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茨城県議会報告

 
             茨城県議会議事堂               一般質問に登壇する小田真代      
2010年(平成22年)11月8日 : 平成22年度第4回定例会

ここでは、平成22年第4回定例会の一般質問から抜粋して報告します。

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 いばらき自民党の小田木真代でございます。今定例会は私ども議員の任期最後の定例会であります。我々議員は,この4年間,県政及び地域の発展のため懸命に活動してまいりました。その集大成として一般質問をするわけでありますので,知事初め執行部の皆様には,その思いをしっかりと受けとめ,県民に届く,より前向きなご答弁を願うものであります。それでは,通告に従い順次質問をしてまいります。

1茨城県の魅力を向上させるための方策

質疑(小田木)

 本県の魅力を向上させるための方策についてまず,地域ブランド調査の結果に対する知事の所感についてであります。
 民間のシンクタンクであるブランド総合研究所が行った地域ブランド調査2010の結果が,2010(平成22)年9月に公表されましたが,それによると,本県の魅力度については,2年連続全国最下位という残念な結果でありました。この調査は,各都道府県の認知度や居住意欲度,観光意欲度など63項目について,全国のおよそ3万5,000人が評価したものであります。
 また,魅力的な伝統芸能,祭り,イベントがあるか,すぐれた伝統的技術があるかという,地域資源に対する評価2項目や観光意欲度についても,全国最下位という結果であります。

 さらに,本県はフィルムコミッションのロケ誘致数が2,000本を達成し,全国第1位ですが,それにもかかわらず,この調査では,ドラマや映画が本県を知る上での情報接触経路であると答えた人は非常に少数で,全国第46位であります。
 一方,都道府県のイメージ要素である学術・芸術のまち,また,IT・先端技術のまちとも5位と高い順位にあります。これは,つくばやJ−PARCなどに起因するものであり,そうした県のイメージをつくり上げてきた取り組みは評価すべきものと考えます。
 しかし,残念ながら今回の調査結果を見る限り,その取り組みが,本県の魅力にはなり得ていないことをあらわしていると思います。先ほど申し上げた以外の結果においても,認知度は30位,居住意欲度は46位であります。県では2010(平成22)年4月から広報戦略室を立ち上げ,全庁的なPRに取り組み始めたことは承知いたしておりますが,まだ半年だから結果が出るまで時間がかかるなどと,悠長なことを言っていられる状況ではないのではないでしょうか。
 知事は,「首都圏に近い優位性を生かして」とよくおっしゃっておられますが,茨城大学大学院の斎藤典夫教授によれば,北関東4県が低い順位にあるのは,東京に近いということによる甘えがあり,情報発信力が著しく低いからであると解説されています。
 この調査結果がすべてではあるとは,当然私も思ってはおりません。しかし,強い危機感を持つ必要がある結果であると感じております。そこで,本県の魅力度が2年連続で全国最下位というこの結果について,どのように評価しておられるのか,知事の率直な感想をお伺いいたします。

答弁(橋本知事)

 地域ブランド調査における魅力度につきましては,観光意欲度や温泉・レジャー施設など観光に関する地域資源との関連が非常に強く,本県の場合,著名な観光地が必ずしも多くないところから,その順位が低くなっているものと考えております。
 一方で,訪問を目的別に見ますと,観光での訪問は少ないものの,ビジネスや趣味・娯楽のための訪問といった項目は10番台に位置しており,地域の活力につながる交流人口の確保という面では,一定の結果が示されているものと考えております。
 例えば,2010(平成22)年6月に公表された東洋経済新報社による「住みよさランキング」では,上位100位以内に本県から6市が入り,その数は全国3位であり,人口の社会増減率も全国上位6位であるにもかかわらず,本調査における居住意欲度等の指標では極めて低く評価されているところであります。
 こうした1つ1つの指標にこだわるのではなく,客観的に県民生活が豊かになっているか,地域社会が発展しつつあるかを判断していくと、人口は全国第11位,1人当たりの県民所得は全国第12位,農業産出額は全国第2位,製造品出荷額等は全国第8位と全国的に上位に位置している指標も数多くあり,県勢としては,着実に発展を続けているものと考えております。
 ただ,本調査における魅力度は,一定の注目を集めていることも事実でありますので,本県のイメージアップを図るためにも,少しでも向上するように努力をしていかなければならないと考えております。
 また,本調査に関して,私は,本県が郷土に対する愛着度や自慢度で46位となっている点を大変残念に思っております。私自身,他の県から転勤してきた方々から,茨城県の人はどうして地元のよいところを見ないで謙遜ばかりしているのか,ほかの県だったら,これだけいろいろそろっていれば大いに自慢するのにと繰り返し言われているところであります。
 TBSテレビで茨城県を応援するための報道の中でも,「茨城県の魅力は何ですか」,「自慢は何ですか」と聞かれた方ほとんど全員が,「ないです」と答えております。県外の人向けに魅力度を高めるためには,県民挙げて地域に愛着や誇りを持ち,県民1人1人が積極的に地域の情報を発信していくことが大変重要であります。
 最近,大子や鉾田,行方など活発な地域起こし,新商品づくりなどに取り組み,全国的な発信を試みるケースも出てきておりますので,そうした積極的な市町村などとも協力しながら,本県の魅力度アップに取り組んでまいりたいと考えております。

        2・茨城県における今後の取り組み

質疑(小田木)
 地域ブランド調査とともに実施された郷土愛ランキングでは,本県出身者の本県に対する愛着度と,本県を自慢に思うかという自慢度の両方とも,全国第46位でありました。PRが下手,自慢が苦手というのが県民性という一言で片づけられない状況であると感じていますし,大変寂しい思いであります。
 ところで,近年大変話題になっているB−1グランプリというイベントについては,皆様ご承知のことと思います。ことしは初めて関東で開催され46店が参加をし,2日間で43万人を集客したそうであります。ことしで5回目となるこのイベントで,過去2回グランプリに輝いた「富士宮やきそば」が地域にもたらした経済効果は439億円ともいわれています。
 しかし,何よりも私が感じたのは,その大会に出場している方々の地域を思う,本当に熱い思いであります。商店街がシャッター通りになっている地域や,観光の通過点になってしまっている地域,地名が難しく住民以外は名前も読めないような町など,それぞれ事情は違っても,自分の住んでいるまちを元気にしたい,全国の人たちに自分たちのまちを知ってもらいたい,とにかく何とかしたいとの強い思いが,参加者を突き動かしているのです。
 しかし,残念ながらこのグランプリに茨城県から参加した地域は1つもありませんでした。地域再生の強い思いは,現在,全国の多くの地域に共通する思いであり,本県の多くの地域でも同じ思いを持った方々はたくさん存在するはずであります。もちろんこの大会は,行政主導で参加させるような性質のものではありませんが,PR下手や自慢が苦手というのが県民性であるならば,一歩二歩前に進む,思いを実現させるきっかけづくりも必要なのではないでしょうか。
 県では広報戦略室を開設して以来,茨城空港の就航先である神戸でイベントやPR活動を行い,関西圏への認知度向上を図るほか,茨城空港の利用客へPRを行うなど,積極的な情報発信を行っていると伺っております。しかし,さまざまな取り組みもどれも決め手に欠き,戦略室と言いながら戦略性に欠けていると感じるのは,私だけではないと思います。
 また,映画「桜田門外ノ変」とリンクした観光ツアーなどで誘客促進を図っているとも伺っておりますが,現在の計画だけでは,誘客につながるのか大変疑問に感じております。
 現在,歴史ブームと言われており,歴女なる女性たちが各地のお城や歴史にゆかりのある名所めぐりをしているそうです。名古屋では「名古屋おもてなし武将隊」が活躍してます。これは,織田信長や豊臣秀吉といった公募で選ばれたイケメンの戦国武将たちが,名古屋城などに出現し,観光客のおもてなしをするもので,大変人気を博しているとのことであります。
 また,先ほどのB級グルメの大会はさまざまな展開があり,ハンバーガーや丼物,めんだけの大会も開催されているとのことであります。こうした,何か地元の方々の郷土愛を喚起しながら,全国に本県を発信できる仕掛けが必要なのではないかと考えます。
 例えば,本県の海のイメージから,魚をテーマとしたB級グルメの大会を本県で開催してはどうでしょうか。これは1つの例えでありますが,テーマになり得る素材はたくさんあると思います。そうしたことをきっかけにして郷土愛を持ち,自信を持って茨城県の魅力を発信することが,本県の魅力アップにもつながるのではないでしょうか。
 そこで,本県の魅力度を向上させるために,今後どのように取り組んでいかれるのか,理事兼政策審議監にお伺いいたします
 答弁(中島理事兼政策審議監)
 2010(平成22)年7月に広報官を民間から起用するとともに,広報戦略室を設置し,部局横断的な共同事業の企画,パブリシティ活動の強化によるマスコミへの露出機会の拡大,県民総参加による茨城の魅力発信を3つの柱とした取り組みを開始しております。
 例えば関係部局と歩調を合わせ,新たにブログやツイッターによる発信をしておりますが,うまいもんどころ推進室のツイッターは,フォロア数が行政関係の中で全国一となるなどの効果を上げているところでございます。
 2010(平成22)年1月に,県と市町村などで構成する広報研究会において,B級グルメブームの仕掛け人を講師に招いて講習会を開いたところであります。県内各地で地域オリジナルの料理を創作する活動や,そのような料理を一定数集めて提供する活動が出てきていますことから,今後一層の機運醸成を図るとともに,関係部局や主役となるべき市町村などと一歩前に進んだ取り組みとして何ができるのか検討してまいりたいと考えております。
 また,映画「桜田門外ノ変」につきましては,議員ご指摘のPR下手や自慢が苦手と言われる県民性の中で,全国初の県民参加型の県民創成映画といわれ,本作品の全国公開に至るまでには市民団体が数年前から70回に及ぶ歴史講演会,機運喚起のためのイベント,県内企業による記念商品を開発や販売,市民ボランティアによる炊き出しやエキストラ出演,ロケセットの案内等が行われました。
 県や市町村も関係者とともにPRや誘致に努めておりますが,同セットの来場者は2010(平成22)10月末165,000人を数え,うち約6割が県外からの来場者であります。これは郷土愛を喚起しながら,全国に本県を発信しているすばらしい事例ではないかと考えているところであります。観光ツアーにつきましても,映画が公開されましたので,これまでこの映画にかかわった人たちの協力や支援も得ながら成功させてまいりたいと思っております。今後は,茨城空港の就航路線拡大も踏まえ,首都圏以外の地域での宣伝活動を強化するとともに,広報研究会において,個人や民間企業等をも巻き込んだ事業展開をするなど,県民総参加による茨城の魅力発信に向けた取り組みを本格化してまいります。

3・県北地域の振興に対する考え方と県北振興室の評価

質疑(小田木)
 次に,県北地域の振興に対する考え方及び県北振興室の評価についてであります。
 2006(平成18)年の一般質問で,私は知事に,県北振興室設置に対する意気込みについて質問をいたしました。その際,知事から,久慈川以北の地域を取り巻く環境が大変厳しい中で,企業誘致による働く場の確保や道路整備などによる観光の振興,さらには中小企業や農林業の活性化などにより,地域の発展を図っていけるようにしなければならないとの強い思いのもと,県北振興に取り組むための組織として県北振興室を設置した,とのご答弁をいただきました。
 設置から5年,二地域居住による移住・定住の促進や,体験ツアー実施などによる都市農村交流の推進,水戸ひたち観光圏による観光ルートの設定など,さまざまな事業に取り組んでいただいたことは十分に理解をいたしております。私の地元高萩市においても,昨年秋の紅葉シーズンには,13万人を超える多くの観光客が訪れるようになりました。
 しかし,企業立地も順調に進んでいるとのことでありますが,雇用状況がよくなったとは言えない状況にあります。
 また,県総合計画の中間評価結果においては,数値目標だけを見れば,おおむね順調に推移しているとのことでありますが,この評価が果たして県北地域の実情に合ったものとなっているのか,住んでいる方々が同じように評価をできるのでしょうか。もし評価が実情に合ったものであるというのなら,人口の減少になぜ歯どめがかからないのか,地域の表現しがたい閉塞感をなぜ改善できないのか,大変疑問に感じるところであります。
 さらに,今回の住宅供給公社の破産に関する報道により,県財政の厳しさが県民の知るところとなったわけですが,その結果,また県北地域は置き去りにされるとの失望感も広がっています。例えば,つくばエクスプレスの沿線開発に投じたお金の2分の1,3分の1でも県北地域に投じてくれたならとの声も多く聞きます。
 当然のことでありますが,県北振興室を設置したからといって,県北地域の厳しい状況がすべて解消するものではありません。そこにどれだけの魂を込め,どのように積極的な取り組みをするのかが大切であり,必要なことであると考えます。その点ではまだまだ足りないと言わざるを得ません。
 そこで,県北地域の振興に対する考え方とあわせて,県北振興室の評価について知事にお伺いをいたします。
答弁(橋本知事)
 まず,県北地域の振興に対する考え方についてでございます。議員ご指摘のとおり,県北地域を取り巻く環境は,人口減少や少子高齢化の進行,地域産業の低迷など,極めて厳しい状況にあると考えており,県北地域の振興を県政の最重要課題の1つとしてとらえ,積極的に取り組くんでいかなければならないと考えております。
 まず,産業の活性化と働く場の確保につきましては,引き続き工業団地や工場適地への企業誘致の推進に努めてまいりますが,なかなか経済状況もあり厳しい現状でございます。
 また,農産物直売所を核とした農業の振興や森林湖沼環境税を活用した林業の振興に努めてまいりますほか,多彩な観光資源などを活用した観光関連産業の振興を図ってまいります。
 次に,交流の拡大についてでございますが,花貫渓谷や高戸海岸,天心記念五浦美術館,温泉や食といった地域資源を生かした広域周遊観光や,山と海の魅力をあわせ持つ環境を生かした体験型教育旅行の受け入れを推進しているところであります。特に体験型教育旅行につきましては,首都圏の学校等に対する誘致活動に力を入れた結果,22年度は,21年度の210名を大幅に上回る600名以上の受け入れが見込まれているところでございます。
 また,高萩ということで申し上げますと,「龍馬伝」の中で立派ないい海岸が毎回放送されているのですけれども,なかなかあれが高萩だという宣伝がなされておりません。こういったことも何とかしていかなくてはもったいないなと,感じておるところであります。
 さらに,生活環境基盤の整備につきましては,国道6号や461号,県道北茨城大子線などの整備を進めているところであります。
 次に,県北振興室の評価でございます。
 県北振興室は,県北振興施策の企画立案等を行うことはもとより,施策の総合調整,県計画の進捗管理,過疎対策の推進,グリーンふるさと振興機構と連携した施策の実施など,県北地域の活性化を図ること目的として,2006(平成18)年4月に設置をいたしました。
 これまで,施策の企画立案といたしましては,山手線車内において「いばらきさとやま生活」の全面広告,古民家を活用した地産地消レストランの運営,ボランティアとして農作業等を手伝うワークステイの実施,里美地区等において農家民泊の組織化など,県北地域に人を呼び込むための新しい仕掛けを打ち出してきているところであります。
 また,庁内に設けております県北振興推進会議などの調整役として,例えば常陸秋そばを活用した地域振興,袋田の滝など主要観光地の渋滞対策,臨海部と山間部を往来する周遊バスの運行などの課題について,全庁的に取り組みを進めてまいりましたほか,グリーンふるさと振興機構と連携し,地場産業の振興,グリーン・ツーリズム及び交流居住の推進などに取り組んでまいりました。
 このようにさまざまな施策を進め,一定の成果を上げているところでありますが,県北地域を取り巻く現在の厳しい状況にかんがみれば,県北振興室の取り組みは,まだまだ十分とは言いがたいと考えております。
 一方,地元の市長,町長,県会議員,学識経験者等から構成されるグリーンふるさと有識者会議を設け,県北地域の振興について関係者の意見をかりる仕組みをつくったところでございますが,必ずしも県議の皆さんの出席なども多くはないようでございまして,具体的かつ効果的な提言をいただくまでにはなっていない状況にあります。
 また,県と市町,あるいは各市町間の連携を強化するため,県の企画部次長と市,町の担当課長で設置したグリーンふるさとパートナーシップ会議も,必ずしも活発な活動を展開し,大きな成果を生み出すには至っておりません。
 こうしたことを踏まえ,いま一度,県北振興室設置の趣旨に立ち返り,県北地域が元気で住みよい地域となるよう,地元市町との連携はもとより,県会議員の皆さんの協力も得ながら,地域一丸となって全力で取り組んでまいりたいと考えております。

4・県北振興の今後の取り組み

質疑(小田木)
 県北振興については,これまでにさまざま取り組んでいただいていることは理解しておりますが,どれも決め手に欠き,先ほども申し上げたとおり,地域の大変厳しい状況は改善されるには至っておりません。そうした中,本年の第3回定例会において報告された県出資団体等調査特別委員会の最終調査結果において,グリーンふるさと振興機構は「団体の廃止」という改革方向が示され,5年後を目途に廃止されることとなりました。
 グリーンふるさと振興機構は,これまできめ細かに県北振興の役割を担っていただいてきたと理解をしております。今回の廃止の決定は,現在の大変厳しい県財政を考えれば,いたし方がないものと思いますが,各市町村の努力を大前提としても,地域の厳しい現状を見れば,県北地域にとっては今後に大変不安を感じるところであります。
 これまで,グリーンふるさと振興機構と県北振興室は,連携をとりながら施策に取り組んできたことを見れば,今後は県北振興室が中心となっていくものと思いますが,これまでにも増して積極的でより効果的な取り組みをしていただかなければなりません。本県の均衡ある発展のためには,県北地域の振興は不可欠であり,重要課題の1つであると言っても過言ではないと考えます。
 そこで,グリーンふるさと振興機構の廃止も視野に入れながら,今後,県北地域の活性化のためにどのように取り組むお考えなのか,県北振興室の今後の役割も含め,企画部長にお伺いいたします。
答弁(榊企画部長)
  グリーンふるさと振興機構に関しましては,さきの第3回定例会において,県出資団体等調査特別委員会から,地域振興の活動主体は本来,該当する市町であることが望ましく,振興機構については圏域市町などへの機能の移管により発展的に廃止すべきであるとの方向が示されたところでございます。
 このため,振興機構の運営につきましては,段階的に県の関与を見直しながら,市や町が中心となった体制に移行いたしますとともに,広域的な事業等に取り組む新たな体制を確立し,発展的に解消することとしてございます。
 こうした動きの中,県北振興室の役割ということでございますが,その効果が圏域全体に及ぶような広域的な事業に市町と共同で取り組みますほか,市町みずからが地域振興に取り組もうとする際の県の相談・調整窓口となることが重要であると考えております。
 体験型教育旅行を例に申し上げますと,2009(平成21)年から今年にかけて,県北振興室は,体験型教育旅行の先進地である北海道の長沼町などの取り組みについて調査を行い,また,振興機構や市や町とともに,教育旅行を県北地域に誘致するためのパンフレットを作成いたしました。
 さらに,首都圏の小中学校等約3,000校を対象に,教育旅行のパンフレットの送付や教育旅行に関心があるかどうかのアンケート調査を実施してございます。その結果,関心があるとの回答が寄せられた約200の小中学校や,県北の市や町と交流を行っております市区町村の教育委員会等に対し,必要に応じ個別に訪問いたしますほか,学校の先生方を対象としたモニターツアーや現地案内を行うなど,積極的な誘致活動を行っているところでございます。
 一方,地域の農家等の方々からは,子どもたちを受け入れるための農家民泊の組織化をしたいといった相談が,市や町を介して県北振興室に寄せられておりまして,こうした相談にも積極的に対応し,農家民泊の受け皿組織が立ち上がりつつあるところでございます。
 いずれにいたしましても,グリーンふるさと振興機構の見直しにより,県北振興の取り組みを後退させることのないよう,グリーンふるさと有識者会議等の御意見も踏まえながら,全力を挙げて県北地域の活性化に取り組んでまいります。

5・消防無線のデジタル化

質疑(小田木)
 消防無線のデジタル化につきましては,2010(平成22)年第1回定例会においても質問をいたしましたが,その際,当時の生活環境部長答弁は,消防長会や市町村の意見を踏まえ,無線・指令業務とも県域1ブロックで整備する計画を策定したことから,事業の具体化に向けた協議の場が設けられるよう支援していくとのことでした。
 しかし,今般,無線・指令業務とも県域1ブロックでの整備はできなくなったと伺っております。そもそも今回の計画策定の背景には,電波法関係審査基準の改正に基づき,2006(平成18)年までに県が整備計画を策定することとの国からの要請により策定されたものであります。その際,国からは,消防無線の共同整備により,整備費用に大幅な削減効果があること。指令業務を共同運用することで,消防力の効果的運用や費用面に削減効果があること。そして,複数の消防本部が無線・指令業務の共同化を検討することが示されております。
 前回の部長答弁では,消防長や市町村の意見を踏まえた上で計画を策定したとのことであり,さらに国が示しているような効果があるのであれば,この時期になってなぜ無線・指令業務とも白紙になるような結果になったのか,理解に苦しみます。
 今回のこれまでの経緯を見てみますと,話し合いや検討の中心は消防長会議であり,市町村長との話し合いはほとんどなく進められております。消防の業務は,基本的に市町村の業務であるということをかんがみれば,計画策定の前から,もっと密に市町村長との話し合いを持つべきであったのではないかと考えます。
 また,他県でも当初の計画の方針を変更している県が幾つかあるようですが,神奈川県や静岡県は,当初から統一指令センターの設置を計画していなかったことから,本県も国の要請にとらわれず,独自性を発揮して対応すべきであったのではないでしょうか。県域1ブロックでの整備に向け費やしてきたこの3年間は何だったのかと,困惑する消防長や市町村長がいるのも当然のことであります。
 また,無線・指令業務の県域1ブロックでの整備は,メリットとして初動態勢の強化や人員配備の効率化,事業費の節減などの効果が期待できるとのことでありますが,モデル地区である長野県の例で言えば,無線・指令業務とも共同整備の場合の費用は約80億円,単独整備の場合には約198億円とされており,118億円ほどの削減が見込まれています。
 また,単独整備に比べ,共同整備の方が有利な交付税措置がなされると伺っておりますが,今回の結果を受け市町村の負担額が増すおそれがあるのではないかと危惧しております。今回の結果は大変残念な結果であったと思いますが,デジタル化への取り組みは,共同であれ単独であれ,2016(平成28)年5月までには行わなければならない事業であります。計画どおりの実現が難しくなったからとか,あるいは消防業務は市町村の業務であるからと傍観者のような立場ではなく,県はより積極的に取り組むべきであると考えます。
 そこで,今後,市町村の負担軽減も含め,消防救急デジタル化にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか,生活環境部長にお伺いいたします。

答弁(栗田生活環境部長)

   消防救急無線につきましては,電波法関係審査基準の改正により,2016(平成28)年5月までにデジタル方式に移行する必要があるため,消防長会や各市町村の意見を踏まえ,2007(平成19)年3月,県において消防救急無線の県域1ブロックでの整備及び統一指令センターによる消防指令業務の共同運用を基本方針とする整備計画を策定したところでございます。
 また,事業の具体化に当たりましては,共同整備の方法や費用の負担割合などを決定する協議会の設置について,2010(平成22)2月に全市町村長の合意形成を図る予定でございましたが,統一指令センターの設置について,一部の市町村長の理解が得られなかったなどの理由から,協議会の設立には至りませんでした。
 このため,重ねて市町村長への個別訪問や担当者などへの会議の開催などを通し,理解が得られるよう努めてきたところでございますが,この間,一部の市町村から単独整備が表明されるなど,現状においては県域1ブロックに向けた調整を進めていくことが大変厳しい状況にございます。
 しかしながら,消防指令業務の共同運用につきましては,国からの要請に基づき多くの県で検討が行われており,近隣では栃木・千葉両県においては,統一指令センターを前提とした共同整備に向けた取り組みが進められております。
 また,国の調査結果においても,強い電波による広域での安定した通信が実現し,無線施設の整備費用も単独で整備した場合に比べ2分の1から3分の1程度になるなど,大幅な節減効果があること,さらには,各消防本部の部隊の迅速かつ広域的な運用が可能となることなどのメリットが示されており,県においても,消防長会からなる委員会において検討を重ねた結果,各市町村の整備費用なども大きく低減することなど,同様の効果が得られることを確認しております。
 県といたしましては,県域1ブロックでの整備が仮に図られなくなった場合においても,共同整備には単独整備に比べ,先ほど申しましたような大きなメリットがございますので,極力多くの市町村が統一指令センターを前提とする共同整備に参画できるよう,今後も積極的に市町村間の調整を行うなど,実現に向けて支援をしてまいりたいと考えております。

6・外部から見た県立病院の印象と今後の改革方針

質疑(小田木)
 県立病院改革について,まず,外部から見た県立病院の印象と今後の改革方針であります。
 2010(平成22)年、病院事業管理者に就任された金子管理者には,英断をもって本職をお受けになったものと推察しますとともに,そのご決断に対し心から敬意を表するものであります。
 金子病院事業管理者には,これまでの20数年間,筑波大学附属病院において小児外科の医師として,また若い医師の育成にと,本県医療の中核的役割を担っていただいてきたと認識いたしております。
 ご案内のように,県立病院は4年前にやっと公営企業法全部適用となり,それを契機に県立病院の改革が始まったところであります。改革が始まる前の県立病院は,私の目から見ても,県立としての役割を果たしているとは言えない状態であったと思っております。
 この4年の改革で,県立友部病院の救急の受け入れ体制や職員の意識改革,県立3病院の連携など,ある程度の成果はあったものと感じておりますが,改革すべきことはまだまだ残っているのが現状であります。繰入金の問題はもちろんのことですが,本県は多くの公的医療機関に医療を担っていただいていることはご承知のとおりであります。その中で県立病院と公的医療機関との違いは何か,県立病院が担うべき政策医療とは何なのか,さまざまな場面で私は質問をしてきましたが,明確な答えはいまだありません。
 しかし,それが明確に示されなければ,県立病院が存在する意味もないと思いますし,県民に対し繰入金の必要性の説明責任も果たせないと私は考えております。
 そこでまず,金子病院事業管理者が筑波大学附属病院勤務時代に,県立病院にどのような印象をお持ちになられていたのか,ぜひ率直な感想をお聞かせ願いたいと思います。

答弁(金子病院事業管理者)

    まず,外部から見た県立病院の印象ですが,県立病院のうち,こども病院につきましては,設立当初から筑波大学との緊密な連携のもとに運営され,私も大学側の一員として,専門である小児外科にとどまらず,こども病院のスタッフとともに運営を担ってまいりました。高度専門医療の提供など,県の小児中核病院として,当初期待された機能は相当程度実現されていると認識しておりました。
 中央病院については,県央・県北地域における総合病院として,友部病院は,かつては東洋一と言われた精神医療の拠点として,ともに本県の医療体制において重要な病院であると考えておりました。
 しかし,筑波大学との連携は限られた診療科単位で行われるのみで,人的にも診療面でも強い連携があるとは言えませんでした。
 また,独立行政法人化した国立大学病院以上に古い体質,体制が温存され,有能な人材を有しながら,その機能を十全に発揮しにくい病院ではないか,といったような受けとめ方が筑波大学附属病院においてもなされていたように思います。
 そうした課題を改革すべく,平成18年度から病院事業管理者のもとに病院改革に取り組んでいるとの認識は持っておりました。
 今回,病院事業管理者をお引き受けするに当たっては,私が筑波大学と県立病院の連携の橋渡し役を果たすことによって,県立病院の医師確保を初めとして,病院の機能面でも経営面でも寄与できる可能性があること,また,筑波大学にとっても優れた臨床研修病院として県立中央病院が機能していくことができれば,若手医師にとどまらず,中堅の医師にとってもメリットがあり,ひいては本県の医療水準の向上にも貢献できるのではないかと考えたところであり,この職責を果たせるよう全力を尽くしてまいります。

7・県立病院の今後の改革方針

質疑(小田木)
 さらに,第2期に入った病院改革にどのように取り組まれていくお考えか,また,県立病院の担うべき政策医療とは何かについてお伺いいたします。
答弁(金子病院事業管理者)
   今後の改革方針についてでございますが,県立病院がその存在意義や繰入金の必要性について県民にご理解いただくためには,県立病院が担うべき役割,中でも政策医療を明確に示すことが必要不可欠であります。
 一般的に政策医療とは,がん,心臓病などの高度医療,先進医療や採算性の面から民間医療機関では提供が困難な救急,小児・周産期,災害,結核,感染症,精神医療などであり,これらを中央,友部,こどもの県立3病院が担ってまいりました。
 このうち友部病院は,開かれた精神科専門病院として2011(平成23)年4月に全面新築オープンし,児童思春期精神医療や薬物中毒などに対する医療の提供を行い,また,こども病院は小児医療の高度専門病院,そして総合母子周産期医療センターとして担うべき医療がわかりやすい形で明示されております。
 中央病院につきましては,総合病院という性格上,その特徴が十分には理解されにくい面があるのも否めませんが,それに明確にこたえていくことが,県立病院改革全体をも牽引することに結びつくものと考えております。中央病院が今後発展的に担うべき政策医療の中で,現時点で最も実現性が高く重要なものは,高度のがん医療を提供することにあると考えております。県のがん診療連携拠点病院として,茨城県のがん医療の最大最強のがん治療研究センターになることが求められていると考えております。
 既に,がん治療の優れたエキスパートを有していますが,地域医療再生基金事業を契機として,2011(平成23)年3月以降,婦人科医が新たに3名着任することがほぼ決定しており,現在,壊滅的な状態にある県央・県北における婦人科の悪性腫瘍に対する強力な拠点になるものと考えております。
 また,我が国においては,手術や抗がん剤治療に比べ放射線治療は専門医が少なく,診療体制の面で大幅におくれている状況にありますが,現在,放射線治療分野の人材確保に鋭意取り組んでおり,名実ともにがんセンターの機能を充実させてまいりたいと考えております。脳梗塞,心疾患,糖尿病,精神疾患などの合併症を持つ患者の治療は,他の医療機関では採算上の問題があって敬遠され,いわゆる医療難民となりがちですが,これらの患者の治療も県立病院としての重要な役割であります。経済的困窮者への治療にどう取り組んでいくのかも,県立病院としての課題であると認識しております。
 第2期改革方針の1つとしては,「医療は人」であることを掲げておりますが,県立病院が担うべき政策医療を提供し,さらに経営改革を進めていくためには,まず第1には,すぐれた医療人材の確保が不可欠であります。今後も地域医療再生基金事業の活用や筑波大学などとの連携により人材の確保を図り,県民の期待にこたえられる高い医療水準の県立病院を目指して,病院改革に取り組んでまいります。

8・県北・県央地域の子どもを支える医療

質疑(小田木)
 県立こども病院は,1985(昭和60)年の開設以来,小児がん,白血病,先天性心疾患などの高度専門医療を提供するとともに,ハイリスク新生児に対する周産期医療の拠点として,さらには小児救急中核病院として小児救急医療の患者の受け入れを行い,本県の小児・周産期医療の中核として着実な成果を上げてきたことは,県民だれもが認めるところであります。
 しかしながら,少子化や核家族化の進行,女性の社会進出による夫婦共働きの増加,ライフスタイルの変化などにより子育てに関する環境が大きく変化する一方で,子どもを大切に育てたいという意識の高まりや本年のドクターヘリの導入等により,こども病院で担う傷病にも変化があらわれ,より専門性が求められるなど,小児医療をめぐる環境は大きく変化しております。
 また,特に県北地域においては,日製日立総合病院の地域周産期医療センターの休止に象徴されますように,全国的な医師不足の影響により,小児科・周産期医療の提供体制が危機的な状況となっております。このような状況にあって,これまで以上に本県の小児・周産期医療の中核医療機関,特に県北・県央地域の中核医療機関として県立こども病院への県民の期待はますます大きいものとなっております。
 病院局では,第2期病院改革の基本方針に基づき,外部の有識者からなるこども病院の運営とあり方に関する検討会を設置し,こども病院の担うべき医療と診療体制の充実の方策,小児救急医療におけるこども病院の果たすべき役割,周産期母子医療センターの充実方策,小児拠点病院としての教育・研究等の社会貢献のあり方などについて検討を始めたと伺っております。
 ことし2010(平成22)年、開設25周年の節目を迎えた県立こども病院は,小児・周産期医療に対するニーズがますます増大,多様化する中で,さらなる診療機能の充実に取り組むべきと考えますが,小児医療の専門家でいらっしゃる金子病院事業管理者のご所見を,検討会の状況もあわせてお伺いいたします。

答弁(金子病院事業管理者)

   こども病院は,県内唯一の小児専門病院として1985(昭和60)年4月に開設して以来,先天性疾患,小児がん等を初めとする重篤・難治性の疾患に対する高度専門医療を基本としながらも,あわせて県北・県央地域の総合周産期母子医療センターや小児救急の拠点病院として地域医療の中核的な役割,さらには小児医療に携わる医師や看護師等の教育研修機関としての役割など,幅広い分野で極めて重要な役割を担ってきております。
 全国の公立小児病院と比較しますと,小規模な部類に属しますが,規模の大きな小児病院でも高度専門医療に特化し,地域医療まではカバーしきれていないことが多く見られる中,本県のこども病院の果たしてきた役割は,極めて大きなものと認識しております。
 最近では,専門医師の確保により,脳神経外科や形成外科外来を開設したほか,日製日立総合病院の地域周産期医療センター機能の休止などの影響を受けまして,病床利用率がほぼ100%となっている新生児病棟について,周産期医療体制をさらに充実したものとするために,2010(平成22)年11月から新生児集中治療室を増床したところでございます。また,2010(平成22)年7月には,ドクターヘリの運行に伴う高次救急医療体制について,隣接の水戸済生会総合病院と連携して整備したところでございます。
 さらに、23年度におきましては,県北・県央地域からの増大する小児医療需要に対応するために,病床数を108床から許可病床上限である115床での運用を検討しております。
 そうした中,中・長期的な視野を見据えまして,外部の小児医療や医療政策の専門家等によるこども病院の運営とあり方に関する検討会を設置し,小児医療を取り巻く大きな環境変化を踏まえた,さまざまな建設的な意見や提案,議論がなされております。
 議員ご指摘の県北・県央地域での小児救急医療や周産期医療のあり方を初め,成人医療への引き継ぎ医療,児童精神医療やリハビリ医療での連携方策,そして,さらなる診療科の充実の方向性,本県の実情にかなった病院規模のあり方に至るまで,こども病院に寄せられる多くの期待を反映した形で議論が展開されているところであります。
 私としましては,こども病院は本県の小児医療全体への貢献はもちろんですが,人材を育成して,県北・県央地域への中核病院を中心に輩出していくことにも取り組むべき課題と,強く考えているところであります。

9・病院等における必要医師数実態調査と医科大学の新設・誘致

質疑(小田木)
 先般,厚生労働省が実施した病院等における必要医師数実態調査の結果が発表されました。その結果によると,本県の必要医師数は492.3人であり,都道府県別では,必要医師数の割合が高い方から全国第28位との結果でありました。これは,10万人当たりの医師数の数が多い方から全国46位で,地域医療崩壊の危機にさらされ,医師確保は喫緊の課題であるはずの本県の現状とは乖離する結果であると,私は感じております。
 一方,2007(平成19)年に県が行った必要医師数調査の結果は600人であり,それをもとに現在の医療計画の中では,2006(平成18)年に4,609人であった医師数を,2012(平成24)年には5,200人までふやしていく取り組みを行っております。
 しかしながら,県の目標値である平成24年5,200人を達成してもなお,10万人当たりの医師数は約180人で,全国平均の224.5人にはほど遠いのが現状であります。
 また,今回の調査は,現代の医療を維持するために必要な医師の数はと聞いていることから,これに対する回答が,必ずしも病院側の実情を的確に反映したものとはなっていないのではないでしょうか。現在の医療を維持するだけではなく,充実させ,県内どの地域においてもそれぞれの役割分担はあるとしても,県民の皆さんが安心できる医療を提供する体制,つまり医師不足といわれない体制をつくるにはどの制度の医師数が必要なのか,正しく把握するべきではないかと思います。
 現在も保健福祉部を中心に医師確保のための懸命の努力をしていただいていることは,十分承知しておりますが,現状を打開するためには,新たな取り組みが必要と考えます。知事のマニフェストにもあった医科大学の新設,あるいは誘致により積極的に取り組むべきではないでしょうか。
 この件につきましては,これまでにも何度か取り上げられ,知事は全国知事会議や,厚生労働大臣と全国知事会の意見交換の席で要望をし,今後も国の動向を注視していく旨のご答弁をされています。
 しかし,医師数を1.5倍にするとしていた現政権は,今回,先ほど述べたような調査を行い,今後さらに分析調査をしていくとのことであり,いつになれば答えが出てくるのか全くわからない状況であります。知事には,ぜひ全国知事会の席等ではなく,みずから大臣に直接本県の状況を訴え,国を動かす覚悟で取り組んでいただきたいと考えます。
 また,医師数については,医師会との調整も不可欠であると思います。幸いにも,現在の全国医師会の会長は本県出身であり,知事とは大変親交の深い方だと伺っておりますので,医師会と連携をしていくのも効果的ではないでしょうか。
 そこで,今回の調査の結果に対する所感と,医科大の新設・誘致の今後の取り組みについて,知事にお伺いいたします。
答弁(橋本知事)
  まず,今回の調査は,議員ご指摘のとおり,あくまでも病院側から見た現在の診療機能を維持するために確保しなければならない医師数を調べたものでありますが,医師が充足されている順から数えますと,全国第17位となっているところであります。
 この調査によれば,医師不足が顕著な二次医療圏や内科系・産婦人科・小児科などの診療科でさらなる医師確保が必要との結果が出ており,医師不足の具体的な状況をうかがい知ることができるところであります。本調査につきましては,年内をめどに国が詳細な分析結果を公表すると聞いておりますので,今後,医師確保対策を進めるに当たり,その結果を十分に踏まえながら対応してまいりたいと存じます。
 なお,医師不足と言われないための医師数を把握すべきとのご指摘がございましたが,診療科目ごとの医師数の状況,勤務医と開業医の割合,地域ごとの偏在の状況など多くの要素があり,一概に何人いれば十分とは言えないものと考えております。
 次に,医科大学の新設・誘致の今後の取り組みについてでございますが,医科大学の誘致につきましては,本県の医師確保を進める上で大変有効な手段であると考えております。2009(平成21)年12月に4名の知事と厚生労働大臣との意見交換の場がありましたので,その席において,本県のような極端に医師の少ない県においては,既存の医学部の定員増では不十分で,医科大学の新設が必要ではないかと私の方から直接大臣に提案要望したところでございます。
 また,これまで誘致に向けて幾つかの大学との間で情報交換を行ってまいりましたが,現在までのところ前向きな返事をいただいているところはございません。また,国の方でも医科大学や医学部の新設を認めようという方針転換がなされたとは聞いていない状況にございます。
 一方で,県内の医師の養成・確保を進めるためには,地元の筑波大学との連携・協力が不可欠でありますので,医師の養成・確保に向けた新たな取り組みにつきまして,大学と話し合いを始めたところであります。このような状況の中,本県の原中さんが日本医師会長に就任されましたので,医師会との情報交換を密にし,支援をいただきながら,あらゆるルートを活用して,医科大学の誘致を初めとした医師確保対策に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 10・女性職員の登用と働きやすい職場環境づくり
 質疑(小田木)
  2010(平成22)年6月には,県政史上初めての女性副知事が誕生いたしました。同じ女性として誇りに思いますし,大変期待をしているところであります。ところで,女性の幹部職員への登用はそれなりに進んでいるものと認識をしておりますが,その数は,男性職員と比較するとまだまだ少ないのが現状であります。
 男女がお互いの人権を尊重し,社会のあらゆる分野においてそれぞれの個性と能力を十分に生かし,ともに責任を担うことができる豊で活力ある男女共同参画社会を実現していくことは,大変大きな課題でありますが,現実的には大変難しいものとも感じております。
 しかし,豊かな県民生活とともに安全・安心で快適な県民生活が実現されるためには,これまで以上に政策の立案や決定過程における女性の視点が求められるものと考えております。女性副知事誕生を契機に,山口副知事のように,知事とも対等に渡り合えるような後輩の女性職員を育てていただき,ぜひとも本県における男女共同参画社会の形成の一翼を担っていただきたいと願っております。
 そこで,今後の女性職員の登用についてどのようにお考えなのか,また,女性職員の持つ能力を生かすためには,職場と家庭を両立できるような働きやすい職場環境づくりにも大いに力を入れるべきと考えますが,どのようなお考えか,あわせて山口副知事にお伺いをいたします。
 答弁(山口副知事)
   今後,生活大県づくりに向けて,特に医療や福祉の分野など,県民の生活に密着した施策を推進していく過程においては,生活者としての視点はもとより,出産や育児といった実体験に基づく女性ならではの感性などが求められており,それらを反映できれば,さらに住みよい茨城にすることができるものと考えております。
 女性職員には,その役割を十分認識しつつ,気負うこともなく,また気おくれすることなく活躍することを願っているところです。そのため,男性職員と同様,庁内におけるさまざまな業務や分野での経験に加え,民間企業や市町村などへの派遣や研修などを通じて人材の育成を図り,これまで以上に積極的な登用に努めてまいりたいと考えております。
 知事部局の職員のうち,20代、30代では既にその約4割を女性職員が占めており,男女がともにそれぞれの特性を生かして協調し,創造性に富んだ新たな発想により県政に大いに貢献されることを期待しているところです。
 また,議員ご指摘のとおり,女性職員の持つ能力を十分に生かすためには,働きやすい職場環境づくりが重要であり,その充実にも取り組んでいるところです。
 具体的には,親の介護や子育ての悩みなど,職員個々が抱えている問題に対し助言等を行う相談員を配置するとともに,茨城県職員子育て応援プランにのっとり,例えば,保育園等の送迎等のための時差出勤制度の導入や男性職員向けの育児参加モデルプランの作成,周知など,仕事と子育ての両立を図るための対策を進めているところです。組織の力を最大限に発揮するためには,職員一人一人がやりがいを感じながら,一体となって仕事に取り組んでいくことが重要と考えております。
 このため,職場の活性化等を図るとともに,地域社会への貢献を含めたワークライフバランスにも配慮し,だれもが働きやすい職場環境を構築していきたいと考えております。