nakanegif

2010年度理事長所信

【はじめに】

 森が燃えていました。  森の生きものたちは我先にと逃げていきました。  でも、クリキンディという名のハチドリだけはいったりきたり  口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。 動物たちがそれを見て「そんなことをしていったい何になるんだ」 といって笑います。 クリキンディはこう答えました。 「私は、私にできることをしているだけ」

【轍と絆】

 1970年に、この北茨城の発展と未来を思う熱き情熱を持った若者たちによって北茨城青年会議所は創立されました。以来40年間、絶えることなき数多くの先輩方の想いと行動はこの愛すべき北茨城に多くの活力と発展をもたらしました。 そして本年、北茨城青年会議所は40周年を迎えます。 周年事業においては友好LOMを招いての記念式典、大懇親会、そして記念事業が開催されます。これには志を同じくする友好LOMメンバーと意見交換や友情を築く場でありますが、同時に周年は、これまでの10年の活動を総括し、次の10年を如何に活動していくのかを『考動』する時であります。また、これまで先輩たちがどういう想いで、北茨城青年会議所を立ち上げ、活動してきたのか、そうした想いを伝承、発展させる重要な機会であることを心に刻んで、皆様方には、一年を通じて周年事業に取り組んでいただくことを希望いたします。

【青年会議所の価値】

ところで、この北茨城で40年も続いてきた青年会議所とはなんでしょうか。 「明るい豊かな社会の実現をめざして」という基本理念が浸透しているせいか「まちづくり団体」として一般には認識されていますが、それは正しいのでしょうか。  よく言われるイベント屋という評価は外れてはいませんが、正鵠を得ているとも言えず、むしろこうしたメンバーを含む周囲の「青年会議所はまちづくり団体」という偏った認識に現在の青年会議所の衰退の根源があると私は考えます。 青年会議所の本質は「人材」作りにあります。  青年会議所は『人を作り、その人が町を作る、会社を作る、明るい豊かな町を作る、人の思いが伝播して平和な世界を作り上げる』それが青年会議所の理念です。  まずは『人』がありきなのです。  現在やっているまちづくりのイベントは、「奉仕」という基本理念の下、実用的、即効的なものではありますが、同時に人を作り上げるための「修練」という基本理念も含んだ結果として生み出されるものであり、「修練」と言う基本理念は単純に研修例会だけではなく、日々の青年会議所活動のすべての中から引き出されるものなのです。 突き詰めれば経験を積む、体験をするという「修練」の枠の中では青年会議所活動に失敗も含めて無駄なものは無いと言い切ることが出来ます。 このような有意義な青年会議所活動に新入会員が入らない、メンバーが活動を停止してしまうという問題が起きるのは、こうしたことをきちんと理解せずに青年会議所を単なるまちづくり団体と誤認してしまうからであります。言い替えれば、青年会議所メンバーが入会時点できちんとこうした点を伝えることが出来ていないから、活動の厳しい一面だけを見てやめてしまう、あるいは、避けてしまう事が起きるのではないでしょうか。 敢えて問います。 誰でも楽に出来ることならば、やる必要はあるのでしょうか。 それで自分は成長できるのでしょうか。 「ちょっと無理して・・・。」青年会議所でよく使われるフレーズですが、青年会議所の本質をついている言葉であり、「ちょっと無理してがんばると」気づかぬうちに私たちは少しずつ成長しているのです。 メンバーの皆様は、こうした本来の青年会議所の価値を理解した上で、この青年会議所活動に、そして青年会議所活動を広めるためにも会員拡大活動に邁進していこうではありませんか。

【いま、やるべきこと~地球編~】

 いま、我々人類がしなければならないことに順位をつけるとすれば、何がもっとも重要な問題となるでしょうか。  私は地球環境の問題であると考えます。  それは環境問題が地球規模の問題であること、非常に多くの国家的、社会的、個人的な利害関係と、複雑な問題を抱え、問題の根源についても明確ではなく、対策についても決定打となるものはなく、しかも短期的な効果は望めず、長期的な視野に立ち行動しなければ解決できない問題であり、実はすでに手遅れかもしれないという状況にあるからです。  この事は山と海の恵により観光を主な産業としている北茨城市の住民として非常に身近な問題でもあります。昨今、観光産業を支え、その生死を決すべき漁業が不振に喘いでおり、魚が揚がらないという話を良く聞きます。水産資源の減少は世界規模の課題として国際会議等でも取り上げられており、乱獲を筆頭に、原因の一つとしてやはり自然環境の問題もあげられています。食物連鎖の末端には植物性のプランクトンがあり、これを育てるにはミネラルの多い水が必要であり、そうした水は山が健全な環境になければ生み出す事は出来ません。しかしながらその山里が荒れており、そうした水を生み出す力が失われているのではないかと言うのです。  こうした現状を変えるために私たちは何をしたら良いのでしょうか。 エコはブームではありますが、それが切実な問題として捉えられていないのが現状なのです。 まず、ここから変えていくことが必要であり、一人ひとりの意識を変えるためにどうしたらよいのかを検証し、行動に変えていくことが早急の課題であり、市民に広めていくことが先駆者たる我々の役割であると考えます。

【いま、やるべきこと~地域編~】

 地球環境も問題でありますが、それと同時に社会環境の悪化も大きな問題であります。 犯罪率自体に大きな変化はないと言われておりますが、体感的には皆様はどう感じているでしょうか。振り込め詐欺、若者の薬物汚染などの犯罪や風俗の悪化が情報化社会の進歩により、巧妙化され、拡散され、そして一般化されて来ているのではないだろうかと私は感じています。また、古きよき日本の地域共同体は崩壊寸前であり、それに伴い地域共同体の本来持っていた地域の自治能力、治安能力、そして同時にそれらが培ってきた倫理観、道徳観が失われつつあるようにも感じます。 社会環境の悪化も原因としては、大は世界情勢から小は家庭環境までさまざまなものが挙げられ、どれも即座に対処するには中々に困難かつデリケートな課題を含んでいるという点では環境問題と同じであります。 この問題を良き方向へ向かわせるためには、やはり問題を問題として多くの市民に認識していただくこと、一人ひとりの意識を良き方向へ変えていただくことが何より重要であります。 そのためにも日頃より地域のために行動している他団体と積極的に情報を交換、交流をし、そして協同して活動していくことで、情報伝達のパイプを広げていく取組みが必要であると考えます。

【ひとりひとりのメンバーを大切にするために】

 近年、青年会議所活動は会議自体が長時間に及ぶことが常態となっており、本年はこうした点を考慮し、会議の時間短縮、効率化に繋がる方策を講じていく事で、メンバーの士気昂揚、そしてLOMの活性化に繋げています。 空いた時間は、家族サービス、婚活、仕事、余暇などに有効に利用して、明日のJC活動の糧にしていただければと思います。 余裕が無ければ人間、笑顔になれません。どんなに良いことをしていても怖い顔でやっていては相手には伝わりません。笑顔は相手にプラスの効果を送ります。笑顔は伝染するのです。ですから、楽しみながら活動しなければ良いJC活動は出来ないと私は考えます。笑う門には福来る。苦しいときも笑顔でいれば必ず幸運を招き寄せることが出来るのです。どうせやるなら楽しいJC活動をしようではありませんか。  

【友情の名の下に】

 昨年私たちはこの北茨城の地において茨城ブロック会員大会を開催させていただきました。  多くの人々に支えられ、多くの学びと感動を得ることが出来ました。  本年は同じ関東地区の仲間である小田原青年会議所の全国大会、同じブロックの仲間として昨年、積極的に支援していただいた土浦青年会議所の関東地区大会、同じくひたちなか青年会議所の茨城ブロック会員大会の開催を積極的に支援協力いたします。  これは単なる恩返しではありません。  こうした事業に参加することで学びの機会を得ることが出来ます。  そして何より、青年会議所のもう一つの理念である「友情」を育む機会でもあるのです。  積極的に関わることで青年会議所に入会した醍醐味を是非味わって行こうではありませんか。

【おわりに】

 冒頭のお話は、昨年の茨城ブロック協議会の合同開校式でも使われた「ハチドリのひとしづく」という南米の寓話です。なんとなく青年会議所の活動に通じるものを感じないでしょうか。今、世界は、環境、食糧、経済、紛争など数多くの問題を抱えており、特に環境問題は待ったなしの状況です。こうした現状を何とかしなければならないと多くの人々は考えておりますが、世界を変えようとしてもたった一人の人間の力では何事もなしえません。しかし、世界中の人間が同じ認識で危機を乗り越えようとすればどうでしょうか。 米国の社会学者エベレット・M・ロジャーズは、イノベーター理論というマーケティング理論の中で、ひとつの物事を社会全体に普及させるにはアーリーアダプター(革新的な情報を収集しそれを大衆へ発信する層)を重視しました。いわば我々青年会議所は設立当時からアーリーアダプターとしての思いと役割を持って活動してきたのです。  青年会議所は長い歴史を持ちつつも、同時に常に未来への可能性を秘めた団体なのです。そこに入会したみなさんの判断は間違っておりません。世界を変える可能性を持ったJayceeとしてプライドを持って活動していきましょう。

基本方針

  1. 40周年事業の展開
  2. 会員の資質向上及び会員拡大
  3. 地球環境を考える事業の開催
  4. 時流に合ったLOM運営の改善
  5. 全国大会、関東地区大会、茨城ブロック会員大会への支援協力