12月8日(金)
質問状を書き、朝9時に○○市の教育委員会に電話を入れ、訪ねる。教育長は議会中で不在。顔馴染みの担当窓口のO氏は「そんな意味があったんですか、知りませんでした。困ってしまいますねぇ」「よくこんな恥ずかしい表現を体育の教科書副読本に書いたものです。(中略)ご指摘をありがとうございました」普段でも堅い○氏の顔が緊張感に包まれる。
会社に戻り、発行元の学研編集部に電話とFAXを入れる。編集長は配慮を欠いたミスを1時間後の出社時に電話で伝えてきた。「2001年版の最終校正段階でしたので、早速削除することを決めました。佐藤先生のご指摘はごもっともでご迷惑をおかけしました。感謝申し上げます」「私は学校や塾の教師ではありませんが、一般常識ですよ、この程度のことは。いいですか?日本の教科書ですよ。例えばですよ、外国の体育の教科書というものがあったとして「性行為」と日本語で書かれることがあると想像できますか?外国語を簡単に使うのはいい加減にしてください。文書での回答を待ちます!」
12月11日(月)
面白い展開がこの先始まることが安易に想像できよう。茨城県教育庁保健体育課から、朝一番で電話がはいる。「この質問状は、○○教育委員会や学研にも送るのでしょうか?」「三つの関係機関宛てに送っているのにトンチンカンな質問ですね。私信としながらも公開質問状とした日本語の意味はお分かりになりますか?」と答える。ナカザワ係長とやらに受話器が渡され、「私は英語を随分とやってきたが、LOVE SPORTSには誤りはない」と言い放ち、「教科書副読本の選定は各市町村が決定することで県は関係ない」と言い出した。「学研ではミスを認めているが」というと、「それならそうなのでしょう。FAXではなく郵送で改めて提出してください。上に回しますから」呆れるばかりの応対だ。電子メールが世の中を変えている時代に、郵便局までガソリン代をかけて行き80円切手を貼ってだせだと。既に県の担当窓口に3回も電話をかけようやく繋がって、FAXでも同じ内容の文書を送ったのだ。渋々、昼休み片道7KM離れた郵便局まで行く。
地元ではバブルの最後の遺物として悪名高い昨年新築された県庁舎に居る役に立たない役人たちが、まるで100年前に到着した文明開花の呪文を唱えるエイリアンに見えてくる。あるいは高層ビルが普通の感覚を持った人間を奢り高ぶる人格に変えてしまうのだろうかとまで、言いたくなる。よくそんなフラフラした「暖簾に腕おし」的な受け答えができるものだ。まあ、班のまとめ役に過ぎない係長さんクラスなんてそんな処だろう。公的機関の職員こそは、いつまでも誠実でいてほしい存在だ。
巷に氾濫する間違い表現を探したら一冊の本が書ける。例えば製麺業界のヒット商品の「カップヌードル」という商品名のネーミングの間違いは、英語圏の笑い話しとして有名だ。容器の中に一本の麺でお湯を入れたらどうなるというのだ。缶ビールのラベルにだって意味不明な英語モドキが印刷されている。そんな光景は我家を訪ねる外国の友が活き活きと教えてくれている。民間会社は「ああ、なんて教養のない会社なんだ」と笑われ続けると済むことなのだ。
しかし、学校で使う教科書はそうではない。教科書というものは、日本語で思考させ、日本語で表現することの大事さを教えるもの以外にないことを関係諸機関の方々に切にお願いしたい。
12月12日(火)
学研ならきっとホームページがあるだろうと「中学実技体育」をキーワードに入れて検索をかけるといとも簡単にURLを発見。こんなページを堂々と紹介していたとは、WEB管理は外部業者に発注ということが直ぐ分かる。管理できないものを公表するという神経が私には理解できない。珍事は珍妙な会社のシステムに潜んでいることがよく分かる。この愚行を止めるのは英字新聞か外国のTV局に情報提供したほうが早く解決できそうである。JAPAN TIMESのWEBを覗くと、
JAPAN IN TRANSITION/ The Japanese language goes international (変遷する日本、国際化する日本語)との見出し記事があるから、「国際化のためのインチキ英単語」を良しとした日本の教育が向かおうとしている方向とは180度異なる。こちらは時代認識ができている。3本のFAXで何がどう変わるのか、期待できないがあと数日待ってみることにする。
http://www.gakken.co.jp/kyokatosho/pages/ht/jitugi/index.html
12月13日(水)
朝一番、県教育委員会からの電話が入る。郵便が届いたという必要のない報告と質問状に対する回答の作文の仕方を尋ねてきたから、クラクラと目眩がしてくる。あああ、日本の教育関係と役人はご臨終状態ですな。いつの時代も共同責任は無責任なのだ。自分の脳味噌を使って個人の責任で誠意を篭めた文章を数行書いてみろ!
ついに!読売新聞夕刊<全国版>にコラムで紹介された。学研教科図書事業部のコメントとして「専門家に相談したところ、英語圏では100%ではないが、一部で性行為の意味に使われていることがわかった。来年度から訂正する」とあった。このコメントは完全にアウトである。学研のお抱え専門家なんて人種は何も分かっていない。外国を対象とした英語で食えないから「専門家」などと自称し日本人を騙す連中だ。海外の友人たちに記事をスキャンしてメールで送信する。数時間のうちに電子メールでの返答が相次ぐ。専門家を名乗る奴のコメントがいかにインチキなものかの証明はいとも簡単だ。
12月14日(木)
朝5時半、冷えた空気のなかブルブルッブル〜と新聞配達の控えめなバイクの音がする。読売朝刊茨城版でも紹介された。そうか一冊760円X70万部で学研の5億3千2百万の売上ということか。「全面回収」「主要新聞でのお詫び謹告」「使用市町村校への説明文送付」ぐらい直ちに対応していいハズだ。リコールだ。リコールだ。自動車会社ならすぐ対応するハズだ。全米のエリートが集まる米国海軍仕官大学に勤務する友人教授のコメントもとろうか。そんな必要がないのは明白だ。
- 12月15日(金)
- 「FAXでは受け付けられません。郵送せよ」と要求した役人は郵便制度創設の前島密の亡霊か?時代錯誤もはなはだしい。その癖高度ネット社会の構築などというもんだから県民から誤解されて嫌われ疑われる。
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- 茨城県教育委員会教育長のあいさつ文から抜粋すると、『そこで,本県教育委員会では,学校における教育活動にインターネットを積極的に取り入れるのはもちろんのこと,県民の皆様等に本県の教育に対する理解を深めていただくための手段として,教育文化情報ネットワーク(エデュネットいばらき)を運営しております。』
- http://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/mess/me00-4.htm
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意味不明の「エデュネットいばらき」とは漫才にもならん。電脳時代のナマの市民感覚の違いが明らかに出てきます。続々と国内外から感想が寄せられてきたからです。
午後、ある食品会社の年配の社長が新聞を片手に訪ねてきた。何が書いてあるのか分からないので説明してほしいという。この社長はエライ。知らないことを知らないとはっきり言えるのと、年下の私に向かって「教えてくれ」と正直にいえる人間だからだ。凡人になかなかできることではない。流石、創業者は間抜けな役人とは違う!
現状のいい加減さを正しい方向に復旧していくのは、返信をくれた知人や新しい友人たちなのかも知れないと思えてきた。現代はネットという通信網の町内会があるのだから、地理的に距離・空間は離れても変革できる可能性が見えてくる。我々は日本人として胸を張って、そして謙虚に、この場所を有機的に機能しあう社会に移行して行こう。全てはそこから始まると信じている。 |