日立の穴 第9号

−ガラス張りのコーヒーショップ?−

ガラス張りのちょっといい感じの場所があるといいます。小木津駅近辺の線路に
ほど近い閑静な住宅地の中。聞けばコーヒーだけ飲むことができるらしい???
おまけにその広い窓辺には数々の焼物がズラッと並んでいるとも言うその場所。
『ドミニカン』という語感。トミニカニカニカ天使のように、行ってきます。 

電話で聞いた通りに6号を曲がって、思わず簡単に着きました。なるほどねえ、ちょっと興味をそそる外観です。ここは『土みに館』「ドミニカン」ではありませんでした。ではではお邪魔してお話しを聞きましょう。
『土みに館』にいつもいるのは、眼鏡をかけた理知的なお母様とスラっとした娘さん親子です。ここは3つの役割を持ったお店みたいです。コーヒーはもちろん飲むことができますが、それは世を忍ぶ姿・・・いえ、補足のような機能であって、本来は奥様とご主人が作った手造りの陶器を売るお店なんだそうです。横には
陶芸教室の部屋がありました。「ここで陶芸も教えるんですね」と当り前のことを聞きました。
「うちの生徒さんは来る時間もランダムなんです。10時半くらいから夕方6時くらいまでの間に適当にいらっしゃいますよ。」まあ、それでも前日までに電話連絡くらいは入れておられるようです。「はじめは主人が陶芸をしていて、それから私が始めました。今は主人は他の会社で私がほとんど趣味でこの『土みに館』をしています。」娘さんはお手伝いで来ています。お店の作品はご主人と奥様のものです。もちろん人に教えることのできる腕前で、品物としての注文(記念品、贈答品、引出物など)も受けています。
「作った作品は、家に持って帰って自分で使ってみるんです。そうするとどこが使い辛いのかが良く分かります。」普段に気持ちよく使うことのできる陶器を作ることを目指しているから、持ってみて驚く軽さです。
お師匠様は『唯方窯(ゆいほうがま)』の山崎淳司さんという陶芸家。水戸出身でいらっしゃいますが、現在は馬頭町に窯を持っているそうです。奥様は山崎さんの作品が好きで好きで馬頭町まで通っているうちに教えてもらうようになったといいます。
山崎さんの作品は近くの野菜直売所ではねものの野菜(ちょっと形が変で出荷しない)と一緒に置いてあったりします。分かる人に分かることだけ分かってもらえればいい、そんな自然なやり方が、『土みに館』にも受け継がれているようです。
「好きな形が頭に浮かんで作っているときが1番楽しいです。反対に沢山の同じ作品を必要とされているときは、緊張して神経を張り詰めているので辛いです。そんな時は生徒さんがいない時間にします。」なんか伝わってきますね。
では、陶芸教室のことを聞いてみましょう。「生徒さんは女性の方が割あいてきにちょっと多いですね。若い方多いです。男性は最初から大きな作品を作りますねえ。うちではあまり段階とか気にしていませんから。女性は身の回りの小物から手をつけますね。」
「これ、電動ろくろなんですが・・・難しいですよね。ちょっと触ったことありますが。」「ええ、難しいですよ。まあ、ちゃんと作品になるには長い年月がかかりますが、趣味で好きなように作るならすぐにできます。趣味でするのが1番たのしいでしょうね。」窯が2つあるので、教室で焼いてもらいます。
そうでしょうねえ。何でも「形」にはすぐなるけれど、「ちゃんとした形」にはなかなかなってくれないものです。
では、ここで『土みに館』のアイドルであるルルちゃん を紹介しましょう。ルルちゃんは約1年前にここにやってきました。陶芸教室の生徒さんのお姉さんがトリマーで、良い子のルルちゃんを譲ってもらったのです。実は、三つ編みなんてしてカワイクしていますが、男の子です。
『土みに館』を訪れるとルルちゃんが尻尾を振ってお出迎えしてくれます。

手にも目にもあたたかな普段使いの陶器が手に入る、日立も捨てたもんでもない!         

319-14 日立市日高町 1-16-21 土みに館
月曜休      
tel & fax : 0294-42-0080


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