痕異伝3下予告 by oneeven
痕異伝3下
予告編
現在創作中の一部を、下記に挙げておきます。
「嬉しいぜ」
「彼」が言った。
「全然手加減しなくていいんだからな」
「俺をやった時、手加減してたのか?」
祐也が言う。
「もっちろん。格闘技使ったろ。こういう事はしないで。」
言うのと迎えの者が風と化して突っ込んでくるのが同時だった。
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「異星の生体兵器純粋版、どのくらい凄いか見せてもらうぞ。」
「大丈夫だろ?あんた、そんなに力があるんだから」
耕一が言う。祐也もうなずいた。
エルクゥの「ひしゃげ」は、体全体に広がっていた。
「いや。・・・ゆーちゃんよ、おまはん、あのおまわりさん達襲った時、跳躍した後
に、連中のぴったり後ろに飛び降りたろう?」
「ああ。」
「俺に言わせりゃ、エルクゥのあのもの凄い跳躍力じゃ、
普通の奴にはあんなにぴったし思い通りの場所に着地する事なんか絶対できない。
別んとこに落っこっちまう。」
「?」
「コントロールできないんだよ、着地地点を。わからんか?跳躍っ
てのは力学の範疇内。飛び跳ねる力が強けりゃ強い程、逆に、思
うところに着地するのは難しいんだ。全くの初心者なら絶対無理。
ゆーちゃんは鬼の力を手に入れて間もないんだろ?それにプラスして
極めつけは、跳んだ時の軌跡が放物線状じゃなかったって事だな。
多分・・・無意識にPKを使ったんだと思う。」
「ぴーけーって・・・前に言ってた念力か?」
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「多分。俺はふつーの物理法則内でなら何とか対処する自信も
あるが、超常能力に関しては全然自信がない。少しは手伝える
かも知れんが。だから、最終的には、おまえらの肩にかかってる
んだ。」
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「見つけた・・・」
「え?」
「見つけたよ。奴等とみんなの居場所を。ナノをばらまいといてよかった。」
「ど、どこに居るんだ?」
「どうやら地球の裏っ側あたりに居るらしい・・・」
「なっ、なに〜?!」
「いや、少し左・・・『東寄り』か」
「お、追いかけなきゃ・・・なあ、あんたの事だから、空くらい飛べるんじゃ
ないのか?俺を連れてってくれ!頼む!!」
「勿論このまま知らん振りするつもりは全然無い。でも・・・空はなあ・・・」
顔をしかめ、床を見つめながら、「彼」は言った。
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そこは、地球の歴史上、そう珍しくない場所だった。
その構成部分の複数の場所に穴や裂け目ができ、そこから液を多量に流出
している、温度が30℃未満の蛋白質やカルシウムの塊が、多数転がっている
場所だった。
戦場。
できたての、又はできかかっている死体達、そして死体を作った者達
双方により、強力な感情の、思念の渦が巻き起こっている場所だった。
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そこに・・・エルクゥが2体出現した。
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「耕いっつあん!!」
「耕一!!」
「お兄ちゃん!!」
「こ、耕一さん!!」
「耕一さん!!」
「耕一いぃっ!!」
その場の地球人---日本人---全員が叫んだ。
「耕いっつあん!!」
再び叫んだ後、「彼」の姿がかき消えた。
同時に、辺りに物凄い風が巻き起こり、
「グオォッッ・・・」
「グアァァッ・・・」
エルクゥ達の悲鳴が上がった。
と、風が止まった。
高速---音速---移動をし、エルクゥ達を屠っていた「彼」がびたりと動きを止めていた。
絶息したらしく、一瞬にして顔面が真っ赤になる。
エルクゥ達が「彼」を見つめていた。
エルクゥ達の念力で、「彼」の体が浮く。
床上50cm程度の所で、透明な寝台に張り付けになったかのように大の字の姿で
停止した。
体をビクとも動かさない。いや、動かせなかった。
そこへエルクゥ達が殺到し、次々に爪をはしらせた。
血飛沫が上がる。
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
「げっ・・・」
初音が悲鳴を上げ、梓が声を漏らした。
そして4姉妹全員が顔を背け、祐也は眉をひそめた。
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"もう・・・だめか・・・"
耕一は思った。
"初音ちゃんを、千鶴さんを、楓ちゃんを、梓を守ってやれずに、このまま死ぬのか・・・
死ぬ・・・しぬってなんだろう・・・"
耕一の胸に悲しみと怖さが広がって行く。
"かなしい・・・こわい・・・それに・・・"
耕一の胸に、新たな痛みが現れた。
"・・・くやしい・・・"
ずきん、ずきん。肉体の痛みに輪をかけて、心の痛みが広がって行く。
"くそ・・・"
体の感覚が消えていく。
そのとき。
"イヤダ"
"・・・なんだ・・・?"
"アバレタリンゾ"
"なに?"
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"それを目の前にして、何もできなかったら、悔しいだろうが。"
"あ、当たり前だ!"
"なら・・・それを見るのが嫌なら、俺を解き放て。いや、俺と一つになれ。"
"お前と一つに?・・・大体お前は誰だ?!"
"思い出せないか?"
"知らない!"
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"わかった。きさまと一つになる。だが・・・"
"ふふふ・・・だが?何だ?"
"事が片付いた後・・・自殺してやる!!"
"ふふふふ・・・俺が俺たりえた後、そんな事を見過ごすと思うか?"
"く・・・"
"ふふふふふ・・・だが、一つにならなければ当座の敵は倒せんぞ。"
"くそ・・・"
"どうする・・・何もしないで皆を見殺しにし、その後ゆっくり殺されるのか?"
"畜生!!畜生!!畜生!!畜生!!"
"ふふふふふふふ・・・さあ。どうする。"
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「おかげでやっと理解できた。」
「念力のしくみが、か?」
「ああ。だから・・・」
「彼」が言うのと同時に、突然耕一達の呪縛が解けた。
「PKの拘束が解ける」
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