知見や前述のガイドライ ン等をもとに、臍帯血移植を実施する上で必要となる技術上の事項をまとめた技術的な 指針を策定することとした。 なお、このような技術指針については、臍帯血移植の特色である臍帯血提供者の同意、 産科関係者の理解と協力が得られるものとすることが特に重要な点であると考えている  4.技術指針に盛り込まれる項目とその考え方、のところの考え方だけ読まさせてい ただきます。  これから策定するべき「臍帯血移植の実施のための技術指針」は、これまでの臍帯血 移植の関係者の取り組みの成果である「臍帯血プロセッシングと移植の適応に関する自 主ガイドライン(平成8年度厚生省骨髄移植調査研究事業B班)」及び「非血縁者間臍 帯血幹細胞移植マニュアル(案)(平成9年度厚生科学研究)」の考え方や現行の臍帯 血バンクにおける現状を踏まえつつ、今後の臍帯血移植の推進のために以下の考え方に 従い、安全性確保等の手順の標準化を行おうとするものである。  また、この技術指針に盛り込まれるべき内容は、将来的な臍帯血移植実施のための運 営形態の如何に関わらず規定しておく最低限の基準である。ということでございます。  それ以降、(1)臍帯血の採取。(2)臍帯血造血幹細胞の分離・凍結保存方法。 (3)検査等。(4)検査等の記録及び個人情報の保護。(5)臍帯血の品質管理。 (6)搬送・解凍・洗浄。(7)移植の実施。(8)国際協力。(9)評価。というふ うに各項目に従いまして、それぞれ基本的な考え方をまとめさせていただいております  5ページです。5.今後の作業部会の取り組みです。これも読み上げさせていただき ます。  今度とも本作業部会において、さらに技術的課題について検討を深め、本中間報告に 盛り込まれた方針に基づき、臍帯血移植の実施に向けた具体的な「臍帯血移植の実施の ための技術指針」等を策定していくこととしている。  なお、策定された指針については、臍帯血移植の症例が積み重ねられ、研究が深めら れるとともに、随時、見直しを図っていくことが必要であり、また臍帯血移植の実施体 制を構築する際の組織形態のあり方によって、適宜改定されるべきであり、また、その 改訂作業を行う場について、明らかにしておくことが必要であると考えられる。以上で ございます。 ○齋藤座長  ありがとうございました。浅野先生、小寺先生何かございませんか。この作業部会の 中間報告について他の委員の方々何か御意見はございませんか。 ○草刈委員  2ページのところです。今読まれたところで、国民の方々の誤解がないようにという 観点から申し上げたいのです。  技術指針に盛り込まれる項目とその考え方という10行くらいのものですが、一番最後 のところです。  この技術指針に盛り込まれるべき内容は、最低限の基準であるというのは非常に誤解 を生ずる危険性がある。僕は最小限の基準であると思うのです。最低というのは安全性 の最低なのか、あるいは技術の最低レベルになります。最小限のスタンダードを決める のであるということであれば、最小であると思います。 ○齋藤座長 ありがとうございました。 ○中林委員  私は産婦人科の医師の代表としてここに参加しております。このところ産婦人科学会 及び理事会におていも、この問題が取り上げられております。しかしこれに関してはま だ産婦人科医としては大変に理解は十分でない、また知識も十分ではない、一部のボラ ンティアの病院が行っているという状態で、学会、日本全体としては決して十分な知識 かあるとは思えません。  産婦人科医が現在この会に大変に関心をもっていることは、本来この仕事は本業とい うのはおかしいのですが、本来の仕事から追加的な仕事になるだろうというのが一つで す。それから産婦人科医というのは大変に医事紛争が多ございます。全体の30%以上の 医事紛争を抱えているということから、各医師とも医事紛争に対する不安を大変多く持 っております。ですからこの面に関しては、ボランティアで臍帯血を提供する方がきて も、ある一定の設備とか人員とかがしっかりした十分な施設で行っていただくというこ とを、今回の指針にも書いてございますが、これをある一定基準を満たすということを はっきりしていただかないと、多分多くの産婦人科医が困るというのが一つです。  臍帯血は骨髄とは違いまして、これは本来は子供のものですが、一般常識からいいま すと、妊婦さんとその配偶者ということになります。その配偶者というのはなかなか難 しい、正式な結婚をしている人なのか、はっきりと自分か相手であるということを知っ ている人なのかということにも関わりますので、技術的にはその辺のご考慮もしていた だきたいということです。  もう一つ気になるのは検査でございます。妊婦さんがSTD等性感染症に罹っている ことは比較的本人は少ないのですが、ご主人に関してはどうか全くわかりません。一般 的には妊婦検診というのは妊娠初期に検査して、それから8か月後に分娩して、その分 娩したお子さんの臍帯血は調べるが、母体に関しては十分な検査がないということで、 どの辺までが、産科医が安全と思って取っているかということです。病歴の聴取といい ましても、妊婦さんは我々は直接聞けますが、夫に関しての聴取は不十分です。すると これは産科医が夫に対する病歴の聴取が不十分であるために、検査では見つからない数 カ月後に出てきた感染を見逃してしまったということも起こり得ますので、幾つか骨髄 移植とは異なった産科独特のものがございます。  それらに関して少し早めにあるものが決まってないと、産科医全体として、ではこう いう施設でこう協力しましょうというような、大きな指針が出てまいりません。その辺 は是非よろしくお願いしたいと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。いま中林委員のご意見の中には一部運営上の課題も含まれ ておりました。他に今の中間報告についてご意見はございませんか。ないようでしたら 次の運営上の課題に移りたいと思います。これは議題3は検討しておくべき主な論点に ついて、資料の3です。これは今まで本検討会でいろいろとご意見をいただきました中 で、重要なものを整理してみました一つの案であります。したがいまして、この整理の 仕方あるいは抜けているところがあると思います。まず項目ごとに事務局に読んでいた だきまして、その後でディスカッションをお願いします。よろしくお願いします。 ○重藤補佐  では資料の3です。検討しておくべき主な論点について(案)につきまして、ご説明 を申し上げます。読み上げさせていただきます。  臍帯血移植の現状と今後の取り組みについて。臍帯血移植はわが国においては、1994 年に第1例が行われ、1997年12月10日現在で32例が行われているに過ぎない。  現時点においては、移植に必要な細胞数やHLAの不一致度の許容範囲、移植の適応 移植を通じて遺伝性疾患が伝搬しないための安全性の確保の方法等、明確な基準は確立 されておらず、また、その基準を策定するための基礎的資料も乏しいのが現状である。  白血病等の治療法として、既に確立している骨髄移植等との治療成績等を疫学的に比 較・評価できるだけの症例が重ねられるまでの間は、研究事業的に取り組んでいき、着 実に症例を増やしていく。以上でございます。 ○齋藤座長  まず主な論点の一つ、現状と今後の取り組み、一つの考え方がここに示されていると 思います。 これはいろいろな角度からいろいろなご意見があると思います。ディスカッションお願 いします。 ○原委員  私自身はこの通り大事なことではないかと思っております。その意味では今後、本検 討会にもこの点が反映されるように考えていただければありがたいと思っておりましす ○齋藤座長  一方では、何例くらいになり経験すれば、ある程度、従来の骨髄移植と比較してでき るのかというのは、先生何かございますか。 ○原委員  骨髄移植の成績である程度比較可能になる症例数というのは、恐らく300 例前後では ないかと思っております。それに対して成績が出てくれば、そこでもう一度考えるとい いのではないかと思います。 ○齋藤座長  それとフォローアップの期間があるでしょうね。 ○原委員  そうですね。期間がある程度ね。 ○西平委員  私もこの点についてはここに書いてある通りに、症例数はまだまだ足りない、実際に 始まったばかりであるし、とくに非血縁者間についてはまだケースが少ない。非血縁が 主になるということですから、そっちの方を十分に検討して、今後のいろいろな課題に 進めていくということだと思います。  一つは先程の保険に係わることです。保険診療が一応は認められたということです。 それではどこの施設でも自由にやっていいのかといういろいろな問題が出てくるかなと 思うのです。そういうことについて、例えば、当分の間は移植施設をある程度は骨髄移 植であるとか、造血幹細胞移植を経験した施設に限定するとか、何からの条件を付け加 えて、そしてちゃんとしたデータを集めるには、データの収集方法、それの分析・解 析・評価ということをちゃんとやっていかないといけない。他の移植法と比較する場合 には、末梢血幹細胞もそうですが、骨髄移植と比較の問題でそういうことをちゃんとや るべきではないか。それをこの厚生省の検討会でやるのか、それとも今のように小寺班 というような研究班があるので、そういうところでやるのかは皆さんに聞けばいいかな と思います。 ○小池委員  只今伺いますと、300 例程度のデータがないと骨髄移植との比較という問題にならな いということでございます。するとここにも書いてございますが、研究的な事業である という建前、これは一番大きい問題であって、私たちは臍帯血移植に反対しているわけ ではございませんが、推進したいという意思は強くもっているのですが、これは唐突に 保険医療の中で処理する問題ではなく、厚生科学研究費とかでもっと着実な成績を明ら かにした上で、それから保険適用にすべき問題であると思います。 ○加藤委員  今の保険のことについていろいろな議論があってしかるべきであると思います。しか し現実に進めていく際に、このような方法がより現実的であるという判断であったと思 います。我々も現場としては、その精神に則って、それではどのように運用していくの かという議論をこれからしていきたいと思うのです。それで、保険の適用になったから ではどういう病院でも明日から初めてもいいということになるのは、誰もそのように思 っている人はいないと思います。一定の基準を満たした施設に限定した医療として、当 面は位置づけていくべき問題であると思っております。  同胞間の臍帯血移植と、非血縁者間の臍帯血移植はやや位置づけは違うと考えます。 同胞間の臍帯血移植は、その患者さんを抱えている施設に一番近い分娩施設で採取する ことが圧倒的に多いわけです。それで施設の限定というのはやや緩やかにならざるを得 ないと思います。  非血縁者間の臍帯血移植につきましては、これは現在非血縁者間の骨髄移植が100 あ まりの認定施設で行われているものと、全く同じような基準を設けて、今後進めるべき ではないかと考えております。 ○齋藤座長  ありがとうございました。また採取・分離・保存の施設につきましては後の項目で出 てきます。 その時にディスカッションをお願いしたいと思います。では次の論点に移ります。お願 いします。 ○重藤補佐  次に進ませていただきます。臍帯血移植の性格について、臍帯血を採取・保存・搬送 する過程で、現行の血液事業の業務の手法が参考となるものと考えられるが、医療とし ての臍帯血移植は、移植した造血幹細胞が生体に生着することにより疾病を根治させる ことを目指すという意味において、移植そのものであり、血液製剤を用いた治療とは全 く異なるものである。以上でございます。 ○齋藤座長  これは前回に血液が臓器かというご議論がありました。強いて分けるものではなく、 血液でもあり臓器でもあるのではないかというご意見もありました。確か関口委員が幹 細胞を体内で増殖分裂して、一生続くからこれは臓器に近いのではないかというご意見 もあったと思います。いかがでしょうか。 ○草刈委員  患者さんというかこれを必要とする方々からみますと化科学療法と骨髄移植の違いと いうのを、あるいは治療のうえでのプライオリティというものを明確にした方が患者さ んの立場ではありがたいのではないか。陽田さん方の立場からみますと、骨髄移植が必 要である、あるいは臍帯血移植が必要である、というときに、どのように主治医と一緒 になって考えていくのかということです。この前は治癒とか何か書いてあったのですが 患者さんとしてはそれらの選択について、どう考えればいいのかということです。プラ イオリティです。臍帯血で合った人がいるよ、でも骨髄移植の人とは今話を進めている 化学療法ではこうであったというだけではないか、その辺の考えはここでは無理かも知 れないのですが、後でもいいから付け加えて考えないといけないのではないかと思いま す。 ○齋藤座長 そうですね。その点は勿論運営上の一番大きな問題であると思います。また後ほどご議 論願いたいと思います。 ○青木委員  採取・保存・搬送する過程で現行の血液事業の業務手法が参考となる。参考となると いうのは非常に弱い言い方だと思うのです。現行の血液事業と同じ部分が多いわけです から、そういう議論をしたわけです。ことさらここで弱く表現することもないだろう。 今度は最後のほうで移植をして生着する、生着して血液を作りだす。その点から言えば 血液製剤を用いた治療と全く異なるということは言えるのですが、血液製剤を用いた治 療、点滴をするという面から言えば、全く異なるという言い方はちょっと強すぎるとい う感じです。 ○齋藤座長  今のは表現上の問題と思います。これはどちらにも似ているとも、似てないともある わけです。 ○浅野委員  青木先生が今言われたことと同じ意見です。血液事業の基本理念の範疇に完全に含ま れるものであって、移植医療行為と搬送保存業務は完全に区別する必要があるし、そう しないと円滑な運営は無理です。 ○草刈委員  この間関口先生がいったことに尽きるのではないかと思うのです。 ○関口委員  また申し上げます。今皆さんがいったことはどちらも合うのです。ただ、事業という のは一つはボリュームで考えていかないといけないのですね。血液事業というのは献血 者は600 万ですよね。実人数は450 万人です。臍帯血の事業として考えた場合に、1年 に必要な保存の量というのが高々3万です。ですから3万の全国の展開と、600 万の展 開というのは全く違う考え方で事業をしないと、これはサービスは絶対に行き渡らない と思います。600万の考えで対応するのと、3万のレベルで対応するのでは、全く違って くると思います。  どういうところに今問題が来ているのかというのは、血液事業でも分画製剤と輸血用 の血小板製剤は全く同じ血液であるはずですが、分画製剤というのは何年もおけるし、 供給ということからすると一か所において、管理しておく方がずーと安全で効率的です ただし血小板となると、たった72時間しか保存できないのです。それに照射などをする と48時間とか24時間です。そういうものを分画製剤と同じには扱えない、だからこの事 業の展開はコミュニティを主体にしてやらないとならんと考えられるわけです。  ですから、今の臍帯血は非常に全国的なレベルでの考え方というのは必要ですが、実 際はコミュニティのサービスを考えないと本当の患者さんのためにならない。特に搬送 とかということになりますと、全部コミュニティの考え方でやるのが、最も濃厚なサー ビスができるということです。  その意味で私はこのことが参考になるという言葉を使ったわけではないのですが、非 常に似て非なるものではあるということは言ったと思います。そういうことです。 ○原委員  関口先生のご意見はご意見としまして、血液製剤の中に、この前も言いましたように 是非、血小板を、非常に小数の人を対象とした、特定の患者を対象とした、患者の数か らいけば移植に近いような製剤も対象として供給しておられるわけです。  コミュニティといいますと、恐らく臍帯血については、全国的な規模でないと役に立 たないものであろうということも事実だろうと思うのです。その意味では規模とかでは なく、使うところが移植センターであるというところが非常に限られている。他の製剤 につきましては、特定の病院だけではなく、あらゆる病院に供給するのが、恐らく血液 センターであろうと思うのです。その意味では使用される、あるいは治療に使う対象が 違っているという点が異なっているだろうと私自身は思います。現実に従来の輸血は移 植そのものです。血液輸血は移植そのものであるからこそGVHDが起り、移植である ということがやっとわかったと思うのです。その意味では輸血の中の移植的な面を照射 によって排除しようという理論は当然出てきたわけですが、それはそれとして、輸血が 移植そのものであるということは事実であろうと思います。現実に移植という言葉を輸 血の中から移植という言葉をとると、本質を見間違うのではないかと思っております。  その意味で、臍帯血は移植する治療の対象患者、あるいは治療する施設が違うと思っ ております。血液製剤の中に含めるとか含めないは別にしまして、特殊に扱うべきもの であろうということは事実だと思いますが、本質的には輸血と同じであると思っており ます。 ○関口委員  誤解を受けたのではないかと思います。HLA血小板では、何が特殊かというとHL Aなんです。ですからHLAのデータの管理と物とが同じところでなくてもいいという ことです。血液事業の大半は物との考え方では、血液センターのそれぞれが仕事をして いるわけです。それで非常に上手く地域との関係ができている。ですから、勿論臍帯血 バンクも、全国1億2千万人の共通の所有物であって、これは当然管理はHLAなりそ の他の条件については1か所で管理されるが、実務はそれぞれの地方に置かざるを得な いということです。  ただ量的なことからいって、今のセンターの事業とはちょっと性質が違うということ です。ですから物とデータというのがこの場合には考えねばなりません。臍帯血の場合 にはね。 ○原委員  先生のおっしゃっていることと私は同じことをいっていると思います。 ○浅野委員  この文書を見たらいろいろな議論が起こると思うのです。一つ提案ですが、臍帯血移 植と輸血とは、治療目的上の観点からは異なるものではあるが、採取・保存・搬送する 過程では現行の血液事業の業務と重なるところが多い、これが正しいのではないでしょ うか。 ○齋藤座長  そうですね、似ているところもあれば似てないところもあるということですね。  今、搬送の問題とかいろいろな問題が出てきました。では先の方に進んでまた戻って 議論をしていただいてもいいと思います。では次の3つ目の論点をおねがいします。 ○重藤補佐  では読み上げさせていただきます。利用者の利便性への配慮について。臍帯血を必要 としている白血病等の疾病に罹患している患者の利便性の観点から、受付窓口や移植情 報の管理については、骨髄移植との関係に十分配慮することが必要である。 ○齋藤座長  この点はいかがでしょうか。 ○陽田委員  この辺のことは私が前回か前々回の議論の中で申し上げたことです。確かに患者さん の利便ということで、ワンストップサービスといいますか、一か所で複数のサービスを 受けられるという行政サービスのあり方からいえば、この表現で良いかと思います。 『骨髄移植との関係に十分配慮する』というこの辺の表現です。現在骨髄バンクで行わ れている患者登録窓口、HLA情報の管理を一緒にした方が良いかどうかは十分精査す る必要があると思うのです。十分に配慮するということが、例えば一緒にやった場合、 それによって逆に不都合が生じることがないかどうか、ということも十分に検討すべき だと申し上げておきたいと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。他にいかがでしょうか。 ○浅野委員  これから議論をされていくことでしょうが、患者さんにとって臍帯血移植と骨髄移植 では手順がまるで違う。この点の認識が必要です。実際に臍帯血を必要としている患者 さんの利便性を考えておく必要がある。ここで位置づけるのは不味いのではないか。 ○青木委員  私も全く同意見です。これから検討をするわけですから、最初から位置づける必要は ない。患者さんにとって何が一番いいのか、窓口が仮に二つあったとして、そこで患者 さんが本当に受けたい治療を受け、選択ができるということも患者にとって良いことか も知れない。その辺をこれから議論するわけですから最初から枠に嵌めることはない。 ○齋藤座長  これは枠に嵌めるというこのではなく、対象疾患が同一で、もう一方では現在動いて いるシステムがあるので、それとの関係をもう少し考慮してはどうか、十分というのは ちょっと強すぎるかも知れないのですが、配慮することも必要ではないかという程度だ と思うのです。 ○浅野委員  とにかく本検討会は骨髄バンクを意識しすぎていると思います。理想的な臍帯血バン クをまず考えるのですから、その点でいきすぎないようにした方が今の段階ではよろし いのではないでしょうか。 ○加藤委員  もう少し将来を含めて考えるとすれば、広く造血幹細胞移植全般の中で位置づけるべ きだ、という表現の方が正しいことであり、過去に既にスタートしている骨髄移植を無 視してこれはあり得ませんので、その中の整合性をとりつつ、全体的な将来像を、より 良いものを、この検討会を含めて考えていくということだと私は思います。 ○齋藤座長  わかりました。ではここのところを、受付窓口以下を、造血幹細胞移植全体の中での 位置づけに十分配慮することが必要である、ということですね。 ○小寺委員  追加です。それで私もいいと思います。追加ですが、過去の経験から例の国内でまだ 骨髄ドナーが見つからないという方が、海外にドナーを求めたということがございます 昨年の4月からは今の骨髄バンクを介してそれが可能になったのですが、それまではそ のルートがなかったのです。そうすると患者さんは非常に大変なので、いろいなところ に頼んで自分でやるということになるのです。そういうことで、登録の窓口というのは 単純化した方が、患者さんそれから現場の医師にとっても、必要なことだし大事なこと だと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。ではまた重複してくるところがあります。次の採取・分離 の論点をお願いします。 ○重藤補佐  では読み上げさせていただきます。採取・分離・検査・保存を行う施設について。現 在の医学の水準に照らし品質の高い臍帯血を保存していくためには、設備・人員等に関 して、安全性等に十分配慮された施設において、採取・分離・検査・保存を行う。 ○齋藤座長  ありがとうございました。これは一般論というか総論ですが何かありますか。 ○草刈委員  この議論の中で是非やっていただきたいのは、臍帯血の場合の品質とはなんですかと いうことです。言葉ではわかるのです。でも明確にしておかないとね。もう一つは血液 製剤の場合にもそう思うのですが、あまり品質といわれると献血者あるいは臍帯血をく ださったお母さん、あるいは中林先生がおっしゃったお父さん子供を含めて、これは品 質という言葉にそぐうのかなという感じがします。臓器の品質なんてね。 ○西平委員  これはこの前の作業部会でもいろいろ検討された項目です。それについては採取から 処理・保存の状況を全てを指しているわけです。検査に関しても、例えば先程おっしゃ たような血液を介して伝播するような感染症がないかとか、そういうものを全てチェッ クされているトータルのものを指しているということです。 ○草刈委員  それならば、安全な生着に適した、より安全な生着を目指した基準とかにした方がい いのではないか。品質という言葉を軽々に使ってはと思うのです。 ○西平委員  そうですね。ですから例えば細胞数一つとっても、小さい子供の場合に対する、ここ にこれだけの臍帯血があります。しかし10キロの子供には品質はいいのですが、50キロ には駄目ということになってしまうのです。だから絶対的な基準を決めるというのでは なく、ある基準の下にするということですね。ただ先程出てました最小限の基準という のを、検査はこれこれの検査をしないといけないとか、そういうものを全部含めての記 述をいっているのではないかと私自身は理解しています。 ○齋藤座長  そうしますと品質という言葉よりも、もう少し具体的に、安全性が高く生着に適した ということでしょうか。その他にご意見はどうでしょか。 ○関口委員  そういう言葉も適切ではないのではないですか。これは臍帯血そのものに対する品質 をいっているわけですね。ですから全ての工程について決められた作業・手順書があっ て、それに基づいて採取の責務として保存される、生着がよくても異常が起こっている こともありますからね。だから生着だけでは言えない。成功するというものですよね。 どうかな。 ○加藤委員  言葉に捕らわれすぎない方がいいかなとも思うのです。ただおっしゃることが分から ないわけではないのです。品質の品を除いて質が高いではどうでしょうか。 ○浅野委員  品質でもどっちでもいいと思います。重要なのは品質について責任ある保存施設の設 置についてであると思います。この点で財政面のことを十分に考慮していただきたいと 思っております。 ○齋藤座長  それは全国何百箇所もやると無駄だからもう少しまとめるということですね。それは 現実的にそうなるでしょうね。では次の論点に移ります。 ○重藤補佐  情報管理体制についつて。患者の利便性の観点から、また公平・適正な移植の実施の ためには全国的な規模で臍帯血のHLA型等の情報を一元化することが望ましい。 ○齋藤座長  この点はいかがでしょうか。 ○浅野委員  具体的にHLA型等と書いてあるのですが等は何を示しているのでしょうか。 ○重藤補佐  その他の付随する検査、例えば感染症の検査結果とかも一元化するということです。 検査項目はHLA型だけではありませんので、その意味で等を入れました。 ○浅野委員  患者さんにとれば、全てチェック済みのものであるわけですから、等というのは非常 に曖昧な表現になりますからね。どういうふうに考えているのかそれをちょっと聞きた かったのです。 ○重藤補佐  もう一つです。臍帯血の移植の場合には細胞数というのも非常に重要なファクターか と思いますので、その等の中にそういうものもあろうということで入れさせていただき ました。 ○浅野委員  保存された細胞数ということですね。 ○陽田委員  一元化という言葉の意味がよくわからないのです。人と金、ようするに人事と予算を 握るところが権力を握ると言われておりますが、この事業においては、情報も一つの権 力になるようです。 ですからこの辺の言葉を十分に配慮して使わないと、一元化ということが一つの権力に なる恐れがありうるということです。ここのところは少し配慮してほしいかなと思いま す。 ○有田委員  今の陽田さんのご意見に関してです。今皆さんは笑われましたが、ここが一番大切な ところです。日赤や厚生省を私たちは一部分頼りにしているところはありますが、権力 とか情報を操作するということで、何をやらかしてくるのかという、これは骨髄を含め てずーと心配しているところです。地方議会からの意見書提出運動がいま行われており まして、12月議会までに441 の意見書が提出されております。その国民運動の一つも、 実にそこのところを監視していると思ってください。骨髄バンクができますときに、今 の医薬安全局、当時は薬務局ですが、そこが骨髄バンクの最初の予算を取られました。 骨髄バンク構築のときに、赤十字のOKをいただけなくて、今窓口になっている保健医 療局の方に予算が移りました。私たちはそこのところからずーとこの造血幹細胞移植に ついて、又骨髄バンクそれから臍帯血バンク構築については、見守ってきているわけで す。  ですから今陽田さんがおっしゃったことは大変重要なことです。私は、前回・前々回 と、意見を沢山言わせていただいておりますが、要は、厚生省、赤十字、移植医などが 自分達に都合の良い部分だけをつなぎ合わせたような骨髄バンク構築の時と同じやり方 をしないように、委員の方々、マスコミを含む傍聴のみなさんにしっかり見てください ということをお願いしたいのです。 移植の技術については、骨髄移植や欧米の臍帯血移植と大差はないと思うのです。臍帯 血バンク構築の過程を国民がしっかり見ているということを、厚生省には申し上げてお きたいと思います。 ○草刈委員  薬務局から保健医療局に予算が移った経緯は次の機会にきちんと厚生省からご報告し ていただいた方がいいと思います。 ○加藤委員  幾分ややこの文章と違うところに走り始めたようなので、もう一度整理したいと思い ます。  仮に現在ある少なくとも9つのバンクが当面活動を続けるとして、更に今幾つか出来 ようとしております。その小さなバンクがそれぞれの情報をばらばらにもっていても、 患者さんのためにはあまり役に立たないということ、それを懸念して、それで情報を一 元化するという言葉を使われたと私は理解しておりまして、全く何の問題もないと思っ ております。それを権力云々ということは全く違うこととして議論しておいた方がいい のではないかと思うのです。 ○齋藤座長  これはあくまでも患者さんの利便性の観点から一か所にあった方がいいということで すね。 ○原委員  この情報の一元化という言葉にかなり、皆さんが危惧を持たれたのではないかと思う のです。 単に情報にアクセスできるだけのことでしたらいいのですが、現に今アメリカの臍帯血 バンクに各医療機関はアクセスしてますよね。そして有料でいつでも提供しますという ことになってます。 その意味からいきますと、サーチをかけてどのくらいであってしかも細胞数があるのか というのはわかります。そういうように直ぐにアクセスできる体制を作るという意味で の一元化であろうと私も理解してます。何もかも一本にして握るという意味ではないと 期待してます。 ○朝浦室長  情報の一元化の問題についての議論であります。今は骨髄バンクにおきましても情報 を管理しておりますので、次回骨髄バンクの情報収集、あるいは情報提供のあり方につ いてご説明する機会をいただきたいと思います。 ○青木委員  保管されている臍帯血が誰でも探せるという状況にしておけば、何も一か所にまとめ ておく必要はない。むしろ今の骨髄バンクの登録者については、公開されてない。つま り、誰でもそれを見ることができないという状況であるということがもし頭の中にあっ て一元化ということがあるとすれば、その辺は柔軟に考えていっていいのではないか。  患者さんのより利便性を考えて、それは両方ばらばらであっても今はコンピューター の時代ですから、誰でも見られるという公開性を持てば、この問題はまず問題はないの ではないか。 ○陽田委員  私の発言から思わぬ方向になりました。情報というのはこれはHLA型の情報という 意味ですがプライバシーに関する個人的な情報を区分することによって、HLA型の情 報というのは、国民共有の財産です。だから誰もが活用できるというシステムづくりが 大切であろう、だからここで一元化という言葉を使うことについて、とやかく言うわけ ではありませんが、今後の組織の検討の中で、その辺を十分配慮する必要があるのでは ないかという意味で申し上げました。 ○齋藤座長  全国どこからでも誰でもアクセスしやすいシステムという意味でしょうね。これはね では次の論点お願いします。 ○重藤補佐  移植の適応・臍帯血の品質評価・移植成績の評価について、は第三者機関において客 観的に行うことが必要である。 ○齋藤座長  これはいかがでしょうか。 ○草刈委員  品のない言葉でね。 ○青木委員  加藤先生の説で質の評価ではどうですか。 ○加藤委員  敢えて申し上げます。ここは品質ではないかと思います。 ○齋藤座長  この点についてはほぼ賛成されるのではないかと思います。第三者機関ですからこれ はどこでもいいわけでして、学会でもいいわけですし、厚生省でもいいし、今の財団で もいいわけです。 できるだけあまりお金が掛からないで、しかもオープンなシステムということがいいと 思います。 ○古市委員  丁度作業部会の中間報告にあって、ところどころ第三者の機関が評価をするというこ とがあると思います。正確には覚えてないのですが、ここに書いてある3つだけだった のかなという気はするのです。例えば採取する機関のことであるとか、移植する機関で あるとか、そういうことについても第三者機関のことがいるのではないかということに なる。すると3つだけについて書いていいのかなという気がします。 ○齋藤座長  認定というのはおかしいのですが、施設の評価ですね。 ○重藤補佐  そこを事務局からご説明します。資料の2の臍帯血移植の実施のための技術指針の策 定に向けた考え方についての4ページです。下の(9)の評価というところに、今の古 市委員ご指摘のところがございます。それにつきましては、第三者により、必要に応じ て移植の適応に関する基準、臍帯血の品質に関する基準等、各種基準の妥当性等ととも に、移植成績についての評価を行うことが必要である。ということで大変に幅をもった 記載内容にしております。 ○齋藤座長  ありがとうございました。 ○青木委員  ここで大事なことを付け加えていただきたい。第三者機関で客観的に評価するという のは大事なことであります。客観的にのあとに、公開性をもって行うことが必要である その辺を加えていただくことが大事ではないかと思います。 ○齋藤座長  すると今は一応他の論点もあると思いますが、主な論点についてあげまして、次が運 営体制のあり方です。いろいろな条件が複雑に絡み合ってくるわけですが、資料4に一 つの略図があります。これは図を作る人によっていろいろな意見があるわけです。線の 引き方がおかしいとか、あるいは囲い方がもっと他の囲い方があるとか、場所がこうい うところではないとか、いろいろなご意見があると思います。まず事務局からご説明し てください。 ○重藤補佐  資料の4でございます。臍帯血利用体制の略図(案)でございます。まず下からご覧 いただきたいと思います。臍帯血の提供をして頂く方がいらっしゃいます。そういう方 は産科のある医療機関におきまして分娩等をしていただきまして、その臍帯血を採取さ せていただく、それを分離・保存をしまして、臍帯血の保存施設で保存をするという、 一連の臍帯血の採取・分離・保存というところの機能があるのではないかというふうに 事務局は考えた次第であります。  臍帯血の保存施設の数とか、広がりということについては、またご議論をしていただ く項目であろうと思いますが、こういう機能というのがあるのではないかと思います。  それから、臍帯血をいただきましたときにHLA型等の検査をする機能も必要であろ うというふうに考えております。患者さんの窓口とか品質の評価とか、適応評価を行う ような機能も必要ではないか、臍帯血のHLA型等の情報の管理、情報を管理する機能 も必要である。そういうもののいろいろな動きというものを支援する搬送という仕組み も考慮していく必要があるのではないか。このように考えて、このような機能をどのよ うに結び付けていくのか、このような機能をどのように一緒にしたり分けたりいろいろ して、体制を、今後先生方にご議論をいただくわけですが、基本的にはこのような機能 でもって臍帯血の利用体制というのは構築されるのではないかということで、事務局が 考えました利用体制の略図ということで、作らせていただきました。ご議論をよろしく お願いしたいと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。いかがでしょうか。 ○陽田委員  これは利用体制であって運営体制ではないのですね。組織の運営体制という意味では ないのですか。 ○重藤補佐  運営と利用という陽田委員の違いがちょっとわかりません。 ○陽田委員  例えば、この事業がスタートして、いろいろな問題にぶつかると、検討をして意思決 定をしていく必要があると思います。運営していくという意味からね。これは単なる臍 帯血を利用するのにどうしたらいいのかという略図なのかも知れませんが、意思決定機 関について完全に抜けているのではないか。当然、財政的な問題もあります。 ○朝浦室長  今の陽田委員のご指摘はごもっともだと思います。運営体制を含めてこの略図を一つ のたたき台にして、今後ご議論いただきたいということです。 ○草刈委員  患者さんと提供者は繋がらないのではないでしょうかね。離しておいた方がいいので はないでしょうか。患者さんの利便とアクセスのことが書いてあるのですが、患者さん と医療側でしょうからね。患者さんの利便は、患者のための医療の利便なんです。本当 はね。だからお医者さんたちはパートナーでいるわけです。 ○陽田委員  この当たりの議論になるとかなりディティールの部分になってくると思うのです。で すから僕はこの前に議論しないといけない大事な問題が沢山ある気がします。  前のページに戻って恐縮です。検討しておくべき主な論点というものに、まだいくつ か加えないといけない項目を委員の方々から出していただかないと、いきなりここにい くと議論がおかしな方向にいってしまう気がするのです。私は事務局に私なりにメモし て、前回の第2回の検討会の前にこういうことを是非検討していただきたいというもの をお出ししておきました。今日のこの論点の中に入っているものもありますが、入って ないものもあります。今申し上げてよろしいでしょうか。 ○齋藤座長  図の4の利用体制を出した理由は、運営と利用体制というのは切って切り離せないと ころがありますので、一つは利用体制を含めて、全般的に議論をしていただきたいため です。勿論、新しい論点があれば、付け加えていただくことも必要です。事務局の方も 例えば財政的な面はどうなのかとか、あるいは医療上の問題が起こったときには誰が責 任をもつのかとか、そのような非常に大きい論点があることも理解していると思います どうぞ付け加えてください。 ○陽田委員  私がお送りしまたメモでは、まず最終的にこの事業の基本理念を簡潔な言葉で是非ま とめてほしい、これが一つあります。  二つ目に、有田さんたちが公的な臍帯血バンクを作ってほしいということで運動を進 めてこられたわけです。この公的という意味を十分に議論する必要があるのではないか 単に国の税金が出ることが公的という意味なのか、この辺のところで随分、運営のあり 方とか組織のあり方が違ってくるのではないかと思っております。  この事業が法律に基づかない事業なのかどうか、その辺の是非についても、十分議論 をする必要があるのではないか。  あとは財政上の問題です。これをどういう種類のお金で運営をしていくのか、それに よってもこの組織のあり方、運営のあり方が相当違ってくるはずす。  あとの細かいことはいろいろありますが、運営主体というのは、この組織図の中には 出でませんが、先程申しましたように、意思決定をしていく機関がどういうイメージの ものなのか、座長からお話がありましたように、何かあったときにどこが責任をとって いくのか、その辺も明確にする必要があると思います。  情報公開、国際協力、この辺のことも議論しておかないといけない。  あとは私は骨髄バンクの事業の流れの中で一番残念だと思うのは、地方自治体に対す る協力の求め方というか、係わっていただくあり方が、もう少し最初の時点から戦略的 にきちんと考えておくべきであると思っているのです。この事業においても地方自治体 の係わり方、協力の頂き方を十分議論しておかないと、上手くいかないのではないかと 思います。その辺のところを今後の論点の中に入れていただきたいと思います。 ○齋藤座長  そうですね。ありがとうございました。他の方、同じように付け加えてディスカッシ ョンするものがございましたらお願いします。 ○浅野委員  今陽田さんが言われたことは大変重要なことです。たとえば国際協力では骨髄移植と は全く違った展開を恐らくするだろうと予想されます。かなり早いスピードでね。です から国際協力をどれだけこの検討会で議論したかが問われることになると思います。国 際協力のためには、国際規格にちゃんとあったものにすることが極めて重要です。  もう一つです。この運営上の問題を議論する前に臍帯血移植が抱える倫理上の課題に ついて、まず、十分にディスカッションされなくてはなりません。各論に入るのは急が れていますから大事ですが、その辺の議論をもっとクリアに是非やっていただきたい。 ○齋藤座長  今多くの追加すべき論点のご意見がございました。中には技術上の作業部会でディス カッションしていただくこともあるかと思います。少しその辺を事務局で整理して、ま た次回以降にやっていきたいと思います。 ○陽田委員  もう一つ忘れました。この事業が非営利かどうかということも、当然頭の中では私は 非営利でやるべきだと思っておりますが、その辺もきちんと議論をしておかないと規制 の問題との関係で重要になってきます。 ○有田委員  今陽田さんがおっしゃられたこと、浅野先生が言われたこと、時間をとったとしても しっかりと議論をしておく必要があると私も思います。公開ですので、公開というのは 皆さんに知っていただくということがありますから、是非そこはお願いしたいと思いま す。その議論もないままに、こういう図が出てくるのはおかしいと思いますのでよろし くおねがいします。 ○齋藤座長  営利か非営利かというのはかなり重要な問題です。たまたま昨日アメリカのNMDP という全米骨髄バンクの事務局長のドクターが名古屋にきまして話をしました。米国で は民間の臍帯血バンクが営利事業として一杯雨後の筍のように出てきて、大変に困って いる。それぞれが少しづつの臍帯血を集めてバラバラに商売をしようとしているという ことをいってました。何とか先程の一元化ではないのですが、患者さんが誰でもアクセ スできるようなシステムにしたいというのをいってました。 ○重藤補佐  事務局からです。今陽田委員からのご指摘はごもっともでございますので、またそれ は論点としてまとめさせていただきまして、次回以降出させていただきます。これは鶏 と卵というような、全部理念で詰めきっても、実際には体制でできるとかできないとい うことがありますし、体制をつめるには理念が必要であるというご議論ももっともなこ とであると思います。  もちろん、原理原則を詰めきれてないという点はごもっともでございますが、一応、 利用体制というもので機能を表にしましたので、本日こういう機能について、このよう な機能としての利用体制でいいのかどうかというようなもののご議論をいただいて、こ このところはまだ基本理念が定まらない、詰めきれないというようなこともあろうかと 思われますが、今回議論が進んでできる部分だけ、先に論点を明確化させるために、ご 議論をいただきたいと存じます。こうした機能をいろいろご意見をいただく中で、そう したらどうした運営主体でやるのが好ましいのかとか、どういうところにお願いするの がいいのかというようなとこになっていくと思います。そこは本当に表裏一体のところ で、表から議論するのか、裏からいくのかということだろうと思いますので、その辺で 事務局として至らないところはありましたが、出した資料で一応論点を明確にするとい う意味で、本日ご議論をいただければ幸いと思います。 ○齋藤座長  このように総論と各論が前後したり、いろいろ左右ひずみが出るというのは新しい体 制の議論には常ですから、これについてご意見がございましたらお願いします。 ○加藤委員  この図を議論するといっても、先程からありましたように、これでいいのではないか とかしか言いようがございません。それよりももっと大切なのは、この平面ではなくて 立体化していくときにどうかという議論、先程陽田委員からもございました。私は一番 気になっているのは、現在既に動いている民間の幾つかの臍帯血バンクの位置づけをし っかりしておきませんと、事実が先行しまして、それを追認する形になるのであれば意 味がないと毎回申し上げておりますが、公的なもの、その公的なものの定義はともかく として、国民が等しく平等に使えるものというのが公的なものであると理解しておりま すので、そのためにはどういうシステムがいいのか、この流れはあくまでも作業過程で して、それを運営するあり方をどうするのかということに尽きるのではないだろうかと いうことです。  その意味からすると、現実に動いている地域臍帯血バンクを直ぐに止めなさいとはな かなかいかないだろうと思います。ある程度、品質という言葉を使うのはいけませんが それの管理をきちんとできる最小基準というものをここで議論して、それが当面そのよ うな形で運営するが、できるだけ早く、それを一体化するか、あるいは公的なものとし て、今あるのもとは違う形態のものに移行していくようにする。あるいは両者が並走し て、国鉄私鉄が同時に動くような、こともあるかと思います。そのようなものを目指す には、どうあるべきかということで、機能を分けていかないと、この図でよろしいかと いうことになっても、なかなかそれの善し悪しの結論を付けられないのではないかと思 っております。 ○陽田委員  今日は私ばかり発言しているようで恐縮でございます。私が描いているイメージを申 し上げさせていただきます。まず一つはこの地域バンクという表現はどこかにあったと 思うのですが、この保存施設を中心とした組織を地域バンクというふうに仮に呼んだと すれば、そこが独立した意思を持つ、あるいは採算的にも独立をする、そういうものの ネットワーク的な組織にしてほしいとイメージしております。というのは、中央集権的 な組織では絶対に上手くいかないだろう、ですから、独立した幾つかの地域バンクから それぞれ責任者が出て、運営委員会的なものを構成して、全体で意思決定する、そのよ うなイメージのものかなと思います。  この評価とかは第三者で行うということですから、こういう上下の関係ではなく、こ の体系とは別なところに位置した評価の第三者機関というものを持てば良いだろうと思 います。  それでこのHLA型の情報管理機能、ここには余計な権限は持たせない、単純にサー チするだけという形にもっていくべきではないかというイメージで考えております。 ○齋藤座長  今陽田委員が言われたものは確かに一つの案であると思います。ただ各地でやってい る場合に、同一の基準で採取とか安全性というのがやられているというのが確認されな いと、例えば、先程出たように、今アメリカの場合には一部の臍帯血バンクのHLAの データをNMDPに登録して公開しているらしいのですが、すると利用者がどこの臍帯 血バンクのものであるかということまで情報の中に入れてくれと言うらしいのです。例 えばテキサスのものであれば信頼できるとかできないとか、そういうことになると、こ れは問題であります。平等・正確・公平というのはなくなってしまうわけです。  ですから各地域に、勿論100 も200 もという意味ではなく、一桁くらいでしょうが、 その場合に一番大事なことではないかと思うのです。 ○鎌田委員  これは教えてもらいたいある意味では非常に単純な質問です。この臍帯血利用体制の 略図の真ん中に、患者窓口・品質評価・適応評価等の機能というのがあります。そこを 介して利用者側と提供者側が繋がるような絵になってます。先程の検討しておくべき主 な論点についての一番最後の項目に関連して、中間報告の中の文書をみると、ここでは 移植の適応といっても、適応に関する一般的基準を作るのが第三者機関であるという表 現の仕方になっているのです。  その意味では臍帯血移植を実施していく上での一般的な適応に関する基準づくりをす るという仕事と、個別具体的なくっつけるという仕事は、全く異質な仕事であると思う のです。個別でいくと、むしろ個々の個別具体的な適応判定をこの機関でやると同時に 多分一般的基準づくりもやるというふうにも見えてくるのです。そういう趣旨でご議論 をされているのか、あるいは第三者機関等がやるのは基準づくりであって、具体的な個 別具体的適応判定は当面考えていないということでご議論が進んでいるのか、どちらか 教えていただきたいと思います。 ○重藤補佐  事務局の趣旨でございます。臓器移植などの場合で、例えば心臓移植とか肝臓移植の 場合には適応評価、要するに手術適応の評価につきましては、第三者機関、学会を中心 としたところで評価をして、手術適応があった場合にあっせん機関であるネットワーク に登録するという手順を取っております。とういうものを参考に、研究的に実施すると いう事務局の考え方がありますので、そこのところは適用評価ということも、一応第三 者評価をするのかなというイメージで図を書きました。  私どもの作ったイメージはそれですが、それが良いか悪いかというのは、先生方にご 議論いただければよろしいかと思います。 ○青木委員  いろいろな議論が出る前に線を引いて、あれこれ図を示されるからややこしくなると 思うのです。まずバンクの利用あるいは運営、どういうことが項目として挙げられるの かということで、項目だけをずーと羅列していただいて、今後の議論の中でそれを抜か さないで、皆で考えて最終的な図ができればそれが一番収まりがいい。だからまだこの 他に果して評価だけでいいのか、監視をきちんとしないといけないのではないかとかの 監視機能を持たせるのか持たせないのか、運営委員会をどうするのか、そういうことも あります。  一番大変な時間に迫られる仕事がここに表現されてない。つまり採取する医療機関か ら保存施設に搬送し24時間以内に分離凍結保存をしないといけないわけですから、1万 なら1万をどうやって回収するか、回収が抜けております。その辺がバンク機能の中で はかなり忙しい部分になります。まだまだ抜けている部分があると思いますので、ある 程度項目を先に整理して考えればいかがかと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。一つの案としてこういうものを出すことによって、いろい ろな足りないところが出てくると思います。 ○草刈委員  仕組みを考えるのは非常に良いのですが、忘れてならないのは仕組みを動かすのは人 であるということです。どういう人であるのかというと、ここに書いてございます移植 医療機関の先生方と患者さんとに、どういう情報を提供するのかという内容がないと、 納得のいく内容ということです。先生方はお分かりだと思うのですが、先程の患者さん をどう考えていいのかというのをここで考えないといけないのですよね。きちんとしな いと例えば先生方が困る、それが全国的に統一的なものでないといけない。  もう一つは中林先生の方ですが、提供者の方々に与えてないといけない情報が産婦人 科の先生に納得のいく情報でないといけない。これは骨髄移植のときに浅野先生と一緒 になって、いろいろと忙しい思いをさせていただいたのですが、初めから国際化を目指 すのであれば、何十年というかかなり長期間で保存をするとすると、初めから提供をな さる方にそれの了承を得てませんと、あとで不可能になりかねない。骨髄移植の場合に はそれがはじめはなかったので大変でした。  だから、どういう情報を提供者側に与えておくべきかをきちんとすべきだと思うので す。それは人間を相手にしているということです。  もう一つは、これはまさにお医者さんのことです。私も医師免許証はもっているので すが、一頃臓器移植が推進しなかったのは、浅野先生の立場なら誰も怒らないと思うの です。私がいうとぶん殴られますが医者の競争心のせいです。そこに協調心がないとい けない。名誉欲などがあります。それは一頃で、今はありませんといっておきます。  先程から第三者機関、客観的に、公開、監視、これは不信感の固まりです。これは医 師として反省しないといけないと思っているのです。そういうバンク間の協調と信頼、 斉藤先生が強調なさったような一つのスタンダード、信頼しながら推進するための最小 限のものが必要ではないか、そこで信頼されるものを作っていくという努力が医師側に 求められているのかなと言っておきます。  ○浅野委員  草刈先生がいわれたことと全く同感です。この組織図について議論ができたことは非 常に良いことだと思います。これははっきりと患者がいて、医療施設があって、保存施 設があって、それから採取の産科があるのだ、それが相互にそれぞれの形で何をするの かというのをはっきりさせないといけないのではないでしょうか。これだとまるっきり 実際に移植に携っている人以外はわからなくなります。それがしっかり書かれていれば かなり議論が進むと思います。  厚生省がどういう立場でこのシステムに関与なさるのかというのも大事だと思います もう一つ、研究事業的とは一体何なのかということを、もう少し議論させてほしい。こ れは倫理問題を極めて関係が深いわけです。組織図を作るにあたっては、これらの議論 をもっとなされなくてはならないと思います。 ○齋藤座長  研究事業的というのは、恐らくこれで臍帯血移植の部分については21,000点という点 数がついたのですが、だからといって日本で30数例しか経験がないのに、どこでもでき るといって一斉にやるのはまだ早すぎるのではないかということですね。したがって、 先程300 例という任意の数が出されましたが、ある程度例数と、例えば5年なら5年と いう観察期間を経るまでは、どこでもするのではなく、医療施設を決めるというか資格 のあるところに絞ってやっていくという意味だと思います。  厚生省の関与については課長さん何かございますか。 ○中谷課長  厚生省の関与については、まさに卵であるのではないかと思います。例えば、陽田委 員から大変に重要なことで、果して財政的にどうするのかということで、では財政から 入ってしまうと、今の国家財政のことから入っていくとゼロですという話になってしま うのです。そういうことではなくて、良いものであれば何とかそれを生かすようにして いきたいというのが我々の立場です。  またここの表に戻りますと、実は今陽田委員から大変に具体的なお話がでました。例 えばこの表でいえば、この機能のところについては地域分散型でやったらどうか、全体 で決定をするような機能は、こういうようなところで位置づけたらどうか、またHLA の情報機能というのはまさに独立をしてやったらどうか、だからこの線はいらないので はないか。実は我々はほくそえんでいるのは、多分原則論から入っていくと、いつまで たっても神学論争になってしまって、なかなか進まないので、むしろこういうものを出 して、ここが足りない。例えば今のいろいろご議論を聞いておりますと、採取と分離と 保存というのは、ひょっとしたら一緒になっているが、違うのではないかとか、こうい う視点が抜けている。こういうファクターが抜けているというご意見が出てきました。 これはこの委員会でお決めいただければけっこうですが、先程の陽田委員がおっしゃっ た議題が、ここにどうやって組み込むのであろうか、こういうことを、例えばメモでも 事務局にいただければ、それを整理して、例えば選択肢が幾つか出てくるかも知れない こういう論議をした方が、そもそもの公的バンクの性格とはというようなところから入 っていくよりも、建設的な論議になるのではないか、というのが私の現時点でのコメン トであります。 ○陽田委員  今地方分散というふうにお話いただきましたが、私のイメージしているのは地方分権 です。地域バンクに権限を持たすという意味合いです。これは単に、どういう意味があ るのかというと、地方自治体を巻き込みやすい組織づくりという意味で、是非そうして ほしいという意味合いを込めております。  あと、こういう組織図に非常に出てきにくいことでちょっと言いにくいことでありま すが、こういう人の命に係わる事業というのは、組織が官僚的にならないような組織作 りというものを心掛けてほしい。物を決めるときに決裁するのに2段階3段階4段階い ろいろな決裁を経ないと、簡単なことが決められないような組織というのは、命が限ら れている患者さんの救済目的の事業には、非常に馴染まないと思っております。そうい うのはこの機能図には表しにくいところですが、それは理念の問題であると思うのです その辺のところをよくご議論いただきたいと思います。 ○加藤委員  ここの問題にという課長さんからのお話なので、意見を申し上げさせていただきます まず採取を担当する医療機関、これは現在既に試みではありますが、幾つかの医療機関 が経験をしております。ある一定の基準を決めた上でということになりますが、また産 婦人科学会での議論をも踏まえた上で、そのような採取施設を幾つかお願いして拡張し ていくことはそれほど難しいことではないのではないかと思っております。  問題は分離保存HLA等の検査、そのような技術的なところを担当するところ、これ が現時点では医療機関、あるいは一部の赤十字血液センターが担っております。できる ことなら、何らかの形でその先程の品質に係わることのかなりの部分がここに係わって まいります。そこを言葉が一元とか統一といかいいますと、誤解を受けやすいような雰 囲気でございますが、なるべく一定の基準を分かりやすく、私は個人的には統一した機 関があってしかるべきだと思っておりますが、そのようなものにまとめる。  そして、本来であればそこを含めてHLAの情報管理機能及び利用者側のアクセスも そこにあって一番いいと思うのですが、どうもそうするといろいろと具合が悪いという ようなご意見もありますので、場合によってはそれは別のところに現在の骨髄バンクが 二つの形で運営しているようなものと似たような形でも、それは一つのオプションとし てあるかも知れないと思うわけです。  いずれにしましても、陽田委員がおっしゃられた地方自治体がなるべく参加しやすい ような、そういうことは私も全くの同感であります。しかし、だからといってそれが地 方にあるものの集合体であるべきであるという議論ではないかと考えます。地方自治体 の参加の在り方は、もっと国が主導のものでも十分にありうると理解しておりますので そこは単純に、地方自治体を巻き込むためにそうしなければならない、というふうな結 論にはならないのではないかと思っております。 ○陽田委員  そういう意味ではありません。 ○加藤委員  恐らく今日の議論は、皆さんがおっしゃいませんが骨髄バンクの反省は一方ではあり ながら、そして骨髄バンクの評価というもの、あまりにも反省の部分だけが強調されて おりますが、もし地域の骨髄バンクが日本に林立あるいは乱立した状態でいまいってい たら、今はどういうことが起こっていたかということを考えるなら、私は決してマイナ スの部分ではなく、プラスの部分が圧倒的に多いと考えております。 ○有田委員  先程の中谷課長のご意見を尊重させていただきまして、この図のところに是非付け加 えていただきいたのが、先程青木委員がおっしゃいました監視機関、第三者機関です。 これは草刈委員が先程おっしゃったような不信感の固まりではないと思います。これは 本体をサポートするための必要最小限の機関ではないかと思うのです。これが日本では 各分野にわたってシステムの中に欠けていたのではないかと思うのです。これを是非入 れていただきたいと思います。 ○西平委員  この組織図について先程から見てまして感じることは、結局は今まで専門部会という ような採取・保存というような処理上の問題と非常に関係が深いわけです。そういうも のをどうするのかということが論点になっているような気がします。このような組織図 というのはちゃんと採取・分離・保存という技術的な面がしっかりできれば、これをど うするのかというのは、そう難しいことではないと私自身は思っております。  例えば我々のところで前からやっているようなシステムがあります。その採取して保 存してその医療機関のメンバーで、患者さんもいるわけですが、そこの組織の中で評価 委員を設けて、そこで移植をする、患者自身の移植に本当に適応があるのか、他の手段 はないのかということをきちんと評価するような委員会を各地区でつくれば、先程から 地方分権ということもいっておりますが、勿論そういう恰好でしかできないと思うので す。もし例えばHLAが合うものがあるといっても、それを一々中央委員に諮ってやっ ていると非常に時間の無駄になりますし、速やかにやるというのが臍帯血の特徴ですか ら、それは患者さんのいるところになるべく近いところでできるシステムを作らないと いけないと思います。  例えば北海道の患者さんを、遠くの地区の評価委員が、患者さんのデータをよこして それをその地区で審査してというのは、僕はあまり良くないと考えております。それで いいのかなと思っております。  それから国際化という点でも、この前の作業部会の話でもここにも出てますが、国際 的にせよというのは、さっきから問題になっている品質の問題です。ですからそれがき ちんと国際的な基準が合致して採取・保存されていれば、それはただちに国際性を持つ わけで、提供するのかしないのかは組織の問題であると思います。  私は一番問題だと思い重要だと思うのは、産科医師あるいは助産婦さんの最初の段階 です。そこがはっきりしてない。どういう施設でどういうふうにして取るのかとか、そ こをしっかり抑えておかないと、お金のない銀行になってしまう。あるいは価値のない お金というか、つかいようのないお金を一杯溜めても銀行は何にもなりませんので、そ こをちゃんとすれば後の機構というのは、そう問題ではないのではないか。  だからこの図で別に問題はないのではないかと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。ある部分は作業部会の方で更につめる課題もあると思いま す。 ○青木委員  この図ですが、どういう意味で上の部分のマスが大きいのか、今回を考えると非常に 大きな仕事は下に書いてある仕事です。 ○齋藤座長  では時間もあと10分足らずです。一応資料5ということで現在の地域バンクというか 言葉はともかくとして、運営の概要があります。先程からお金の問題も出てきましたの で、お金の問題も事務局で集めた資料を含めて表になっております。重藤さん簡単に説 明してください。 ○重藤補佐  資料の5でございます。現行の地域バンクの運営の概要ということでございます。こ れは以前も出した資料が下になっております。バンク名、設立母体、設立年月日、採取 施設、保存施設、採取方法、保存件数までは前回までの資料と同様でございます。ただ し次の欄の平成9年度予算と主な財源というのは、新たに私どもが調べました範囲で、 その時に手元にありました資料を下に、参考として新たに資料として情報を加えさせて いただきましたので、今回また資料として出させていただきました。  このようなことも含めて、今後この採取・分離・保存の機能、その他の機能というも のにどういう基本的なものにしていくのかということを具体的につめていっていただけ ればと考えております。 ○齋藤座長  では高橋委員、田島委員、全体を通じてご発言はございますでしょうか。 ○高橋委員  全体を通じてというよりも各論の中で2点あります。1点は資料4の利用者の欄に移 植医療機関と患者さんとの間は、情報提供というような中で、十分に間を埋める仕組み を検討いただきたいというのが一点でございます。  もう一つ地方分権のお話が出てますが、私も全国どこでも、そしてその拠点が各地方 で確立するのが良いと思っております。実際に私は全国ネットの仕事を現在引き受けて いて、感じますことは、各県の力が相当に違うというのも事実でございます。そういう ことに影響を受けない拠点というか、そこを是非バックアップするように、少し経済的 に苦しい県でもきちんと確立できるような支援体制を含めたものをお考えいただけたら いいなと思っております。 ○陽田委員  私が話したことが多少誤解を受けて取られているところがあるように思います。補足 説明させていただきたいのです。骨髄バンクと臍帯血バンクの基本的な違いは、物を実 際に保存するということです。データだけではなくてね。ですからその地域バンクに主 体性を持たせないと上手くいかないと思います。しかも、何十箇所も作るわけではござ いませんから、恐らく数箇所だと思うのですが、その意味では、地方自治体の関与も数 ヶ所になると思います。50箇所のネットワークではなく数カ所のネットワークのあり方 ですから、そう大変なことではないかと思うのです。 だからあまり中央集権的な意思決定機関ではない方がいいという意味合いで申し上げた のです。  もう一つです。お金の問題です。ここに参考に各地域バンクの運営の概要のところに 出てます。 お金の議論をするときにイニシャルコストの問題と、ランニングコストの問題がござい ます。ランニングコストについては前の資料で出でましたが最初の初期投資というか、 設備投資には大体どのくらい掛かるのかというイメージがまだ全然出てきてないですよ ね。その辺のところも是非大体の枠をお示しいただけると分かりやすいと思います。 ○浅野委員  財政支援の件では、特に保存施設が実際にどの程度必要なのか具体的に示されなけれ ばなりません。各地に作らないといけないように感じるかも知れませんが、実際には考 えれば数箇所作ればいいわけです。今は各地方団体が作ろうとなさっている。それでは 無駄になってしまう。これに対しては何らかの意見をこの検討会は示さなくてはなりま せん。どうなるのかはっきりと示しておかないといけない。本当に数カ所でいいはずで す。その点をここでまずは認識しておかないといけないのではないか。するとネット ワークのあり方とか、組織のあり方、運営の問題は全部かなりクリアに論議されるので はないかと思っております。その辺の必要性に応じた研究事業的な医療の展開というの も、もう少しクリアにして、皆さんしておく必要があるのではないか。  もう一つお願いしたいのは、倫理の問題です。倫理の問題は、この作業部会で運営の ことも論議されるということで入ってくるのです。私は敢えてここでまた発言しようと 思っていたのですが、倫理は幾つかの問題があります。それを論点にして運営の仕方を 考えていただきたいと思っております。先程の地方分権的ではない、はっきり言えば集 中的です。保存施設に関してはね。 その点と倫理の問題をディスカッションした上やっていただきたいと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。他に全体を通じてご意見はございませんか。 ○加藤委員  今の個別の問題ですがよろしいですか。今の資料5で研究費の予算のところは、私ど ものところがあまりにも額が大きいので誤解を受けるといけませんので申します。この 通りに2億2千5百万円の数字は間違いがございませんが、たまたま文部省から大型の 補助をいただいた、その中の研究事業の一つとし臍帯血バンクに取り組むということで す。設備及び施設に係わっている費用が凡そ2億円でございます。その他に消耗品ラン ニングコストとして2千5百万という分け方です。  因みにたまたま厚生省からもお話がありましたが、今回米国の臍帯血バンクの状況に ついて若干の視察あるいは確認をしてまいりました。多くの方はご存じだと思いますの で蛇足にはなりますが申し上げます。  ニューヨークの血液センターが、これまでアメリカの厚生省に相当するNHLBI (NIH)からの研究費をもとにやってまいりましたが、それが一応の期間を終えて、 更にアメリカとしてもまだ研究事業としての位置づけをしているのだと思うのですが、 4つの臍帯血バンクを認定して、そこに5年間でそれぞれ1千6百万ドルの研究費用を 出して、それで研究事業をしている。 つまり邦貨に直しますと1年間で4億弱ずつの研究費用を4つのバンクに投入している ということです。  人口の割合、地域の広さ等々もございましょうが、日本でそれだけ4つのものをどん と作る必要もない。先程浅野先生は4つとおっしゃいましたが、その4つを一つとして 運営していけばいいのではないかとも感じるわけです。すると最低限ではそれくらいの 予算はどうしても必要であるということは、これはコストのあり方などはいろいろと違 うかも知れないのですが、アメリカのみならず欧州・ヨーロッパもほぼ同じ状況でござ います。わが国のあり方としても、投入した先の形態にはいろいろと議論はあると思い ますが、予算規模としてはどうしてもそれは必要であると思います。  因みにアメリカでは臍帯血にご存じのように値段がついております。1ユニット当た り1万5千3百ドルです。凡そ200 万円弱の値段になろうかと思います。小林局長が前 回にお話がありまして、日本の場合には大体400 万相当の計算になるというお話がござ いましたが、それはつかいようの問題でございます。200 万程度のコストにすることも 使い方・利用の仕方によってはなると考えております。  因みに、成人に対しても積極的にもう既に欧米では行われていることはご存じの通り でございますが、今回も大分ルーチンに近いところまで成人が行われているところで、 いささかびっくりしまして帰ってまいりました。  もう一つは現在東大医科研の中畑先生たちを中心にして、臍帯血を体外で増やしてそ れで体重の重い患者さんにもという研究が進んでおります。これは実用が間もないと考 えております。それで私どもは実は同じような方法、似たような方法でかなり確実な方 法に近づきつつありますので、間もなく、そのようなことについて検討申し上げられる かと思います。そこを含めますと、決して先日おっしゃったようなデットストックとい うものではなく、むしろリビングストックだという考えを我々は持つべきではないかと 感じましたので最後に付け加えさせていただきます。 ○青木委員  資料5ですが、これは10月現在ということです。私ども東京臍帯血バンクは9月15日 からスタートして30という数字が出ております。お蔭様で現時点では100 の保存をして おります。最初のあたりに中林先生がおっしゃっておりました妊婦の当初しか検査なさ らない、その後の問題があるとおっしゃっておりましたが、東京臍帯血バンクの場合に は国際的に流通するクオリティということで、お産の時の母親の血液の安全性の検査も 全て終了しております。  加藤先生の発言にも関連するわけですが、前回までに出された厚生省の資料では、本 当に量が少ないデッドストックが多いという数字が出されております。私が計算したと ころでは3千検体も集まれば、かなりの部分が流れる。まして大人にも使えるという条 件であればどんどん流れていきますから、リビングストックとしての考え方でいいと思 います。  あの数字をみますと本当に悲観をしてしまう。480 万もかかってしまうというイメー ジですが、私はそう心配はしておりません。恐らく1千くらい流れていけば、段々コス トダウンしていきます。そのメリットは非常に大きいと思います。恐らく40万円くらい で納まるような流れ方をしていくのではないかという計算をしております。それはこれ から計算したりいろいろ議論をされると思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。次回は4月13日と4月27日、また月曜日ですが午後2時か ら4時ということです。4月の2回はよろしいでしょうか、場所はまた後ほど連絡があ ると思います。 ○重藤補佐  冒頭ご議論いただきました保険適用の問題につきましては、4月1日に適用というこ とに間違いないわけですが、それまでにいろいろな具体的なものについてつめるという 作業が残っております。そのつめたものを発表する機会があるわけですが、その日程が まだ未定ということでございます。この検討会は次回が3月23日です。それまでに明ら かになるものがあれば、そこで事務局の方からご説明したいと思っております。  今日は論点についていろいろなことを承ったわけですが、本日出ていなかった問題に ついて、何かございましたら次回までに事務局の方に電話でもファックスでも結構です のでいただければ幸いだと思います。 ○齋藤座長 これで終わります。ありがとうございました。 (以上) 問い合わせ先 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室    担 当 重藤(内2361)、眞鍋(内2364)    電 話 (代)03-3503-1711