ヨットでニュージーランド

 

2001年(平成13年)10月から1年かけてヨット・極高サンライズ号で日本一周した多賀正昭さん
(茨城県日立市在住)が今度はヨット・チチカカ号でニュージーランド・オークランドに向け
2007年(平成19年)3月8日、
九州・大分県マリンピアむさし
から出航。
クルーはチチカカ号のオーナー津田佳一さん(72歳)と多賀さん(66歳)2名。
全行程を約3ヶ月かけての航海になるとのことです。
旅の様子を当ホームページでお伝えしますので御覧ください。
ニュージランド・オークランドまでの快挙が無事に達成できますことを祈念いたします。

スポーツエス 鈴木 久米男




 大分県<マリンピアむさし>をスタートして小笠原・父島

3月3日(土)晴れ 日立から大分へ移動して出航準備。

3月8日(木)晴れ 9時15分マリーナーの仲間に見送られ大分県の<マリンピアむさし>を出航。

3月9日(金)晴れ イルカの群れ5〜6頭がヨットと並走する。

3月10日(土)曇り、気圧が下がり始め低気圧接近。

3月11日(日)雨時々曇り 1010phaの低気圧が日本海側の960pha
の低気圧とドッキングして恐るべき2ッ目低気圧に発達する。
風速20m/s、波高3〜4mとなる。帆を最小にしてヒーブツーする。
(最低速度を保持する操船方法、台風下などで行う)

3月12日(月)曇り 低気圧996phaが去り、気圧上昇1005pha。風12m/s 波高3m
3月13日(火)曇り 南東に向け5ノットで航行。
バッテリー11.8Vに低下。ファンベルトを締め直し回復する。

3月14日(水)晴れ 波高2mにおさまり父島まで後120マイル。

3月15日(木)曇り 15時20分 小笠原諸島が見えた時は感激あらたなものがあり
「ランドホー」(島が見えたぞー!)と叫ぶ。

18時30分 小笠原諸島父島の二見港に入港する。

(オケラネット・ホームページより)
ヨット「チチカカ」号の津田さんと多賀さん(極高サンライズ号の元オーナー )は大分マリンピアムサシを出港。
小笠原経由ニュージーランドへ向かいます。3月15日18時30分父島二見港に入港。
3月21日9時30分ポンペイ向け父島出港。



 小笠原諸島・父島にてオケラネット山田さんに会う

小笠原父島ではヨット航海の支援を行っているアマチュア無線のキー局、山田和子さんに会う。
多賀さんが日本一周の時にも毎日、無線で世話になった方です。
オケラネットと云う21.43mhzで12時20分から13時00分頃まで
ヨットの位置報告、天気、状況など次々とさばいて記録してくれる。
ヨットに乗っていて位置通報を毎日受け止めてもらえる安心は有難いものです。
そしてホームページでヨットの位置を表示しています。
山田さんの御主人はダイビングサービス<海神>を経営。
山田さんから夕食に招待され南極時代の星合越冬隊長や安井先生の話がでてビックリする。
星合先生は第8次越冬以来40年間、時々、美味い酒を酌み交わしている仲です。
安井先生は星合先生の同級生で八丈島、小笠原父島と離島の学校の先生を一筋に勤めてきた人。

3月18日(日)父島測候所で天気図を見たり天気予報を聞く。
今週は1日おきに低気圧と高気圧が交互に通過して天気は良くない。
気象庁に南極時代の仲間がいるので懐かしいメンバーの話に楽しいひと時をもつ。

3月19日(月)出入国管理局へ行き出国手続きをする。

3月21日(水) 9時に多賀さんから小笠原父島の二見港を出航すると電話が入る。
約3週間かけポンペイ(ミクロネシア連邦・ポナペ島)に向け9時30分、父島の二見港を出航する。

(オケラネット・ホームページより)
「チチカカ」号のご家族、友人は、このページ(オケラネットのホームページ)を楽しみに御覧になっているとのことです。
 津田さん 多賀さん頑張って毎日チェックインされるでしょう。本来スキップの位置ですが 父島にかすかに聞こえます。
 リグとアンテナのセッティングとてもFBです。アースも良く効いているのでしょう。
 明日「チチカカ」と交信される方は、お天気・コンパスコース・スピードをお聞き下さい。



小笠原・父島からポナベ島ポンペイ向け
(オケラネット・ホームページより交信記録を掲載)


航海コース計画
大分県のマリンピアむさし〜小笠原諸島・父島
小笠原諸島・父島〜ポナベ島ポンペイ 1520マイル
ポナベ島ポンペイ→フィジー諸島・スバ 1500マイル
フィジー諸島・スバニューカレドニア諸島・ヌーメア 720マイル
ニューカレドニア諸島ヌーメアベイオブアイランド(ニュージランドの島)720マイル
ベイオブアイランド
ニュージランド・オークラン




3月21日(水)北緯26度54分29秒N 東経142度19分19
波高し父島と母島の中間をコース147度。

3月22日(木)北緯25度39分22N 東経142度45分26E デイラン80マイル
昨夜から風強くメインのみ 前線の尻尾が頭上に有るようだ。
うねりと風に翻弄され炊飯出来ない。

3月23日(金)北緯25度03分77N 東経143度09分15E 北の風強し 波も強い
3時間前から日差しが出てきました。

3月24日(土)北緯23度43分05N 東経143度51分44E コース170度
南下中。昨夜久しぶりに星空を見ました。
三日月が、とても美しく、ロマンチックでした。
日本を出て以来うねりが激しく、波の頂上では一気に高い所へ押し上げられます。
ヨットにはパイロットハウスがありますが温室のようなもので暑い。
予定ですが10日間ほどかけてポンペイへ行けそうです。
その後フィジー、ニューカレドニアを経由してニュージランドの島ベイオブアイスランド
ベイオブアイスランドからゴールのニュージランド・オークランド・ウェスト・ヘヴン・マリーナへ向かいます。

3月25日(日)北緯22度39分93N 東経144度16分89
コース90度 1006hpa 風は計っていないが、
ほとんど吹いていない。今朝まで無風で、西へ流されていた。
その後、進路を60度へ取り、現在90度。
うねりも無くなって、南太平洋らしい海になっている。
ご飯もゆっくりと食べられるようになった。

3月26日(月)北緯23度20分62N 東経145度29分89E天気 晴れ
気圧1012hpa 風 SE6.6m、コース60度 6.6ノット
昨夜6時ごろ無風になり、エンジンを回して、4.7ノットで12時まで走った。
そして、父島からポンペイへのコース142度に到達した。
これまで東へ寄れなくて、西へ流されていた。
これからは進行方向の左側を行く。
ポンペイまで1360マイル

3月27日(火)北緯22度23分57N 東経146度22分79E 
コース135度 晴れ 向かい風でSE弱く5〜7m 1008hpah
BC26℃(パイロットハウス内は32℃!)
         
(以下、オケラネットメンバーの交信)
とてもお元気そうなお声です。電波も強力でした。
パイロットハウス内、とても暑そうです。
熱中症にお気をつけください。
電気系統のことで、お伺いしたいことがあるそうです。

3月28日(水)北緯21度53分57秒N 東経147度15分43秒E B
1007hpa 風SE4.6m コース135度
バッテリーへの充電はOKになった。
メインセールとエンジン1300回転/分で機帆走中。
ポンペイまで1120マイル。

3月29日(木)北緯20度30分N 東経148度29分E B 風E6.6m
1012hpa コース135度へ機帆走 対水速度5.1m
ウェザーFAXが取れない。今日は父島にも強力に入感しました。
         
(以下、オケラネットメンバーの交信)
明日チチカカとQSOされる方は船舶向け天気図提供サービス・
JMHの周波数が、今月1日変更になっています。
このことをご存知かどうか、聞いてください。

3月30日(金)北緯20度16分N 1東経48度34分E B 1012hpa
風ESE7m スピード4.6ノット コース135度位
エンジンの冷却水が出ず エンジンを止めて昨夜は2人ともゆっくり寝ました。
エンジンの冷却水は多賀さんが直しましたので今はOKです。
バッテリーも問題なし。ポンペイまで990マイル。


3月31日(土)北緯18度49分N 東経150度05分E 26℃ 1011hpa
C&B時雨2回 風NNE9m コース135度 スピード3.3ノット
JMHの変更周波数で鮮明なFAX受信に成功。
天気図が取れました。これで安心です。
有り難うございました。
ポンペイの北600マイル先に低気圧を確認しました。うねり有り。
エンジン冷却水の流れ悪く回転数を上げられずストームジブ、メインの2本とエンジンも掛けている。
ポンペイまで850マイル。


4月1日(日)北緯17度41分N 東経150度37分E 往く手に台風1号が発生。
台風は北緯10度2分 東経152度3分にあるので回避するため出来るだけ東に進路を取り逃げる。
        レギュラージブが3uを残して巻き込めないためストームジブが上げられない。

4月2日(月)北緯17度3分N 東経150度36分 1001hpa 風NNE11m 
コース135度へ2ノット 4〜5mの大きいうねりが時々来ます。
トライスルとストームジブで2ノットで走っている
台風の影響が出てきたらヒーブツ。(最低速度を保持する操船台風下などで行う方法)
        
場合によりシーアンカー(パラシュートアンカー)を流す。

(以下、オケラネットメンバーの交信)
JMHの台風情報のスケジュール

念のため、チチカカにお知らせをお願いします。
 JSTの00:40〜(再放送) 04:50〜 06:40〜(再放送) 10:50〜 
13:00〜(再放送) 16:50〜 18:00〜(再放送) 22:50〜 の8回です。

台風1号 12時現在 北緯13度00分N 東経149度05分E 北西ヘ22ノット 985hpa 風max25m/s
ポンペイは 06度54分N 158度14分E
「チチカカ」は台風に気を付けながらポンペイを目指しています。
各局、色々な情報やアドバイスを有り難うございました。
「チチカカ」も心強かった事でしょう。


4月3日(火)台風1号 3日12時現在 北緯16度35分N 東経145度05分E
北西へ25K/h 気圧970hpa  最大風速30m/s
今朝03時 台風の影響でマストのワイヤーが切れマストがぐらぐらしている。
ロープを流して艇を安定させているがマストがくの字になった。
トライスルはマストに絡まっている。
燃料は300リットル有るがエンジンが10〜15分でアラームが鳴りストップする。
キングストンから水が上がらない。
波がおさまったらキングストン・エンペラを点検して直してみます。
USコーストガード(米沿岸警備隊)に電話が繋がらないので電話をして欲しい。

(那珂湊から激励!)
チチカカの状況、マストの不具合など大変のようですが、
台風の余波が早くおさまることを祈ります。
多賀さん、ひとふんばりですよ。
那珂湊・極高サンライズより。

(以下、オケラネットメンバーの交信)
ネットでは、いきなりUSコーストガード(米沿岸警備隊)に電話をするよう依頼されましたが、
皆で何とか「もう少し頑張るように」と・・・。
台風は今日辺りがピークで明日から勢力が弱まります。
エンジンさえ直れば 自力航海が可能です。
最後の最後までもう少し踏ん張ってください。
 
その後の経過として
津田さんの息子さんがUSコーストガード(米沿岸警備隊)に連絡を入れたそうです。
艇を曳航してくれる約束を取り付けました。32時間後に「チチカカ」のところに着く予定。
(夜中ですと明け方まで待機でしょうか。?)もう救助隊は動き出していました。
皆さんご存知でしょうが救助要請は本人もしくは身内になります。
ネットでチチカカの状況をいきなり知った方は驚かれたと思いますが
津田さん多賀さんたちは冷静なのを付け加えておきます。
後は現場の対応を見守るしか有りませんが緊迫ムードは無いようです。

4月4日(水)津田さんと多賀さんは朝9時30分頃、近くを航行中の
ニュージランド籍コンテナ船に二人とも無事救助されました。
その際、チチカカ号は放棄しました。
現在、両名はコンテナ船の寄港地ニュージーランド・オークランドに向かっている。
との情報がBBH、山田さんより至急報として入った。

(以下、オケラネットメンバーの交信)
  津田さん(オーナー船長) 多賀さん(極高サンライズの元オーナー)  

ヨット「TITICACA」は3月8日大分「マリンピアむさし」を出港し、
小笠原経由で「チチカカ」の生まれ故郷ニュージーランド・オークランドへの里帰りの航海でした。
小笠原からポンペイに向かう途中、4/2(12:00)の位置17度03分N、150度36分Eで、
往く手トラック諸島近海(11°10N, 150°25E)に台風1号が発生し、
これを避けようと東に針路を取ったが、不幸にもエンジンが不調、
マスト等のトラブルが重なり回避できなかった模様です。
チチカカ号は意思なかばでとても残念でした。
経緯をたどるといくつかの小さなトラブルが重なって事態が悪化していったように思えます。
しかし、結果的にお二人が既に救助され無事であることはネットを運用して
MM局をサポートする者にとって、とても安堵しているのは私だけではないと思います。
皆さんのこのNETへの多大な協力に感謝いたします。


「この度はネットの皆様・関係各所・他多くの方達のご支援有り難うございました。」 
津田さんの奥様からお礼のお電話を頂いています。
 
 台風の発生で津田さんは、かなり動揺されたのでしょうね。
マストとエンジンのトラブルが重なり諦めが早かったです。
 艇は残念でしたが、お二人とも無事でしたから、これ以上は望みません。 
 コンテナ船の行先のオークランドは「チチカカ」で行く予定の港でした。
運が良いのか悪いのか。運命の悪戯にはユーモラスにさえ感じます。
 一口にクルージングと言っても事前に準備する物、知識、健康など、
他にも沢山有り過ぎるくらい有るのでしょう。
 今回の事で私もいろいろな事を学びました。
 いつも船のご安航を祈っています。


台風によるマストの破損とエンジンの不調によりニュージーランドへのヨットでの航海は中断になりました。
チチカカ号の放棄など残念でしたが、お二人の無事が、せめての救いです。 スポーツエス 鈴木 久米男

邦人2人乗りヨット、グアム沖でSOS
4月3日午前10時35分ごろ、グアム島北東約670キロを航行中の
日本人2人が乗ったヨット「TITICACA(チチカカ)」(8・5トン)から
小笠原海上保安署に、衛星電話で「台風でメーンマストが折れそうになっている。
自力航行は不可能」と救助を求める連絡があった。
グアムの米沿岸警備隊が現場に向かっており、4日夜には合流する予定。
第3管区海上保安本部によると、ヨットには、船長の津田佳三さん(72)(千葉県四街道市)と、
乗組員の多賀正昭さん(67)(茨城県日立市)の2人が乗っているが、いずれもけがはないという。
ヨットは先月8日に大分県国東市を出港し、ニュージーランドに向かっていた。
(2007年4月3日23時31分 読売新聞)


 多賀さん、津田さんを救助した船はニュージーランドのKIWI BREEZE号(キウイ ブリーズ号)で
船長はじめクルーの皆様の暖かい心遣いにふれ、元気に過ごしていると今日(4月10日)多賀さんから便りが届きました。
4月4日13時28分に救助され今日(10日)で7日目になり食事もおいしく頂いているとのことです。
KIWI BREEZE号はオークランド港に14日朝接岸して多賀さん達は16日の飛行機で帰国の予定です。
今回のことを心配してくれた皆様に宜しく伝えてください。と言っていました。

ニュージーランドのコンテナ船KIWI BREEZE号(キウイ ブリーズ号)に救助された
ヨット<チチカカ号>の多賀さんと津田さんが14日にニュージーランド・オークランドに
着きましたと多賀さんから電話がありました。
16日午前の飛行機でニュージランドを出発して夜、成田に着くとのことです。
今回のことを申し訳なく思い心配してくれた皆様にくれぐれも宜しく伝えてください。
と言っていました。

とにかく二人が無事に帰国できて何よりです。


ホーム