■はじめに
1949年、明るい豊かな社会の実現を理想とし、責任感と情熱をもった青年有志による東京青年商工会議所(商工会議所法制定にともない青年会議所と改名)設立から、日本の青年会議所(JC)運動は始まりました。
共に向上し合い、社会に貢献しようという理念のもとに各地に次々と青年会議所が誕生。1951年には全国的運営の総合調整機関として日本青年会議所(日本JC)が設けられました。
現在、全国に青年会議所があり、三つの信条のもと、よりよい社会づくりをめざし、ボランティアや行政改革等の社会的課題に積極的に取り組んでいます。さらには、国際青年会議所(JCI)のメンバーとして各国の青年会議所と連携し、世界を舞台として、さまざまな活動を展開しています。
■茨城ブロック会員大会主管LOMとして
今年度、我々北茨城青年会議所は「第38回日本青年会議所関東地区茨城ブロック協議会会員大会」(以下ブロック会員大会)を主管いたします。これは1985年以来のことです。昨今、ブロック会員大会の出席数・出席率が低下傾向にあります。JCの会員数の減少に比例していると見ることもできます。ブロック会員大会を成功させることと、JC活動の魅力を社会に伝えることは表裏一体です。たった一日の大会のために苦労するのではありません。その日のための行動が、各メンバーや社会の人々に青年会議所活動の魅力を伝え、仲間を増やし、そして青年会議所活動の活性化につながるのです。
魅力的なブロック会員大会を創り上げましょう。そして、関わったメンバーや市民の皆さんに感動を与えて、青年会議所活動の素晴らしさを伝えましょう。
また2010年度で、当青年会議所は40周年となります。過去の周年事業を考査し、市民との協働事業を模索し、そしてこの会員大会主管で得る経験を40周年事業に生かしましょう。
■地域の魅力を再確認し、そして発信する
私たちが住む北茨城には「おらがまち 山あり海あり 文化あり」また、「天心が想い 大観が描き 雨情が詠んだ 感動のふるさと北茨城」という標語があるように、豊かな自然と、それが育んだ文化があります。これは北茨城の貴重な資産です。しかしながら、私たち市民は、この資産の存在に気付いているのでしょうか? また、この資産の価値を認めているのでしょうか?
北茨城の経済状況は日本の他の地域同様、決して芳しくありません。それはメンバーの皆さんも肌で感じていることでしょう。この北茨城の経済は、昭和40年代に炭鉱という基幹産業が衰退した後、工業団地への企業誘致と住宅団地拡張に活路を求めてきました。しかし、それだけでは効果的ではありません。果たしてこのままでいいのか北茨城、という思いを私は常々抱いています。
そこで、北茨城の活性化を考えるとき、先述の「貴重な資産」を抜きには考えられません。その資産をどう有効活用するかが、今後の北茨城の未来を左右すると言っても過言ではありません。観光都市としての基盤をつくり、観光客を増やし、宿泊客を増やすことが北茨城の活性化につながるものと考えます。
観光都市として認められるにはどうすればいいのか?お金を掛けてPRすることはある意味簡単なことです。一時的な観光客増にはなるでしょう。しかし、観光客数には限りがあります。大事なのは、一度来た観光客がリピーターとして何度も訪れてくれることです。そのためには、北茨城に来て見て感動してもらわなければなりません。感動させるにはどうすればいいのでしょうか?
あなたは北茨城市の花・木・鳥・魚・シンボルマークを知っていますか? 北茨城の観光地について、北茨城の魅力について、とっさに説明できますか? 北茨城には観光資産はたくさんあっても、足りない物があります。それは「ホスピタリティ」、すなわち、もてなしの心です。市民自ら北茨城の魅力を知り、来た人にそれを伝え感動させるという心構え。これを養うことが、北茨城の観光都市になるための必要条件です。また市民一人ひとりにその心があれば、自分のまちに誇りを持ち、まちをきれいにし、まちを大切にすることでしょう。観光都市を目指すということは、愛郷心を養うことなのです。
来て、見て、住んで、感動できるまち。それが実現したとき、北茨城は観光都市として成り立ち、市民は愛郷心と誇りをもって暮らし、またそれが人口増にもつながり、経済も心も豊かな北茨城となります。そんな北茨城を目指して、事業を展開していきましょう。
■青少年健全育成と社会開発活動
殺伐とした社会情勢の中、大人も子どもも犯罪者や被害者になる事件が続発しています。 悲しいことに、家族同士の殺人事件も増えています。一口に青少年健全育成とは言っても、子どもたちだけを対象にしていては、それが達成出来るとはいえなくなっています。子どもたちが健やかに育っていくためには、やはり家族や地域の絆を強めていく必要があります。日本人ならではの倫理観・道徳観、そしていま盛んに使われている「OMOIYARI」の心を家族や地域で再確認することも必要です。青少年健全育成とは、社会全体を健全に育成することでもあります。それを踏まえた事業を考えていきましょう。
以前行なった「キッズアカデミー」という小学生対象の事業の監事講評で、あるメンバーが参加者を前にして述べた言葉があります。「私は子どもの頃、青年会議所のリーダー講習会に参加してとても勉強になった思い出があります。そして今は、こうしてキッズアカデミーを主催する立場になりました。君たちが大人になったら、今度は君たちが子どもたちに感動を与えるような活動をして下さい。」これは地域の継続的な発展のための究極の言葉であると思います。子どもたちに、「自分が大人になったら同じようなことをしたい!」と感動させるような事業を行なうことが、子どもたちの愛郷心を養い、地域の継続的な発展につながると信じます。
また、近年、公開討論会や憲法の研究等、青年会議所が政治に関わる活動が増えています。我が北茨城青年会議所でも今後の北茨城や日本の発展のためには関わっていく必要があります。社会の状況に応じて、必要であれば行動を起こす準備をしていきましょう。
■青年会議所活動に誇りを持って
青年会議所活動に関わると、とても忙しい思いをします。これは誰しも感じていることだと思います。それは苦痛と感じますか?
苦痛だと思ったら、JCIクリード、JC宣言、綱領を思い出してください。何のために活動しているかを常に確認してください。それぞれの事業には目的があります。その目的は、LOMの理事長所信に沿っています。理事長所信は茨城ブロック会長や日本青年会議所会頭の所信を元に書かれています。またそれは国際青年会議所の会頭所信を元に書かれています。そして、その根幹にはJCIクリード、JC宣言、綱領にあります。
一人ひとりが仕事の合間を使い、忙しい思いをしながら地味な作業を行なう。しかし、そんな地味な作業も、ベクトルは最終的に世界の平和と発展につながっているのです。自分が関わっている青年会議所活動に誇りを持って下さい。そして、自信を持って家族や社員、友人に活動を語ってください。それが会員拡大につながるのです。青年会議所活動やメンバーに憧れを持つ人がたくさん現れるように、自分の活動に誇りをもち、また、人間的にも模範となるよう心掛けましょう。
また、一人の人間として、人に、社会にやさしい人間になるために、つよい人間になりましょう。困難を克服したからこそ、辛い人の気持ちがわかる。人や社会のためになるなら、強く叱ることも出来る。そんな人間を目指して下さい。
■おわりに
以上に述べた随所に「感動」という言葉があると思います。人を動かす要因にはお金と情と、感動があります。お金は、仕事と報酬という事務的な関係。情は、親子の情や義理人情という生活に根ざした関係。感動には、これといって決まった関係はありません。しかし、感動という感情は、人を有機的に動かす強い要因であるのです。感動したいから来る、参加する、やってみる。そんな人を増やすことが「まちづくり」ではないでしょうか?
また、人を感動させることは人生最大の幸せです。それを出来る機会を持つ青年会議所にいることは、とても幸せなことなのです。その幸せを感じながら日々の活動をしていきましょう。 |