Copyright Yoshihiro IDE  LastUpdate 2001.Apr.6

特別養護老人ホームの整備状況と待機者の動向

 特別養護老人ホームは、ここ10年間で倍近くの定員増が実現しました。

 しかし、介護保険の導入によって期待されていた在宅サービスの伸び以上に、施設サービスの需要は膨らみ、供給がまったく間に合わない状態になっています。

 茨城県のおける平成11年度末(11年3月)の特別養護老人ホームの待機者数は、836人であったのに対して、介護保険が導入された12年9月時点の待機者数は、1693人に跳ね上がりました。

 介護保険導入以前の措置制度の下では、一定の条件を満たさなければ入所できませんでしたが、介護保険スタートと同時に「要介護度1」以上ならだれでも申し込みができるようになったために、希望者が殺到したものと思われます。さらに、複数の施設に申込みが出来るため、実数はこの数字より少ないことが考えられます。

 待機者の状況は、自宅待機者が603人、施設(老人保健施設など)が535人、病院が423人、その他(不明も含む)132人となっています。

 自宅待機者の入所を急ぐ必要があると思われますが、その実態を正確に把握することは、介護保険の制度上困難です。

 施設ごとに待機者の実数を公開する仕組みやそのデータをインターネットなどで公開するシステムを、整備する必要があると思います。

 介護保険は、施設を利用者が自由に選べる制度といわれていますが、現在の状況は、施設が自由に入所者を選べる制度になってしまっています。

 介護保険スタートから1年。好調な施設サービスにも課題は多く残っています。

  施設数 定 員 待機者数 待機者内訳
申込者
で待機
中の数
入所待
機者中
の入所
措置判
定者数
在宅 施設 病院 その他
1989年 平成元年 44 2861 156 注1            
1990年 平成2年 46 2971 262 注1            
1991年 平成3年 52 3271 281 注1            
1992年 平成4年 56 3471 373 注1            
1993年 平成5年 60 3671 405 注1            
1994年 平成6年 63 3826 522 注1 436 注2 135 193 192 2
1995年 平成7年 68 4076 710 注1 546 注2 223 265 222 0
1996年 平成8年 77 4576 1050 注1 779 注2 252 493 298 7
1997年 平成9年 82 4826 1095 注1 836 注2 284 523 285 3
1998年 平成10年 87 5026 1236 注1 829 注2 303 632 289 12
1999年 平成11年 94 5376 836 注3     235 409 192 0
2000年 平成12年 98 5526 1693 注3     603 535 423 132

    注1:措置制度の中で入所判定委員会に申込みをした人の人数(入所措置と判定されていない人の数も含む)
    注2:措置制度の中で入所判定済みで入所申込みをしている人の数
    注3:介護保険制度における各施設への申込者のうち入所待ちの人の数(複数の施設に重複して申込みしている場合はダブルカウントとなる)


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