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「超戦士コブラ」シリーズ
(ティモシー・ザーン.訳者は野田さんです.早川文庫)
紹介
主に市街地において、ゲリラ戦を行う為、身体強化手術
を施した兵士、それが「コブラ」です。
他恒星系に植民している人類がエイリアン(敢えてインベー
ダー=侵略者とは書きません)と交戦状態に入り、エイリアン
に占領された星を地球勢力下に復帰させる為急遽設立された
部隊で、その為、外見上は何ら普通の人間と変わりません。
筋肉は自前。しかし体中の骨に硬質コーティングを施し、間
接をサーボで連結した為、強力です。
更に両手の小指には工作用小型レーザー(もちろん殺傷能力あ
り)、左足のスネから下には大口径レーザー(発射口はかかと.
その為かかとにレンズのついた靴を履く)を内臓、胸部には電
子機器破壊用超音波発生装置、プラズマ発生装置を装備。そ
して、これらの機器や身体運動を制御する為の小型コンピュー
タを埋め込んでいます。
しかし、コブラの能力について私が凄いと思ったのは、兵器
の強力さではなく、その運動の生かし方です。
代表的なものが「天井反射」(勝手に命名)。そう広くない室内
に突入すると同時に視認(目)だけで敵と天井をロックオンして
おき、コンピュータ制御でサーボを動かし、天井に向かって急
速に跳躍します。これで敵の目から瞬間的に「消える」事がで
きます。そして天井に「着地」したら、こちらを認識できてい
ない敵に対し、レーザーを発射しながら床に向かって「跳躍」。
後にサーボの強力な力を用いて白兵戦で仕上げ。
忍者を科学的に実現した、という感じです。
又、敵地で反乱軍を組織できる有能さ・冷静さが要求されます。
この、「コブラになれば有能になる」のではなく、「元々有能で
なければならない」事にシビアな所があります。主人公は「自分
も何か役に立ちたい」という気持ちで軍に入隊、コブラ部隊に配
属されます。訓練は厳しく、実際の軍の訓練の片鱗をうかがう気
がしました(あくまで片鱗.厳しさの方向性は違う可能性濃厚)。
長々と「兵器としての凄さ」を書きましたが、それだけでは私も
このシリーズをこんなに好きにはならなかったでしょう。
エイリアンとの交戦は物語の極一部であり(といってもコブラの
高能力を書くくだりは散在しますが)、物語の大半は「戦地から
復帰した『超人』が、普通人の中でその後どういう人生を送るか」
を綴っています(相当な苦悩が主人公を待っています)。そして、
ある「解決法」の結果、主人公は政治の世界に足を踏み入れる事
になるのです。
私に新しい「目」を開かせてくれた作品です。
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