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第3回IT市民講座「電子自治体構築の課題と解決策」

日立総研白井均さんを迎え行政分野のIT化戦略を聞く

第3回IT市民講座(日立地区産業支援センター) 日立IT市民の会(野地均一代表)が主催する「第3回IT市民講座」が2001年10月18日、日立市内の日立地区産業支援センターで開催されました。

 今回の講座では、日立総合計画研究所(日立総研)の主管研究員・白井均さんが「海外事例に見る電子自治体実現の課題と解決策」と題して講演を行いました。白井さんは、茨城IT戦略会議の委員でもあり、電子政府関連の研究の国内第一人者です。

日立総研白井均主管研究員 まず白井さんは電子政府とは「より多くの情報やサービスを、より効率的、効果的に市民や企業に出来る技術」であると語り、行政のIT化は、カスタマー(納税者:市民・企業)のためのIT技術の活用を意味すると強調しました。その上で、日本の現状は、基盤整備を進めている状況で、国際比較では16位程度であるとの資料を紹介しました。(アクセンジャー:eガバメントの進展度に関するグローバル調査結果より)

 次に、利用者の利便性を高める方向で進む各国電子政府の実例を説明しました。

 アメリカやイギリス、シンガポールなどの先進国は、年代別や用途別のポータルサイトを構築し、あくまでも利用者が使いやすいシステム作りに努力している模様を具体的に紹介しました。(以下その実例をリンク集として掲載しました)

 その後、日本の電子政府構築の現状を説明し、近未来の電子政府の課題に言及しました。最後にPKI(電子公開鍵基盤技術)を活用した国際入札やIT人材採用など、電子政府の可能性を説明しました。

 講演後質疑応答に移り、参加者からは、情報弱者(特に高齢者)対策が大きな課題であり、お年寄りでも使いやすいインターフェース開発が必要との意見が多く寄せられました。

 白井さんは、音声認識や手書き認識の進歩によって、誰でも使えるデバイスの開発が進むと説明しました。そして、電子政府はパソコンが中心になるというのは狭い見方であり、電話やテレビなどすべてのコミュニケーション手段を使ってより便利な仕組みを作っていくことが大事と強調しました。


白井均さんが紹介した「電子政府」関連リンク集
アクセンジャー電子政府の国際比較eガバメントの進展度に関するグローバル調査結果
アメリカの情報公開First Gov連邦政府の情報公開のポータルサイト
アメリカ連邦政府の調達ポータルサイトFed BizOpps2500ドル以上のすべての調達案件を掲示(公示日、内容、特徴(中小企業優先など)、入札結果)
米国政府・学生のためのポータルサイトStudents.gov学生生活に必要な運転免許、パスポートなどの行政サービス、大学、入学手続き、奨学金、ボタンティア、就職情報などの情報を提供
米国政府の高齢者向けサイトAccess Ameirica for Seniors退職、ボランティア、旅行情報、医療、年金等に関する情報を提供
米国政府の障害者向けサイトDisability Direct障害者の生活をサポートする情報・サービスの提供
シンガポールの電子政府シンガポール政府世界トップクラスの電子政府を実現したシンガポールの政府のHP
シンガポール政府の電子申請窓口eCitizen portal出生届から婚約届け、死亡届までライフステージに沿ったサービスを提供している
日立総合計画研究所(日立総研)


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