"DANCING ON THE WATER"
Wea Japan WPCR-19859
Release date
January/13/2001(Japan)
February/13/2001(U.S.)

<track list>

1) ALONE TOGETHER (w/Joe Sample)
2) THE GREEN HOUR (solo piano)
3) BOOGIE's BOOGIE (solo piano)
4) ALTAIR & VEGA (w/Keiko Matsui)
5) HUM DRUM RealPlayer couetesy of Warner Brothers
6) LAST NIGHT WHEN WE WERE YOUNG (w/Dave Holland)
7) DANCING ON THE WATER (w/Chuck Loeb)
8) MODESTY (solo piano)
9) TAPAWINGO (w/Joe Sample)
10) AUTUMN NOCTURNE (w/Dave Holland)
11) DUO OTO SUBITO (w/Keiko Matsui)

99年1月、Sear Sound (NYC)で録音されたある作品が2001年初頭リリースされる。それがRestless (休みなし)を自称する大御所ボブ・ジェームスのソロアルバムDancing On The Waterだ。発売元のワーナー・ブラザーズとの折り合いの都合で2年間も倉庫で眠り続けた作品がようやく陽の目を見る。

ジョー・サンプル(pf)、松居慶子(pf)、チャック・ローブ(g)、デイヴ・ホーランド(b)をゲストに迎えたキャスティングから、アレンジャーとして音楽家のキャリアをスタートしたジェームスの意欲作であることが充分伝わってくる。低次元のプライドを捨て、ゲストの独創性を懐を広げ迎え入れ、熱いかけあいと融合を見事に演じている。Playin' Hookey/ Joy Rideに見られた近年のソフト路線は影にひそみ、ややアグレッシヴさを取り戻し、それが活き活きした色調に仕上がったようだ。

今年夏にお会いした時、楽しかったレコーディング模様を熱く語ってくれた彼のこの作品への思い入れが鮮明に浮かんでくる。『KEIKOはグレイトな女性さ。我々二人は、背景も年令も生まれた地域が違うピアニストだがレコーディングで共演できた体験をとても光栄に思っているんだ』と包み隠さず明かしてくれるほど同業ながらピアニストとしての思い入れ、発見があったのだという。謙虚な紳士である。

親子ほど年の離れた二人のピアニストがジェームス本人の希望により、一台のピアノで二人のピアニストが演奏するという「連弾世界ツアー」を日本から開始することも簡単に理解できよう。『できるだけシンプルな形態で、会場のPAなどを出来るだけ排してスリリングで創造的な連弾の可能性を試してみたいね。まず、小さな会場から始めて必要なら規模・内容を序々に広げていく。一つの家で一体となって楽しむのが原点だからそんな会場が見つかれば色んなところにツアーしてみたいんだよ。』と眼鏡の奥に育ちのよさそうな「まだ青年の瞳」を輝かせてみせた。

アレンジャー、コンポーザー、プロデューサーと重なり合うレイヤー領域をうまくバランスさせることができている。自身が周りからの制約を受けないで楽しんでいる心境が発露された作品だという感じを強く受けた。

Duet with Joe Sample
大ベテランのジョー・サンプルとのデュエットALONE TOGETHERでは男性的な力強いかけあいをがっぷり四つに組んで演じている。TAPAWINGOは圧巻。
4 hand piano with Keiko Matsui
このアルバムでジェームスは松居との連弾の為に書き込んだ張りつめた緊張、緩急(ゆるやかさ・スピード感)を詩的なキャンバスに封じこめることに成功している。誇張抜きにAltair & Vega(織姫と彦星)は出来がいい。初共演に用意されたした曲を完璧にこなしたKEIKOに感動したジェームスは一晩でもう一曲書き上げたという。それが、本人の解説によると英・日・伊の造語で、二人が出会い音が突然に広がったというDuo Oto Subitoだ。のっけから電光石火の早弾きのユニゾンが繰り返され、フルムーン&シュラインの冒頭のリフが瞬時に水を打った石庭のような美しい光景の世界に誘うから、大御所をも唸らせたKEIKOが放射するインプロヴィゼーションにはただならぬ霊的ヴァイブが力強く漂い凄みがある。
Duet with Dave Holland
ニューヨークのクラブシーンに欠かせない「アコースティックベースの雄、デイヴ・ホーランドの暖かいサウンドが欲しかった」という4ビート作品LAST NIGHT WHEN WE WERE YOUNG ではホーランドの歌声や息遣いまでが収録されている。AUTUMN NOCTURNE は小作品ながら楽しめる。
Duet with Chuck Loeb
タイトル曲、DANCING ON THE WATERではチャック・ローブとの清涼感のあるユニゾンを多用したインタープレイが楽しめる。
Dec. 15 2000 (C) Jun Sato
Links;
ボブ・ジェームス インタビュー

Bob James
Keiko Matsui
Joe Sample <N/A>
Chuck Loeb

Dave Holland
Four Hand Piano World Tour 2001 page
Recording Photo page @ Bob James Site

Keiko Matsui Music Fan Site, Japan